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雑貨屋のリリィ
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二、雑貨屋のリリィ
半月後……。
私は今日も店のカウンターに頬杖をつきながら座っている。
ここは王都のメイン通りから細い脇道を入り、さらに奥まったところにある一軒の古い雑貨屋だ。
入り口がわかりづらく、一見の客はほぼ来ないだろう。
ガランとドアベルが鳴ると知り合いの少年テトが入ってきた。
茶色の髪にヘイゼルの目の元気そうな少年だ。
「リリィ、いるのか? わっ! なんだ……リリィの猫か……驚いた」
テトの頭上の棚から一匹の猫が彼の目の前に飛び降りた。
ふわふわの茶色の長毛で鼻先と胸、手足の先が白い綺麗な猫。私の大切なパートナー、レオンだ。
テトはカウンターでぼんやりしていた私を見つけると、ため息をついた。
「なんだ。いるなら返事くらいしろよ。こっちは客だぞ」
テトが呆れたようにリリアナを見た。
「テト。あなたは別に客じゃないから」
頬杖のまま視線だけをテトに向けて言う。
「なんだと? それが仮にも客に向ける店主の態度か」
「だ、か、らぁ。テトは客じゃないって」
そこへ、落ち着いた声が二人の会話に割り込んだ。
「まあまあ、二人ともその辺にしなさい」
仕立ての良いスーツを着こなした熟年の男性、モリスおじさまが店に入ってきた。
「モリスおじさま!」
おじさまが来てくれたことに嬉しくなり、カウンターの下をくぐり、おじさまの元へ向かった。
「いらっしゃい、モリスおじさま」
私がが挨拶するとモリスおじさまはにこやかに微笑んだ。
「やあ、リリアナ。来るのが遅くなって悪かったね。レオンも、元気だったかい?」
「にゃーん」
レオンがモリスおじさまにじゃれつく。
滅多に懐かないレオンもモリスおじさまには懐いている。
多分美味しいおやつをくれるからだろう。
「モリスおじさまは、ガーランド商会の会長だもん。忙しいのはわかっているよ。なのにおばあちゃんが亡くなった後、色々と心配してくれてありがとう」
「ローラにはお世話になったからね。自分に何かあれば君を頼むと言われていたんだ。何か困ったことがあればいつでも私を頼りなさい」
「うん、ありがとう。困った時はお願いするね」
私がそう言うとテトが口を挟んだ。
「しっかし、いつ来てもここは客がいないな。こんな様子でこれから一人で店をやっていけるのか? なんならガーランド商会の俺の下に入れてやってもいいけど?」
心なしか少し照れた様子のテトに私は食い気味に言い返す。
「お言葉ですが、うちの店はとびきりの商品ばかり扱っているのでお客さんが少なくても全然大丈夫なの。常連さんいるし」
「そ、そうか?」
テトは店の中を見渡すが、きっとガラクタにしか見えないだろう。
「リリィの言う通りだよ。ここには他にはない珍しい物が沢山あるんだ。リリィも幼い頃から店を手伝ってきたし、充分一人でもやっていける。ただ……」
モリスおじさまは私達二人を見た。
「「ただ?」」
「もし一人で店をやるのが辛くなったらいつでもうちに来てもいいんだよ。ガーランド商会はリリィを歓迎するから」
おじ様の言葉は嬉しい。だけど私は首を横に振った。
「ありがとう。でも、私はおばあさんの残してくれたこの店が気に入ってるの。一人でもこの店を続けていきたい」
「そうか……それなら私もできる限り力になろう。そうだ! さっそく商品の仕入れをお願いしてもいいかい? スピリナ草が必要なんだが、急がないから入ったら教えておくれ」
「わかった。入ったら連絡するね」
リリアナの店を出た二人は広い道まで出ると、待たせていた馬車に乗り込んだ。
「会長、スピリナ草って入手困難な幻の薬草って言われている草なんじゃ……。そんな物をリリィが入荷できっこないですよ」
テトがモリスおじさまにそう言うと、モリスはテトにウインクしてみせた。
「あの子はローラが育てた子だよ。まあしばらく様子を見てみよう」
