さようなら、クソ田舎

鮎の塩焼き

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 夏のうだるような暑さが身体にへばりつき、女、時田凛子は思わず天を仰いだ。田舎の夏は暑い。都会のように日差しを遮る高い建物がないから、常に直射日光が当たるのだ。
 関西の奥地にあるとある村。そこが凛子が生まれ育った場所である。住民は少なく、若者はほとんどいない。みな都会に出て行ってしまうからだ。小さなスーパーが一軒あるだけで、コンビニすら歩いていける距離にはない。村のほとんどが畑であり、住民はほぼ全員が農業をしている。引っ越してくる人間もおらず、みな昔から顔なじみで、村に知らない人間などほとんどいない。そんなド田舎で凛子は生きてきた。自転車で1時間かかる地元の高校を2年前に卒業し、今は両親とともに農業をしている。
 しかし、体力がなく、日差しに弱い凛子には夏の農作業は向いていなかった。

 「凛子ー!大丈夫かー?水飲んできー!」

 同じ畑の少し離れたところで雑草を抜いている父が声を張り上げて叫んだ。はーい!と大きな声で返事をして、その場に脱いだ軍手を放り投げて水道に向かう。蛇口に繋がった青いホースを掴み、ハンドルを捻るとじゃばばばば、と水が乱暴に流れ、それで簡単に手を洗う。ホースの先に口を近付けて飲もうとしたとき、ふ、と視線を感じて上を見た。そして、凛子はひ、と喉の奥から絞り出すような悲鳴を上げた。
 そこにいたのは真っ黒い喪服を身に纏い、白い日傘を差したとんでもなく美しい造形をした長身の男であった。凛子はこれを見て初めに、怪異の一種かと思って悲鳴を上げたのだ。あまりに美しすぎるその男はこののんきな田舎の風景に全く持って合っておらず、その空間だけ流れる空気が違うように見えた。凛子はしばらく蛇に睨まれた蛙のように身体を硬直させ、じっとその男を見つめた。そしてよく見ると男が首筋に玉の汗をかいているのに気付き、やっとこの男が人間だと理解し身体の硬直を解いた。
 ふ、と息をつくと同時にとてつもない羞恥心が襲ってきた。顔がゆでだこのように赤くなっていく。自分は今、髪はぼさぼさにひっつめ、ダルダルの変なキャラクターが描かれたTシャツを着ていて汗まみれで、そして下品にもホースから水を飲もうとしていた。凛子はとっさに額に汗で張り付いた前髪をいじって、身だしなみを気にした。そんな凛子を見て、白い日傘の男は自分の鼻をちょんちょんと指で指した。凛子は一瞬何のことかわからなかったがすぐにばっと自分の鼻を擦るとそこにはべったり泥がついていた。凛子は恥ずかしすぎて死にそうになった。そんな様子を見て男はゆっくり「かわいいね」と口の形だけで言ってふふ、と笑い、凛子の前から立ち去って行った。凛子はそのうしろ姿を呆然と見送って、父に声をかけられるまでその場に突っ立っていた。



