1 / 1
過ぎ行く日々の中に、意味があれば。
しおりを挟む
俺は大学生だ。しかも割と頭の良い学校だと思う。アルバイトだって、平日は講義で疲れていようと、なるべく休まずに働いている。
近い場所で働きたかった為、近所のコンビニにした。俺は煙草に詳しくないしそもそも吸わないが、お客さんの中には番号でなく銘柄で注文をする方も少なくは無い。
バイトを始めたての頃に、まごついてどぎついクレームを頂いてしまい、バイトから上がる前に居残りをして必死に暗記した。
定期的に会うような友人にも恵まれ、毎日は充実しているはず。しかし、過ぎ行く日々を思い返そうとしても、記憶には霧がかかっている。
そこで気がついたのは、毎日を何となくで生きていたことだった。昔から社交的で、何かと人は寄ってきてくれる。そして、地頭も良かったためテストはほぼ高得点。
俺は生まれてこの方、苦労を知らなかった。自分のような人間を羨望する人は多かったが、お褒めの言葉を貰う度にもやもやした。勿論、努力せずとも出来たからだった。
こんな事を考える暇があったら、日課にしているランニングに行かなくては。思い立ったらすぐ行動だ。そう考え、薄手で動きやすいシャツに着替えて玄関を出た。
バイト代を貯めて、やっと購入することが出来た骨伝導イヤホンで、音楽を鳴らしながら走り出す。最近の夏は、夜になろうが蒸し暑い。ハンドタオルで汗を拭いながら、足は止めない。走り続けて暫く経った頃、涼しい場所に移動しようと周りを見ると、いつもあった道に巨大な森を確認し目を疑った。しかしこちらは汗を流し続けている身分だ。少し休ませて貰おう。恐る恐る森へ足を踏み入れると、まるで違う世界に来たかのように自動車の音が聞こえなくなった。ひんやりとした風に首筋を撫でられ、身震いをする。しかし、吸い込まれるように歩いていく。この森には、かなり走り込んでいた足が痛んでも、進んでしまうような吸引力がある。だんだんと汗が冷えてきて、呼吸も整えられて来た頃には、森への入口は遠のいていた。意識がぼんやりしながら進むと、何かにぶつかる。はっとしてそこに目をやると、自分の膝下くらいの位置に看板がある。
「幽霊町?」
そう口にして首を傾げていると、バタバタと慌てるような足音が迫ってくる。
「お客さーん!?こんなところに来てはいけない!早く帰りなさい!」
音の方に目をやると、社員証をぶら下げたおじさんが大急ぎでこちらに走ってくる。俺の目の前まで来ると、膝に手をやり肩で呼吸をしている。
「どうしたのですか?こんなに急いで。ペットボトルの水でも要りますか?」
そう答えると、おじさんは手を振って要らないと合図した。そして何とか身体を起こし、困ったような悲しいような目線でこちらを見つめた。
「最近、この街の妖力だか知らないが、ここに迷い込んでくる人間が多いんだ。しかも、命の灯火が燃える、未来のあるはずだった若者なんだ。」
「よ、妖力とは。」
何を言っているか分からず、しどろもどろしていると、おじさんは頭をかく。細くため息をつくと、口を開く。
「看板にもある通り、ここから先は死んだ人らが暮らす場所だ。あんた、生きているじゃないか。ここにいると心を蝕まれる。さっさと帰るんだ。」
なんとなく予想はついていたが、やはりそうかと顎に手を当てる。しかし、昔から知らないものには何でも触れてみたく思う。浮き足立つ己を抑える事が出来ない。
「おじさん、俺、生きている感覚がしないんだ。」
「ん?はい?」
自分なりに、気がついたことを教えないと。
「死んだ人が集まるなら、心が死んでいるような人も吸い寄せられているのではないですか?」
しっかりと目線を合わせ、拳を握りしめながら言う。そして、街の入口から分かる情報を伝えた。
「ここの人たち、身体が半透明の人はとても元気そうですが、しっかりと存在を認識できる人ほど、身なりが整っていないです。目は遠くを見ていて、歩き方もふらついていますよ。買い物袋の中身が透けて見えたのですが、殆どがカップラーメンやジャンクフード、お酒でした。見た目からの判断ですが、恐らく未成年も飲酒をしているような危ない状況ではないですか。この街の偉い人だか知りませんが、もう少し街の人たちを見てあげないとですよ。」
しまった、一気に喋りすぎてしまった。怒られることには慣れていないので、勘弁して頂きたい。当のおじさんは、何故か目を輝かせている。すると、大きな手を口に当て震えている。
「私とした事が、マンションの管理に追われ、ここの人をよく観察出来ていなかった!あんたの言う通りだ。最近、缶のゴミやら食いもんのゴミが捨てられているのに気がついていたが、ここの清掃人に任せきりだった。」
