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第6章 レヴェリー・プラネット運営方針
第107話 いかにして生きるべきか To leak or not to leak, that is the question
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治は新たな話題を始める。
「ガチャ以外もインチキばっかさ! ステルス・マーケティング、ネットの掲示板工作、やりたい放題だ」
「ステマなんて今でもあんの?」
「もちろん。だいたいそもそも日本って国は、今も昔もステマが規制されてない。
お前は新聞記者なんだから、『アナと雪の女王2』で行われたステマの例を知ってるだろ?」
「2019年のアレか……」
「ひっどい事件だったね。でも、あぁいうことがあったのにステマ規制の法律は作られなかった。
それでも昔は今よりマシさ。だって今は、LMにワイロを渡せば何だってやれるんだぜ」
「金がすべての世の中、か……」
そうつぶやき、直矢はシケた面を浮かべて言う。
「もちろんお前の気持ちは分かるし、俺だってそういうインチキは嫌いだ。
でも、説教するわけつもりはねぇが……。治、インチキにキレるのは程ほどにしとけよ。でないと身がもたねぇ」
「わかってるよ! でも、こういう詐欺じみた話って、やっぱり僕は許せない。
どこかで内部告発して、社会問題にして、国民みんなで考える必要があると思う」
「もちろん。だが、うかつに動けばLMに消される。若海ソラノのように……。そうだろ?」
「わかってるよそれも!」
「お前は思い詰めるからなぁ……。ホント、無茶はするなよ?」
「……。……うん」
そうやって表面上はおとなしく返答したものの、やはり治の気は晴れない。
このままでいいのか? 見て見ぬふりでインチキから逃げ、何も知らない多くの人々を罠にはめ、金や時間を搾取するようなビジネスを続けていいのか?
とはいえLMは怖い。命が惜しいなら黙って生きるべきだ。
しかし、じゃあ、とはいえ、でも、けど、そうはいっても、だからって……。
自問自答は終わらない。いったい僕はどうしたらいいんだろう?
「ガチャ以外もインチキばっかさ! ステルス・マーケティング、ネットの掲示板工作、やりたい放題だ」
「ステマなんて今でもあんの?」
「もちろん。だいたいそもそも日本って国は、今も昔もステマが規制されてない。
お前は新聞記者なんだから、『アナと雪の女王2』で行われたステマの例を知ってるだろ?」
「2019年のアレか……」
「ひっどい事件だったね。でも、あぁいうことがあったのにステマ規制の法律は作られなかった。
それでも昔は今よりマシさ。だって今は、LMにワイロを渡せば何だってやれるんだぜ」
「金がすべての世の中、か……」
そうつぶやき、直矢はシケた面を浮かべて言う。
「もちろんお前の気持ちは分かるし、俺だってそういうインチキは嫌いだ。
でも、説教するわけつもりはねぇが……。治、インチキにキレるのは程ほどにしとけよ。でないと身がもたねぇ」
「わかってるよ! でも、こういう詐欺じみた話って、やっぱり僕は許せない。
どこかで内部告発して、社会問題にして、国民みんなで考える必要があると思う」
「もちろん。だが、うかつに動けばLMに消される。若海ソラノのように……。そうだろ?」
「わかってるよそれも!」
「お前は思い詰めるからなぁ……。ホント、無茶はするなよ?」
「……。……うん」
そうやって表面上はおとなしく返答したものの、やはり治の気は晴れない。
このままでいいのか? 見て見ぬふりでインチキから逃げ、何も知らない多くの人々を罠にはめ、金や時間を搾取するようなビジネスを続けていいのか?
とはいえLMは怖い。命が惜しいなら黙って生きるべきだ。
しかし、じゃあ、とはいえ、でも、けど、そうはいっても、だからって……。
自問自答は終わらない。いったい僕はどうしたらいいんだろう?
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