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誕生日おめでとう
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それから2日後。一晴の家の捜索が始まった。家にはやはり誰もいなく、賞味期限切れの食料も置いてあったため、数日間、誰もいなかったことが分かった。そして、カレンダーには春休みの間、実家に帰省すると書いてあった。それを見た警察がすぐに確認を取ったところ、
『あの子達なら4月の初め頃に元気に帰っていったわよ』
と、行方不明を知らないようだった。
だが、これでいついなくなったかはハッキリした。実家は家からそう遠くないようで、車で1時間30分もあれば着く所だそうだ。
とりあえず、家を捜索して分かったことはこれだけだったらしい。警察はこれを機に本格的に一晴達の捜索を始めるらしく、実家から家までのルートをかなりの人数で探すことになった。家を捜索してからすぐにニュースなどにも取り上げられ、一晴達の捜索は次第に人数と規模がでかくなっていった。
学校もその話題で持ちきりで、行方を心配する声が多く聞こえた。
これで見つかればいいのだが……
「なぁ、気づいたら次の田辺の誕生日まで2日しかない訳なんだが」
「あ。確かに。そろそろ準備しないとやばいな」
別にやばくはないと思うんだが…
まぁ、確かに、一晴の一件とは別に、それを解決しなくちゃいけないってのもあるんだよな。
「ちなみに、どういう計画でいくつもりなんだ?」
勝斗が勢いよく立ち上がる。
「あぁ、よく聞いてくれた!まず、直哉が委員長の仕事で生徒会から頼まれ事をしたと言って学校に残る。もちろん、頼まれごとなんてのは嘘だから教室で俺達と喋ってればいい。大体、7時頃に教室の鍵を返して、資料を作ったから置く場所が欲しいと言って倉庫の鍵を借りる。ほどよく時間を潰して、今度はそれを返してきて、後は倉庫で待っていればいい。2時間交代で外を見てれば、犯人も見つけられるだろう!どうだ、この俺の完璧な計画は!」
「え、待って。それって直哉の負担がでかくないか?」
「まー、委員長だし別にいいだろ。な、直哉」
「どうせなら伊鶴も一緒に鍵を借りに行くか?手伝ってもらってたと言えばなんの問題もないだろ」
「直哉の負担が減るならそうするよ」
「ということで勝斗だけなにもしないな。お前は俺達が飽きないように話のネタでも考えてこいよ」
「ええー!?なんでだよ!?夜までいるのに話のネタなんてそんな思いつかねーよ!」
「あはははははっ!」
二人して爆笑した。こんなに笑ったのはいつぶりだろうか。俺は元々あまり友達がいないし、兄弟もいないからこうして誰かと声を出して笑うことは多くない。それこそ一晴ぐらいしか。
こいつらとはなんだか仲良くなれそうだな。
冗談の混じる会話の中で、俺はそう思った。
2日後、いよいよ決行の日だ。俺達はいつもより早く家を出て、念入りに最終チェックをした。これで分かるはずだ。机にお菓子を置いた犯人が。どうして置いたのか、なんで誰にも気付かれずにやったのか。聞きたいことは色々あるが、とりあえず今は作戦がうまくいくことを願おう。
「それじゃ、7時くらいまでなに話すか」
「これはどうだ?あっち向いてホイで負けたやつから過去の恥ずかしい話暴露!」
「それ、俺と勝斗はお互い知ってるから意味ないだろ」
「あ、そっか」
二人は小学校から一緒なんだっけ…どうりで仲が良いんだな。
「じ、じゃあ、前から二人に聞きたかったことがあるんだけど、いいか?」
「お、なんだ?」
「二人はなんでそんな仲が良いんだ?性格も真反対だろうに」
「俺達もあんま分からねーが、会った時から妙に馬だけは合うんだよな」
「それくらい相性が良いんだな、きっと」
「そうなんだ、偶然にしてもすごいな…」
「だろっ」
親友とはこういうことを言うのか。にしても、すごいとしか言いようがないな。
「伊鶴はどうなんだ?仲が良い友達とかいないのか?」
「ちょ、勝斗!」
「うーん……俺、あまり人と喋らないからなー。昔から一晴とは仲が良いけど」
