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村人
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百足は、俺が泣き疲れて眠るまで、ずっとそばにいてくれた。
翌朝、隣に百足がいた。
俺と共に寝ていたらしい。百足がモゾモゾと動くと、触角をうまく使い、俺を傍に寄せた。離れるな、そう言っているかのようで嬉しかった。
「ずっと一緒にいるよ。」
俺は触角を撫ぜた。今度は自ら百足の顔にキスをする。
「好き。」
離さない、そういう意思があるかのように、触角に力が籠った。
抱き締められて、どれくらい経っただろうか。俺は百足の頭を撫でながら、百足が満足するまで待った。
ぐぅ。
腹の虫がなった。恥ずかしい。顔が熱い。俺の顔は今、林檎のように赤くなっているだろう。すると、触角が解けた。のそりと百足が出口に向かって動く。食べ物を探しに行くようだ。
「……俺も、一緒に行っていい、かな。」
百足が驚いた様子でこちらを振り向いた。暫くして、触角が俺を抱きかかえるように持ち上げ、百足の頭に乗せられた。
「あ、ありがと。」
お礼を言うと、百足は触角で俺の頭を撫でた。嬉しい。俺も百足の頭を撫でた。
暫くすると、生き物の卵を見つけた。百足はそれを見るやいなや、触角で卵を指した後、俺のお腹を撫でた。
「……お腹?」
すりすりと触角で撫で続ける。
「……卵……お腹……卵、食べるの?」
俺の言ったことに驚いた様子で触角が強ばる。百足は頭を横に振る。
「……違うの?」
百足は頭を縦に振った。やはり卵を食べる訳ではなさそうだ。百足は何回か同じことを繰り返した後、俺の顔を撫でた。まるで、涙を拭う様に。
「……卵……子供?」
今度は頭を激しく縦に振った。俺に言いたいことが伝わったのが嬉しいのか、触角は引きちぎれんばかりにのたうちまわっている。それでも、触角が俺に当たらない様にしてくれているのは、そこに愛があるからだろう。
「卵を、産めるの……?」
頭を縦に振る。俺は確信した。子供を産めるのだ。
彼の、子供を。
俺の目から、涙が零れた。嬉しくて、嬉しくて、幸せで、気持ちが溢れた。
百足は、俺が泣き止むまで傍に寄り添ってくれた。
泣き止んだ後は、食べ物を探しながら食事をして、散歩をして帰ってきた。俺はほとんど歩いていないが。
翌朝、隣に百足がいた。
俺と共に寝ていたらしい。百足がモゾモゾと動くと、触角をうまく使い、俺を傍に寄せた。離れるな、そう言っているかのようで嬉しかった。
「ずっと一緒にいるよ。」
俺は触角を撫ぜた。今度は自ら百足の顔にキスをする。
「好き。」
離さない、そういう意思があるかのように、触角に力が籠った。
抱き締められて、どれくらい経っただろうか。俺は百足の頭を撫でながら、百足が満足するまで待った。
ぐぅ。
腹の虫がなった。恥ずかしい。顔が熱い。俺の顔は今、林檎のように赤くなっているだろう。すると、触角が解けた。のそりと百足が出口に向かって動く。食べ物を探しに行くようだ。
「……俺も、一緒に行っていい、かな。」
百足が驚いた様子でこちらを振り向いた。暫くして、触角が俺を抱きかかえるように持ち上げ、百足の頭に乗せられた。
「あ、ありがと。」
お礼を言うと、百足は触角で俺の頭を撫でた。嬉しい。俺も百足の頭を撫でた。
暫くすると、生き物の卵を見つけた。百足はそれを見るやいなや、触角で卵を指した後、俺のお腹を撫でた。
「……お腹?」
すりすりと触角で撫で続ける。
「……卵……お腹……卵、食べるの?」
俺の言ったことに驚いた様子で触角が強ばる。百足は頭を横に振る。
「……違うの?」
百足は頭を縦に振った。やはり卵を食べる訳ではなさそうだ。百足は何回か同じことを繰り返した後、俺の顔を撫でた。まるで、涙を拭う様に。
「……卵……子供?」
今度は頭を激しく縦に振った。俺に言いたいことが伝わったのが嬉しいのか、触角は引きちぎれんばかりにのたうちまわっている。それでも、触角が俺に当たらない様にしてくれているのは、そこに愛があるからだろう。
「卵を、産めるの……?」
頭を縦に振る。俺は確信した。子供を産めるのだ。
彼の、子供を。
俺の目から、涙が零れた。嬉しくて、嬉しくて、幸せで、気持ちが溢れた。
百足は、俺が泣き止むまで傍に寄り添ってくれた。
泣き止んだ後は、食べ物を探しながら食事をして、散歩をして帰ってきた。俺はほとんど歩いていないが。
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