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教師3年目
処遇決定
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「ふーん?」
「はい……」
男をぼろきれのような状態のまま放っておいて帰るのも検討したが、ヨルが反対したので取りやめとなった。
それどころか、ヨルは男の傷を動けるくらいまで治してあげている。
流石に聖女候補。
これ言ったら本人は怒るが。
「お前は傭兵で? 王国と諸国連合が戦争を始めたのをきっかけに混ざろうと出発したが? 間に合わずに今頃到着して? しかもその遅れた理由が立ち寄る町それぞれで女に手を出していたから?」
「はい……」
正座させられている男は窮屈そうだが、身長もあってどうにも小さくは見えない。
「で、どう落とし前つけるんだこれ」
「いかようにも……」
聞けば、男は一応は無理やりに女を襲ってはいないらしい。
しかし、脅し紛いの事をして決闘に持ち込み、その対価に女を差し出させていたとのこと。
王国ではまだやっていないようだが、気持ちの良い話ではないのは確かだ。
「で、王女としてはどうよ」
「私には関係ないわ。王国でやってたなら即処刑だったけど」
むしろ感情のない言葉が真実味があってコワイ。
「ただ、こいつが言ってることが本当だという証拠はないから、とりあえずは拘束ね。こいつが通ってきた道の町に被害がないかを確かめないと」
「本当に王女だったか……」
事務的な話をするアンにため息をつく男。
どうやらアンが王族なことには気づいていたらしい。
「そりゃ王家の特徴が白髪赤眼なのは周知の事実なんで……」
「知らないのはライヤくらいのものよ」
確かに学園入学時点では知らなかったけども。
わざわざその話を持ち出さなくても。
「そんなことはいいとして、とりあえず町長に引き渡すってことでいいよな?」
「それはそうね。ただ、この国の犯罪じゃないし、町長も引き渡されてもどう扱っていいかわからないんじゃないかしら」
「じゃあどうするんだよ」
「ライヤが管理すればいいじゃない」
「絶対に嫌だ」
「俺はいいぜ。命を取られないだけ儲けもんだ」
「うるせぇ! お前に今発言権はない!」
「……」
律儀に口を閉じる男。
「ほら、もう懐いてるじゃない」
「犬かなんかみたいに言うんじゃない! 愛着も何も沸くかこんなもん!」
ぺシぺシとスキンヘッドを叩く。
「なんでも言う事を聞いてくれる駒の1つや2つあった方がいいわよ」
「既に駒扱いしているアンの方が怖いが……。もうそんな奴ら居るし……」
フフフフ……、と暗く笑うイプシロンの顔が浮かぶ。
あ、そうじゃん。
「イプシロンに教育を任せよう」
「……暗部には向かなそうじゃないかなー?」
「使いようはいくらでもあるだろ。あれであいつは部下は大事にするタイプだからよっぽど無理な命令はされないと思うけどな」
そうと決まれば。
「誰かいるか」
「はっ!」
ライヤ達から少し離れたところに急に姿を現す暗部の1人。
やっぱりか……。
「こいつを鍛えてやってくれ。戦闘力はかなりあるみたいだが、暗部としてはそもそもの適性が低い。やり方は一任するが、殺すなとイプシロンに伝えてくれ」
「承知いたしました」
これまで何度かライヤと肩を並べた暗部の男。
どこからか縄を取り出して男を縛る。
「こんな縄、いつでも抜けられるがいいのか?」
縛られた男は今から上司になるであろう暗部の男に強気にそんなことを言う。
少しでも舐められないようにという事だろうか。
「ライヤ様、こいつがこの縄から勝手に抜けたりしたらこちらで処分して構いませんよね?」
「あ、あぁ、わかった」
「ありがとうございます。そういう事だ。むしろほどけないように神に祈るんだな」
