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第1部 すべては経験
第8話-6 限界を超えて/Blaze Arrow
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クロス・ボウを構え直し、リッチーは言う。
「俺は嫌だぜ、降参するなんてよ……」
キャンディス、レーヴがそれに続く。
「せっかくここまで来たんです。今さら手ぶらで帰るなんてあり得ません」
「やっと手に入れたお宝、必ず持ち帰るもんね!」
ギンはカールに声をかける。
「カールさんはどうするんですか?」
「ここまで来てノー(No)なんて言えると思うのかい? 戦うに決まってるさ!」
ギンたちの様子を見て、ローブの男が喋る。
「少し強いぐらいで調子に乗りやがってよ……。いいぜ、てめぇらの命も金も、ぜんぶ俺たちが頂く!」
男の手の上で輝いている光球が強く輝く。戦闘直前の緊張感がその場を支配する、全員が武器を構え直し、神経を張り詰める……。ローブの男が叫ぶ。
「くたばれぇっ!」
彼は光球を放つ、それはギンたちがいる場所の中央付近へ向かって飛ぶ。すかさずカールが魔法を使う、魔法力で作られた透明な壁がドーム状に広がってギンたちを覆う。続いて光球の着弾、大きな爆発音がダンジョン内にとどろく。
「Bam!」
白い煙がその場で広がる。カールは魔法を解除しながら言う。
「もうバリア(barrier, 障壁)の魔法は使えない、そう思ってくれ!」
ギンが「先手必勝!」と叫んで走り出す。続いてカールも走り出し、それに遅れまいとして、ローブの男の前にいる男たちも走り出す。両者の激突、剣と剣がぶつかり合って金属音を響かせ、火花を散らす。その後方にいるローブの男は、また魔法を使おうと試みる。彼の右手に魔法力が集中し、光球を作り出していく。彼は叫ぶ。
「このファイアーボール(fireball, 火の球)で終わりだ!」
ファイアーボールが放たれ、ギンたちの後ろにいるリッチーたちを襲う。キャンディスは即座に行動、カールが行ったようにバリアの魔法を展開し、ファイアーボールを無力化する。「Baaam!」、先ほどよりも派手な爆発音が発生する。
クロス・ボウを構えながらリッチーが言う。
「どれだけ持ちこたえられる!?」
「あと1発が限界です!」
「なら、心臓をぶち抜いて一撃必殺……!」
矢が放たれる。それは真っすぐに飛んで、ローブの男へ到達しようとする。だが到達直前、矢は思いっきり右に逸れ、誰もいない空間へ飛び去る。リッチーは驚く。
「なんだ、今のは!?」
キャンディスが説明する。
「あれはミサイル・ジャミング(missile jamming, 飛び道具への妨害)の魔法。きっと事前に使っておいたんでしょう。あれがある限り、矢は当たらない……!」
ローブの男はニヤリと笑う。「矢さえ防いじまえばこっちのもんだ、後はファイアーボールで焼き尽くす!」。男の手に魔法力が集中し、光球が形成されていく。
リッチーは焦りながらレーヴに言う。
「おい、なんかねぇのか!?」
「なんかって、たとえば!」
ファイアーボールが発射される、キャンディスのバリアー、「Baaaaaaaam!」。彼女の悲鳴、「もう限界です!」。「おい、レーヴ!」「こうなったら……!」。
レーヴは右手を高く掲げ、その手にありったけの魔法力を集中させる。ファイア・アローに似たオレンジ色の魔法の矢が出現し、急速に大きくなり、黒の稲妻をまとい始める。
「キャンディス、もう少しだけ頑張って!」
「でも!」
「あの日、二人で約束したでしょ……! あたしたち、ワールド・クラスの魔法使いになるって! だから、こんなとこで負けるなんてッ!」
ローブの男はうろたえる。「まだあんな魔法が使えるのか!」。彼は三度目のファイアーボールを撃つ態勢に入り、手に魔法力をため始める。リッチーが叫ぶ。
「やべぇ、来るぞ!」
ファイアーボールが放たれる。空中を疾走し、熱をまき散らしながらキャンディスたちの元へ。瞬間、キャンディスの心に映る文字……「DEATH(死)」。
「私のすべてを……!」
彼女は全力を振り絞ってバリアを展開する。魔法障壁が広がり、ファイアーボールを無力化する。「Baaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaam!」。直後、彼女は全ての魔法力を使い果たし、気絶して地面に崩れ落ちる。
リッチーは冷や汗まみれになりながらレーヴへ怒鳴る。
「おい、まだなのか!」
「大丈夫、これで……!」
今、宙に浮かぶ魔法の矢は、全長3メートルを超える大きさになっている。その全体は黒の稲妻で化粧され、「バチバチ!」という激しい音がその凶悪さを増幅させている。レーヴは最後の力を振り絞り、それを放つ。
「ブレイズ・アロー(blaze arrow, 猛火の矢)! 燃え尽きろーッ!」
ローブの男を目指し、ブレイズ・アローは一直線に突進する。男は慌ててバリアを展開する、魔法の障壁が広がる。
「こんなもの!」
ブレイズ・アローが直撃する。障壁に突き刺さり、それを粉々に破壊しようと猛り狂う。男は必死に無力化を試み続ける。
「このっ……このォッ!」
ついに障壁が破壊される。ブレイズ・アローは男の体を貫く、そしてその猛火で男を包み込む。男は声を上げようとする、だが、破壊されてゆく体はもはや彼の言うことを聞かない。炎のうなり声、「ゴォォォォォォォォォ……」。
