老害扱いされ隠居した不老不死の大賢者であるエルフ美少女は田舎でスローライフを送りたい。世界の秩序が大変?知るかボケ。

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中

文字の大きさ
19 / 29

第19話 なんだこのモフモフ天国は!

しおりを挟む

 ・作成台クラフトテーブル
 ・無限収納庫アイテムボックス
 ・【無限キノコ】
 ・素材マテリアル変換機コンバーター
 ・金属メタル探知機ディテクター
 ・【アイアンスライム】
 ・スライム吸引機アブソーバー

 これだけあれば、ルキアール王国のみなさんだけでも線路が作れますね。
 操作コンソール境界面インターフェースの使いかたも、リシアンさんに教えてありますから、もう安心してエルムンドキアに帰れます。

「ではリシアンさん、あとは大丈夫ですね?」

「はい。線路を作って、それを森へ向かって並べていく……でしたよね」

「そうです。私はエルムンドキアからルキアール王国へ向かって線路を繋げていくので、中間地点で落ち合いましょう」

「いろいろとお世話になりました。線路が繋がって、やり取りできるのが楽しみです」

「そうですね! 私も、またリシアンさんとお会いできるのを楽しみにしています」

 名残惜しいですが、そろそろエルムンドキアの状況も心配です。
 みなさん、元気に暮らしていますでしょうか?
 ユシルは?
 【ネオエルフ】たちは?
 ゴブリンたちは?

空中浮遊スカイムーブ!」

 私は急いで森へと向かいます。
 久しぶりに、はやくみんなに会いたいです。





「……って、これはなんなんですかあああああああ!?」

 ――モフ。

 ――モフモフ。

 ――モフモフモフ。

 私の身体のまわりを、モフモフたちが行ったり来たり。
 緑のモフモフ、黄色のモフモフ。
 くしゃみが出そうです。

「エルキアさま、お初にお目にかかります。私はモフモフ連合の代表、モルコと申します」

「はぁ」

 私の前に現れたのは――喋る羊……なんですかね、これ?
 なにか彼らだけ作画が違う……というか、そこにいるだけで・・・・・・・・違和感があるような見た目をしています。
 500年生きてきましたが、こんな生物は初めてです。
 この森の瘴気がはぐくんだ、特殊な生き物なのでしょうか?

「あの……だれか状況説明を頼めますか?」

「はい! 私が説明しましょう!」

 そう名乗り出たのは、ユシルだったでした。
 ユシルと話すのもなんだか久しぶりな気がしますね。

「ママがいない間に、彼女たち――モフモフ連合の方たちが突如、このエルムンドキアに現れました」

「はぁ、」

「彼女たちはなんと、この国の偉大さに恐れおののき、ママこそがこの森の指導者だと確信したそうです!」

「そうなんですか……」

 つまり、この国に完全降伏し、仲間に加わりたいと……そういうことですか。
 まあ私もモフモフはそこそこ嫌いではありませんし……いいでしょう。

「えーっと、モフモフ連合の……モルコさん、でしたっけ? エルムンドキアの王として、あなたたちを歓迎します」

「ありがたきお言葉! 恐悦至極に存じます」

 それにしても……喋る羊というのも慣れませんねぇ。
 なんとかならないものでしょうか……。

 ですがその懸念は、すぐに晴れることになります――。





「おはようございます、エルキアさま!」

「うわぁ!? ……っと、誰!? ですか……?」

 翌朝私の前に現れたのは、謎の羊人間でした。
 ですが私が驚いたのはその奇妙な見た目にだけではありません。
 彼女はどこからどうみても、人間の美少女そのものだったからです。
 半裸の美少女の身体に、羊のモフモフがくっついているような……そんな見た目。

「私です! モフモフ連合の代表、モルコですよ!」

「えぇっ!? あなたが昨日の羊なんですか!?」

「そうですよ! 昨日あんなにモフモフした仲じゃないですかやだー」

 そんなことを言われても……こうも見た目が違っているのでは……。
 いったいどういうことなのでしょうか?
 以前にもゴブリンたちが人化するという現象がありましたが……。
 あれは世界樹の力だったのでは?