 ■



 草むしりを終えて、手洗い場でバシャバシャ腕や顔を洗うと、夕日が半分ほど山に隠れ、辺りは薄暗くなっていた。凛子はどうしてもあの美しい男のことが忘れられず、両親に尋ねてみると、男の名前は佐野龍二であることがわかった。10年ほど前に村を出て東京に行き、なにか危ない仕事をしているらしい男であると。その話をしているときの両親の目は嫌悪に満ちており、彼が村の人間に毛嫌いされていることが伝わってきた。それもそうであろう。田舎というのは異質なものを排除しようとする。彼のあの美しさは異質であった。だからきっと彼は弾かれた。そして、異質が迎え入れられる東京へと行ったのであろう。
 凛子は自分でもどうしてかわからないがもう一度彼に会いたいと思った。だからぼさぼさな髪を隠すためにキャップを被り、よれたTシャツの上にパーカーを羽織り、一番汚れていない靴を履いて、家を出た。両親には散歩に行くと言った。凛子はもとからよく散歩に行くタイプだったため、早く帰れよーとだけ言われて送り出された。
 今日葬儀があったのは野口辰彦という男の家である。この野口という中年の男も相当村から嫌われた男であり、普通であれば村の人間がなくなれば村総出で葬儀に出席するのだが、両親は行かなくていい、と言い、他の住民も葬儀に行く様子はなかった。凛子は一度だけ野口と話したことがある。確か小学生の頃だ。酒を飲みすぎて、田んぼに落ちた野口に絡まれたのだ。何を話したかあまり覚えていないが、野口に「お嬢ちゃん将来えらい美人になるやろなぁ」と言われたことだけは覚えている。そんなわけない、と思った。凛子は昔から自分の容姿が嫌いだった。みんなと違う大きな目は出目金、などと言われてからかわれ、頬にできたそばかすを指でつつかれたり、ペンで点々を書かれたりした。みんな大した悪意はなかったが凛子はそれに傷つき、よく人前で俯くようになった。だから野口にそう言われたとき、嘘つき、と思った。しかし、僅かに心の隅っこで嬉しい、とも感じたのだ。
 野口の家につくと、葬儀はすでに終わり、片付けもされたようだった。龍二はどこだろうと家の周りを歩いていると、葬儀会社の人間と話しているのを見つけた。あ、と声が出て、それに龍二はふとこちらを見た。そして、また葬儀会社の人間のほうを見て、ありがとうございました、と頭を下げた。葬儀会社の人間はすぐに車に乗ってどこかへ行った。龍二は手に骨壺を持っていた。そこに野口が入っているのか、と不思議な気持ちになった。記憶の中の野口は熊のような大男だった。それなのに、そんな小さなところに納まってしまうのか、と狭くないのだろうか、と思った。龍二か近づいてきて、なにか言わないとと思うのに、その骨壺から目が離せなかった。

 「あれ、田んぼの子だ。どうしたの?」

 龍二の声は優しかった。恋愛ドラマからでてきたような甘い声だった。凛子はそれにどきりとして、でも目は骨壺から離せず、震える声で答えた。

 「それ……野口、さんですか?」

 そんなことを聞きたいのではなかった。もっと何か他のことを言おうとしたのに、わかりきったことを聞いてしまった。どうしよう、と凛子が焦っていると、龍二はまったりと落ち着いて話す。

 「そうだよ。ちっちゃくなっちゃったんだ。入らないと思ったのに、意外と入るもんなんだね」

 龍二は骨壺を大事そうに抱えなおした。からん、と音が鳴ったのを聞いて、凛子はなぜだか涙がぽろっと出てしまった。野口と話したのは一度きりだ。話したこともついさっきまで忘れていた。なのに、それなのに、なぜだか悲しくて、とてつもなく寂しい気持ちになった。そして思った。自分の容姿を褒めてくれたのは今までで野口だけだったと。
 龍二は急に涙をこぼした凛子を見て驚いた。野口はこの村のみんなに嫌われていた。だから彼のために泣く人間などいないと思っていたのだ。それが、目の前の誰かわからない女が小さくなった野口を見て、泣いている。この女をさっき見かけたとき自分に会いに来たのかと思った。田んぼであったときにかわいいなどと言ったから勘違いしてやってきたのかと思った。しかし、違うようだとわかり、誤解したことを少し悪く思った。

 「おいで、とりあえずうちに入ろうよ。歩けるかな?」

 こくこく頷く凛子の背を撫でながら家の中へ誘導すると、玄関で躓いたので支えてやる。すると、すみませんすみませんと5回小さな声で言った。大人しい女だと思った。龍二がよく相手にする女はだいたいうるさい女が多いのでなんだか新鮮だった。
 凛子を居間に連れて行き、冷たい麦茶を入れてやると、ずと鼻をすすってちびちびと茶を飲んだ。龍二は喉が渇いていたので一気に飲み干してもう一度淹れて机に置いた。

 「きみ、名前はなんていうの?あ、僕は佐野龍二。辰彦おじさんと知り合いなの?」
 「……時田、凛子といいます。野口さんとは一度お話したことが合って、」

 龍二は一度だけ?と不思議に思った。一度話しただけの相手なのに泣くのか、と。よっぽど泣き虫の女なのかと思った。マ、確かにちょっとつつけば泣きそうに見えるが。

 「そうなんだね。嫌じゃなかったらどんな話したか教えてくれないかな?」
 「はい、あの、でもあんまり覚えてなくて……」
 「いいよ、だいたいで」
 「はい……私が小学生のころです。ある日、野口さんはとても酔っていらして、田んぼの溝に落ちてらっしゃたんです。私は、その、両親に野口さんとは、か、関わるなと、その、言われていました。すみません。だから、通り過ぎようとしたのですが、そこを野口さんに声をかけられ、少し、お話をしました。何をお話したか、あまり覚えていません。酔ってらしたので、その、なんとおっしゃてるかもわからない部分もあり……でも、一つだけよく覚えているのが、『お嬢ちゃん将来えらい美人になるやろなぁ』、と、そう、おっしゃってくださって、それが、私、その、すごく、う、嬉しかった、んです。その、それだけです……ごめんなさい」

