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第1部 すべては経験
第9話 祝勝/Lessons
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その冒険から数日後、セラの街、夜。戦いの傷を病院で癒したギンたちは、戦勝を祝うべく、馴染みの酒場に集まっていた。彼らの前にある大きなテーブルの上には、大きなステーキや上質なサラダといったご馳走が並び、バスケットの中には白いパンがたくさん入っている。
もぐもぐとステーキを食べながらギンが喋る。
「いやー、久しぶりだな、こんなに腹いっぱい食うのは!」
せっせと白いパンを食べているレーヴが相槌を打つ。
「うんうん、ほんとホント!はぁ~、やっぱ白いパン美味しい……。美味しい……」
カールが笑いながら言う。
「おいおい、がっつき過ぎだろう」
「でもでも、美味しいんだもん」
「うん、確かに美味しいな、これは。料理人の腕がいいんだろう、こんなに美味しいのは私も久しぶりだ」
「カールさん、もっと食べなよー」
「はは、私はそろそろお腹いっぱいだよ」
和やかな場の雰囲気。だがこの中にあって、リッチーはどこか浮かない顔をしている。彼の横にいるキャンディスが声をかける。
「リッチーさん、どこか具合でも悪いんですか?」
「いや、そういうわけじゃねーけど……」
「せっかくの機会ですし、遠慮せず食べたほうがいいですよ」
「あ、あぁ。そうだな……」
彼は自分の皿に入っている肉の切れはしを食べようとする。フォークを刺して口へ運び、味を楽しもうとする。
「……うまい」
「そうですよね、だって、ここはいつ来ても美味しいですもの」
キャンディスはニコニコしている。リッチーはブルーな顔をしている。彼はつぶやくように喋る。
「なぁ、ダンジョンの中って、やっぱ無法地帯なのかな?」
「……えっ?」
「いや、その、なんて言うか……。今回、ダンジョン・マンに襲われたけどさ。あぁいう連中が普通にいて、犯罪じみたことやって、でも逮捕されたりしない。なんかそれ、異常っていうか、でも、そう感じてるうちはまだ青二才ってことなのか。いろいろ分かんなくなっちまって」
「うーん、なんだか難しいですね……」
リッチーの話を聞いていたカールが会話に入ってくる。
「リッチーくん、とにかくあまり気にするな。少なくとも今回は正当防衛だったんだ。我々は悪くない」
「……あぁ」
「これを教訓にして、次はもっとうまくやればいいんだ。Take it easy, 思いつめないようにね」
「あぁ」
相変わらずリッチーの表情はくもっている。カールは(このまま話していても場が暗くなるだけだ)と考える。だから話題を変えるため、キャンディスを会話の相手に選ぶことにする。
「ところで、今後のことなんだが……。ポイズン・リザードについて、何か計画とかはあるのかい?」
「そうですね、とりあえず装備品を整えようと思っています」
「装備品……たとえば?」
「毒に強くなる指輪などですね。あと、ギンさんの防具。それが終わったら戦いに行こうかと」
「えっ、それだけなのか?」
「何か問題でもあるんですか?」
カールは少しため息をつく。それから、みんなに聞こえるように言う。
「ちょっとみんな、食べてるところをすまないが。少し今後のことで話をしよう。ポイズン・リザードのことだが」
全員がカールに視線を向ける。
「みんな、奴についてどれくらいのことを知っているんだ?」
レーヴが返答する。
「もちろん、一通りのことは知ってるよ」
「では、リザードの弱点は?」
「えーっと……炎」
「違う、氷だ。しょせん奴はトカゲ、体が冷えてくると動きが鈍る」
「あっ、そっか! なるほど~」
「おいおい、こんな調子で大丈夫なのか?」
ギンが口を開く。
「まぁ弱点は知りませんでしたけど、他のことはちゃんと知ってますよ。たとえば、あいつの爪や牙には毒があって、敵に少しでもかすれば毒にできる……とか」
「魔法については?」
「魔法? 魔法なんか使えるですか?」
「奴はポイズン・ショック(posion shock, 毒の衝撃)を使う。相手の体に毒がある時、その毒の威力を強くして、大きなダメージを与える魔法だ」
「ってことは、つまり、毒を受けると魔法で追い打ちされるってことですか?」
「そうだ。だからこそ、毒対策は念入りにやらないといけないんだ。強い敵を倒す時は、事前に情報を調べ、その上で対策しないと勝てない。準備が大事なんだ、相手をよく知らないまま戦えば、最悪、命を落とす」
キャンディスが提案する。
「明日また集まって、作戦会議をしませんか? 別に、締め切りがあるわけじゃないんです。時間をかけて考えることが必要ではないでしょうか?」
