上 下
18 / 40

18話 冒険者ギルド

しおりを挟む

 俺は冒険者ギルドにやってきた。
 もちろんシロも連れてだ。
 まずは中に入り、受付へ話しかける。

「あの、冒険者登録をしたいんですが」
「新規の冒険者さんですね! わかりました!」

 受付嬢さんは書類を取り出してきて、俺に質問をした。
 名前や住所を記入したあとに、職業を聞かれる。

「職業……?」
「ええ、冒険者の皆さんには何かしらの職業を登録してもらっています。そうしないと、こちらでもどのクエストを回せばいいか管理しにくいですからね」
「うーん、でもなぁ……。俺の職業かぁ……」

 職業というのは、ゲームの知識とかでなんとなくわかる。
 剣士とか格闘家っていうやつだろう。
 俺は覚えたての魔法で戦うつもりだが、魔導士を名乗ってもいいのだろうか?
 ついさっき覚えたような俺が魔導士というのは少し気が引ける。
 だがだからといってなぁ……。
 俺が悩んでいると、

「あの……失礼ですがテイマーさんじゃないのですか?」
「え……? テイマー……? 俺が……?」

 受付嬢さんの視線の先を見ると、そこにはシロがいた。
 そうか、シロは俺にとっては犬であり家族だが、他の人はモンスター扱いしてくるんだったな。
 ジャスミンさんだけかと思ったが、この人もそうなのか?

「こいつはなんというか、ペットというか家族で……テイムしているわけじゃないんですけどね」
「え……!? そうなんですか……!? 魔物だったから、てっきり……」

 やはりこの人にも魔物に見えるようだ。
 うーん、だったらまあテイマーでもいいかな。
 これから先、いちいち説明が面倒だ。
 それだったら、よくわからんがテイマーっていうことにしておいたほうが都合がいいだろう。

「じゃあ、テイマーで登録お願いします」
「はい、かしこまりました」



【あとがき】

カクヨムでも先行公開中です!
しおりを挟む

処理中です...