 凛子は話している間、龍二の視線がじっとこちらに向けられているのに緊張してたどたどしく話した。理由もなく最後に謝ってしまった。龍二はそれを聞いてまたしても驚いた。野口という男は非常に女の容姿について厳しい男だったからだ。龍二は子供のころから野口によく構ってもらっていたが、一緒にテレビの中の女優を見ていても「ぶっさいくやなぁこいつ!」などと言い、彼が女性の容姿を褒めているところを見たことがなかった。そんな野口が目の前のどう見ても芋臭く、パッとしない女を褒めた?凛子の顔を見ようとしても帽子を被り俯いているためよく見えない。確かに綺麗な輪郭をしているが……。

 「ね、凛子ちゃん。お顔見せてくれない?」

 凛子はその言葉にびっくりしてさらに顔を下に向けたが、その拍子に帽子がぽと、と机に落ちる。あ、と思った瞬間大きな白い両手が伸びてきて、顔を包まれた。手はとても冷たかった。びく、と固まっているうちにゆっくりと顔を上げさせられ、龍二と目が合った。凛子の顔をじっと眺める龍二の顔は真剣そのもので少し怖い。龍二の長いまつげがふ、と下がって、次の瞬間ばち、と上がった。その顔は驚いているようだった。

 「わ、びっくりした。凛子ちゃんて……よく見るととんでもなく美人だね」

 そう言ってちょっと頬を赤くして、龍二は笑った。凛子はそんなことを言われて、からかわれているのかと思ったが、龍二のそのちょっと照れたような顔を見て、この男は本気でそう言っているのだ、と信じざるをえなかった。
 龍二は凛子の顔から手を離して、少し温くなった麦茶をごくごく飲んだ。喉仏が上下するさまが酷く色っぽい。

 「辰彦おじさんはね、女性の容姿にすっごく口うるさい人なんだ。だから凛子ちゃんのことそんな風に言ったの聞いてびっくりしたけど、でも確かにおじさんは間違ってなかった。凛子ちゃん本当に綺麗な顔してるもの。おじさん喜んでるんじゃないかな、大人になって美人になった凛子ちゃんが来てくれて」

 龍二は隣の部屋に置いた骨壺を見て、嬉しそうに言った。凛子も骨壺を見て、そうかな、とぽつりと呟いた。きっとそうだよ、龍二がお布団みたいに優しい声で言った。








 
 龍二はお腹すいてない?と言って料理を作り始めた。凛子は自分が作ると言ったが龍二は座ってて、と言って減った麦茶を注ぎ足して台所へと向かった。喪服のジャケットを脱いだ龍二の背中は、黒いタンクトップが透けていて、凛子はそれを見てドギマギして目を逸らした。龍二が料理をしている間にスマホを見ると、母から3度着信が来ていた。凛子は龍二に電話の許可を取って、母に友人と会って家に呼ばれることになったから晩ご飯はいらない、と電話した。凛子に友人などいなかったが、この言い訳は凛子が家に帰りたくないときによく使う言い訳だった。両親もそれはわかっていて了承している。もう成人しているため両親もあまり心配していない。普段は少し栄えた隣の町にあるカラオケに行って早朝まで時間をつぶしているのだが、今日は龍二と一緒に過ごしている。そのこともわざわざ言う必要はないと判断して、凛子は電話を切った。

 「おかあさん、怒ってなかった?」

 龍二が台所から声を飛ばした。手元ではじゅーじゅーと何かを炒めている。

 「はい、もう大人なので……」
 「え!?凛子ちゃん成人してるの!?いくつ?」
 「は、はたちです」
 「ほんとに!?15歳くらいかなって思っちゃってた。ごめんね。子ども扱いしちゃってたかも。あ、僕は27だよ」

