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星読みの魔女になりました
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一、星読みの魔女になりました
「確か……この辺りだったはず……」
夜も更けた森の中を一人の年老いた女性が灯りを片手に歩いている。
キョロキョロと辺りを見回しているところを見ると、何かを探しているようだ。
「良かった! 見つけた」
年老いた女性が一つの大きな木の根元を照らすと、そこには少し大きめの籠があった。
「よく寝ているね。それにしてもなんてかわいいんだい」
籠の中には、毛布に覆われた赤ちゃんがすやすやと眠っていた。
「さあ、うちに帰ろうね」
年老いた女性は赤ちゃんの入った籠を軽々と抱き抱えると、来た道を引き返していった……。
十六年後……。
「おばあちゃん! 死んじゃ嫌だ!」
王都のはずれの深い森の中の一軒の家。
ベッドに横たわっている老婆に、少女が縋りつく。
ピンクブロンドの艶やかなロングヘア。まだあどけなさを残した白い肌、丸い大きなブルーの瞳は今は悲し気に伏せられている。
「リリィ。お前も視えたんだろう? 私が死ぬ未来はもう変えられない」
老婆が少女のピンクブロンドの髪を優しく撫でる。
「ヤダヤダ。まだずっとおばあちゃんと一緒にいる」
少女の目から流れた涙は頬を伝って老婆の布団に染みを作っている。
「我儘言うんじゃないよ。私はもう十分生きた。お前のような後継者も立派に育って思い残す事はないよ」
「お、おばあちゃん……」
少女はなんとか涙を堪えて老婆を見た。
「我が愛しの弟子、リリアナ•スターリングよ。今この時をもって、我ローラ•スターリングより星読みの魔女を継承する」
老婆の体が淡く光って、その光は少女の身体を包み込んだ。
「私、リリアナ•スターリングは星読みの魔女を継承します」
少女は静かに答えた。
そして二人を包む光は薄れて消えた。
「リリィ。お前は決して一人じゃないよ。幸せにおなり」
「おばあちゃん!!」
そして星は流れ、先代星読みの魔女は亡くなり、次の星読みの魔女にその責務が引き継がれた。
日が昇り、少女はよろよろと老婆の遺体のそばから立ち上がった。
「おばあちゃん、いいえ、お師匠様。行ってまいります」
少女は壁にかけてあったローブを取り、それを身につけ、フードを被った。
すると、顔立ちははっきり見えないものの、あどけなさの残る少女はたちまちスラリと背の高い美女に変わった。
「私は星読みの魔女、リリアナ•スターリング。王宮に伝えなければ」
傍のテーブルの引き出しを開けて大きなペンダントを首にかけると、新しい星読みの魔女は王宮へと向かった……。
「そうか……。ローラ殿が逝かれたか……」
このリンドバーク王国の国王、マーカス•リンドバークはフードをとって少女の姿に戻ったリリアナに向かって呟いた。
傍には王妃が座り、反対には宰相が立っている。
「はい。そして私が新しい星読みの魔女を引継ぎました」
国王は先ほど家族を亡くしたばかりであろうに、国の重責を背負い気丈に振る舞う少女に少しの同情を覚える。
「そうか。ではリリアナよ。これからはお前が星読みの魔女として共にこの国を支えていってほしい」
「はい。承知しております」
リリアナは深く頷いた。
「では……ここからはリリィ、いつものように親戚のおじさんとして接してくれ。ローラの最後を看取ってくれてありがとう」
「リリアナ。よく頑張りましたね」
国王と王妃の言葉に、リリアナの目に涙が溢れてこぼれ落ちた。
「マーカスおじさま!! オフィーリアおばさま!」
両手を広げた国王と王妃の腕に飛び込む。
「おばあちゃん! おばあちゃん!」
宰相はその様子を見て静かに部屋を出てドアを閉めた。