 私が疑問に頭を悩ませていると……。

「きっとママの魔力のせいですね」

「私の魔力ですか? ユシル、なにか心当たりが?」

「ええ、ゴブリンたちの人化は、世界樹のせいだと思っていましたが、どうもそれだけではありませんね……。ママの魔力に世界樹が、呼応して、この現象を引き起こしているんだと思います」

 なるほど……だから私がこの国に帰ってきた途端に、彼女たちは人化したと。
 それにしても、羊人間……可愛すぎます。

「えいっ! もっとモフモフさせてください!」

「えぇ!? エルキアさま! お戯れを~!」

「逃がしませんよ~! うりゃうりゃ! モフモフ!」

「あ、ずるいですママ! 私もモフモフします!」

 私とユシルは、モルコさんを追いかけ回し、たっぷりとモフモフさせてもらいました。
 これで数週間はモフモフ成分を接種しないで済みます。

「ふぅ……」

「え、エルキアさま……大胆ですぅ……こんな真昼間からぁ……」

 モルコさんはなぜか顔を真っ赤にして座り込んでしまっています。
 彼女にとっては、それほど恥ずかしいことだったのでしょうか?
 だとしたら少し申し訳ないですね。

「モフモフさんたち的には、モフモフされるのはあまりお好きではないんですか?」

「うぅ……そうではありませんが……その……ゴニョニョゴニョ」

 モルコさんは私に近づき、耳打ちをします。
 その内容は、モフモフを人間同士の行為に例えて説明したものでした。
 あまり大きな声では言えませんが……私も思わず顔が赤くなってしまいます。

「えぇ!? モフモフって人間でいうところの、そんな行為に相当するんですか!? それは、ちょっと申し訳ないことをしてしまいましたねぇ……」

「いえいえ! 決して嫌ではありませんので! む、むしろ……エルキアさまなら大歓迎です! ただちょっと……いきなりだったので恥ずかしかっただけで……」

「あ、そうなんですね。ならよかったです。今後も遠慮なくモフモフできそうです」

 そんなこんなで、新しい種族がこの国に加わりました!

 ここらで一度、国民の内訳を見てみましょうか。

・エルフ一人(私です)
・世界樹の精霊一人(ユシル)
・【ネオエルフ】30人(また増えてました)
・ゴブリンたち50人(内オーク4人)
・モフモフさんたち20人(羊タイプ5人、猫タイプ10人、狐タイプ5人)

 けっこう賑やかになって来ましたね……。
 でも当分は大丈夫なくらい、家も食料も余っています。
 あとはルキアール王国との線路を開通させれば、とりあえずの一仕事は終わりですね!
 エルムンドキア再興も目の前です!
 頑張れ私!
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

大自然を司る聖女、王宮を見捨て辺境で楽しく生きていく!

向原 行人
ファンタジー
旧題:聖女なのに婚約破棄した上に辺境へ追放? ショックで前世を思い出し、魔法で電化製品を再現出来るようになって快適なので、もう戻りません。 土の聖女と呼ばれる土魔法を極めた私、セシリアは婚約者である第二王子から婚約破棄を言い渡された上に、王宮を追放されて辺境の地へ飛ばされてしまった。 とりあえず、辺境の地でも何とか生きていくしかないと思った物の、着いた先は家どころか人すら居ない場所だった。 こんな所でどうすれば良いのと、ショックで頭が真っ白になった瞬間、突然前世の――日本の某家電量販店の販売員として働いていた記憶が蘇る。 土魔法で家や畑を作り、具現化魔法で家電製品を再現し……あれ? 王宮暮らしより遥かに快適なんですけど! 一方、王宮での私がしていた仕事を出来る者が居ないらしく、戻って来いと言われるけど、モフモフな動物さんたちと一緒に快適で幸せに暮らして居るので、お断りします。 ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

似非聖女呼ばわりされたのでスローライフ満喫しながら引き篭もります

秋月乃衣
恋愛
侯爵令嬢オリヴィアは聖女として今まで16年間生きてきたのにも関わらず、婚約者である王子から「お前は聖女ではない」と言われた挙句、婚約破棄をされてしまった。 そして、その瞬間オリヴィアの背中には何故か純白の羽が出現し、オリヴィアは泣き叫んだ。 「私、仰向け派なのに!これからどうやって寝たらいいの!?」 聖女じゃないみたいだし、婚約破棄されたし、何より羽が邪魔なので王都の外れでスローライフ始めます。

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

役立たずと追放された聖女は、第二の人生で薬師として静かに輝く

腐ったバナナ
ファンタジー
「お前は役立たずだ」 ――そう言われ、聖女カリナは宮廷から追放された。 癒やしの力は弱く、誰からも冷遇され続けた日々。 居場所を失った彼女は、静かな田舎の村へ向かう。 しかしそこで出会ったのは、病に苦しむ人々、薬草を必要とする生活、そして彼女をまっすぐ信じてくれる村人たちだった。 小さな治療を重ねるうちに、カリナは“ただの役立たず”ではなく「薬師」としての価値を見いだしていく。

追放したんでしょ?楽しく暮らしてるのでほっといて

だましだまし
ファンタジー
私たちの未来の王子妃を影なり日向なりと支える為に存在している。 敬愛する侯爵令嬢ディボラ様の為に切磋琢磨し、鼓舞し合い、己を磨いてきた。 決して追放に備えていた訳では無いのよ?

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

処理中です...