「んじゃ、お前は片瀬と仲が良いんだな!羨ましいぜー、何てったってあんな可愛い子が幼馴染なんだからなー!」
「確かにな。こんなむさ苦しいくらいアツい奴とは大違いだ」
「なんだってー!?」
「まぁ、まぁ、落ち着いて!」
こうやって冗談を言えるのも、こいつらが俺を受け入れてくれたお陰かもな。本当に感謝しなきゃだな。
「っと。もうこんな時間だ。教室の鍵、返しに行くから、勝斗は倉庫の前で待ってろ」
「はいはい、分かってるよ」
「んじゃ、行くか伊鶴」
「うん」
夕日が落ち、辺りが真っ暗な教室に鍵を閉める。勝斗は倉庫の前に腰を下ろした。
「失礼しまーす。教室の鍵を返しに来ましたー」
「あ、飛田くん、お疲れ様。あれ?葉月くんもいたの?」
「はい、直哉の手伝いをしてたんです。それで、資料を作ったので倉庫に置きたいんですが」
「あー、はいはい、倉庫の鍵ね、ちょっと待ってねー」
パタパタと倉橋先生は鍵を取りに行った。
「よし、順調だな」
小声で話していると、先生が戻って来た。
「はい、倉庫の鍵。もう辺りも暗いから気をつけて帰ってねー」
「はい、ありがとうございます」
この笑顔ももはや先生を騙すものでしかない。急いで倉庫の鍵を開けなければ。俺と直哉は急ぎ足で倉庫へと向かった。
「おー、ちゃんと持ってきたかー?」
「持ってきたよ」
明かりが点いていない廊下で、声だけが聞こえる。一応、懐中電灯を持ってきて良かった。
「お、いたいた」
懐中電灯で照らされた勝斗が、眩しそうに眉を細める。
「それ、LEDか?明るすぎるんだよ」
「ごめん、これしかなくて」
「まぁ、壊れてるよりはマシだな」
そう言い、倉庫のドアを開ける。中は、3人が入れるくらいのスペースに荷物が置いてあり、もう何年も使われてないであろう教科書やファイルが積み重なっていた。ほとんど使われていないのか、少し埃臭かった。
「うわ、ここで待つのか、最悪だな」
「お前が言ったんだろ。文句言うなよ」
「へいへい」
ドアから一番近いところに鞄を置き、一人しか座れないくらいの幅に、一列で座る。これは体を伸ばして寝れないな。次の日、首が痛くなってなければいいが……
「さ。待つぞ。俺はまた鍵を返しに行ってくるから、あんまり、騒ぐなよ」
「分かってるよ、いいからさっさと行って来い」
適当にあしらい、その場で携帯を取り出す。
「暗いから気をつけてな」
「おう」
静かにドアを閉める。辺りは真っ暗で、懐中電灯の明かりだけが二人を照らす。なにを話そう……勝斗は相変わらず携帯いじってるし…こういう時、なにか面白い話とか思いつけばいいんだけどなー…
「なぁ、伊鶴」
「な、なに?」
携帯をポケットに入れ、代わりになにかを取り出した。
「あのお菓子の袋の中にな、こんな紙が入ってたんだよ」
渡された紙を開いて見てみると、そこには大きく“ノ”と書いてあった。
「ノ?」
「たぶん、なんかの暗号かもな。もしかしたらまた入ってるかも知れない。だから、犯人を見つけたらこれが何だったのか聞いてみようぜ」
「そうだな」
紙を勝斗に渡し、また沈黙が流れる。何か話そう。そうしないとこの沈黙に耐えられる気がしない。何か…話題……
「…別に無理に話そうとしなくていいぜ。相手に気を使われるのは好きじゃないんだ」
「ご、ごめん…」
「いや、いいよ。むしろ、気を使ってくれてサンキューな」
普段はふざけてたりする勝斗にもこんか一面があるなんて…なんか、意外だな。
「…うーす。返してきたぞー」
「おう、ご苦労だったな」
「なんでお前は上から目線なんだよ」
直哉が戻ってきたことで、計画の半分は成功したと言っても過言ではない。後はどれだけ寝ずに待てるかだが……
「ん、もう8時だ。2時頃にみんなで交代して外を見るから、今の内寝たほうがいいかもな」
「俺、起きれっかなー」
「大丈夫だ。いざとなったら目覚ましをかける」
「え?それって音鳴るんじゃ…」
「いや、イヤホンをつければ鳴らないアプリがあるから平気だ」
「そうなんだ」
抜かりないな…たぶん一番気になってるのは勝斗じゃなくて直哉なんじゃないか?
