神のゼロから始める異世界ダンジョン

七楽

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第零章

お告げの理由

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___なに言ってんだこいつ……。



おっと、危ない。思わず本音が漏れるところだった。


同じ神とはいえ神王であり、今は神々の集会。


本音を言ってしまえば、信者である神々や使徒の機嫌を損ない、皆から袋叩きやら打首やらが待ち受けている。


神であれ、嫌われれば死と同意である。


とりあえず、神王が変な事を言い出した理由を聞こう。


『申し訳御座いません、神王様。拙い私では、神王様の仰っている意味が分かりかねます。』


「よい。アルケーよ、ダンジョンマスターは分かるか?」


『はい。大まかに言えば、地下迷宮の管理者、管理人、という事ですよね?』


「ああ、流石はアルケーだ。何でも知っておるな。」


はは、お世辞をどうもありがとう。苦笑いしか出てこない。


『神王からの勿体ないお言葉、痛み入ります。

しかし、何故私にダンジョンマスターになれとお告げ為さるのですか?』


「20年前、下界が騒がしくなったのは知っているな?」


20年前の下界?


ああ、人間共が同盟国との戦争のせいで自然破壊やら資材不足やらを繰り返し、人間も減った、あの事か。


神々が忙しなく下界作りに勤しんでいたはず。


『ええ、存じ上げております。

しかし、それと一体何の関係がお有りなのですか?』


「ああ、それでな、浅はかな人間共のせいで、下界の自然や動物達、資材や財貨もえらく減ってしまったのだ。

こちらで手を尽くしたが、愚かな人間共はまた同じ過ちを犯し続けた。」


酷い話だ。神王が人間を愛しているのは、神々にとって暗黙の了解であった。


神王からそんな言葉を聞いてしまうとは。


以前から人間は愚かな生き物だと耳にしたが、聞くと余計に下賎な生き物だと認識してしまうな。見捨ててしまえ、そんな人間共は。


神王の言葉は続く。


「私は早々に見限ろうとも思ったのだが、これでも神王と呼ばれる身。人間共から信仰されて何も無いのでは神王の名が泣く。

だから今度は別の方法で人間共を手助けしようと思い、今回、一攫千金のチャンスを与えてやろうと思ったのだ。」


ほう、それでダンジョンを、ね。


モンスターを討伐させて、ドロップした物でお金を稼がせる方法。


人間共を冒険者として雇用し、対象のモンスターを討伐させる方法。


ギルドを人間共に造らせて経済を上手く循環させる方法。


それをダンジョンマスターが管理する、という仕組みか。


「……人間共にとっては、最後の砦になるだろう。下界を豊かにする為には、実際に下界へ訪れ、我々神が管理すれば問題も減るだろう。

やってはくれぬか、神アルケーよ……。」


___ああ、なんと慈悲深いんだ、神王様よ。


___人間共にまだ希望を託すとは……。


___アルケーが引き受けれくれれば良いが……。


そんな声が会場内を飛び交う。ああ、面倒だ。実を言うとやりたくない。


そんな気持ちとは裏腹に、口から出た言葉は___


『任務、承ります。

このアルケー、神王様の名にかけて、必ずや下界を繁栄させましょう。』


ああ、面倒臭いと思ったが、少し、少しだけ___






___人間に興味を持った。
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