嫌われ悪役王子は死にたくない!!《本編完結済》

えの

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あの日を境に俺は夕方に時間を見つけてはガイの部屋にちょくちょく遊びに行くようになった。だが、ガイは居たり居なかったりする。小説を借りるだけだし別にいーんですけどね。王子様だし、人気あるし、カッコイイし、そりゃお誘いがひっきりなしにあるんでしょうよ。嫌われ者の俺と違ってな!!


でも、部屋に居る時は必ずご飯を一緒に食べようと誘ってくれる。これが俺にとって何よりも嬉しい。ガイとの関係が良好になってきた兆し。それに1人で食べるご飯って何か味気ないんだよ…。ガイと楽しくお喋りして小説の内容について語り合う方が断然良い。ガイの素敵なお顔も見れるしね!!


今日も読み終えた小説を胸に抱きガイの部屋をノックした。返事はない。今日も居ないのかな…。そっと音を立てないように扉を開けると、やはり部屋は空っぽだった。つまんねーの。


ソファと机の間を通り抜けようとした時、視界にチラリと白いもふもふが映った。んっ?自然と目で追うと、何とそこには自分よりも少し小さなソファに寝そべるガイの姿があった。突然のご褒美光景に絶句する。あぁ、神様。ありがとうございます。この様な絶好のモフりチャンスを与えてくれた事に感謝致します!!


しかし、よく考えると寝ている犬は触ると嫌がるのだ。つまり触れない。見る事しか出来ない。なんともどかしい…。床に両膝をつき、超近距離でガイの寝顔を拝見する。目を瞑っているガイは可愛く、なんとフサフサの長いまつ毛は白かった。普段は威厳たっぷりのくせに…これもギャップ萌えに入るのか?思わず口元が緩む。


そしてゆっくりと気になっていたある場所に目線を動かす。会う度に毎回気になっていたそこは、絶対に俺が見る事が出来ないであろう秘境。ピシッと着こなしたシャツの隙間から覗く白いもふもふ。恐らく、シャツのすぐ下は…もふもふが広がっていることだろう。


抑えられない好奇心。ゴクリと唾を飲み込み、震える指先でシャツの第一ボタンに手をかけた。イケナイ事をしているとわかっている。だからこそ興奮してしまうこの心理。規則正しく動いている胸を確かめそっとボタンを外した。ふむ、思いの外もふもふが見えないな。よっ、よし、もう1つ、もう1つだけ!!


1回成功してしまったことにより、謎の自信がつき行動が大胆になる。第二ボタンに手をかけ、同じよに慎重に外せばその先には夢にまで見たもふもふが…。広がっていなかった…。おい!!まだダメなのかよ!!


ここまでかなりの時間を要した。いつからガイが寝ているかは知らないがそろそろヤバそうだ。悔しい、こんなチャンス次はいつ訪れるかわからないのに…!!名残惜しさを感じつつ、ガイの部屋を後にした。そして気がつく。あっ、小説借りてない。げっ、ボタンそのままだわ…。


悩んだ末に1週間ほど期間を空けて訪れる事にした。俺が部屋を訪ねた事はバレていないはずだ。コンコンと控えめにノックをし返事を待つが、ガイは居ないようだ。そっと扉を空けて部屋を確認するが、やはり誰も居なかった。


前回と同じ道を通る。居なくてラッキーなのかな?でも最近会話してないし、ちょっと寂しいわ。放任主義の恋人は振られちゃうよ!!


そんな脳内恋人ごっこをしていると、白いもふもふが目に入った。まさか!!こんな事が!!音を立てずに足早に忍び足で近寄ると、やはりガイがソファに体を沈め寝ていた。なんと今回はシャツの第二ボタンまで外れているというサービスつきだ。うひょー!!これは続きをしてもいいよという神様のお告げに違いない!!


焦るな俺!!焦るなよ!!前回よりもスムーズな手際で第3ボタンに手をかけた。ここを超えれば…もふもふと…ご対面…出来たぁー!!やったよ…俺、やり遂げたよ!!これが…。訓練ではよく見えなかったもふもふが今、まさに目の前に…。あぁ、なんて美しいんだ…。だけど人間とは欲深い生き物で、目的が達成されたら新しい欲が湧いてきた。


見たい。ガイの乳首を見てみたい。素直なエロい好奇心から起こった欲。確かに訓練では完全獣人の上半身裸姿を見ていたが、なんせバレないように遠くからの覗きなので、はっきりとは分からなかった。ゲームでもちゃんと描かれているシーンはなかったと思う。


そうと決まれば俺の行動は早い。第4ボタンに手をかけ、今までよりも慎重にボタンを外した。軽く指でシャツを摘み、ガイのもふもふに擦れないように慎重に慎重を期して広げる。


ドクドクと煩いほど高鳴る胸。待ち望んだ乳首はなんと綺麗な薄いピンクだった。俺のよりデカい。白いもふもふに埋もれた光景が隠された秘部を暴いたしまった様でなんともエロい気持ちになる。


ぐっ、こんなの見せられて興奮しないやつ居るのかよ!!あの騎士達は本物の強者か?!体だけでは無く精神も鋼のように鍛えているとは…次覗く時は妄想の幅が広がりそうだ。


改めて、上から下までガイの姿を見るとエロさを再確認させられた。精悍な顔立ちは他を寄せつけない強さが象徴され、引き締まった体がより一層それを際立てている。そしてはだけたシャツから見えるもふもふ。なんだこの溢れ出すエロスは?!襲っちまうぞ!!


「はぁ、尊すぎで無理。好きが限界突破してるわ」


思わず声に出してしまった。それに反応してしまったのだろうか?ガイのお耳がピクピクと動く。やっべぇ。前屈みになりながら俺は足早に部屋を出た。この興奮を早く処理したくて堪らない。部屋に帰ったら風呂場に直行しよ!!


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