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第三章 あばよ課金ゲー
第2話 楽しい時間とその終わり
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さっそく小梅が魔法を唱える。
「ディフレクター!」
オーロラのような光があたしたちを包み込む。直後にドラゴンがブレスを吐き出す、熱風があたしたちを襲う。
まともにくらえば体力の七割は削れる攻撃だ。しかし魔法が守ってくれているおかげで軽いダメージですむ。
やられてばかりじゃダメだ、反撃しないと。
「エルフィ、行こう!」
「おっけー」
それぞれの武器を手に駆け出す。まずはあたしからだ。大きくジャンプして……頭にぶちこむ!
「唐竹割り!」
よし、手ごたえあり! 即座に離脱して地面に降りる。続いてエルフィ!
「ディヴァイン・ブレード……」
剣が白い光に包まれて巨大化する。そのまま振り下ろしてドラゴンの胴体を斬り裂く。
「グォォォォ!」
効いてる効いてる! さすがは火力特化のエルフィ、今ので一割は削ったんじゃないかな。
「ジャン、ぼさっとすんな!」
「へいへい! 爆光波!」
両手から光弾が撃ち出されてドラゴンの両目に突き刺さる。
「グォーーッ!」
ドラゴンの頭上に盲目の状態異常を示すマークが出る。おーし、目つぶし成功だな。攻めるだけじゃなく状態異常も使ってこそ一流だ。
あたしは小梅を見る。どうやら魔法を使う態勢に入っているらしく、足元に小さな魔法陣が出現している。
彼女は杖を掲げて叫ぶ。
「レイジング・ブリザード!」
荒れ狂う吹雪がドラゴンを襲う。みるみる体力が減っていく、残りは約六割か。
ドラゴンの爪が光る。反撃に出るらしい。
「みんな気をつけて! 来る!」
グァァァァッ! 大地を揺らすうなり声、でも負けるもんか! 勝つ、小梅のために!
武器を構え直し、あたしは再び突進していく……。
やがて戦いは終わり、あたしたちは勝利を手にした。
地面にドロップ品がいくつか転がっているのが見える、あたしはその一つに近寄って調べてみる。
「うん……?」
ジャンが走り寄ってくる。
「どう、成果は?」
「結構いいんじゃない? これ、スター・ルビーのジェムだよ」
「へぇ……。性能は?」
「ちょっと待って……確認するから……」
体力増加二十パーセント、魔力増加二十パーセント。うっひゃあーすごい、でもまだまだある……。
「ダメージ五パーセント軽減。毒・マヒ・混乱の耐性三十パーセント増加。技の追加効果の発生率二十パーセント増加」
「はぇー、マジすげぇ! 三百万ゴールドはするんじゃね?」
「ひょっとしたら五百万かもよ」
いつの間にかあたしのそばに来ていたエルフィと小梅が会話に参加してくる。
エルフィがあたしに言う。
「おめでとー」
「うん、おめでとう!」
エルフィがジェムを拾い、小梅に渡す。
「小梅、これ……」
「うわぁ、きれい!」
おぉ、喜んでる喜んでる。よかったぁ。
しかし、このジェムどうすんの?
「小梅、これどうすんの?」
「アヤメにあげる」
「いいの?」
「だって、私は引退するわけだし。持ってても無意味でしょ」
「そりゃまぁそうだけど……」
ジャンが不満そうな視線をあたしに向けてくる。
「いいなーいいなー、リーダーいいなー。ねぇねぇ小梅ちゃん、俺にはなんかねぇの?」
「ドロップ品はまだあるからさ、とりあえず全部回収して、それからどうするか考えてこ」
「了解」
エルフィもこくこくとうなずく。うへへ、MMORPGで何が楽しいって、この戦利品を確認すんのがいいんだよね。レア物まだあるかなぁ?