宰相は控えていた大臣達のところに行くと告げた。
「星読みの魔女様が崩御された。国葬を執り行う」
「確か……この辺りだったはず……」
夜も更けた森の中を一人の年老いた女性が灯りを片手に歩いている。
キョロキョロと辺りを見回しているところを見ると、何かを探しているようだ。
「良かった! 見つけた」
年老いた女性が一つの大きな木の根元を照らすと、そこには少し大きめの籠があった。
「よく寝ているね。それにしてもなんてかわいいんだい」
籠の中には、毛布に覆われた赤ちゃんがすやすやと眠っていた。
「さあ、うちに帰ろうね」
年老いた女性は赤ちゃんの入った籠を軽々と抱き抱えると、来た道を引き返していった……。
十六年後……。
「おばあちゃん! 死んじゃ嫌だ!」
王都のはずれの深い森の中の一軒の家。
ベッドに横たわっている老婆に、少女が縋りつく。
ピンクブロンドの艶やかなロングヘア。まだあどけなさを残した白い肌、丸い大きなブルーの瞳は今は悲し気に伏せられている。
「リリィ。お前も視えたんだろう? 私が死ぬ未来はもう変えられない」
老婆が少女のピンクブロンドの髪を優しく撫でる。
「ヤダヤダ。まだずっとおばあちゃんと一緒にいる」
少女の目から流れた涙は頬を伝って老婆の布団に染みを作っている。
「我儘言うんじゃないよ。私はもう十分生きた。お前のような後継者も立派に育って思い残す事はないよ」
「お、おばあちゃん……」
少女はなんとか涙を堪えて老婆を見た。
「我が愛しの弟子、リリアナ•スターリングよ。今この時をもって、我ローラ•スターリングより星読みの魔女を継承する」
老婆の体が淡く光って、その光は少女の身体を包み込んだ。
「私、リリアナ•スターリングは星読みの魔女を継承します」
少女は静かに答えた。
そして二人を包む光は薄れて消えた。
「リリィ。お前は決して一人じゃないよ。幸せにおなり」
「おばあちゃん!!」
そして星は流れ、先代星読みの魔女は亡くなり、次の星読みの魔女にその責務が引き継がれた。
日が昇り、少女はよろよろと老婆の遺体のそばから立ち上がった。
「おばあちゃん、いいえ、お師匠様。行ってまいります」
少女は壁にかけてあったローブを取り、それを身につけ、フードを被った。
すると、顔立ちははっきり見えないものの、あどけなさの残る少女はたちまちスラリと背の高い美女に変わった。
「私は星読みの魔女、リリアナ•スターリング。王宮に伝えなければ」
傍のテーブルの引き出しを開けて大きなペンダントを首にかけると、新しい星読みの魔女は王宮へと向かった……。
「そうか……。ローラ殿が逝かれたか……」
このリンドバーク王国の国王、マーカス•リンドバークはフードをとって少女の姿に戻ったリリアナに向かって呟いた。
傍には王妃が座り、反対には宰相が立っている。
「はい。そして私が新しい星読みの魔女を引継ぎました」
国王は先ほど家族を亡くしたばかりであろうに、国の重責を背負い気丈に振る舞う少女に少しの同情を覚える。
「そうか。ではリリアナよ。これからはお前が星読みの魔女として共にこの国を支えていってほしい」
「はい。承知しております」
リリアナは深く頷いた。
「では……ここからはリリィ、いつものように親戚のおじさんとして接してくれ。ローラの最後を看取ってくれてありがとう」
「リリアナ。よく頑張りましたね」
国王と王妃の言葉に、リリアナの目に涙が溢れてこぼれ落ちた。
「マーカスおじさま!! オフィーリアおばさま!」
両手を広げた国王と王妃の腕に飛び込む。
「おばあちゃん! おばあちゃん!」
宰相はその様子を見て静かに部屋を出てドアを閉めた。
宰相は控えていた大臣達のところに行くと告げた。
「星読みの魔女様が崩御された。国葬を執り行う」
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