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第2章 さぁ、やろう!
基本戦術
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続いての第2ラウンド。会長はテーブルの上に散らばったカードを集め、山札を作ろうとする。だが麻里先輩が会長の行動を止める。
「フラニー、ちょっと待って。少しはみんなに説明させてよ」
「もぉ、何?」
「みんな、聞いて欲しいんだけど……」
先輩はテーブルから何枚かのカードを手に取り、話を始める。
「これからは、点数を考えてプレイしましょうよ」
俺は質問する。
「具体的な話、どうすればいいんですか?」
「まず、手札を捨てる順番を意識する。基本的には、高い点のカードから捨てる」
先輩はテーブルの上にカードを並べる。黄色の1、黄色の7、黄色の9。それから説明する。
「これが手札だとすると、今の合計点は17点。さて、虎くんならどの手札をまず捨てる?」
「うーん……。黄色の7ですかね」
「それはちょっとまずいかな。仮に黄色の7を捨てたとすると、合計点は10点になる。その状態で誰かが上がると、相手はこの10点を獲得する」
「はい」
「もしさっき、黄色の7ではなく黄色の9を捨てていれば、どうなる?」
「1足す7で、合計は8点。誰かが上がると、そいつはこの8点を……あっ、そうか!」
「ねっ、わかるでしょ? 黄色の9を先に捨てたほうが、上がられた時のダメージが少ない。だから、手札を捨てる時は高い点数のカードを優先する。まずこれを意識することが大事だよ」
香が声をあげる。「麻里先輩、すごいです!」。先輩は「ありがとう香ちゃん」と返事をして、さらに説明を続ける。
「覚えてると思うけど、スキップのような記号札はどれも20点。点数の高い札から捨てる、この基本戦術を考えると、まず記号札から捨てていかなくちゃ」
香の返事、「はい!」。先輩の説明。
「とはいえ、記号札はどれも強力な効果を持ってる。特に、ドロ2やドロ4は、相手の上がりを妨害するのにうってつけ。だから、上がり阻止のために、危険を覚悟で記号札を抱えなきゃいけない時もある。とはいえ、やっぱり基本はさっき言った通り。”なるべく高い点のカードを優先して捨てる”。これからは、これを心がけてプレイしましょう?」
俺、香、ゲンキは答える。「はい!」。そんなところに不満そうな顔の会長が割って入る。
「麻里、それ以上の入れ知恵は駄目!」
「別にいいでしょ、これぐらい?」
「駄目、駄目! 何が基本戦術なのか、それは自分で考えないと」
「でも、誰かが教えてあげることも必要じゃない?」
「あーもう、とにかくいいでしょ! 次のラウンドを始めるからね!」
山札が作られ、各人にそれぞれの手札が配られる。第2ラウンド開始。会長が山札をめくる、出てきたカードは青の3。俺の手札はこうだ。
(青の0、青の6、青のスキップ、赤の1、赤のリバース、緑の4、緑の10)
俺は心の中で麻里先輩の言葉を復唱する。(高い点数のカードを捨てる……)。俺は20点のカードである”青のスキップ”を捨てる。香の番が飛ばされ、ゲンキの番になる。俺のこの様子を見て、麻里先輩が嬉しそうに言う。
「よしよし、さすが、虎くんは頼りになるなぁ」
「はは、褒めたって何も出ませんよ?」
思わず笑顔になる俺。直後、香がむっとした顔で俺につっかってくる。
「虎ちゃん、先輩に褒められてそんなに嬉しい?」
「な、なんだよ……」
「別にぃー?」
麻里先輩、なぜかクスクスと笑う。おい、何が起きてるんだ?
こういうことがあったけど、とにかく、第2ラウンドは静かに進んでいった。みんな、記号札や高い点のカードを捨てていく。会長がぼやく。
「もぉ、麻里が余計なこと言うから……」
すんませんね、会長! 俺はあなたじゃなくて、麻里先輩の味方なんですよ!
「フラニー、ちょっと待って。少しはみんなに説明させてよ」
「もぉ、何?」
「みんな、聞いて欲しいんだけど……」
先輩はテーブルから何枚かのカードを手に取り、話を始める。
「これからは、点数を考えてプレイしましょうよ」
俺は質問する。
「具体的な話、どうすればいいんですか?」
「まず、手札を捨てる順番を意識する。基本的には、高い点のカードから捨てる」
先輩はテーブルの上にカードを並べる。黄色の1、黄色の7、黄色の9。それから説明する。
「これが手札だとすると、今の合計点は17点。さて、虎くんならどの手札をまず捨てる?」
「うーん……。黄色の7ですかね」
「それはちょっとまずいかな。仮に黄色の7を捨てたとすると、合計点は10点になる。その状態で誰かが上がると、相手はこの10点を獲得する」
「はい」
「もしさっき、黄色の7ではなく黄色の9を捨てていれば、どうなる?」
「1足す7で、合計は8点。誰かが上がると、そいつはこの8点を……あっ、そうか!」
「ねっ、わかるでしょ? 黄色の9を先に捨てたほうが、上がられた時のダメージが少ない。だから、手札を捨てる時は高い点数のカードを優先する。まずこれを意識することが大事だよ」
香が声をあげる。「麻里先輩、すごいです!」。先輩は「ありがとう香ちゃん」と返事をして、さらに説明を続ける。
「覚えてると思うけど、スキップのような記号札はどれも20点。点数の高い札から捨てる、この基本戦術を考えると、まず記号札から捨てていかなくちゃ」
香の返事、「はい!」。先輩の説明。
「とはいえ、記号札はどれも強力な効果を持ってる。特に、ドロ2やドロ4は、相手の上がりを妨害するのにうってつけ。だから、上がり阻止のために、危険を覚悟で記号札を抱えなきゃいけない時もある。とはいえ、やっぱり基本はさっき言った通り。”なるべく高い点のカードを優先して捨てる”。これからは、これを心がけてプレイしましょう?」
俺、香、ゲンキは答える。「はい!」。そんなところに不満そうな顔の会長が割って入る。
「麻里、それ以上の入れ知恵は駄目!」
「別にいいでしょ、これぐらい?」
「駄目、駄目! 何が基本戦術なのか、それは自分で考えないと」
「でも、誰かが教えてあげることも必要じゃない?」
「あーもう、とにかくいいでしょ! 次のラウンドを始めるからね!」
山札が作られ、各人にそれぞれの手札が配られる。第2ラウンド開始。会長が山札をめくる、出てきたカードは青の3。俺の手札はこうだ。
(青の0、青の6、青のスキップ、赤の1、赤のリバース、緑の4、緑の10)
俺は心の中で麻里先輩の言葉を復唱する。(高い点数のカードを捨てる……)。俺は20点のカードである”青のスキップ”を捨てる。香の番が飛ばされ、ゲンキの番になる。俺のこの様子を見て、麻里先輩が嬉しそうに言う。
「よしよし、さすが、虎くんは頼りになるなぁ」
「はは、褒めたって何も出ませんよ?」
思わず笑顔になる俺。直後、香がむっとした顔で俺につっかってくる。
「虎ちゃん、先輩に褒められてそんなに嬉しい?」
「な、なんだよ……」
「別にぃー?」
麻里先輩、なぜかクスクスと笑う。おい、何が起きてるんだ?
こういうことがあったけど、とにかく、第2ラウンドは静かに進んでいった。みんな、記号札や高い点のカードを捨てていく。会長がぼやく。
「もぉ、麻里が余計なこと言うから……」
すんませんね、会長! 俺はあなたじゃなくて、麻里先輩の味方なんですよ!
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