双人形ハルカカナタの異世界生活

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人形飛び立つ

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お互いにイメージを送り合った結果、やはりというべきか、私達は目の色以外は瓜二つだった。


真っ白な肌に真っ黒な髪、神秘的な雰囲気をもつ美少女の姿。
服装は先程のメイドと同じで、黒の長袖ロングスカートのワンピースに、なんの飾りもない白のエプロンのメイド服だった。

自分の姿を確認していると、奏那の様子がおかしいことに気づいた。
両手を頬っぺたに当て、クネクネと腰を振っていた。


(可愛い~~!私達可愛い~~!)


奏那はしばらくの間、色々なポーズを取り、私にイメージを送らせ続けた。



(ふぅ。満足満足。じゃ、どうする?)

イメージが100を超えあたりで、奏那がようやく満足してくれた。
気持ちがわかるから何も言わずに付き合ってあげたけど、そろそろやめたいと思っていたから助かった。


(んじゃ、お宝でも奪って脱出しますか。)

(ふふ。賛成。)

(奴隷の魔法をかけたお返し!奪ったお宝は街にばら撒こう!テーマは鼠小僧で!)

(いいね!それ最高!)

(よし、お宝はどこかな~?探知発動!)

探知魔眼は、人にしか使えないと思っていたけど、探知したい物に意識を向けると地図上にきちんと表示されることがわかった。
素晴らしい能力に笑いが止まらない!


(よし、あった!行こっか!)







私達は素早く部屋を出ると、なるべく人を避けながら目的の部屋を目指した。

たまにすれ違う人もいたが、興味津々の様子で見つめてくるだけで、特に止められたりはしなかった。

すんなりと宝物庫にたどり着くと、大きな両開きの扉の前に二人の兵士が立っていた。


(遥、やっぱり見張りがいるよ。どうする?)

(堂々と前から突入しよう!奏那の時止めで兵士を止めてもらって、扉を消せば入れるよ。私はここで探知使って見張ってるから、全てのお宝ゲットしてきて!)

(おっけー!いってきまーす!)


元気よく返事をして、奏那は宝物庫に突進した。


15秒程で全ての作業を終えて意気揚々と戻ってきた奏那に、ドアを元に戻すことを忘れないように伝え、二人で元来た道へまた歩きだす。


(どうだった?お宝あった?)

(うっひゃっひゃっひゃ!ありましたとも!金銀財宝ざっくざくでしたわ!これを、街にばら撒くと思うと、震えるわ!)


早歩きで進みながら聞くと、バレリーナのようにくるんくるんと回りながらご機嫌に伝えてくる。


(じゃあ、この窓から飛び出しちゃいます?)

(いいね!いっちゃいますか!)


私達は、手を繋いで窓枠に近寄った。窓枠は、一人分の幅しか無かったので、奏那から窓枠に足をかけて外に飛び出した。








古代の龍から作られたというこの人形は、素晴らしい身体能力を発揮して、城の周りに生えていた木を足場にぴょんぴょんと移動する事ができた。

飛び出した窓は、二階に位置していたようで、最初に飛び出した時は、とっさに悲鳴が出た。
しかし、繋がれていた奏那の手が導くように私の手を引き、先導してくれる。
奏那にとっては二階の高さから飛び降りることなんて、お茶の子さいさい。元の世界では、ビル6階に値する高さのバンジージャンプに満面の笑みで挑んでいたことを思い出し、さすが!っと褒めた。


その後は、木を使って移動することに慣れて、スムーズに進むことができた。たまに探知で反応を見つけ、それを避けながら城を囲む城壁を飛び越えた。





(やったー!!!でたー!!)

城を無事抜け出すことが出来て、二人で喜び合う。

(やったね!奏那、城から完全に離れる前に、念のため追跡魔法がないか消去をしてみてもらえる?)

(うん!………おっけーだよ!何も反応ないみたい。)

(ありがとう!んじゃ、鼠小僧になろっか!)

(うん、このまま出してばら撒いていい?)

(いや、そのままだと、受け取った人の迷惑になると思う。お宝を売り払って、お金にしてからばら撒こう!)

(そうだね!じゃあ、とりあえず、お金もかなりあるみたいだし、見つかる前に、目立たない所に行こっか。)


私達は探知を使用しながら、城から離れた場所を歩き、店を渡り歩いた。
まずは服装を変えなければ目立つと考え、服屋を目指した。

早歩きで30分ほど歩いた所に服屋を見つけ、中に入る。

歩いている時に分かった事だが、この世界の人々はとてもカラフルな髪の毛をしていた。私達ような黒髪の人も何人か見かけ、赤や青、緑やピンクなど奇抜な髪色の人も大勢いた。

服屋の店員も鮮やかな紫色の髪色で、目も綺麗なすみれ色だった。


『いらっしゃい~!わぁ!可愛い!双子さんだね!』


にこやかに話しかけてきた店員さんは、私達を見比べると、テンション高めに店を案内してくれた。

私達は話しを聞く事ができても、
喋ることが出来ない。それを不審に思う事もなく、無表情な顔も不快に思わなかったようで、終始笑顔で話しかけてきてくれた。
たまに頷き、相槌を打ちながら、何着か服を購入した。下着や、タオルなども購入し、顔を隠せるようにフード付きの丈の長いローブも購入した。

『ありがとうございました!また来てくださいね~!』

満面の笑みで、手を振る店員さんに手を振り返しながら店を後にする。


(いい人だったね!)


たくさん買い物をして、ホクホクしながら、次の店を目指した。


その後も本屋に立ち寄り地図を購入したり、雑貨屋に行き、必要になりそうな物を片っ端から購入していった。

荷物は全て奏那の魔眼に仕舞い、念のためローブを着てフードを被った。


(この後どうする?)


(うーん。鼠小僧になる気満々だったんだけど、難しいよね。すぐに捕まりそうだし。私達が逃げ出したことがバレる前に、遠くに逃げて頃合いを見て戻ってきてもいいかも。まずは、西のこの山を越えて、この国に行こっか。街の場所も一番近いし。)


先程買った地図を見ながら、目指す街を指差す。


(なんか、冒険に出るみたいでワクワクするね!)

(そうだね!)


見知らぬ世界でひとりぼっちじゃなくて本当に良かった。
目をキラキラさせながら地図を見ている奏那を見ながら、そう思った。


(じゃあ、出発!)


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