マンションは街に入れば分かるだろうが、街の人々の管理も怠るようならかなり大きそうだ。目の前の人は絶望しているようなので、その隙に入口へと足を踏み込んで覗いてみる。そのマンションは、思わず息を呑んでしまうくらいに空高くそびえ立つ。どこまでも続いていそうだ。そっと戻ると、おじさんはやっと口を開く。
「あのな、ここは俺の親父がきっちり管理していたんだ。しかし、荒んでくる街に耐え兼ねて、心が壊れて入院してる。そこで引き継がなきゃならんのが私だった。前は結構働いてくれていた人もいたが、どんどん辞めていき、清掃人や食べ物を売るやつだけ残り、管理人は俺と、あんたより少し年上の兄ちゃんだけだ。あの子もいつ辞めてしまうのか気が気でないよ。猫でも犬でも、何でもいいから手を貸してほしい。俺は限界だ。親父のようになるかもしれない。」
涙ぐみながらそう話すおじさんは、俺の手を掴む。突然の事で、身体を仰け反った。間を持たせない勢いでまた話し出す。必死なようで、一人称も崩れている。
「君は物凄く観察力がある。俺はかなり疲弊している事と、入居者の急増で管理人の業務も増えてきたんだ。店は店で、客を捌くのに手一杯。俺は本当に限界が近い。出会ってすぐのあんたに、ここの手伝いをして欲しいと頼もうとするくらいには。」
俺の手を握る力は、痛みを覚えるほど強まっていて、涼しいはずの森で大汗をかいている。こうなると放っておけない。
「ここのお手伝い、しましょうか?」
「へ、ほ、本当か!?」
勢いよく顔を上げて、目を輝かせる。相当嬉しかったようで、おじさんの握っていた手が少し浮く。
「はい。名刺とか持たれていませんか?」
そう答えると、いそいそとケースから名刺を取り出し、半ば押し付ける勢いで渡された。軽くお礼をして目をやると、善街 克終(ヨシマチ カツオ)と書かれた下に、管理会社の電話番号が綴られていた。相当嬉しそうな善街さんが、我に返り慌てて質問をする。
「あんた、名前は?」
「桜真 詩布(サクラマ シノブ)です。」
「あぁ、桜真くん!電話番号をメモさせてくれないか。明日は休日だろうに申し訳ないが、15時に電話させて貰いたい。君は街の人の管理の手伝いでいい。給料は少ないかもしれんが数万なら渡せるから!君が学生なのか、働きに出ているのかを知って、手伝いのシフトを決めたい。さ、教えてくれ。」
善街さんは、おもむろにメモとペンを取り出す。電話番号を伝えると、出会った時の顔を思い出せないくらいに笑顔を見せていた。
「桜真くん、本当にありがとうな。明日の15時は空けておいてくれ。何かあるなら折り返してくれたらいいから。夜中以外は基本会社に居る。」
「了解しました。明日は休みなので出られると思います。俺はランニングの最中だったので、汗を流しに帰ります。」
あんな大きなマンションでは、激務も仕方ないか。かわいそうだ。
会釈をして踵を返すと、夜にも関わらず、自分を歓迎するかのような柔らかくて温かい光が身を包んだ。
帰る時、遠いと感じていた入口までにはすぐに辿り着いた。これも妖力という訳だ。帰らせまいとしたのだ、きっと。
あまりにも善街さんが辛そうだったので、思わず引き受けてしまったが、どんな業務をするのだろうか。手伝いと伝えてくれた善街さんの事は信じる事にした。
これから自分が生きる事に意味が生じるならと期待を込めて、やる気が出ず放置していた洗い物や他の家事も済ませられた。自分自身の心の内を打ち明けられた事で、気持ちが晴れたのだ。しかしながらいきなり過ぎたが、善街さんの負担が減ると良い。シャワーを浴びて、明日を楽しみに眠った。
近い場所で働きたかった為、近所のコンビニにした。俺は煙草に詳しくないしそもそも吸わないが、お客さんの中には番号でなく銘柄で注文をする方も少なくは無い。
バイトを始めたての頃に、まごついてどぎついクレームを頂いてしまい、バイトから上がる前に居残りをして必死に暗記した。
定期的に会うような友人にも恵まれ、毎日は充実しているはず。しかし、過ぎ行く日々を思い返そうとしても、記憶には霧がかかっている。
そこで気がついたのは、毎日を何となくで生きていたことだった。昔から社交的で、何かと人は寄ってきてくれる。そして、地頭も良かったためテストはほぼ高得点。
俺は生まれてこの方、苦労を知らなかった。自分のような人間を羨望する人は多かったが、お褒めの言葉を貰う度にもやもやした。勿論、努力せずとも出来たからだった。