 いえ、大丈夫です、と言って凛子は麦茶を飲んだ。初対面の人にはよく間違われることだった。化粧っ気がなく、服装も中学生の時のままなので、子供に見られがちなのである。わずかにコンプレックスに思っていることだったが、化粧をしたり、おしゃれをしたりするのは自分とは関係のないことだと思っているので、変えるつもりもなかった。何も困ることはないし、と思っていた。だが、龍二に会って少しはおしゃれすればよかった、と思った。
 そんなことを思っているうちに龍二ができたよー、と言って料理を運んできてくれた。すごくいいにおいがする料理たちを見て凛子は驚いた。それは実家では見ることがない料理ばかりだったからだ。肉がゴロゴロ入ったチャーハン、大量に皿に盛られたウィンナー、マヨネーズがかけられた焼きそば、てかてか光る照り焼きチキン、荒くつぶされたポテトサラダにはソースがかかっている。完全なる男飯である。そしてこれでもかというジャンクな味付けで、龍二に全く似合っていない。もっとおしゃれな料理が出てくると思っていた凛子はびっくりしたが、目の前のそれらがあまりにも美味しそうなので、思わずごく、と喉を鳴らした。

 「ごめんね。女の子向けの料理じゃなくて。僕、おしゃれな料理とか苦手で」
 「い、いえ!すごく、おいしそうです」
 「ほんと?ならよかった。無理して食べなくてもいいからね」

 どうぞ、と取り皿と箸、スプーンを渡され、最初にチャーハンを取り分けて、口に運ぶ。そして、また驚いた。これすごくおいしい!

 「どう?口に合いそう?」
 「ん、と、とってもおいしいです!こんなにおいしいチャーハンはじめて……」
 「ふふ、そう?良かった。田舎ってさ、なんでもかんでも味薄いよね。僕味濃いのが好きなんだけど、実家はずっと薄味の煮物ばっかりでさ。一人暮らしはじめて反動でこんなのばっか食べてるんだよね」
 「わ、わかります。私の家も薄い味付けばっかりで、でも、私もほんとはこういうのが好き……」

 凛子ははじめて嬉しそうに笑って、次々に料理を食べていった。その様子を見て龍二は嬉しく思った。かつての自分も実家の料理に飽き飽きしていて、よく野口の家に行ってこんな料理を食べさせてもらっていた。ばくばくと料理に食らいつく成長期の龍二を見て、野口は酒を飲みながらガキはもっと食え!と言って笑った。あの時の野口の気持ちが少しわかったような気がした。

 「いっぱい食べてね。足りなかったらまた作るからね」

 デザートにアイスもあるんだよ、と言って龍二は凛子の頬についた米粒を取ってそれをひょいっと食べた。凛子は口にいっぱいものを詰めて赤面した。赤くなった凛子を見て龍二は可愛らしい反応をする子だなと思った。きっと男慣れしていないのだろう。少し、からかってみたくなった。

 「ねえ、お腹いっぱいになったらさ、一緒にお風呂入ろうよ」
 「へっ!?お、おふろ?で、でも……」
 「僕、古い家のお風呂、苦手なんだよね。なんか暗くておばけでそう。ね、だから一緒に入ってほしいな」

 凛子はぽと、とウインナーを取り落としてぽかん、と口を開けた。そして甘えるように上目遣いで龍二に見つめられ、凛子は顔を真っ赤にして頷いた。










 「うわ、脱衣所暗、電球チカチカしてる」

 脱衣所は電球が切れかかっていて薄暗く、凛子も確かに怖いと感じた。ととと、っと音がした方を見れば、ねずみが2匹走って行ったので凛子は思わずひっと声を上げて龍二の背中に抱き着いた。

 「おっと、大丈夫?ねずみたちもうあっち行ったよ」

 よしよし、と頭を撫でられ、わっと身体を離した。思わず抱き着いてしまったが、龍二は上半身に何も纏っていない。頬に触れた皮膚の感触と、美しく均一に筋肉がついた背中に心臓が激しく動き出した。

 「ごっ、ごめんなさい!」
 「ん?ふふ、もっと触ってもいいんだよ?凛子ちゃんだけ、特別」

 龍二はそう言って凛子の手を自分の胸元に触れさせた。凛子は手を引っ込めようとしたが、龍二の力が強く、離してくれないので、諦めてゆっくりと彼の胸元に触れた。鍛え上げられた胸筋は硬いかと思ったが存外柔らかい。鎖骨がくっきりと浮き出てぼこぼこしている。龍二の手が下りて、今度は腹に触れる。腹筋が綺麗に6つに割れていて硬い。凹凸を指でなぞると龍二の身体が僅かに揺れ、それに驚いて手を引っ込めた。