……はぁ。こういう時間、もっともっと小梅と過ごしたかった。いや、引退するわけだし、そのへんのことは分かってるつもりだけどね。
やっぱ、さびしいな。
「ディフレクター!」
オーロラのような光があたしたちを包み込む。直後にドラゴンがブレスを吐き出す、熱風があたしたちを襲う。
まともにくらえば体力の七割は削れる攻撃だ。しかし魔法が守ってくれているおかげで軽いダメージですむ。
やられてばかりじゃダメだ、反撃しないと。
「エルフィ、行こう!」
「おっけー」
それぞれの武器を手に駆け出す。まずはあたしからだ。大きくジャンプして……頭にぶちこむ!
「唐竹割り!」
よし、手ごたえあり! 即座に離脱して地面に降りる。続いてエルフィ!
「ディヴァイン・ブレード……」
剣が白い光に包まれて巨大化する。そのまま振り下ろしてドラゴンの胴体を斬り裂く。
「グォォォォ!」
効いてる効いてる! さすがは火力特化のエルフィ、今ので一割は削ったんじゃないかな。
「ジャン、ぼさっとすんな!」
「へいへい! 爆光波!」
両手から光弾が撃ち出されてドラゴンの両目に突き刺さる。
「グォーーッ!」
ドラゴンの頭上に盲目の状態異常を示すマークが出る。おーし、目つぶし成功だな。攻めるだけじゃなく状態異常も使ってこそ一流だ。
あたしは小梅を見る。どうやら魔法を使う態勢に入っているらしく、足元に小さな魔法陣が出現している。
彼女は杖を掲げて叫ぶ。
「レイジング・ブリザード!」
荒れ狂う吹雪がドラゴンを襲う。みるみる体力が減っていく、残りは約六割か。
ドラゴンの爪が光る。反撃に出るらしい。
「みんな気をつけて! 来る!」
グァァァァッ! 大地を揺らすうなり声、でも負けるもんか! 勝つ、小梅のために!
武器を構え直し、あたしは再び突進していく……。
やがて戦いは終わり、あたしたちは勝利を手にした。
地面にドロップ品がいくつか転がっているのが見える、あたしはその一つに近寄って調べてみる。
「うん……?」
ジャンが走り寄ってくる。
「どう、成果は?」
「結構いいんじゃない? これ、スター・ルビーのジェムだよ」
「へぇ……。性能は?」
「ちょっと待って……確認するから……」
体力増加二十パーセント、魔力増加二十パーセント。うっひゃあーすごい、でもまだまだある……。
「ダメージ五パーセント軽減。毒・マヒ・混乱の耐性三十パーセント増加。技の追加効果の発生率二十パーセント増加」
「はぇー、マジすげぇ! 三百万ゴールドはするんじゃね?」
「ひょっとしたら五百万かもよ」
いつの間にかあたしのそばに来ていたエルフィと小梅が会話に参加してくる。
エルフィがあたしに言う。
「おめでとー」
「うん、おめでとう!」
エルフィがジェムを拾い、小梅に渡す。
「小梅、これ……」
「うわぁ、きれい!」
おぉ、喜んでる喜んでる。よかったぁ。
しかし、このジェムどうすんの?
「小梅、これどうすんの?」
「アヤメにあげる」
「いいの?」
「だって、私は引退するわけだし。持ってても無意味でしょ」
「そりゃまぁそうだけど……」
ジャンが不満そうな視線をあたしに向けてくる。
「いいなーいいなー、リーダーいいなー。ねぇねぇ小梅ちゃん、俺にはなんかねぇの?」
「ドロップ品はまだあるからさ、とりあえず全部回収して、それからどうするか考えてこ」
「了解」
エルフィもこくこくとうなずく。うへへ、MMORPGで何が楽しいって、この戦利品を確認すんのがいいんだよね。レア物まだあるかなぁ?
……はぁ。こういう時間、もっともっと小梅と過ごしたかった。いや、引退するわけだし、そのへんのことは分かってるつもりだけどね。
やっぱ、さびしいな。
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