「んじゃ、俺寝るわ」
「そうか、じゃあみんな各自アラームが鳴るようにしとけよ」
「はーい」
そうして一つしかない灯を見つめながら、俺は目を閉じた。
耳でいきなり音がした。鳴り止まない音と共に徐々に意識がはっきりする。
「そうだ…見張らないと…」
アラームを止め、時間を確認をする。
「4時半か……少し歩くか」
俺は二人を起こさないように倉庫の扉をそっと開けた。
「ん、首寝違えたか?しかしどこもかしこも痛いな…」
無理もない。ほとんど寝る場所もなく、三人で座って寝ていたのだから。
体をほぐし、暗い廊下を歩く。
鍵は全て掛かってるから入ることは出来ないが、それでも誰もいない学校は少し楽しかった。
ふと、携帯で時間を見る。もう5時か…そろそろちゃんと見張りをしないと。
俺は倉庫に戻るため来た道を引き返した。
「ん?」
戻ると、倉庫の前に人影があった。あいつらも体が痛くて起きたのか?とりあえず見張りをしないとな……
俺はそのまま人影に近づいた。人影も俺に気づいたのか、じっとこちらを見た。なんだ?この違和感は……まさか……
懐中電灯を人影に照らす。
そこには……半泣きで目を真っ赤にした女子生徒が立っていた。
『あの子達なら4月の初め頃に元気に帰っていったわよ』
と、行方不明を知らないようだった。
だが、これでいついなくなったかはハッキリした。実家は家からそう遠くないようで、車で1時間30分もあれば着く所だそうだ。
とりあえず、家を捜索して分かったことはこれだけだったらしい。警察はこれを機に本格的に一晴達の捜索を始めるらしく、実家から家までのルートをかなりの人数で探すことになった。家を捜索してからすぐにニュースなどにも取り上げられ、一晴達の捜索は次第に人数と規模がでかくなっていった。
学校もその話題で持ちきりで、行方を心配する声が多く聞こえた。
これで見つかればいいのだが……
「なぁ、気づいたら次の田辺の誕生日まで2日しかない訳なんだが」
「あ。確かに。そろそろ準備しないとやばいな」
別にやばくはないと思うんだが…
まぁ、確かに、一晴の一件とは別に、それを解決しなくちゃいけないってのもあるんだよな。
「ちなみに、どういう計画でいくつもりなんだ?」
勝斗が勢いよく立ち上がる。
「あぁ、よく聞いてくれた!まず、直哉が委員長の仕事で生徒会から頼まれ事をしたと言って学校に残る。もちろん、頼まれごとなんてのは嘘だから教室で俺達と喋ってればいい。大体、7時頃に教室の鍵を返して、資料を作ったから置く場所が欲しいと言って倉庫の鍵を借りる。ほどよく時間を潰して、今度はそれを返してきて、後は倉庫で待っていればいい。2時間交代で外を見てれば、犯人も見つけられるだろう!どうだ、この俺の完璧な計画は!」
「え、待って。それって直哉の負担がでかくないか?」
「まー、委員長だし別にいいだろ。な、直哉」
「どうせなら伊鶴も一緒に鍵を借りに行くか?手伝ってもらってたと言えばなんの問題もないだろ」
「直哉の負担が減るならそうするよ」
「ということで勝斗だけなにもしないな。お前は俺達が飽きないように話のネタでも考えてこいよ」
「ええー!?なんでだよ!?夜までいるのに話のネタなんてそんな思いつかねーよ!」
「あはははははっ!」
二人して爆笑した。こんなに笑ったのはいつぶりだろうか。俺は元々あまり友達がいないし、兄弟もいないからこうして誰かと声を出して笑うことは多くない。それこそ一晴ぐらいしか。