 「あはは、凛子ちゃん、顔まっか。大丈夫?今から裸んなってお風呂入るんだよ?倒れちゃわないかな」

 龍二の指先が真っ赤になった凛子の頬をつついた。凛子は恥ずかしくて泣きそうになった。今から裸になるなんて。自分の貧相な身体を見られるなんて。こんな、完璧な肉体をした男に。

 「あ、あの、わたし、やっぱり……」
 「え?ダメだよ。僕だけ裸見られちゃったの恥ずかしいじゃん。凛子ちゃんも早く脱いでね」

 その言葉に、ぐ、と詰まって何も言えない。ほら、と急かされて、パーカーを脱がされてしまった。凛子のパーカーを丁寧にたたんでかごの中に入れ、龍二は自分のスラックスを脱ぎ始めてしまった。ちら、と有名ブランドのロゴが書かれたゴムの部分が見えて凛子は慌てて目を逸らした。自分も脱がないと、と思ってTシャツに手をかけるがなかなか踏ん切りがつかない。すると後ろから手がにゅっと伸びてきて、Tシャツの裾をつまんだ。

 「脱がないなら僕が脱がせちゃうよ?いいの?」

 ぞっとするほど色気に満ちた声だった。凛子は羞恥で死にそうになりながらもなんとか龍二の手を退かせて自分でTシャツをまくった。龍二がいいこだね、と言って凛子のまとめた髪を解いた。項に冷たい指先が当たってぞく、と鳥肌が立った。龍二が先にお風呂入ってるね、と軽い調子で言って浴室に入っていった。凛子はそれにほっとして肩を落とし、服を脱いでいった。下着姿になると、これを見られなくて良かったと思った。下着が揃ってなくて上下で別々の柄だったからだ。脱いだ服の中に隠すようにして置くと、浴室に入ろうとドアの前に立つ。そして、このまま入ったら明るいところで自分の裸が丸見えになってしまうと気付いた。タオルを巻いていこうと探すが見つからない。どうしようと焦っていると、浴室から早くおいでー、と声をかけられる。もう諦めてこのまま入るしかない、と覚悟を決め、扉に手をかけ、中に入る。

 「あ、凛子ちゃん来た。軽くシャワー浴びな。あ、それ急に水になるから気を付けてね」

 龍二はすでに浴槽に浸かっていて長い足を浴槽のふちにかけてぶらぶら揺らしている。凛子はドギマギしながら軽くシャワーを浴びて、汚れを流し、浴槽に入り、龍二が空けてくれたスペースに座った。浴槽が狭いので龍二の足の間に座り、背を預けるようにして密着してしまう。さらに龍二は凛子の肩に顎を乗せ、凛子の手を握って楽しそうに鼻歌を歌った。

 「凛子ちゃん、おててちっちゃいね。かわいい」
 「りゅ、龍二さんは、大きいですね。指も長くて、綺麗」
 「そうかな?ありがとう。凛子ちゃん優しいね。一緒にお風呂も入ってくれるし」
 「いえ、そんな……」
 「僕さ、嬉しかったんだよね。今日、凛子ちゃんがここに来てくれて。……辰彦おじさんさ、皆に嫌われてるから、まあ僕も嫌われてるけど。だから、親戚の誰も喪主してくれなくて、子供の頃仲良かったから僕のところに連絡がきたんだ。やってる店ダチに任せて、東京から急いでこっち戻ってきて、初めてやる葬儀の準備してさ。全然わけわかんなくて大変だったんだ。それに、昨日が最悪でさ、お通夜だったからこの家でたくさん凝った料理用意して待ってたんだよ。いくら嫌われてると言えど誰かは来るかなって。そしてらね、だーれも来なかったの!0人!僕びっくりしちゃった。それで仕方ないから料理全部捨ててさ。今日の葬式も結局3人しか来なかった。だから暇んなってその辺散歩してたんだ。おじさんどんだけ嫌われてるんだって思った。死んでまでこんなに嫌われてやっぱ田舎嫌いだなって思った。でも、そしたら凛子ちゃんが来てくれて、おじさんのために泣いてくれて、僕の料理おいしそうに食べてくれて。純粋に嬉しかった。なんか、癒された?のかも。だから……ありがとね、凛子ちゃん」