こんな事を考える暇があったら、日課にしているランニングに行かなくては。思い立ったらすぐ行動だ。そう考え、薄手で動きやすいシャツに着替えて玄関を出た。
バイト代を貯めて、やっと購入することが出来た骨伝導イヤホンで、音楽を鳴らしながら走り出す。最近の夏は、夜になろうが蒸し暑い。ハンドタオルで汗を拭いながら、足は止めない。走り続けて暫く経った頃、涼しい場所に移動しようと周りを見ると、いつもあった道に巨大な森を確認し目を疑った。しかしこちらは汗を流し続けている身分だ。少し休ませて貰おう。恐る恐る森へ足を踏み入れると、まるで違う世界に来たかのように自動車の音が聞こえなくなった。ひんやりとした風に首筋を撫でられ、身震いをする。しかし、吸い込まれるように歩いていく。この森には、かなり走り込んでいた足が痛んでも、進んでしまうような吸引力がある。だんだんと汗が冷えてきて、呼吸も整えられて来た頃には、森への入口は遠のいていた。意識がぼんやりしながら進むと、何かにぶつかる。はっとしてそこに目をやると、自分の膝下くらいの位置に看板がある。
「幽霊町?」
そう口にして首を傾げていると、バタバタと慌てるような足音が迫ってくる。
「お客さーん!?こんなところに来てはいけない!早く帰りなさい!」
音の方に目をやると、社員証をぶら下げたおじさんが大急ぎでこちらに走ってくる。俺の目の前まで来ると、膝に手をやり肩で呼吸をしている。
「どうしたのですか?こんなに急いで。ペットボトルの水でも要りますか?」
そう答えると、おじさんは手を振って要らないと合図した。そして何とか身体を起こし、困ったような悲しいような目線でこちらを見つめた。
「最近、この街の妖力だか知らないが、ここに迷い込んでくる人間が多いんだ。しかも、命の灯火が燃える、未来のあるはずだった若者なんだ。」
「よ、妖力とは。」
何を言っているか分からず、しどろもどろしていると、おじさんは頭をかく。細くため息をつくと、口を開く。
「看板にもある通り、ここから先は死んだ人らが暮らす場所だ。あんた、生きているじゃないか。ここにいると心を蝕まれる。さっさと帰るんだ。」
なんとなく予想はついていたが、やはりそうかと顎に手を当てる。しかし、昔から知らないものには何でも触れてみたく思う。浮き足立つ己を抑える事が出来ない。
「おじさん、俺、生きている感覚がしないんだ。」
「ん?はい?」
自分なりに、気がついたことを教えないと。
「死んだ人が集まるなら、心が死んでいるような人も吸い寄せられているのではないですか?」
しっかりと目線を合わせ、拳を握りしめながら言う。そして、街の入口から分かる情報を伝えた。
「ここの人たち、身体が半透明の人はとても元気そうですが、しっかりと存在を認識できる人ほど、身なりが整っていないです。目は遠くを見ていて、歩き方もふらついていますよ。買い物袋の中身が透けて見えたのですが、殆どがカップラーメンやジャンクフード、お酒でした。見た目からの判断ですが、恐らく未成年も飲酒をしているような危ない状況ではないですか。この街の偉い人だか知りませんが、もう少し街の人たちを見てあげないとですよ。」
しまった、一気に喋りすぎてしまった。怒られることには慣れていないので、勘弁して頂きたい。当のおじさんは、何故か目を輝かせている。すると、大きな手を口に当て震えている。
「私とした事が、マンションの管理に追われ、ここの人をよく観察出来ていなかった!あんたの言う通りだ。最近、缶のゴミやら食いもんのゴミが捨てられているのに気がついていたが、ここの清掃人に任せきりだった。」
マンションは街に入れば分かるだろうが、街の人々の管理も怠るようならかなり大きそうだ。目の前の人は絶望しているようなので、その隙に入口へと足を踏み込んで覗いてみる。そのマンションは、思わず息を呑んでしまうくらいに空高くそびえ立つ。どこまでも続いていそうだ。そっと戻ると、おじさんはやっと口を開く。
「あのな、ここは俺の親父がきっちり管理していたんだ。しかし、荒んでくる街に耐え兼ねて、心が壊れて入院してる。そこで引き継がなきゃならんのが私だった。前は結構働いてくれていた人もいたが、どんどん辞めていき、清掃人や食べ物を売るやつだけ残り、管理人は俺と、あんたより少し年上の兄ちゃんだけだ。あの子もいつ辞めてしまうのか気が気でないよ。猫でも犬でも、何でもいいから手を貸してほしい。俺は限界だ。親父のようになるかもしれない。」
