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12話
しおりを挟む「認めん! 認めんぞ!」
リチャードは空に向かって叫ぶ。
こんな事をしても意味はないのだが、リチャードはミアのことについての怒りを抑えきれなかった。
「ミアが優秀? あり得ない! きっと何かタネがあるんだ!」
そんな意味のない妄想をして自分の心を慰めた。
「しかしこれからどうすれば……」
もう打つ手がなかった。
最後のあがきで自分たちで資金を運用していったとしても、専門家ではないからすぐにドジを踏むだろう。
確定的に、スコット家はこのまま滅んでいく。
だが貴族としての生活に慣れた自分たちが平民に落ちた時のことなど考えられない。
本当はここでリチャードは今までのことを誠心誠意ミアに謝るべきだった。
そうすれば家族の情としてミアも依頼を請け負ってくれただろう。
しかしそれはリチャードのプライドが許さなかった。
「あり得ない……あり得ない……」
リチャードはそうぶつぶつと呟きながらスコット家の屋敷までの道程を歩く。
それが破滅までの道程だとは決して認めないままに。
そして一年後。
スコット家は完全に没落した。
豪遊を止めれなかったので資金も底をつき、スコット家は完全に平民程度の財産しか残らなかった。
それを見た他家の貴族はそこに群がり、スコット家は解体され、貴族の身分も剥奪となった。
家族全員どぶさらいや娼婦などの仕事にしか就くことが出来ず、貧しい生活を送った。
リチャードたちは平民として生きることを強制され、自分たちの不幸を嘆いた。
しかしそれが自分たちの行いが招いたことだとは一切考えなかった。
一方ミアはコンサルタント業で更に成功し、事務所をどんどんと拡大させ、貴族家と同じくらいの財産を築き上げた。
そして丁度その時に以前婚約していたノエル・フォックスと再会し、もう一度婚約することになった。
その後ノエルと結婚すると、子供を産み幸せな家庭を築いた。
──
これで完結となります。
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