 手を強く握られて、その手が僅かに震えているのに気付いた。大変だったんだな、と思った。大事な人が亡くなってそれだけでも辛いのに、初めてやる喪主、誰も協力してくれず、そして一人も来ない通夜。葬式でさえほとんど人が来ない。そんなの大事な人の死体を蹴られているようなものだ。そんな辛い葬儀を龍二は一人ぼっちで乗り越えたのだ。彼はちゃんと泣けたのだろうか。
 
 「龍二さん、頑張ったんですね。一人で偉かったですね。きっと野口さんも喜んでると思います」

 龍二の頭を緩やかに撫でると、肩にぼと、と雫が落ちたのを感じた。きっと指摘されたくないだろうと思って、ただ同じリズムで頭を撫で続けた。









 「ごめんね、弱音吐いちゃった。僕かっこ悪いね」

 身体洗おっか、と龍二が浴槽から上がって、風呂いすに座った。おいで、洗ったげる、と呼ばれて凛子も浴槽から上がり、龍二の前に座った。タオルにボディーソープをつけてわしゃわしゃ泡立て、痛くないくらいの強さで背中を擦られる。髪を持ち上げて項も擦られ、少しくすぐったい。こっち向いて、と言われて身体を龍二のほうに向けると、鎖骨のあたりから順番に胸、腹と洗われたが、性的な触り方はされなかった。立って、と言われたので立ち上がると足の間や太腿からつま先まで綺麗に洗われた。凛子は恥ずかしかったが、性的な雰囲気にならなかったことに少し安心した。髪も洗ってあげる、と言われ、これしかないけど、と龍二が持ってきたシャンプーとトリートメントを使われた。メンズのシャンプーなのに少し甘い香りがした。はい、終わり、洗顔はこれ使って、と洗顔フォームも渡されて顔は自分で洗った。なんだか顔がつるっとした気がする。きっといいものなのだろう。
 僕も洗って、と言われたので、同じようにタオルで泡立て、背中からごしごし洗っていった。凛子は人の身体を洗うのが初めてだったので痛くないですか、と聞くと、上手だよ、と龍二は答えた。前側を洗っていき、性器のところで凛子が止まると、そこも洗ってね、と言われ、手が触れないように恐る恐る洗った。その様子に龍二はくすくす笑って面白がっていた。なんとか身体を洗い終えると今度は髪を洗うように言われて、わしゃわしゃ洗うと、龍二はきもちいー、と言って嬉しそうにした。凛子はその声を聞いて安心して、気になったことを尋ねてみた。

 「あの、その龍二さんの右腕の、それは……」
 「あ、これ?タトゥーだよ。東京行ってすぐ彫ってもらったんだ。怖い?」
 「いえ、怖くないです。その、綺麗だなって。天使?ですか?」
 「そう、天使さま。僕のお気に入りなの。おまもりみたいなものかな」

 へぇ、と言いつつ凛子は少し安心した。これを見つけたときもしかして龍二はやくざなのでは?と不安になったからである。凛子にとってタトゥーとはやくざや悪い人が入れるものだったからだ。しかし、龍二の口ぶりでは何か怖い組織に入れるように言われた、という感じではなく、自分で入れたかったから入れた、というように見える。だから凛子は安心して泡をシャワーで流した。その時に龍二の耳にはたくさんのピアスの穴が開いていることにも気付いた。

 「洗ってくれてありがと、気持ちよかったよ」

 龍二は顔を洗い、髪を後ろに撫でつけて言った。髪を上げるとかなり印象が変わり、少しキツイ印象になった。凛子はそれにどきりとしながら、こちらこそ、と言った。これで終わりかと思い浴室を出ようと立ち上がると、龍二に腕を掴まれ、座って、と浴槽のふちに座らせられる。なんだろうと不思議に思っていると、急に足首を掴まれ、ぐいと片足を開かれ足の裏を浴槽のふちの上に乗せられる。急に恥ずかしい格好をさせられたことに驚き、足を閉じようとするが龍二が手を置いているため閉じられない。

 「ひ、な、なに……」
 「ん?洗ってくれたお礼、しよっかなって」
 「いら、いらない……」
 「えー?傷つくな。でも、僕知ってるんだからね……凛子ちゃん、僕に洗われてる時、濡らしてたでしょ」

 凛子は言われたくなかったことを指摘されて顔を真っ赤に染め上げた。バレていた。何も言われないからバレてないと思っていたのに!羞恥でじわ、と涙が出た。
 
 「あー!待って待って、泣かないで。ごめんね、意地悪言っちゃったね。大丈夫だよ、可愛いなって思っただけだから。嬉しいよ、僕で興奮してくれたの。それに、僕も……ほら」