こいつらとはなんだか仲良くなれそうだな。
冗談の混じる会話の中で、俺はそう思った。
2日後、いよいよ決行の日だ。俺達はいつもより早く家を出て、念入りに最終チェックをした。これで分かるはずだ。机にお菓子を置いた犯人が。どうして置いたのか、なんで誰にも気付かれずにやったのか。聞きたいことは色々あるが、とりあえず今は作戦がうまくいくことを願おう。
「それじゃ、7時くらいまでなに話すか」
「これはどうだ?あっち向いてホイで負けたやつから過去の恥ずかしい話暴露!」
「それ、俺と勝斗はお互い知ってるから意味ないだろ」
「あ、そっか」
二人は小学校から一緒なんだっけ…どうりで仲が良いんだな。
「じ、じゃあ、前から二人に聞きたかったことがあるんだけど、いいか?」
「お、なんだ?」
「二人はなんでそんな仲が良いんだ?性格も真反対だろうに」
「俺達もあんま分からねーが、会った時から妙に馬だけは合うんだよな」
「それくらい相性が良いんだな、きっと」
「そうなんだ、偶然にしてもすごいな…」
「だろっ」
親友とはこういうことを言うのか。にしても、すごいとしか言いようがないな。
「伊鶴はどうなんだ?仲が良い友達とかいないのか?」
「ちょ、勝斗!」
「うーん……俺、あまり人と喋らないからなー。昔から一晴とは仲が良いけど」
「んじゃ、お前は片瀬と仲が良いんだな!羨ましいぜー、何てったってあんな可愛い子が幼馴染なんだからなー!」
「確かにな。こんなむさ苦しいくらいアツい奴とは大違いだ」
「なんだってー!?」
「まぁ、まぁ、落ち着いて!」
こうやって冗談を言えるのも、こいつらが俺を受け入れてくれたお陰かもな。本当に感謝しなきゃだな。
「っと。もうこんな時間だ。教室の鍵、返しに行くから、勝斗は倉庫の前で待ってろ」
「はいはい、分かってるよ」
「んじゃ、行くか伊鶴」
「うん」
夕日が落ち、辺りが真っ暗な教室に鍵を閉める。勝斗は倉庫の前に腰を下ろした。
「失礼しまーす。教室の鍵を返しに来ましたー」
「あ、飛田くん、お疲れ様。あれ?葉月くんもいたの?」
「はい、直哉の手伝いをしてたんです。それで、資料を作ったので倉庫に置きたいんですが」
「あー、はいはい、倉庫の鍵ね、ちょっと待ってねー」
パタパタと倉橋先生は鍵を取りに行った。
「よし、順調だな」
小声で話していると、先生が戻って来た。
「はい、倉庫の鍵。もう辺りも暗いから気をつけて帰ってねー」
「はい、ありがとうございます」
この笑顔ももはや先生を騙すものでしかない。急いで倉庫の鍵を開けなければ。俺と直哉は急ぎ足で倉庫へと向かった。
「おー、ちゃんと持ってきたかー?」
「持ってきたよ」
明かりが点いていない廊下で、声だけが聞こえる。一応、懐中電灯を持ってきて良かった。
「お、いたいた」
懐中電灯で照らされた勝斗が、眩しそうに眉を細める。
「それ、LEDか?明るすぎるんだよ」
「ごめん、これしかなくて」
「まぁ、壊れてるよりはマシだな」
そう言い、倉庫のドアを開ける。中は、3人が入れるくらいのスペースに荷物が置いてあり、もう何年も使われてないであろう教科書やファイルが積み重なっていた。ほとんど使われていないのか、少し埃臭かった。
「うわ、ここで待つのか、最悪だな」
「お前が言ったんだろ。文句言うなよ」