「うーん……できる気がしないんだけどなあ」
テトはそう呟いた。
半月後……。
私は今日も店のカウンターに頬杖をつきながら座っている。
ここは王都のメイン通りから細い脇道を入り、さらに奥まったところにある一軒の古い雑貨屋だ。
入り口がわかりづらく、一見の客はほぼ来ないだろう。
ガランとドアベルが鳴ると知り合いの少年テトが入ってきた。
茶色の髪にヘイゼルの目の元気そうな少年だ。
「リリィ、いるのか? わっ! なんだ……リリィの猫か……驚いた」
テトの頭上の棚から一匹の猫が彼の目の前に飛び降りた。
ふわふわの茶色の長毛で鼻先と胸、手足の先が白い綺麗な猫。私の大切なパートナー、レオンだ。
テトはカウンターでぼんやりしていた私を見つけると、ため息をついた。
「なんだ。いるなら返事くらいしろよ。こっちは客だぞ」
テトが呆れたようにリリアナを見た。
「テト。あなたは別に客じゃないから」
頬杖のまま視線だけをテトに向けて言う。
「なんだと? それが仮にも客に向ける店主の態度か」
「だ、か、らぁ。テトは客じゃないって」
そこへ、落ち着いた声が二人の会話に割り込んだ。
「まあまあ、二人ともその辺にしなさい」
仕立ての良いスーツを着こなした熟年の男性、モリスおじさまが店に入ってきた。
「モリスおじさま!」
おじさまが来てくれたことに嬉しくなり、カウンターの下をくぐり、おじさまの元へ向かった。
「いらっしゃい、モリスおじさま」
私がが挨拶するとモリスおじさまはにこやかに微笑んだ。
「やあ、リリアナ。来るのが遅くなって悪かったね。レオンも、元気だったかい?」
「にゃーん」
レオンがモリスおじさまにじゃれつく。
滅多に懐かないレオンもモリスおじさまには懐いている。
多分美味しいおやつをくれるからだろう。
「モリスおじさまは、ガーランド商会の会長だもん。忙しいのはわかっているよ。なのにおばあちゃんが亡くなった後、色々と心配してくれてありがとう」
「ローラにはお世話になったからね。自分に何かあれば君を頼むと言われていたんだ。何か困ったことがあればいつでも私を頼りなさい」
「うん、ありがとう。困った時はお願いするね」
私がそう言うとテトが口を挟んだ。
「しっかし、いつ来てもここは客がいないな。こんな様子でこれから一人で店をやっていけるのか? なんならガーランド商会の俺の下に入れてやってもいいけど?」
心なしか少し照れた様子のテトに私は食い気味に言い返す。
「お言葉ですが、うちの店はとびきりの商品ばかり扱っているのでお客さんが少なくても全然大丈夫なの。常連さんいるし」
「そ、そうか?」
テトは店の中を見渡すが、きっとガラクタにしか見えないだろう。
「リリィの言う通りだよ。ここには他にはない珍しい物が沢山あるんだ。リリィも幼い頃から店を手伝ってきたし、充分一人でもやっていける。ただ……」
モリスおじさまは私達二人を見た。
「「ただ?」」
「もし一人で店をやるのが辛くなったらいつでもうちに来てもいいんだよ。ガーランド商会はリリィを歓迎するから」
おじ様の言葉は嬉しい。だけど私は首を横に振った。
「ありがとう。でも、私はおばあさんの残してくれたこの店が気に入ってるの。一人でもこの店を続けていきたい」
「そうか……それなら私もできる限り力になろう。そうだ! さっそく商品の仕入れをお願いしてもいいかい? スピリナ草が必要なんだが、急がないから入ったら教えておくれ」
「わかった。入ったら連絡するね」
リリアナの店を出た二人は広い道まで出ると、待たせていた馬車に乗り込んだ。
「会長、スピリナ草って入手困難な幻の薬草って言われている草なんじゃ……。そんな物をリリィが入荷できっこないですよ」
テトがモリスおじさまにそう言うと、モリスはテトにウインクしてみせた。
「あの子はローラが育てた子だよ。まあしばらく様子を見てみよう」
「うーん……できる気がしないんだけどなあ」
テトはそう呟いた。
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