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第3章 七寺英太の革命日記
第57話 ザコは黙って死ね! Dying time
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しばらく2階をうろつき、モンスターを倒し、今度は3階へ。
ここらの敵はクラブより手ごわい、それに、PK狙いのワンダラーが潜んでいる可能性もある。
だからってビビってられるか。俺は大声を出して気合いを入れる。
「おし! いこう!」
ゼーキルが「どこへ?」と聞いてくる。
「この道を真っ直ぐだ。リスもそれでいいだろ?」
「うん」
俺たちは歩き出す。
まるで学校の廊下のようなこの道は、左右にいくつかの小部屋を抱えている。いや、小部屋というよりは教室というほうが分かりやすいか。
これらの教室をひとつずつ調べ、敵を見つけて倒し、戦利品を得る。
ジャマーの有効時間が切れない限り、安全に進める探索法だ。まだるっこしいのが欠点だが、死にたくなければ我慢、我慢。
そしてある教室のそばに来た時、ゼーキルがチャットでつぶやく。
(いるな……)
リスが返す。
(何か聞こえたの?)
(あぁ、金属音が。たぶん機械系のモンスターが隠れてる……)
俺にはなにも聞こえなかったが、しかしゼーキルの言うことだ。間違いないだろう。
交戦を予感し、俺はスプリングフィールドを握る。ジャマーを確認……げっ。
(おい! ジャマーの残り時間、あと5分しかねぇぞ。どうする?)
元気よくリスが答える。
(そんだけあれば充分だよ。倒しに行こう)
(ゼーキル、どう考える?)
(残り5分では不安だな。帰ったほうがいい)
やれやれ、意見の対立か。こういう時こそリーダーの俺の出番だ。
(じゃあこうしよう。とりあえず敵と戦って、やばそうなら逃げる。逆に、勝てそうならさっさと倒し、ドロップを回収して冒険終了。どうだ?)
不満げな顔でゼーキルが(しかし……)と言う。だがリスは主張する。
(ちょっとくらいのリスク、大丈夫だって! 行こうよ! ここまでぜんぜん稼げてないもん、少しは頑張らないと!)
(……わかった。でも、危なかったらすぐ逃げる、これを肝に銘じてくれよ)
(りょーかい!)
話はまとまった。戦闘準備だ。俺たちはステルスで姿を消し、銃を構えて歩き出す。
教室の出入口にドアは無い。したがって、突入するならそのまま飛びこめばいい。俺は号令する。
(いくぞ!)
全員で部屋に入る。少し遠くに複数のモンスターがいるのが分かる。
人間の姿をしたそいつらは、一言でいえばロボットで、どれもが異常に大きい右腕をしている。クラッシャー(Crusher)と呼ばれるモンスターだ。
奴らは防御力に物を言わせて突進し、その右腕で即死級のパンチをぶちこんでくる。
ベストの対策は遠距離で仕留めること。だったら撃ちまくるのみ! 俺はスプリングフィールドを構えて叫ぶ。
「撃て! ぶっ倒せ!」
弾丸が乱れ飛び、クラッシャーたちのHPを削る。連中の1体が警戒音を発する。
「ビーッ! ビーッ!」
他の個体が額のツノを光らせ、ジャミング電波を出し始める。俺たちのステルスが解け、姿が現れる。
まぁこれは仕方ない。そこそこ強いモンスターなら、このくらいの芸当は朝飯前だ。
いいから戦いに集中しよう。俺たちは必死に撃ち続け、突っこんでくるクラッシャーたちを倒していく。
やがて最後の1体が倒れ、勝敗が決定される。俺はキル・カウントを数えて自慢気に言う。
「へへ! 7体倒した! リス、お前は?」
「2体……」
「そんだけ?」
「うるさいよ……」
「ははははは!」
俺は思わず笑い声をもらす。やっぱスプリングフィールドの性能はすげぇぜ!
だが、せっかくの愉快な気分をゼーキルが盛り下げてくる。
「セブン、聞いてくれ。さっきの戦闘中、ジャマーが切れてしまった。ドロップを拾ったら帰ろう」
「おう!」
景気よくうなずく俺。しかしリスがゴネ始める。
「ねぇねぇ、ジャマーはまだ予備があるでしょ? だったらそれ使ってさ、もうちょい戦ってこうよ」
「あのなぁ……。こんだけ戦えば今日はもう十分だろ?」
「でもさー。そろそろ週末でしょ、争奪戦でしょ? もっとモンハンしたほうがよくない? 素材ぜんぜん足んないって!」
ったく、この女は空気が読めねぇな。ジャマー切れてんだし、もういいだろ? それにちょっと疲れたって。
ゼーキルも渋い顔してる。でもそんなのお構いなしでリスは喋り続ける。
「セブンだってゼーキルだって、まだ時間あるでしょ? じゃあもう少しだけ、もう少しだけ……」
俺は反論しようとする。その時、突如として若い男が部屋に現れ、ブローニング・ハイパワーを構えて叫ぶ。
「武器を捨てろ! 逃げ場はないぜ!」
なんだ、こいつ? どうやってここに? あっ、ジャマーが切れてたから、その隙にステルス状態で忍びこんだのか……。
くそ、油断したぜ。まぁいい、適当にあしらってお帰り願おう。なんだったら殺しちまえ、どうせザコなんだから!