「へいへい」
ドアから一番近いところに鞄を置き、一人しか座れないくらいの幅に、一列で座る。これは体を伸ばして寝れないな。次の日、首が痛くなってなければいいが……
「さ。待つぞ。俺はまた鍵を返しに行ってくるから、あんまり、騒ぐなよ」
「分かってるよ、いいからさっさと行って来い」
適当にあしらい、その場で携帯を取り出す。
「暗いから気をつけてな」
「おう」
静かにドアを閉める。辺りは真っ暗で、懐中電灯の明かりだけが二人を照らす。なにを話そう……勝斗は相変わらず携帯いじってるし…こういう時、なにか面白い話とか思いつけばいいんだけどなー…
「なぁ、伊鶴」
「な、なに?」
携帯をポケットに入れ、代わりになにかを取り出した。
「あのお菓子の袋の中にな、こんな紙が入ってたんだよ」
渡された紙を開いて見てみると、そこには大きく“ノ”と書いてあった。
「ノ?」
「たぶん、なんかの暗号かもな。もしかしたらまた入ってるかも知れない。だから、犯人を見つけたらこれが何だったのか聞いてみようぜ」
「そうだな」
紙を勝斗に渡し、また沈黙が流れる。何か話そう。そうしないとこの沈黙に耐えられる気がしない。何か…話題……
「…別に無理に話そうとしなくていいぜ。相手に気を使われるのは好きじゃないんだ」
「ご、ごめん…」
「いや、いいよ。むしろ、気を使ってくれてサンキューな」
普段はふざけてたりする勝斗にもこんか一面があるなんて…なんか、意外だな。
「…うーす。返してきたぞー」
「おう、ご苦労だったな」
「なんでお前は上から目線なんだよ」
直哉が戻ってきたことで、計画の半分は成功したと言っても過言ではない。後はどれだけ寝ずに待てるかだが……
「ん、もう8時だ。2時頃にみんなで交代して外を見るから、今の内寝たほうがいいかもな」
「俺、起きれっかなー」
「大丈夫だ。いざとなったら目覚ましをかける」
「え?それって音鳴るんじゃ…」
「いや、イヤホンをつければ鳴らないアプリがあるから平気だ」
「そうなんだ」
抜かりないな…たぶん一番気になってるのは勝斗じゃなくて直哉なんじゃないか?
「んじゃ、俺寝るわ」
「そうか、じゃあみんな各自アラームが鳴るようにしとけよ」
「はーい」
そうして一つしかない灯を見つめながら、俺は目を閉じた。
耳でいきなり音がした。鳴り止まない音と共に徐々に意識がはっきりする。
「そうだ…見張らないと…」
アラームを止め、時間を確認をする。
「4時半か……少し歩くか」
俺は二人を起こさないように倉庫の扉をそっと開けた。
「ん、首寝違えたか?しかしどこもかしこも痛いな…」
無理もない。ほとんど寝る場所もなく、三人で座って寝ていたのだから。
体をほぐし、暗い廊下を歩く。
鍵は全て掛かってるから入ることは出来ないが、それでも誰もいない学校は少し楽しかった。
ふと、携帯で時間を見る。もう5時か…そろそろちゃんと見張りをしないと。
俺は倉庫に戻るため来た道を引き返した。
「ん?」
戻ると、倉庫の前に人影があった。あいつらも体が痛くて起きたのか?とりあえず見張りをしないとな……
俺はそのまま人影に近づいた。人影も俺に気づいたのか、じっとこちらを見た。なんだ?この違和感は……まさか……
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