イプシロンに似た暗い笑みを浮かべる暗部の男。
こーれイプシロンの悪い影響受けてます。
「はい……」
男をぼろきれのような状態のまま放っておいて帰るのも検討したが、ヨルが反対したので取りやめとなった。
それどころか、ヨルは男の傷を動けるくらいまで治してあげている。
流石に聖女候補。
これ言ったら本人は怒るが。
「お前は傭兵で? 王国と諸国連合が戦争を始めたのをきっかけに混ざろうと出発したが? 間に合わずに今頃到着して? しかもその遅れた理由が立ち寄る町それぞれで女に手を出していたから?」
「はい……」
正座させられている男は窮屈そうだが、身長もあってどうにも小さくは見えない。
「で、どう落とし前つけるんだこれ」
「いかようにも……」
聞けば、男は一応は無理やりに女を襲ってはいないらしい。
しかし、脅し紛いの事をして決闘に持ち込み、その対価に女を差し出させていたとのこと。
王国ではまだやっていないようだが、気持ちの良い話ではないのは確かだ。
「で、王女としてはどうよ」
「私には関係ないわ。王国でやってたなら即処刑だったけど」
むしろ感情のない言葉が真実味があってコワイ。
「ただ、こいつが言ってることが本当だという証拠はないから、とりあえずは拘束ね。こいつが通ってきた道の町に被害がないかを確かめないと」
「本当に王女だったか……」
事務的な話をするアンにため息をつく男。
どうやらアンが王族なことには気づいていたらしい。
「そりゃ王家の特徴が白髪赤眼なのは周知の事実なんで……」
「知らないのはライヤくらいのものよ」
確かに学園入学時点では知らなかったけども。
わざわざその話を持ち出さなくても。
「そんなことはいいとして、とりあえず町長に引き渡すってことでいいよな?」
「それはそうね。ただ、この国の犯罪じゃないし、町長も引き渡されてもどう扱っていいかわからないんじゃないかしら」
「じゃあどうするんだよ」
「ライヤが管理すればいいじゃない」
「絶対に嫌だ」
「俺はいいぜ。命を取られないだけ儲けもんだ」
「うるせぇ! お前に今発言権はない!」
「……」
律儀に口を閉じる男。
「ほら、もう懐いてるじゃない」
「犬かなんかみたいに言うんじゃない! 愛着も何も沸くかこんなもん!」
ぺシぺシとスキンヘッドを叩く。
「なんでも言う事を聞いてくれる駒の1つや2つあった方がいいわよ」
「既に駒扱いしているアンの方が怖いが……。もうそんな奴ら居るし……」
フフフフ……、と暗く笑うイプシロンの顔が浮かぶ。
あ、そうじゃん。
「イプシロンに教育を任せよう」
「……暗部には向かなそうじゃないかなー?」
「使いようはいくらでもあるだろ。あれであいつは部下は大事にするタイプだからよっぽど無理な命令はされないと思うけどな」
そうと決まれば。
「誰かいるか」
「はっ!」
ライヤ達から少し離れたところに急に姿を現す暗部の1人。
やっぱりか……。
「こいつを鍛えてやってくれ。戦闘力はかなりあるみたいだが、暗部としてはそもそもの適性が低い。やり方は一任するが、殺すなとイプシロンに伝えてくれ」
「承知いたしました」
これまで何度かライヤと肩を並べた暗部の男。
どこからか縄を取り出して男を縛る。
「こんな縄、いつでも抜けられるがいいのか?」
縛られた男は今から上司になるであろう暗部の男に強気にそんなことを言う。
少しでも舐められないようにという事だろうか。
「ライヤ様、こいつがこの縄から勝手に抜けたりしたらこちらで処分して構いませんよね?」
「あ、あぁ、わかった」
「ありがとうございます。そういう事だ。むしろほどけないように神に祈るんだな」
イプシロンに似た暗い笑みを浮かべる暗部の男。
こーれイプシロンの悪い影響受けてます。
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