ここらの敵はクラブより手ごわい、それに、PK狙いのワンダラーが潜んでいる可能性もある。
だからってビビってられるか。俺は大声を出して気合いを入れる。
「おし! いこう!」
ゼーキルが「どこへ?」と聞いてくる。
「この道を真っ直ぐだ。リスもそれでいいだろ?」
「うん」
俺たちは歩き出す。
まるで学校の廊下のようなこの道は、左右にいくつかの小部屋を抱えている。いや、小部屋というよりは教室というほうが分かりやすいか。
これらの教室をひとつずつ調べ、敵を見つけて倒し、戦利品を得る。
ジャマーの有効時間が切れない限り、安全に進める探索法だ。まだるっこしいのが欠点だが、死にたくなければ我慢、我慢。
そしてある教室のそばに来た時、ゼーキルがチャットでつぶやく。
(いるな……)
リスが返す。
(何か聞こえたの?)
(あぁ、金属音が。たぶん機械系のモンスターが隠れてる……)
俺にはなにも聞こえなかったが、しかしゼーキルの言うことだ。間違いないだろう。
交戦を予感し、俺はスプリングフィールドを握る。ジャマーを確認……げっ。
(おい! ジャマーの残り時間、あと5分しかねぇぞ。どうする?)
元気よくリスが答える。
(そんだけあれば充分だよ。倒しに行こう)
(ゼーキル、どう考える?)
(残り5分では不安だな。帰ったほうがいい)
やれやれ、意見の対立か。こういう時こそリーダーの俺の出番だ。
(じゃあこうしよう。とりあえず敵と戦って、やばそうなら逃げる。逆に、勝てそうならさっさと倒し、ドロップを回収して冒険終了。どうだ?)
不満げな顔でゼーキルが(しかし……)と言う。だがリスは主張する。
(ちょっとくらいのリスク、大丈夫だって! 行こうよ! ここまでぜんぜん稼げてないもん、少しは頑張らないと!)
(……わかった。でも、危なかったらすぐ逃げる、これを肝に銘じてくれよ)
(りょーかい!)
話はまとまった。戦闘準備だ。俺たちはステルスで姿を消し、銃を構えて歩き出す。
教室の出入口にドアは無い。したがって、突入するならそのまま飛びこめばいい。俺は号令する。
(いくぞ!)
全員で部屋に入る。少し遠くに複数のモンスターがいるのが分かる。
人間の姿をしたそいつらは、一言でいえばロボットで、どれもが異常に大きい右腕をしている。クラッシャー(Crusher)と呼ばれるモンスターだ。
奴らは防御力に物を言わせて突進し、その右腕で即死級のパンチをぶちこんでくる。
ベストの対策は遠距離で仕留めること。だったら撃ちまくるのみ! 俺はスプリングフィールドを構えて叫ぶ。
「撃て! ぶっ倒せ!」
弾丸が乱れ飛び、クラッシャーたちのHPを削る。連中の1体が警戒音を発する。
「ビーッ! ビーッ!」
他の個体が額のツノを光らせ、ジャミング電波を出し始める。俺たちのステルスが解け、姿が現れる。
まぁこれは仕方ない。そこそこ強いモンスターなら、このくらいの芸当は朝飯前だ。
いいから戦いに集中しよう。俺たちは必死に撃ち続け、突っこんでくるクラッシャーたちを倒していく。
やがて最後の1体が倒れ、勝敗が決定される。俺はキル・カウントを数えて自慢気に言う。
「へへ! 7体倒した! リス、お前は?」
「2体……」
「そんだけ?」
「うるさいよ……」
「ははははは!」
俺は思わず笑い声をもらす。やっぱスプリングフィールドの性能はすげぇぜ!
だが、せっかくの愉快な気分をゼーキルが盛り下げてくる。
「セブン、聞いてくれ。さっきの戦闘中、ジャマーが切れてしまった。ドロップを拾ったら帰ろう」
「おう!」
景気よくうなずく俺。しかしリスがゴネ始める。
「ねぇねぇ、ジャマーはまだ予備があるでしょ? だったらそれ使ってさ、もうちょい戦ってこうよ」
「あのなぁ……。こんだけ戦えば今日はもう十分だろ?」
「でもさー。そろそろ週末でしょ、争奪戦でしょ? もっとモンハンしたほうがよくない? 素材ぜんぜん足んないって!」
ったく、この女は空気が読めねぇな。ジャマー切れてんだし、もういいだろ? それにちょっと疲れたって。
ゼーキルも渋い顔してる。でもそんなのお構いなしでリスは喋り続ける。
「セブンだってゼーキルだって、まだ時間あるでしょ? じゃあもう少しだけ、もう少しだけ……」
俺は反論しようとする。その時、突如として若い男が部屋に現れ、ブローニング・ハイパワーを構えて叫ぶ。
「武器を捨てろ! 逃げ場はないぜ!」
なんだ、こいつ? どうやってここに? あっ、ジャマーが切れてたから、その隙にステルス状態で忍びこんだのか……。
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参考文献
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