老害扱いされ隠居した不老不死の大賢者であるエルフ美少女は田舎でスローライフを送りたい。世界の秩序が大変?知るかボケ。

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中

文字の大きさ
13 / 29

第13話 防衛整備

しおりを挟む

「うぅーん……?」

 朝、私はけたたましく鳴り続ける騒音に起こされます。
 音は下の方から聞こえてきます。
 みなさんでなにかしているのでしょうか……?
 ……っは!
 まさか、ゴブリンたちが【ネオエルフ】たちに反乱を……!?

「大変です! すぐに行かないと……!」

 私は乱れた髪のままで、下へと降りていきます。
 ですが、それはすぐに杞憂だったと気づきます。

「ほっ……。よかった……。でも、これは……?」

 なんと騒音の正体は、ゴブリンたちが工事をしている音でした。
 余った家を解体して、街の外壁を作っているようです。
 さらには、トラップや、武器まで制作しているではありませんか……!
 どういうことでしょう……。
 ゴブリンたちが自ら街の為に、工作をしてくれているのは構わないのですが……。
 彼らにそれほど高度な知能があったでしょうか?

「あ、エルキアさま。おはようございます! 勝手に木を切ってはいけないと思ったので、空き家から資材を拝借しました」

 私を見つけたゴブリンの一人が、駆け寄って来ます。
 昨日も話をした、知能が比較的高い個体でしょうかね。
 でも、見た目が昨日と異なるような……?
 なんだか、より人型に近づいた気がします。
 私、寝ぼけているんでしょうか?

「ゴブリンさん……その身体……どうしたんですか?」

「さぁ? 我々にもわからないのです。朝起きたら、身長が高くなっていました。それに、顔もシュッとして、男前でしょう? しかも、知能まで格段に上昇したんですよ!?」

「はぁ……それはよかったですねぇ! ですが、いったいどうして……?」

「ふっふーん! それは私が説明しましょう!」

 なぜか自慢げに現れたのは、世界樹の精霊――ユシルです。
 これも世界樹の力の影響なのでしょうか……?

「まさかユシル、あなたが?」

「……というより、ママのおかげでもあります」

「私が!?」

「ええ、世界樹を再生するときに、ママの魔力を使いましたよね。そのときに、ママの魔力があまりにも多すぎて、世界樹の中に余っちゃったんです。そのせいで、ここが超強力なパワースポットになってしまっているんですよ」

「そんな馬鹿な……」

 つまり、ゴブリンたちが一夜にして上位種に進化したのも、私のせいだというわけですか……。
 【ネオエルフ】たちの成長と繁殖速度が異常に早いのも、そのせいだったりするんでしょうか?

「やはり、我々が進化できたのも、エルキアさまのおかげだったのですね!? さすがはエルキアさまのご加護です! 我々、この国に受け入れてもらえて、本当に幸せです!」

「それで……ゴブリンさん、朝からいったい、なんの騒ぎなんですか?」

「ああ、これですか? 我々なりに、足りない頭を使った結果です。我々ゴブリンたちにできることはなにか……それは戦いです! エルフの皆さんを、我々で防衛しようと思ったのです!」

「まあ、それは見ればわかりますが……家を破壊しちゃダメじゃないですか……。資材が必要なときはちゃんと言ってください」

「す、すみませんでした!」

 とはいえ、いちいち私の許可を得ていては不便でしょう。
 彼らの自主性に歯止めをかけることにもなります。

素材マテリアル変換機コンバーター・設置!」

 まずは素材マテリアル変換機コンバーターを誰でも使えるように、アイテム化したものを設置します。

「エルキアさま……なにをされているのですか?」

「まあ、見ていてください」

 次に、二つの無限収納庫アイテムボックスを両端に置きます。

無限収納庫アイテムボックス・設置!」

 それを繋げて……。
 片方は空のまま、もう片方には、【無限キノコ】を入れておきます。
 あとは自動的に、素材マテリアル変換機コンバーターが【無限キノコ】を木材に変え、空の容器に移してくれるはずです。

「これで、私のいないときにも、ここから資材を取り出せますよ」

「エルキアさま! なんと素晴らしいアイデアでしょうか! 本当にお優しいお方だ!」

「そうですねぇ……ゴブリンさん」

「はい?」

「あなたに名前を付けます。あなたはゴブマッソと名乗ってください。そして、あなたを現場監督に任命します! あなたの管理のもとで、これらの資材を有効活用してください」

「は、はい! ありがたき幸せ! このゴブマッソ、命に代えてもこのエルムンドキアに貢献いたします!」

 これでゴブリンたちに任せておけば、街は自動的に発展していくでしょう。
 私って、あったまいい!
 それに、勝手に防衛も申し出てくれたので、かなり優秀ですね。
 これで【ネオエルフ】たちも、安心して暮らせるでしょう。

 ゴブリンたちには街の防衛と拡張を。
 【ネオエルフ】たちには農作業を。
 それぞれ、仕事もあります。
 国の発展の第一フェーズとしては、なかなか上々なんじゃないでしょうか。

「さぁて……これで私もようやく一息つけますね」

「お疲れ様です、ママ」

 私はその後、街の中を歩いて見て回りました。
 ゴブリンたちも知能が高くなったせいか、普通に【ネオエルフ】たちと会話を楽しんでいます。
 上手くやっていけそうですね。
 【ネオエルフ】の数も、15人にまで増えていました。
 これはどこかで避妊を覚えさせないと……マズイですね……。
 あとでとりあえず、注意しておきましょう。

