女子だけが【異能力】を扱える世界で静岡県民である私は、オタク生活を楽しみながら悪い敵をやっつけます!!

秋葉缶

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コミケ会場での戦闘!!

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時刻は14時半。外は雲ひとつない晴天だった。

「さて、今日は来てくれてありがとう。三人ともサファイアをよろしく頼む」

ネモはサファイアの頬をふにふに揉みながら別れの挨拶をする。
顔を赤らめ、されるがままのサファイア。

「ううう…」

「任せといてくださいよ!」

ひまりは元気よく返事する。これからの予定が楽しみで仕方ないという感じだ。

「君たちはこのまま帰るのかい?」

「ちょっと東京観光してから帰ります!」

「そうか。東京は世界で最もアイドル人口が多い街だ。協会所属のアイドルは大丈夫だろうが23区内のアイドルと衝突しないように気をつけなさい」

「確かに…澪ちゃんが力試しとかで喧嘩売りそう」

「売らんわい!」

「では気をつけて」

「ありがとうございました!」

ひまり一行はネモにお礼を言った後24区を後にする。
24区から浦安市までの道路を送迎バスで移動した後、浦安駅に移動し、秋葉原駅に移動する。

静岡に比べて乗降客数が段違いで、人口の違いを改めて思い知らされた。

移動中、澪が協会で買ったお土産を大量に持ちながらひまりに尋ねる。

「ところでひまりさんや、秋葉原に何のご用で?」

「澪ちゃん。今日はアキバで同人誌のイベントがやってるんだよ。私の好きな『私の嫁(姉)ツインテールで可愛すぎ』の同人を探したいんだ」

「そ、そすか…」

早口で捲し立てるひまりに、若干引き気味で相槌を打つ澪。

秋葉原についた5人は、イベント中ということもあり、いつもより人の多い駅で人混みをかき分けながら構外へ出る。


「凄い…可愛い女の子の看板が沢山ありますよ!」


普通の街とはかけ離れた外観に、サファイアが興奮気味であたりを見渡す。
街の殆どがアニメやゲーム、パソコンや同人誌の店で溢れているのは秋葉原以外には大阪の日本橋くらいしかないだろう。

世間を知らないサファイアが驚くのも無理はなかった。

途中で舞子が「コスプレショップに行きたい!」ということで、一時自由行動を取ることとなった。

ひまりとサファイア、澪は共に行動しイベント会場に向かう。
会場は高層ビルの一階スペースの広い場所で、色んなオタクがごった返していた。


そんな時事件が起きた。


パシャパシャ!と高そうなカメラを使い近くで堂々とサファイアを撮影する者がいた。

「きゃあ!な、なんですか!?」

「ふひっ!可愛いツインテール娘発見!!ローアングルも頂くぞ⭐︎」

恥も外見も無くサファイアのスカートの中を仰向きになりながらシャッターを連射する男。

「任務完了ォ!!退散するでござる!!」

「待たんかいぃぃぃ!!ウチのサファイアに何してくれとんじゃい!!」

「ぶひぃぃぃぃぃ!!!」

何故かエセ関西弁になり、ひまりがサファイアを盗撮した男の胸ぐらを掴んだ。
澪が慌てて止めに入る。

「ひまり、落ち着きなって!アイドルが一般人に手出しちゃマズイよ!ニュースになる!」

「そうです、私は大丈夫ですから!」

「そういう犠牲心は同人の中だけでいいんだよ!謝るか私にぶん殴られるか選びなさい!」

「ひぃぃぃぃ!!だ、誰かぁぁぁぁぁ!!アイドルに襲われてますぅぅぅぅ!!」

オタクは大声で助けを呼ぶ。
一部の来場者は何事かとこちらを見るものもいた。


「失礼、お嬢さん方」


キリッとした声色でこちらに声をかけてくる者がいた。
身長は澪と同じで160cm台だろうか、金髪のショートで翠色の瞳。女子校にいたらモテそうな王子様タイプの美少女だ。
この地域の高校生だろうか、見たことのない制服を着ている。

その少女を見て澪が警戒レベルを上げた。

「(強いなコイツ…)」

「何かあったの?声響いてるよ」

「この人がウチのサファイアを盗撮してたから謝罪を要求してたんです!」

「そうなの?おじさん」

「ち、ちょっと撮っただけだろう!ここまでされる筋合いはないぞ!お前らアイドルだろ。こんな事して益々肩身狭くなるんじゃないのか!?」

「こいつ…それを分かって盗撮したな!」

人智を越える力を持つアイドルだが、彼女達を称える声もあればやはり恐れる声もあった。

現にアイドルは少年法が適用されない。協会が定めた法に従う必要がある。また彼女らの起こす事件はどんなに些細なものでもニュースに載る。
最近一部のアイドルグループが犯罪組織まがいな事を行い、アイドルの肩身が狭くなっているのも事実だ。


「はぁ~~~~~…」


一連のやり取りを見て金髪の少女は大きくため息をつく。
見た目の印象と裏腹に心底だるそうに頭を抱える姿がイメージギャップを誘う。


「おじさん」

「な、なんだよ」

金髪の少女が盗撮魔に近づく。
無表情で男を見つめる彼女が、ひまりには恐怖に感じた。

まるで人を人と思わない目に。

「あなたが悪いね」

直後、少女は男の鳩尾にボディブローを叩き込んだ。
半端な威力ではない。ボゴォッ!!という鈍い音があたりに響く。

「がっ!!」

「えっ!?」

突然殴られた男は息もできない様子だった。
あまりに急な出来事でひまりは素っ頓狂な声を上げた。
男はゲロを撒き散らしながら殴られた部位を抑え、地面を転げ回る。
少女はそんな彼の髪を無慈悲に掴み起き上がらせる。

「ひぃ…ぎぃっ!…ガハッ」

今だにうまく呼吸ができないのか顔中を涙とゲロまみれにしながら、少女を怯えた目で見る男。

「悪い子はお仕置きだね」

もう1発殴ろうとしたところを、澪が彼女の腕を片手で握りしめて静止した。
かなりの力を込めているのかミシミシと腕が鳴っている。

「何?」

僅かに苛立ちを込めた目で澪を睨む少女。
そんな視線を受けても全く怯む事なく澪は諭す。

「やり過ぎだって。一般人に振るっていい力じゃないでしょ」

「怪我するよ。口出ししない方がいいんじゃない?」

「怪我するのはあなただよ」

一触即発の空気。
ひまりは軽く悲鳴を上げながら、サファイアとたった今暴行された男を連れて下がる。

その様子を見た金髪の少女がニヤリと笑う。

「開始の合図だね」


ドォォォォン!!!!


その瞬間、澪が雷撃と共に弾丸の様な速度でガラス窓を貫通し、歩行者天国を跨いだ反対側のビルまで吹き飛ばされる。
周囲はテロでも起きたのかとパニックになり歩行者は爆心地から逃げ惑った。

「なっ…!」

「澪ちゃん!!」

ひまりとサファイアは反射的に澪が吹っ飛ばされた方向を確認する。
少女は拳を前に突き出していた。
銃を撃った後のように拳からは白い煙が上がっている。

それを見てようやく澪が何をされたのか理解した。肉眼では追えないほど速い一撃で衝かれたのだ。

金髪の少女はあたりに飛び散ったガラスを踏み砕きながら屋外へゆっくり歩いて出た。

「私は私立東条学園の天堂雷果。これで終わりじゃないよね?澪ちゃんとやら」

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