やがて男の体は燃え尽きて、その魂はこの世を去った。
「俺は嫌だぜ、降参するなんてよ……」
キャンディス、レーヴがそれに続く。
「せっかくここまで来たんです。今さら手ぶらで帰るなんてあり得ません」
「やっと手に入れたお宝、必ず持ち帰るもんね!」
ギンはカールに声をかける。
「カールさんはどうするんですか?」
「ここまで来てノー(No)なんて言えると思うのかい? 戦うに決まってるさ!」
ギンたちの様子を見て、ローブの男が喋る。
「少し強いぐらいで調子に乗りやがってよ……。いいぜ、てめぇらの命も金も、ぜんぶ俺たちが頂く!」
男の手の上で輝いている光球が強く輝く。戦闘直前の緊張感がその場を支配する、全員が武器を構え直し、神経を張り詰める……。ローブの男が叫ぶ。
「くたばれぇっ!」
彼は光球を放つ、それはギンたちがいる場所の中央付近へ向かって飛ぶ。すかさずカールが魔法を使う、魔法力で作られた透明な壁がドーム状に広がってギンたちを覆う。続いて光球の着弾、大きな爆発音がダンジョン内にとどろく。
「Bam!」
白い煙がその場で広がる。カールは魔法を解除しながら言う。
「もうバリア(barrier, 障壁)の魔法は使えない、そう思ってくれ!」
ギンが「先手必勝!」と叫んで走り出す。続いてカールも走り出し、それに遅れまいとして、ローブの男の前にいる男たちも走り出す。両者の激突、剣と剣がぶつかり合って金属音を響かせ、火花を散らす。その後方にいるローブの男は、また魔法を使おうと試みる。彼の右手に魔法力が集中し、光球を作り出していく。彼は叫ぶ。
「このファイアーボール(fireball, 火の球)で終わりだ!」
ファイアーボールが放たれ、ギンたちの後ろにいるリッチーたちを襲う。キャンディスは即座に行動、カールが行ったようにバリアの魔法を展開し、ファイアーボールを無力化する。「Baaam!」、先ほどよりも派手な爆発音が発生する。
クロス・ボウを構えながらリッチーが言う。
「どれだけ持ちこたえられる!?」
「あと1発が限界です!」
「なら、心臓をぶち抜いて一撃必殺……!」
矢が放たれる。それは真っすぐに飛んで、ローブの男へ到達しようとする。だが到達直前、矢は思いっきり右に逸れ、誰もいない空間へ飛び去る。リッチーは驚く。
「なんだ、今のは!?」
キャンディスが説明する。
「あれはミサイル・ジャミング(missile jamming, 飛び道具への妨害)の魔法。きっと事前に使っておいたんでしょう。あれがある限り、矢は当たらない……!」
ローブの男はニヤリと笑う。「矢さえ防いじまえばこっちのもんだ、後はファイアーボールで焼き尽くす!」。男の手に魔法力が集中し、光球が形成されていく。
リッチーは焦りながらレーヴに言う。
「おい、なんかねぇのか!?」
「なんかって、たとえば!」
ファイアーボールが発射される、キャンディスのバリアー、「Baaaaaaaam!」。彼女の悲鳴、「もう限界です!」。「おい、レーヴ!」「こうなったら……!」。
レーヴは右手を高く掲げ、その手にありったけの魔法力を集中させる。ファイア・アローに似たオレンジ色の魔法の矢が出現し、急速に大きくなり、黒の稲妻をまとい始める。
「キャンディス、もう少しだけ頑張って!」
「でも!」
「あの日、二人で約束したでしょ……! あたしたち、ワールド・クラスの魔法使いになるって! だから、こんなとこで負けるなんてッ!」
ローブの男はうろたえる。「まだあんな魔法が使えるのか!」。彼は三度目のファイアーボールを撃つ態勢に入り、手に魔法力をため始める。リッチーが叫ぶ。
「やべぇ、来るぞ!」
ファイアーボールが放たれる。空中を疾走し、熱をまき散らしながらキャンディスたちの元へ。瞬間、キャンディスの心に映る文字……「DEATH(死)」。
「私のすべてを……!」
彼女は全力を振り絞ってバリアを展開する。魔法障壁が広がり、ファイアーボールを無力化する。「Baaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaam!」。直後、彼女は全ての魔法力を使い果たし、気絶して地面に崩れ落ちる。
リッチーは冷や汗まみれになりながらレーヴへ怒鳴る。
「おい、まだなのか!」
「大丈夫、これで……!」
今、宙に浮かぶ魔法の矢は、全長3メートルを超える大きさになっている。その全体は黒の稲妻で化粧され、「バチバチ!」という激しい音がその凶悪さを増幅させている。レーヴは最後の力を振り絞り、それを放つ。
「ブレイズ・アロー(blaze arrow, 猛火の矢)! 燃え尽きろーッ!」
ローブの男を目指し、ブレイズ・アローは一直線に突進する。男は慌ててバリアを展開する、魔法の障壁が広がる。
「こんなもの!」
ブレイズ・アローが直撃する。障壁に突き刺さり、それを粉々に破壊しようと猛り狂う。男は必死に無力化を試み続ける。
「このっ……このォッ!」
ついに障壁が破壊される。ブレイズ・アローは男の体を貫く、そしてその猛火で男を包み込む。男は声を上げようとする、だが、破壊されてゆく体はもはや彼の言うことを聞かない。炎のうなり声、「ゴォォォォォォォォォ……」。
やがて男の体は燃え尽きて、その魂はこの世を去った。
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