「そろそろ私がこの国を離れても、大丈夫そうですね……」

 何気なく言ったこの一言で、みんなは大騒ぎになりました。

「そんな!? エルキアさまがこの国を去られるなんて!?」

「私たちは神に見捨てられたのだ……!? おおおおおおん!」

「エルキアさまー! 捨てないでください!」

 【ネオエルフ】もゴブリンたちも、拝むポーズをしてみたり、泣き叫んでみたりと大騒ぎです。

「はいはいみなさん、勘違いしないでください! 私がみなさんを捨てるわけないじゃないですか。私は、一時的にこの国を離れるだけです」

「なんだ……よかった……」

「……っほ」

「安心しました……エルキアさま! 我々を捨てないでくれて、ありがとうございます!」

 なんとか誤解は解けたようですね……。
 まったく、はやとちりな人たちですね。

「というわけで、明日からしばらく、ルキアール王国へ行ってきますね」

「ルキアール王国……ですか?」

「ええと……みなさんは知らないですよね。みなさんがここに来る前に、この国で最初にお迎えしたお客さん、それがルキアール王国のみなさんなんですよ」

「そんなことが……!? 知りませんでした!」

「神話以前のお話だ……!」

「それは……つまり、他国の神ということだろうか……?」

 みなさん口々に噂をし、めちゃくちゃな推論を話し始めます。
 説明が面倒ですね……。

「とりあえず、そういうことなので、みなさん。留守の間、よろしくお願いしますね?」

「もちろんですとも! 我々に、エルムンドキアをお任せください! 必ず、エルキアさまの留守を守り抜いてみせますぞ!」

「はは……頼もしいです」

 なんとかなりそう……ですかね?
 まあならなかったらそのときです!
 そんなわけで、私は、リシアン・コルティサング王子に会いに……。
 ルキアール王国へ出向くことにしました!
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

大自然を司る聖女、王宮を見捨て辺境で楽しく生きていく!

向原 行人
ファンタジー
旧題:聖女なのに婚約破棄した上に辺境へ追放? ショックで前世を思い出し、魔法で電化製品を再現出来るようになって快適なので、もう戻りません。 土の聖女と呼ばれる土魔法を極めた私、セシリアは婚約者である第二王子から婚約破棄を言い渡された上に、王宮を追放されて辺境の地へ飛ばされてしまった。 とりあえず、辺境の地でも何とか生きていくしかないと思った物の、着いた先は家どころか人すら居ない場所だった。 こんな所でどうすれば良いのと、ショックで頭が真っ白になった瞬間、突然前世の――日本の某家電量販店の販売員として働いていた記憶が蘇る。 土魔法で家や畑を作り、具現化魔法で家電製品を再現し……あれ? 王宮暮らしより遥かに快適なんですけど! 一方、王宮での私がしていた仕事を出来る者が居ないらしく、戻って来いと言われるけど、モフモフな動物さんたちと一緒に快適で幸せに暮らして居るので、お断りします。 ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

似非聖女呼ばわりされたのでスローライフ満喫しながら引き篭もります

秋月乃衣
恋愛
侯爵令嬢オリヴィアは聖女として今まで16年間生きてきたのにも関わらず、婚約者である王子から「お前は聖女ではない」と言われた挙句、婚約破棄をされてしまった。 そして、その瞬間オリヴィアの背中には何故か純白の羽が出現し、オリヴィアは泣き叫んだ。 「私、仰向け派なのに!これからどうやって寝たらいいの!?」 聖女じゃないみたいだし、婚約破棄されたし、何より羽が邪魔なので王都の外れでスローライフ始めます。

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

役立たずと追放された聖女は、第二の人生で薬師として静かに輝く

腐ったバナナ
ファンタジー
「お前は役立たずだ」 ――そう言われ、聖女カリナは宮廷から追放された。 癒やしの力は弱く、誰からも冷遇され続けた日々。 居場所を失った彼女は、静かな田舎の村へ向かう。 しかしそこで出会ったのは、病に苦しむ人々、薬草を必要とする生活、そして彼女をまっすぐ信じてくれる村人たちだった。 小さな治療を重ねるうちに、カリナは“ただの役立たず”ではなく「薬師」としての価値を見いだしていく。

婚約破棄されたので森の奥でカフェを開いてスローライフ

あげは
ファンタジー
「私は、ユミエラとの婚約を破棄する!」 学院卒業記念パーティーで、婚約者である王太子アルフリードに突然婚約破棄された、ユミエラ・フォン・アマリリス公爵令嬢。 家族にも愛されていなかったユミエラは、王太子に婚約破棄されたことで利用価値がなくなったとされ家を勘当されてしまう。 しかし、ユミエラに特に気にした様子はなく、むしろ喜んでいた。 これまでの生活に嫌気が差していたユミエラは、元孤児で転生者の侍女ミシェルだけを連れ、その日のうちに家を出て人のいない森の奥に向かい、森の中でカフェを開くらしい。 「さあ、ミシェル! 念願のスローライフよ! 張り切っていきましょう!」 王都を出るとなぜか国を守護している神獣が待ち構えていた。 どうやら国を捨てユミエラについてくるらしい。 こうしてユミエラは、転生者と神獣という何とも不思議なお供を連れ、優雅なスローライフを楽しむのであった。 一方、ユミエラを追放し、神獣にも見捨てられた王国は、愚かな王太子のせいで混乱に陥るのだった――。 なろう・カクヨムにも投稿

追放したんでしょ?楽しく暮らしてるのでほっといて

だましだまし
ファンタジー
私たちの未来の王子妃を影なり日向なりと支える為に存在している。 敬愛する侯爵令嬢ディボラ様の為に切磋琢磨し、鼓舞し合い、己を磨いてきた。 決して追放に備えていた訳では無いのよ?

処理中です...