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教師2年目
復習
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「じゃあ、今日は復習からやっていこうか。新しく来た人たちもいるしな」
前学年ぶりの木の棒を取り出す。
「元からいる人たちはわかってるだろうが、ミクとキリトがいるからもう一度説明しておく。これは魔力制御を上達させるための練習だ。みんなは魔力量はもってるから適当に発動しても魔法自体は発動できる。ただ超高火力で、だ。それだと使えるだけだ。ただ威力が高いだけの魔法が効かないことは昨日わかっただろ? みんなの魔力だとただこの木の棒に火を点けるだけじゃ消し炭にしてしまうだけだろうから、それを抑える練習だな。ウィル、やってみてくれ」
「はい」
ポンと投げ渡された木の棒の先っちょに火を点けるウィル。
「こんな感じだな。やってみればわかると思うが、結構難しいから。ほい」
転入生2人に棒を渡す。
「他の人たちは他の属性。自分の得意なのでもいいし、不得意なのでもいいから木の棒の先に火を点ける感じでやってみてくれ。それの難しいのは、木の棒って燃えるイメージあるだろ? で、そこに火を点けるイメージが皆には根付いているわけだが、そこに他の現象を起こす練習になる。これが出来るようになれば、凄い湿った場所でも比較的楽に火を点けられるようになったり、火山でも氷魔法を使えるようになったりする」
どれだけ理論だてても魔法は結局のところ想像力が大切だ。
言うなれば、実際に起こることを覆す想像力を養う練習だ。
何言ってるのか自分でもわかんないけども。
「で、2人はとりあえず一回やってみようか。俺見とくから。どっちからやる?」
「……」
「あ、じゃあ私からで……」
「炎よ!」
掛け声1つ。
棒を持っている自分の手まで燃えるのではないかという大きさの火が灯る。
むしろ灯るというより、棒を丸ごと焼いている。
ここまでは予想通りだが。
水魔法で囲い込んで消火する。
「な、ムズイだろ? どんな能力であれ、自分の力として制御できないっておかしいよな。そうでなくとも、例えば洞窟で戦闘になったとする。好きなように魔法をぶち込んでたら崩落して全員死ぬな。自分は生きれるとか思うかもしれないが、例えば軍の行軍のためにその洞窟を抜ける必要があれば? それだけで予定がどれだけ変わるかわかったもんじゃない」
コクコクと頷いているミク。
「キリトもやってみよう。ほら」
一応棒を受け取ったキリトだが、不満気だ。
「俺が失敗して先生はちゃんと抑えられるんですか?」
「ん?」
「聞きましたよ。先生はB級らしいですね。そんなんでS級の俺の魔法を抑え込めるんですか?」
「今目の前でミクのをちゃんと抑えたと思うんだけどな。前提として、今回は魔力量を抑えて魔力制御がちゃんと出来るようになるって練習なわけだけど。今のだと自分はまず間違いなく盛大にミスするよって言ってるようなもんだけどな?」
「……! そんなわけないだろ! 見てろよ!」
もはや敬語すらもなくなったキリト。
ライヤも少しムッとして煽るような論調になったのは少し反省しているが、それにしても乗りやすすぎだろう。
気合いを入れて魔法を準備するキリト。
結果は見えている。
ボオォッー!!
案の定、この練習で見たことがないほどの火柱が上がる。
気合い入れて魔法使ったらそうなるだろ。
案の定魔力制御の欠片もなかったのでもはや魔法の制御をキリトから奪って鎮火させるライヤ。
「「おおー」」
ライヤを知っている生徒たちからは感嘆の声があがるが、2人は理解できていない様子。
「俺の魔法が……?」
「一体どうやって……?」
困惑の嵐だ。
「勘違いしてるみたいなんだけど、魔法のコントロールには魔力制御が必須なんだ。魔力量だけで誤魔化して発動だけは出来るが、それだけじゃ魔法の権利を奪われてしまう。さっきみたいにな。あれは単純にキリトの魔法の制御を俺が奪って消しただけだ。それ以上は何もない」
「想像してみろ。一騎打ちの状態で自分が決め手として放った魔法を奪われて返されたら。それだけで負けだろ。決め手じゃなくとも、自分の魔法が大抵乗っ取られるようなことがあればきつすぎるだろ? その辺をケアする意味合いもある」
「で、俺が簡単にキリトの魔法を奪えたのはだが。自分で言うのもなんだが、魔力制御にはかなり自信がある。それこそ、アン第一王女の魔法でも少し距離が開けば乗っ取れるくらいに。相手との魔力制御の練度が離れるほど魔法に対する影響力が強くなる。練習するに越したことは無いだろ?」
どうやら、2人は諸国連合の方でこのような話を聞いたことは無かったらしい。
まだ10歳ほどで向こうでは教える前だっただけなのかもしれないが。