 見せられた龍二の陰茎は大きくなっていて、彼も興奮しているのだとわかる。そしてその大きさが平均と比べて遥かに大きいのを見て、凛子はごく、と唾を飲み込んだ。

 「ね?だから、恥ずかしくないよ。大丈夫。ね、一緒に気持ちいいこと、したくない?」
 「あ、う、でも、私……」
 「大丈夫。僕に任せて。痛いことはしないから。ただ気持ちいいだけ。それだけ。何も悪いことは起きないよ」

 震える凛子の手を龍二がぎゅ、と握りこむ。凛子がふちから落ちないように支えてくれたのだと気付く。その手は相変わらず冷たいがしっとりと汗で濡れていた。
 凛子は無意識のうちにぎゅ、と手を握り返し、こくりと頷いた。








 「ぁ、あ、あ!ん、うう!ふ、ふ、ぁーー、あ、あっ!」

 凛子は初めて与えられる種類の快楽に見悶えていた。美しい顔の男が自分の濡れそぼった性器を舐めている。それだけで凛子には刺激が強すぎるのに龍二の愛撫はとんでもなく上手かった。膣内に指を一本だけ挿入し、的確に泣き所を刺激する。そして、柔らかい舌の広い面を押し当てるように陰核を舐め、時折優しく吸ったり、ごく軽く歯を当てたりする。決して乱暴にも、強くもされていないのに、もたらされる刺激は凛子を何度も絶頂に追い詰めるほど強い。そんなに長い時間されているわけではないのに、凛子はすでに体力をごっそり持っていかれるほど絶頂している。龍二はただ凛子の手を握りしめるだけで、何も言わない。時々うざそうに落ちてくる前髪をかき上げるだけだ。

 「あ、ぃ、いく、いっちゃ……!んん!ふ、ぅぐ」

 しょろ、と潮が漏れて、龍二の頬にかかった。龍二はようやく口を離し、口元についた愛液をぺろ、と舐めとってぐしぐしと口元を拭った。そして息も絶え絶えな凛子をぎらついた雄の目で見つめた。

 「あはは、潮まで吹くと思わなかったな。感じやすいんだ。かわいいね」

 はふはふと苦しそうな凛子の前に立ち上がって、凛子の脇に手をいれ、ゆっくりと床に下ろす。凛子はくた、と跪いて龍二の足に縋りつく。龍二はそんな凛子の頭を優しく掴んで、自分の陰茎に近付けた。

 「僕のことも気持ち良くしてほしいな。やり方、わかる?」

 凛子は自分の頬に触れた陰茎の熱さと大きさを感じて、じゅわ、と唾液が溢れるのを感じた。口で奉仕した経験は数回程度であまり上手くはないがやり方はわかる。ちゅ、と陰茎に口づけていき、片手の指で輪っかを作り強めに扱く。硬さが増したら舌でゆっくりと唾液を絡めるようにして舐め上げる。何度も舐め上げると、頭上からふ、と息を吐く音が聞こえてこれで間違ってないようだと安心した。全体的に濡らせたら先っぽを咥え、亀頭をくるくると舐めた。鈴口も舐めると、口内に独特の苦みが広がり、僅かに眉をしかめる。しかし、龍二が気持ちよさそうに腰を揺らしたので奉仕を続けた。

 「ふ、きもちいいよ。上手だね。凛子ちゃん、いいこ。えらいね」

 髪を撫でられながら龍二はそう言って優しい声を出したが、実際はあまり余裕がなかった。凛子のフェラチオはそこまで上手くはなかったが、その視覚から与えられる刺激が龍二を興奮させた。髪の濡れた美しい女が陰茎を口いっぱいに頬張り、股を濡らしている。つんとたった小さな乳首も、控えめな乳房も、くっきり浮き出た鎖骨や腰骨も龍二からはすべてが見えていて、そのすべてに興奮させられた。何より興奮をそそったのはその美しい顔である。凛子の目は綺麗な二重であり、きつく見えない程度に吊り上がった猫目であった。それを縁取るまつ毛は長くびっしりと生えていて、今は水滴がついて束になっている。伏せられた目が憂いを帯びているように見える。細めの眉をくっと寄せると苦し気で虐めているような気分になった。陰茎を咥える唇は何も塗っていないのにほんのり赤く、口内はすごく狭い。頬に浮かぶそばかすが彼女を人間にしていた。それがなければ精巧につくられた人形のようである。
 凛子がぐぐ、と陰茎を奥まで入れようとしている。喉に当たって辛いのか目には涙が浮かんだ。それを見て龍二はもっと奥まで入れて乱暴に腰を振りたいと思った。龍二は生粋のサディストである。女を泣かせることが何よりの興奮材料だった。そして、龍二から見て凛子はマゾヒストに見えた。確証はないが、龍二は仕事柄その人がどちらの性質を持つのか見分けるのが得意なのだ。だから、ちょっと試してみよう、と思って、優しく撫でていた凛子の髪をぐしゃ、と乱暴に掴み、そのままぐっと自分のほうに押し付けた。

