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第零章
魔法という概念
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「ああ、ありがとうアルケーよ。私の我儘を許してくれ。」
おいおい、頭を下げるな、やめてくれ!
神々から目をつけられるだろ!!
そんなことは言えるはずも無く、落ち着いた口調で促した。
『頭をお上げください、神王様。これは然るべき処置なのです。
私は下界へ降りる準備をしてきます。失礼致します。』
嫌な、鋭い視線から逃れる為に、早足で集会を後にした。
神々は知っている。俺に神王への信仰心がないことを。
俺は知っている。神々が俺を厄介者扱いしている事を。
下界下りは、言わば俺という厄介者に対しての厄介払い。
しかし、神王がそんなことを考えるはずもない。他の神々からの口添えだろう。
全く、下界だけでなく、神の世界も面倒だ。
俺は家に戻り、何の気なしに荷造りをした。
はて、下界に欲しいものは何だろうか。
下界では魔法という概念が存在するらしい。
魔導書をパラパラと最後のページまで読んだ。パタンと魔導書を閉じて、覚えた内容を最初から黙読した。
覚えてしまったので必要ないと思い、魔導書を本棚に仕舞う。
大体生活に必要な物はマジックボックスに放り込んだ。後は……
『装備か……。』
俺は地下倉庫からある物を取り出した。神王から賜った、剣の神器だ。
剣と言っても刀なのだが。名は確か、無幻だったか。
しかしまあ、流石神器だ。埃ひとつ被っていない。
俺は隣に目をやると、長年使っていなかった、埃の被ったコートを取り出す。コートを叩くと、かなりの埃が舞い上がった。
コートは傷んでいる事無く、黒地に細かく銀の刺繍が施されていて、美しさも丈夫さも健在である。
俺は覚えたばかりの魔法付与をコートに施した。見た目は変わらないため、付与されたか分からない。
鑑定で確認すると、しっかり付与されているようだ。
俺は普段着にも魔法付与を施し、その上にコートを着て翻し、荷物を持つ。
俺は鍵を閉めて家を後にし、集会場へと向かった。
集会場では、もう既に下界へ転移する準備が整っていた。
俺は魔法陣の上で神王に跪き、お言葉を聞いた。
「アルケーよ……この案を受けてくれてありがとう。是非、下界を豊かにしてくれ……。」
『はっ!承りました。神王様の命により、このアルケー、必ずや下界を繁栄させましょう。』
言い終わったあと、魔法陣から光が溢れ、俺を包んだ。
ふわふわという感覚の中で、魔法の心地好さに微睡み、そしていつしか眠っていた……。
おいおい、頭を下げるな、やめてくれ!
神々から目をつけられるだろ!!
そんなことは言えるはずも無く、落ち着いた口調で促した。
『頭をお上げください、神王様。これは然るべき処置なのです。
私は下界へ降りる準備をしてきます。失礼致します。』
嫌な、鋭い視線から逃れる為に、早足で集会を後にした。
神々は知っている。俺に神王への信仰心がないことを。
俺は知っている。神々が俺を厄介者扱いしている事を。
下界下りは、言わば俺という厄介者に対しての厄介払い。
しかし、神王がそんなことを考えるはずもない。他の神々からの口添えだろう。
全く、下界だけでなく、神の世界も面倒だ。
俺は家に戻り、何の気なしに荷造りをした。
はて、下界に欲しいものは何だろうか。
下界では魔法という概念が存在するらしい。
魔導書をパラパラと最後のページまで読んだ。パタンと魔導書を閉じて、覚えた内容を最初から黙読した。
覚えてしまったので必要ないと思い、魔導書を本棚に仕舞う。
大体生活に必要な物はマジックボックスに放り込んだ。後は……
『装備か……。』
俺は地下倉庫からある物を取り出した。神王から賜った、剣の神器だ。
剣と言っても刀なのだが。名は確か、無幻だったか。
しかしまあ、流石神器だ。埃ひとつ被っていない。
俺は隣に目をやると、長年使っていなかった、埃の被ったコートを取り出す。コートを叩くと、かなりの埃が舞い上がった。
コートは傷んでいる事無く、黒地に細かく銀の刺繍が施されていて、美しさも丈夫さも健在である。
俺は覚えたばかりの魔法付与をコートに施した。見た目は変わらないため、付与されたか分からない。
鑑定で確認すると、しっかり付与されているようだ。
俺は普段着にも魔法付与を施し、その上にコートを着て翻し、荷物を持つ。
俺は鍵を閉めて家を後にし、集会場へと向かった。
集会場では、もう既に下界へ転移する準備が整っていた。
俺は魔法陣の上で神王に跪き、お言葉を聞いた。
「アルケーよ……この案を受けてくれてありがとう。是非、下界を豊かにしてくれ……。」
『はっ!承りました。神王様の命により、このアルケー、必ずや下界を繁栄させましょう。』
言い終わったあと、魔法陣から光が溢れ、俺を包んだ。
ふわふわという感覚の中で、魔法の心地好さに微睡み、そしていつしか眠っていた……。
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