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第6章 レヴェリー・プラネット運営方針

第105話 打ち明け話  Inevitable things

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 さっそく治は話し出す。

「実際えらい久しぶりだけどさ。そっちはどうなの? 最近なんかあった?」
「まぁ、クソみたいな話でさ……」

 後頭部をポリポリとかき、直矢は喋る。

「俺が前から追ってたネタのこと、覚えてるか? 水道会社が下民地区の水道汚染を放置してるってやつ」
「あれ、結局どうなったの?」
「内部告発してくれそうな社員がいたのよ。若い女の子。でも、俺が接触する前に殺されちまった」
「えぇ……」
「ちょっと前に革命解放軍のテロがあっただろ。腐ったインフラ会社を裁くとかいって、社員を誘拐して……」
「知ってる。僕もネットの中継を見たよ。酷い事件だった……」
「あの時、一人目の犠牲者として殺されたのが、さっき話題に出た女の子さ。若海ソラノって名前なんだけど……」

 直矢はため息をついて続ける。

「どうせLMと情報局の仕業だろう。
 水道会社はLMに大量献金してくれる優良企業、だからLMは無茶をしてでも守る。
 お馴染みの展開ってわけさ」

 冷めた口調で直也はそう言う、だが治は熱くなって突っかかる。

「お前は何をやってたんだよ……! ヤバい展開になりそうだって、予測できただろ! だったら……」
「怒るのはやめてくれ。俺だって局に感づかれる寸前で、自分を守るので精いっぱいだった」
「でも……」
「じゃあ、あの時の俺に何ができたか、言ってみてくれ。でもアイデアなんか出ないだろ?
 俺たちにできることなんてタカが知れてる。残念だが事実だ。
 治、今さら何を嘆いても、死んだ若海は蘇らないし、彼女が握ってた情報をゲットできるわけでもない。
 仕方ない結果なんだよ。だから、この話は終わりにしようぜ」
「……(不満げな顔)」
「ほら、機嫌を直せよ! 俺はネタを提供した、じゃあ今度はお前が提供する番だ。
 大人気ゲーム、レヴェリー・プラネットの運営スタッフともなりゃ、たくさんの裏話を抱えてるはずだろ?」

 そう言われても、何から話したらいい? 困惑を覚え、治は思いつくままに話していく。

「まぁネタはあるけど、えぇと、そうだな……。
 たとえば、この前はレア・アイテムのドロップ率が2倍っていうキャンペーンをやったよ。もちろんとんでもないインチキでね」
「へぇ……」
「話せば長くなるんだけどさ……」

 身振り手振りで直也に説明する。

「確かにドロップ率は2倍になってる。ただしそのかわり、レア・アイテムを出すモンスターの出現率が減ってるのさ。
 これなら、プレイヤーがアイテムを荒稼ぎする心配はない。
 そして、何も知らないプレイヤーたちは、「稼ぐチャンス!」と思って熱心に遊び、なんなら課金してくれるってわけ」
「なるほどな……」

 これはやっていいことなのか? 治はこう思う。

「まったく、詐欺だよ。合法的なボッタクリ、相手の弱みにつけこんでむしり取ってるだけだ。
 ちくしょう!」
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