それから色々と意見が出たものの、結局、全員がこの提案に賛成することで話がまとまった。なにせ、金があるのだ。しばらくの間はあくせく働かなくてよい。それに、ゆっくり休んで戦いの疲れを完全に癒したい、そういう気持ちが全員にあった。
しばらくの間、彼らは街に留まって活動していくだろう。
もぐもぐとステーキを食べながらギンが喋る。
「いやー、久しぶりだな、こんなに腹いっぱい食うのは!」
せっせと白いパンを食べているレーヴが相槌を打つ。
「うんうん、ほんとホント!はぁ~、やっぱ白いパン美味しい……。美味しい……」
カールが笑いながら言う。
「おいおい、がっつき過ぎだろう」
「でもでも、美味しいんだもん」
「うん、確かに美味しいな、これは。料理人の腕がいいんだろう、こんなに美味しいのは私も久しぶりだ」
「カールさん、もっと食べなよー」
「はは、私はそろそろお腹いっぱいだよ」
和やかな場の雰囲気。だがこの中にあって、リッチーはどこか浮かない顔をしている。彼の横にいるキャンディスが声をかける。
「リッチーさん、どこか具合でも悪いんですか?」
「いや、そういうわけじゃねーけど……」
「せっかくの機会ですし、遠慮せず食べたほうがいいですよ」
「あ、あぁ。そうだな……」
彼は自分の皿に入っている肉の切れはしを食べようとする。フォークを刺して口へ運び、味を楽しもうとする。
「……うまい」
「そうですよね、だって、ここはいつ来ても美味しいですもの」
キャンディスはニコニコしている。リッチーはブルーな顔をしている。彼はつぶやくように喋る。
「なぁ、ダンジョンの中って、やっぱ無法地帯なのかな?」
「……えっ?」
「いや、その、なんて言うか……。今回、ダンジョン・マンに襲われたけどさ。あぁいう連中が普通にいて、犯罪じみたことやって、でも逮捕されたりしない。なんかそれ、異常っていうか、でも、そう感じてるうちはまだ青二才ってことなのか。いろいろ分かんなくなっちまって」
「うーん、なんだか難しいですね……」
リッチーの話を聞いていたカールが会話に入ってくる。
「リッチーくん、とにかくあまり気にするな。少なくとも今回は正当防衛だったんだ。我々は悪くない」
「……あぁ」
「これを教訓にして、次はもっとうまくやればいいんだ。Take it easy, 思いつめないようにね」
「あぁ」
相変わらずリッチーの表情はくもっている。カールは(このまま話していても場が暗くなるだけだ)と考える。だから話題を変えるため、キャンディスを会話の相手に選ぶことにする。
「ところで、今後のことなんだが……。ポイズン・リザードについて、何か計画とかはあるのかい?」
「そうですね、とりあえず装備品を整えようと思っています」
「装備品……たとえば?」
「毒に強くなる指輪などですね。あと、ギンさんの防具。それが終わったら戦いに行こうかと」
「えっ、それだけなのか?」
「何か問題でもあるんですか?」
カールは少しため息をつく。それから、みんなに聞こえるように言う。
「ちょっとみんな、食べてるところをすまないが。少し今後のことで話をしよう。ポイズン・リザードのことだが」
全員がカールに視線を向ける。
「みんな、奴についてどれくらいのことを知っているんだ?」
レーヴが返答する。
「もちろん、一通りのことは知ってるよ」
「では、リザードの弱点は?」
「えーっと……炎」
「違う、氷だ。しょせん奴はトカゲ、体が冷えてくると動きが鈍る」
「あっ、そっか! なるほど~」
「おいおい、こんな調子で大丈夫なのか?」
ギンが口を開く。
「まぁ弱点は知りませんでしたけど、他のことはちゃんと知ってますよ。たとえば、あいつの爪や牙には毒があって、敵に少しでもかすれば毒にできる……とか」
「魔法については?」
「魔法? 魔法なんか使えるですか?」
「奴はポイズン・ショック(posion shock, 毒の衝撃)を使う。相手の体に毒がある時、その毒の威力を強くして、大きなダメージを与える魔法だ」
「ってことは、つまり、毒を受けると魔法で追い打ちされるってことですか?」
「そうだ。だからこそ、毒対策は念入りにやらないといけないんだ。強い敵を倒す時は、事前に情報を調べ、その上で対策しないと勝てない。準備が大事なんだ、相手をよく知らないまま戦えば、最悪、命を落とす」
キャンディスが提案する。
「明日また集まって、作戦会議をしませんか? 別に、締め切りがあるわけじゃないんです。時間をかけて考えることが必要ではないでしょうか?」
それから色々と意見が出たものの、結局、全員がこの提案に賛成することで話がまとまった。なにせ、金があるのだ。しばらくの間はあくせく働かなくてよい。それに、ゆっくり休んで戦いの疲れを完全に癒したい、そういう気持ちが全員にあった。
しばらくの間、彼らは街に留まって活動していくだろう。
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