虚言癖のある妹に婚約者を取られたけど一向に構いません。

水垣するめ

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13話

「ぐっ……!」

 お父様とお母様は歯を噛みしめる。
 この期に及んで逆恨みなんて、本当に性根がねじ曲がっているのだろうか。

「もう十分だろう」

 国王が発言した。

「エミリー・プライスの言い分は全て嘘であり、それを信じたレオとチャールズたちは、理不尽にルナのことを虐げていた」

「父上!」

「なんだ、何かあるのか? ルナが用意したものを覆すだけの何かが」

「……」

 レオが黙った。
 何も用意などしていなかったのだろう。

「それでは、これより処分を言い渡そう。まず、エミリー・プライスについてだが」

「わ、私は悪くないわ! レオ様がやれって言ったの!」

 国王の発言を遮るように、突然エミリーが叫び始めた。

「私じゃない! 私は嘘なんかついてない!」

「……だれかそやつを黙らせておけ」

 国王の命令によって、リアムが猿轡のような物を噛ませて黙らせた。
 国王が仕切り直して、もう一度発言する。

「では、──エミリー・プライスを修道院へと送ることとする。期間は生涯にわたってだ」

 その処罰に集会場がざわついた。
 そうなるのも当たり前だ。王族を欺いていたにしては処罰が軽すぎる。普通は死刑を免れないだろう。
 修道院ならば自由もなく、贅沢も出来ない。一種の幽閉と言えるだろうが、それでも軽い。

 国王の処罰にレオは目を見開き、お父様とお母様は明るい表情になっていた。
 これなら、自分たちの処罰も軽くなるだろうと思ったのだろう。

「国王様、発言よろしいでしょうか」

 私はそれに対して疑問を差し挟んだ。

「なぜそれほど軽い罰なのでしょうか」

「うむ、まずエミリー・プライスはまだ十六歳だ。虚言癖は根深いが、治すことも可能であろう。しかし、この問題で最も罪深いのは──チャールズ、貴様だ」

「え?」

「両親である貴様がエミリーの虚言癖に気づけず、こうなるまで育て、ルナの心にも大きな傷を負わせた。加えて養育放棄まで。名誉ある貴族として、何より親としてあるまじきことだ」

「そ、そんな私達はエミリーの嘘に騙されていただけで……!」

「そうです! エミリーの本性に気づけなかっただけで……!」

「そこなのだよ。エミリーをそう育てたのは貴様達なのに、今も全てをエミリーに押し付けようとしているな。それが最も罪深い」

 国王は高らかに宣言する。

「チャールズ・プライス、及びその妻から貴族の身分を剥奪した後国外追放。そしてルナ・プライスを新しく当主とする!」

「そ、そんな……!」

「あああ……!」

 お父様とお母様、……いやチャールズ達は絶望の表情で膝をついた。

「そしてレオ」

「……はい」

 レオは力無く俯いていた。

「貴様からは王族としての身分を剥奪する。平民として生きよ」

「……はい、分かりました」

「では、これで全てを終わることとする」

 そしてこの事件の全てが終わった。
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