 「んぐぅ!?ぉご、ぎゅ、ご、ぉ!」

 急に喉奥まで突き入れられた凛子はびくん、と身体を跳ねさせ、龍二の太腿を掴んだが、それ以外に何も抵抗を見せず、大人しく喉の力を抜いて蹂躙を受け入れている。龍二はこの反応を見て当たりだ、と喜び、何度も何度も喉奥で陰茎を扱き、凛子が酸欠で気を飛ばしそうになったころようやく射精した。びゅうう、と凛子の舌の上に出すと、凛子は咳き込んで吐き出そうとしたので、大きな手のひらで凛子の口を覆って、飲んで、と命令する。すると凛子は眉をくっと寄せてぎゅっと目を瞑り何度かにわけてゆっくり嚥下し、ぱか、と口を開いて全て飲めたことを龍二に見せた。龍二はこの凛子の従順さを見てぞく、と鳥肌が立った。龍二を見上げ、はふはふと浅い息をする凛子を優しく抱きしめ、乱暴に掴んだ髪を梳かすように撫でてやった。

 「よしよし、いい子だね。すごく上手にできたね。乱暴にしちゃったのに耐えてくれてありがとう。すごく嬉しかった。気持ちよかったよ。ありがとう」
 「は、はふ、ぁ、私、いいこ?ん、ちゃんと、できてました、か?」
 「うん。とってもいいこだよ。ちゃんとできてたし、すごく上手だった。凛子ちゃんはすごいね」

 龍二は凛子を優しく褒め、息が落ち着くようにゆっくり話すよう促しながら凛子を抱えて浴室を出て、タオルでくるみ居間に連れて行ってドライヤーで髪を乾かしてやった。熱くない?痛かったら言ってね、と声をかけながら凛子の髪を乾かしてやり、乾いたら自分が持ってきたパジャマの上を着せてやった。身長差がかなりあるので、上だけでワンピースのようになるのだ。龍二は下だけ履いて上は何も着なかった。まだ少しぼーっとしている凛子にゆっくり飲んでね、と麦茶を手渡すと、凛子はちびちび飲みだした。そうして凛子は少し落ち着いて、自分がされたことを思い返しじわじわと赤面した。

 「ごめんね、急に手を出しちゃって。びっくりしたでしょ。怖くなかった?」
 「い、いえ。ぜんぜん、大丈夫です。その、私も、望んだので……怖くもありませんでした」
 「そっか。それならいいんだ。後からでも嫌になったりしたら、僕のこと殴っていいからね。警察に言ってもいいし」
 「い、いや!そんなこと、しません!ちゃんと、合意の上での行為、ですから……」
 「そう?ありがとう。嬉しいよ。……じゃあ、明日もしていい?」

 は?、と凛子の口からぽろっと疑問符が落ちた。明日も?どういうこと?龍二は麦茶をごくん、と飲み込んで、コップを指でぐらぐら揺らしながら言った。

 「僕、明日から5日間やることなくて暇なんだ。一人で遊んでもつまらないし、一緒に遊ぼうよ」

 だめ?とちょっと拗ねたように龍二は言った。それは友達に遊びを断られていじけている子供のようにも見えて、少し可愛いと感じた。
 5日間……と凛子は思った。凛子は5日後にとても大事な、凛子の人生を左右するようなイベントが待ち受けている。それまでの間、龍二と過ごせたら、それはとてもいい息抜きになるような気がした。畑の手伝いだって、別に自分がいなくたって特に困らないはずだ。両親も凛子が5日後をすごく嫌に思っていることを知っている。多少のわがままは許してくれるだろう。今日の龍二との時間はとても刺激的で、しかし温かみのある心地よい時間だった。だから、凛子は思い切って龍二の誘いに乗ることにしたのだ。

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