経験というか、練度が必要とされる魔力制御に関しては始めるのが早ければ早いほどいいとライヤは考えている。
「じゃあ納得していただけたところでやっていこうか」
前学年ぶりの木の棒を取り出す。
「元からいる人たちはわかってるだろうが、ミクとキリトがいるからもう一度説明しておく。これは魔力制御を上達させるための練習だ。みんなは魔力量はもってるから適当に発動しても魔法自体は発動できる。ただ超高火力で、だ。それだと使えるだけだ。ただ威力が高いだけの魔法が効かないことは昨日わかっただろ? みんなの魔力だとただこの木の棒に火を点けるだけじゃ消し炭にしてしまうだけだろうから、それを抑える練習だな。ウィル、やってみてくれ」
「はい」
ポンと投げ渡された木の棒の先っちょに火を点けるウィル。
「こんな感じだな。やってみればわかると思うが、結構難しいから。ほい」
転入生2人に棒を渡す。
「他の人たちは他の属性。自分の得意なのでもいいし、不得意なのでもいいから木の棒の先に火を点ける感じでやってみてくれ。それの難しいのは、木の棒って燃えるイメージあるだろ? で、そこに火を点けるイメージが皆には根付いているわけだが、そこに他の現象を起こす練習になる。これが出来るようになれば、凄い湿った場所でも比較的楽に火を点けられるようになったり、火山でも氷魔法を使えるようになったりする」
どれだけ理論だてても魔法は結局のところ想像力が大切だ。
言うなれば、実際に起こることを覆す想像力を養う練習だ。
何言ってるのか自分でもわかんないけども。
「で、2人はとりあえず一回やってみようか。俺見とくから。どっちからやる?」
「……」
「あ、じゃあ私からで……」
「炎よ!」
掛け声1つ。
棒を持っている自分の手まで燃えるのではないかという大きさの火が灯る。
むしろ灯るというより、棒を丸ごと焼いている。
ここまでは予想通りだが。
水魔法で囲い込んで消火する。
「な、ムズイだろ? どんな能力であれ、自分の力として制御できないっておかしいよな。そうでなくとも、例えば洞窟で戦闘になったとする。好きなように魔法をぶち込んでたら崩落して全員死ぬな。自分は生きれるとか思うかもしれないが、例えば軍の行軍のためにその洞窟を抜ける必要があれば? それだけで予定がどれだけ変わるかわかったもんじゃない」
コクコクと頷いているミク。
「キリトもやってみよう。ほら」
一応棒を受け取ったキリトだが、不満気だ。
「俺が失敗して先生はちゃんと抑えられるんですか?」
「ん?」
「聞きましたよ。先生はB級らしいですね。そんなんでS級の俺の魔法を抑え込めるんですか?」
「今目の前でミクのをちゃんと抑えたと思うんだけどな。前提として、今回は魔力量を抑えて魔力制御がちゃんと出来るようになるって練習なわけだけど。今のだと自分はまず間違いなく盛大にミスするよって言ってるようなもんだけどな?」
「……! そんなわけないだろ! 見てろよ!」
もはや敬語すらもなくなったキリト。
ライヤも少しムッとして煽るような論調になったのは少し反省しているが、それにしても乗りやすすぎだろう。
気合いを入れて魔法を準備するキリト。
結果は見えている。
ボオォッー!!
案の定、この練習で見たことがないほどの火柱が上がる。
気合い入れて魔法使ったらそうなるだろ。
案の定魔力制御の欠片もなかったのでもはや魔法の制御をキリトから奪って鎮火させるライヤ。
「「おおー」」
ライヤを知っている生徒たちからは感嘆の声があがるが、2人は理解できていない様子。
「俺の魔法が……?」
「一体どうやって……?」
困惑の嵐だ。
「勘違いしてるみたいなんだけど、魔法のコントロールには魔力制御が必須なんだ。魔力量だけで誤魔化して発動だけは出来るが、それだけじゃ魔法の権利を奪われてしまう。さっきみたいにな。あれは単純にキリトの魔法の制御を俺が奪って消しただけだ。それ以上は何もない」
「想像してみろ。一騎打ちの状態で自分が決め手として放った魔法を奪われて返されたら。それだけで負けだろ。決め手じゃなくとも、自分の魔法が大抵乗っ取られるようなことがあればきつすぎるだろ? その辺をケアする意味合いもある」
「で、俺が簡単にキリトの魔法を奪えたのはだが。自分で言うのもなんだが、魔力制御にはかなり自信がある。それこそ、アン第一王女の魔法でも少し距離が開けば乗っ取れるくらいに。相手との魔力制御の練度が離れるほど魔法に対する影響力が強くなる。練習するに越したことは無いだろ?」
どうやら、2人は諸国連合の方でこのような話を聞いたことは無かったらしい。
まだ10歳ほどで向こうでは教える前だっただけなのかもしれないが。
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