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教師3年目
計画性
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「協力することにはなったが、そんな簡単に解決する問題じゃないことはわかってるよな?」
「もちろんさ。こっちだって生半可な覚悟で挑んでないからね」
再びマリオットを招いての作戦会議。
「実際のところ、そっちは最低何年かかると思ってるんだ?」
「……十年かな? こっちが準備を始めたのが3年前くらいだから、あと最低でも七年は」
ライヤの見立てもそのくらいであった。
むしろライヤは最低でも現時点から十年を覚悟していた。
この見立ての差は帝国内部の情報を持っているからか、それとも決意の表れか。
わからないが、近いうちにこの認識の違いのすり合わせは行わなければならない。
だが、それは今ではない。
「もうこっちは本業も始まる。学期中は少なくとも接触禁止だ。ただでさえ職務が多いのに、これ以上増やされちゃ敵わん。基本的にキリシュライトとどうにかしてくれ」
「そんな仕事やめちゃえばいいじゃないか。君ならどうにでも稼げるだろ?」
「もっと稼ぎたいなら違う仕事についてるよ。金の問題じゃないんだ」
「ちなみに別の仕事が何なのか聞いてもいいかい? 王国の教師の給料って法外なほど高かった覚えがあるんだけど?」
「こいつの世話とか?」
「こいつ呼ばわりとは失礼ね」
「この場で何の発言もせずにお菓子を貪り食ってるやつに何言われてもなぁ」
もちろん、アンである。
「ちゃんと聞いてはいるわよ。でも、私が口を挟むことなんてないでしょ?」
「こっちの旗頭なんだから少しは発言してくれよ」
「それ、あっちにも言ってくれる?」
アンが指さす四人掛けの対角線上。
話を振られたキリシュライトは苦笑して返す。
「そんなこと言われても……。口を挟んでも蛇足になるような気がして……」
「そういうことよ。何よりライヤ。あんた自分が舵とってる仕事に口出されたらキレるじゃない」
キレたことないが!?
「でも、『やりづらいなぁ』とか思うでしょ?」
「……」
それは否定しません。
だって!
計画が無茶苦茶になるじゃん!
「本来なら、その頭の中の考えを全部さらけ出してチームで処理するっていうのが当然なのよ?」
「またまた……。そんなことしてたら時間がどれだけあっても足りないだろ?」
「だから基本的にみんな妥協して計画立ててるのよ」
「妥協した計画に何の意味が……?」
マジな顔で疑問符を浮かべるライヤにアンはあきらめの表情を向ける。
「それこそマリオットとかさ! 今回の計画とかこれ以上ないくらい詰めたはずだろ!?」
「そんなに完璧なら他国に頼みに来るなんて確実性の低すぎるようなことをすると思うかい?」
最後の希望とばかりにマリオットに迫るライヤだが、あまりにも強い正論パンチに膝をつく。
「少なくとも、今回は分担するほうがいいと思うわよ? あんた、帝国の内部までも自分でやるつもり?」
「……それは本当にそうだな」
「だからあきらめなさい」
「はい……」
なんで俺が怒られてるんだ?
そんなライヤの疑問は解決されることないまま会議は進んでいくのだった。
「もちろんさ。こっちだって生半可な覚悟で挑んでないからね」
再びマリオットを招いての作戦会議。
「実際のところ、そっちは最低何年かかると思ってるんだ?」
「……十年かな? こっちが準備を始めたのが3年前くらいだから、あと最低でも七年は」
ライヤの見立てもそのくらいであった。
むしろライヤは最低でも現時点から十年を覚悟していた。
この見立ての差は帝国内部の情報を持っているからか、それとも決意の表れか。
わからないが、近いうちにこの認識の違いのすり合わせは行わなければならない。
だが、それは今ではない。
「もうこっちは本業も始まる。学期中は少なくとも接触禁止だ。ただでさえ職務が多いのに、これ以上増やされちゃ敵わん。基本的にキリシュライトとどうにかしてくれ」
「そんな仕事やめちゃえばいいじゃないか。君ならどうにでも稼げるだろ?」
「もっと稼ぎたいなら違う仕事についてるよ。金の問題じゃないんだ」
「ちなみに別の仕事が何なのか聞いてもいいかい? 王国の教師の給料って法外なほど高かった覚えがあるんだけど?」
「こいつの世話とか?」
「こいつ呼ばわりとは失礼ね」
「この場で何の発言もせずにお菓子を貪り食ってるやつに何言われてもなぁ」
もちろん、アンである。
「ちゃんと聞いてはいるわよ。でも、私が口を挟むことなんてないでしょ?」
「こっちの旗頭なんだから少しは発言してくれよ」
「それ、あっちにも言ってくれる?」
アンが指さす四人掛けの対角線上。
話を振られたキリシュライトは苦笑して返す。
「そんなこと言われても……。口を挟んでも蛇足になるような気がして……」
「そういうことよ。何よりライヤ。あんた自分が舵とってる仕事に口出されたらキレるじゃない」
キレたことないが!?
「でも、『やりづらいなぁ』とか思うでしょ?」
「……」
それは否定しません。
だって!
計画が無茶苦茶になるじゃん!
「本来なら、その頭の中の考えを全部さらけ出してチームで処理するっていうのが当然なのよ?」
「またまた……。そんなことしてたら時間がどれだけあっても足りないだろ?」
「だから基本的にみんな妥協して計画立ててるのよ」
「妥協した計画に何の意味が……?」
マジな顔で疑問符を浮かべるライヤにアンはあきらめの表情を向ける。
「それこそマリオットとかさ! 今回の計画とかこれ以上ないくらい詰めたはずだろ!?」
「そんなに完璧なら他国に頼みに来るなんて確実性の低すぎるようなことをすると思うかい?」
最後の希望とばかりにマリオットに迫るライヤだが、あまりにも強い正論パンチに膝をつく。
「少なくとも、今回は分担するほうがいいと思うわよ? あんた、帝国の内部までも自分でやるつもり?」
「……それは本当にそうだな」
「だからあきらめなさい」
「はい……」
なんで俺が怒られてるんだ?
そんなライヤの疑問は解決されることないまま会議は進んでいくのだった。
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