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教師2年目
隠れた才能
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『おらぁ!』
開幕から戦闘が始まったのでA・E級ばかりが映されていたが、徐々に他のクラスも映し出されるようになる。
他のクラスも戦闘に突入したのだ。
『ぶっ殺せ!』
『油断しないように!』
会場に響き渡る怒号。
両親は顔を赤くし、他の親たちは苦笑する。
「流石はウィル様。統率能力も人一倍あるようですね」
映し出されているのはS・F級の様子。
彼らの中で最初に戦闘に入ったのはウィルたちだった。
「土よ!」
ウィルが地面に少しだけこぶを作り、そこに猪型の魔物が足をとられる。
「今だ!」
躓いて動きが鈍くなった魔物にF級の面々が襲い掛かる。
型など何もないただ武器を振り回しているだけの攻撃だが、魔物相手には十分である。
襲い掛かる様はむしろこちらが魔物のようである。
「とったどー!」
勝鬨によって更に士気を高める一団。
ウィルはその様子を一人冷めた様子で見ていた。
「(やはり、魔法が有効ではないというのは直接攻撃が、という話だったようですね。それもそうです。つまり、私の得意な氷魔法で足を止めさせるというのも有効なはず)」
先ほどの様子を見ていれば、魔法を使わずとも対応可能なのは分かった。
だが、優勝を目指すにはより効率的に処理していかなければならない。
「(S級の力の見せどころですね)」
「マロン君、大丈夫!?」
「大丈夫だよー。次に進むよー」
心配しているF級の生徒に言葉を返し、また前進を始めるマロン。
全身鎧に身を包んだ彼は元々の動きの遅さに拍車をかけていた。
二列横隊でスタートしたはずだが、マロンがいる班のところだけ遅い方に突出している。
だが、魔物も横一列になって待っているわけもないのでその差は誤差でしかない。
「でも、ボコボコにされてたよ!?」
「ちゃんと守ってるからねー。無理だったらすぐに変わってもらうからー」
マロンは自分のタンク役という仕事に今までにないやりがいを感じていた。
マロンは動くのが嫌いだ。
しかし、何も役に立てないというのも少しきまりが悪い。
そんなマロンだから、動かなくて自分の身を守っているだけで相手の気を引け、役に立てるというタンク役はいわば天職であった。
「でも、なんでマロン君ばかり狙うんだろう?」
「さぁー? そんなことは後から考えようかー」
「そうだね。優勝のために頑張らなくちゃ!」
気合いを入れ直すF級の女の子にうんうんと頷きながらマロンは歩き続ける。
確かに、マロン以外を狙う事も出来るはずだし、他の生徒が攻撃を加え出してからもなぜか魔物の視線はマロンに向けられたままだった。
メカニズムはわからないが、今は役に立つということだけわかっていればいい。
「(先生に言えばわかるかなー)」
あくまで、自分のペースで。
マロンは歩を進めていく。
開幕から戦闘が始まったのでA・E級ばかりが映されていたが、徐々に他のクラスも映し出されるようになる。
他のクラスも戦闘に突入したのだ。
『ぶっ殺せ!』
『油断しないように!』
会場に響き渡る怒号。
両親は顔を赤くし、他の親たちは苦笑する。
「流石はウィル様。統率能力も人一倍あるようですね」
映し出されているのはS・F級の様子。
彼らの中で最初に戦闘に入ったのはウィルたちだった。
「土よ!」
ウィルが地面に少しだけこぶを作り、そこに猪型の魔物が足をとられる。
「今だ!」
躓いて動きが鈍くなった魔物にF級の面々が襲い掛かる。
型など何もないただ武器を振り回しているだけの攻撃だが、魔物相手には十分である。
襲い掛かる様はむしろこちらが魔物のようである。
「とったどー!」
勝鬨によって更に士気を高める一団。
ウィルはその様子を一人冷めた様子で見ていた。
「(やはり、魔法が有効ではないというのは直接攻撃が、という話だったようですね。それもそうです。つまり、私の得意な氷魔法で足を止めさせるというのも有効なはず)」
先ほどの様子を見ていれば、魔法を使わずとも対応可能なのは分かった。
だが、優勝を目指すにはより効率的に処理していかなければならない。
「(S級の力の見せどころですね)」
「マロン君、大丈夫!?」
「大丈夫だよー。次に進むよー」
心配しているF級の生徒に言葉を返し、また前進を始めるマロン。
全身鎧に身を包んだ彼は元々の動きの遅さに拍車をかけていた。
二列横隊でスタートしたはずだが、マロンがいる班のところだけ遅い方に突出している。
だが、魔物も横一列になって待っているわけもないのでその差は誤差でしかない。
「でも、ボコボコにされてたよ!?」
「ちゃんと守ってるからねー。無理だったらすぐに変わってもらうからー」
マロンは自分のタンク役という仕事に今までにないやりがいを感じていた。
マロンは動くのが嫌いだ。
しかし、何も役に立てないというのも少しきまりが悪い。
そんなマロンだから、動かなくて自分の身を守っているだけで相手の気を引け、役に立てるというタンク役はいわば天職であった。
「でも、なんでマロン君ばかり狙うんだろう?」
「さぁー? そんなことは後から考えようかー」
「そうだね。優勝のために頑張らなくちゃ!」
気合いを入れ直すF級の女の子にうんうんと頷きながらマロンは歩き続ける。
確かに、マロン以外を狙う事も出来るはずだし、他の生徒が攻撃を加え出してからもなぜか魔物の視線はマロンに向けられたままだった。
メカニズムはわからないが、今は役に立つということだけわかっていればいい。
「(先生に言えばわかるかなー)」
あくまで、自分のペースで。
マロンは歩を進めていく。
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