涙ぐみながらそう話すおじさんは、俺の手を掴む。突然の事で、身体を仰け反った。間を持たせない勢いでまた話し出す。必死なようで、一人称も崩れている。
「君は物凄く観察力がある。俺はかなり疲弊している事と、入居者の急増で管理人の業務も増えてきたんだ。店は店で、客を捌くのに手一杯。俺は本当に限界が近い。出会ってすぐのあんたに、ここの手伝いをして欲しいと頼もうとするくらいには。」
俺の手を握る力は、痛みを覚えるほど強まっていて、涼しいはずの森で大汗をかいている。こうなると放っておけない。
「ここのお手伝い、しましょうか?」
「へ、ほ、本当か!?」
勢いよく顔を上げて、目を輝かせる。相当嬉しかったようで、おじさんの握っていた手が少し浮く。
「はい。名刺とか持たれていませんか?」
そう答えると、いそいそとケースから名刺を取り出し、半ば押し付ける勢いで渡された。軽くお礼をして目をやると、善街 克終(ヨシマチ カツオ)と書かれた下に、管理会社の電話番号が綴られていた。相当嬉しそうな善街さんが、我に返り慌てて質問をする。
「あんた、名前は?」
「桜真 詩布(サクラマ シノブ)です。」
「あぁ、桜真くん!電話番号をメモさせてくれないか。明日は休日だろうに申し訳ないが、15時に電話させて貰いたい。君は街の人の管理の手伝いでいい。給料は少ないかもしれんが数万なら渡せるから!君が学生なのか、働きに出ているのかを知って、手伝いのシフトを決めたい。さ、教えてくれ。」
善街さんは、おもむろにメモとペンを取り出す。電話番号を伝えると、出会った時の顔を思い出せないくらいに笑顔を見せていた。
「桜真くん、本当にありがとうな。明日の15時は空けておいてくれ。何かあるなら折り返してくれたらいいから。夜中以外は基本会社に居る。」
「了解しました。明日は休みなので出られると思います。俺はランニングの最中だったので、汗を流しに帰ります。」
あんな大きなマンションでは、激務も仕方ないか。かわいそうだ。
会釈をして踵を返すと、夜にも関わらず、自分を歓迎するかのような柔らかくて温かい光が身を包んだ。
帰る時、遠いと感じていた入口までにはすぐに辿り着いた。これも妖力という訳だ。帰らせまいとしたのだ、きっと。
あまりにも善街さんが辛そうだったので、思わず引き受けてしまったが、どんな業務をするのだろうか。手伝いと伝えてくれた善街さんの事は信じる事にした。
これから自分が生きる事に意味が生じるならと期待を込めて、やる気が出ず放置していた洗い物や他の家事も済ませられた。自分自身の心の内を打ち明けられた事で、気持ちが晴れたのだ。しかしながらいきなり過ぎたが、善街さんの負担が減ると良い。シャワーを浴びて、明日を楽しみに眠った。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
おしどり夫婦の茶番
Rj
恋愛
夫がまた口紅をつけて帰ってきた。お互い初恋の相手でおしどり夫婦として知られるナタリアとブライアン。
おしどり夫婦にも人にはいえない事情がある。
一話完結。『一番でなくとも』に登場したナタリアの話です。未読でも問題なく読んでいただけます。
将来の嫁ぎ先は確保済みです……が?!
翠月るるな
恋愛
ある日階段から落ちて、とある物語を思い出した。
侯爵令息と男爵令嬢の秘密の恋…みたいな。
そしてここが、その話を基にした世界に酷似していることに気づく。
私は主人公の婚約者。話の流れからすれば破棄されることになる。
この歳で婚約破棄なんてされたら、名に傷が付く。
それでは次の結婚は望めない。
その前に、同じ前世の記憶がある男性との婚姻話を水面下で進めましょうか。
【完結】彼女が本当に得難い人だったなんて、後から気づいたってもう遅いんだよ。
すだもみぢ
現代文学
テーマは「本当のこと」
数年ぶりに再会した過去の恋人同士。お互いもういい大人になっている。
「昔、会社が倒産しそうだと言ったのを覚えているか? あれ、嘘だったんだよ」
そう過去の真実を告白した男に対して、女は静かに唇を開いた。
「知ってたわ。その上で別れを受け入れることに決めたの――」
何を思って男は女にその言葉を告げたのか。
そして女はどうしてその言葉の嘘を暴かなかったのか。
その裏にあったこととはなんだろうか。
過去の恋人たち二人のやりとりを、第三者視点綴っています。
2023/3/27 現代文学部門1位ありがとうございました<(_ _)>
2023/3/31 加筆修正いたしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる