老害扱いされ隠居した不老不死の大賢者であるエルフ美少女は田舎でスローライフを送りたい。世界の秩序が大変?知るかボケ。

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中

文字の大きさ
20 / 29

第20話 列車で行こう

しおりを挟む

「では、ルキアール王国へ線路をひいて行きます」

 私は何人かの作業員(主にゴブリンたち)を中央の広場に集めました。
 今頃ルキアール王国では、リシアンさんたちがこの森に向かって線路をひき始めているころでしょう。
 こちらもぼやぼやしていられません。

「エルキアさま、我らにお任せください! すぐにルキアール王国まで開通させてみせますよ!」

 ゴブリン現場監督のゴブマッソが威勢よく言います。
 頼もしいですね。
 今ではゴブリンたちは優秀な労働力です。

「まずは線路を作っていきますね」

 木材や鉄の調達は、既にルキアール王国でやった時と同じ方法で進めています。
 アイアンスライムの養殖場も作りました。
 アイアンスライムの管理は、モフモフさんたちに任せてあります。

 農業のネオエルフ。
 工業のゴブリン。
 畜産のモフモフさん。
 バランスのいい国作りができていますね。

作成台クラフトテーブル・設置!」

 作成台クラフトテーブルには、大量の木材と鉄の入った無限収納庫アイテムボックスを繋ぎます。

「これで、レシピを線路に設定して……っと」

 あとは自動的に線路が生成されます。
 ですが線路を並べていくのには人手がいります。

「ではゴブリンさんたち、ルキアール王国へ向けて線路を敷いていってください!」

「了解です! よし、お前たち……出発!」

 ゴブマッソの掛け声で、ゴブリンたちは統率のとれた手早い動きで働き始めます。
 これは思ったよりも時間がかからないかもですね……。
 私は私で、その間にやることがあるので、あとは任せましょう。





 そろそろ森の中に空き地が無くなってきました。
 なので森自体を広げて、世界樹のまわりに空き地をつくろうと思います。

「お願いできますか? ユシル」

「ママのお願いなら、なんでもやりますよ!」

 私はユシルを抱っこし、空中浮遊スカイムーブで宙に浮きます。
 そして森の一番外側の木から順に、場所を移動してもらえるように頼んでいくのです。
 ユシルは世界樹の精霊ですからね、木の妖精に働きかけることができます。
 私が木の妖精に語り掛けるのとは、さすがに効力が違います。

「ママ、みんな快く聞き入れてくれましたよ!」

「それはよかったです、ありがとうユシル」

 この調子で森を広げていけば、十分な国土を確保できるでしょう。
 あとは追加の住居ですね。
 ルキアール王国から沢山人がやってくるので、それに備える必要があります。

 以前やった要領で、家を沢山建てていきます。
 それから、ホテルや市場のような主要施設も……。
 あとは追加の農場も。

 そんなことをしていると、あっという間に時間が経ち……。
 いよいよ線路が開通しました。
 これで列車を使って、両国間をすぐに行き来できるようになります。





「リシアンさん、お久しぶりです」

「シルヴィ……え、エルキアさん。お久しぶりです」

 さっそく列車を使って、リシアンさんにエルムンドキアまで来てもらいました。
 他にも何人か視察に、そしてこちらからはいくらかの物資を進呈しました。

「どうですか、乗り心地は」

「快適です。さすがエルキアさんです」

「そうですか。ではさっそく、希望者をエルムンドキアに移住させる手配を」

 その日のうちに、数百人規模での移民が到着しました。
 これで、ルキアール王国の食糧事情もだいぶ改善しそうです。

「では、彼らにはこちらで作物を作ってもらい、それをルキアール王国にお送りする、という形で」

「ええ、それで結構です。よろしくお願いします」

 こうして我がエルムンドキアはさらなる人民を獲得し、国力の増強に成功しました。
 一方でルキアール王国は増えすぎた国民を減らし、さらには貿易路を会得することで、食糧事情の改善と、国力の回復に向けて歩き出しました。
 私も、ルキアール王国の進歩を喜ばしく思います。
 リシアンさんは、これによってさらに忙しくなりそうなので、しばらくは会えそうにないですね。
 私もやることがまだまだあるので、これからはしばらく、お互いに頑張る日々が続きそうです。





 ルキアール王国から列車で到着した移民たちは、エルムンドキアの姿を見て驚きました。

「なんだここは……森の中にこんな王国が……」

「ゴブリンにエルフ、さらには羊人間までいるぞ! 凄いな……」

「ありがたい。こんなに広大な緑の大地を拝める日が来るなんて……!」

 みなさん上手くやっていけるといいのですが……。
 幸い、ゴブリンたちに嫌悪感などはなさそうです。
 かなり人間と変わりない見た目をしているからでしょうか。
 最初驚きこそすれど、すぐに打ち解けました。

 そして数週間後には最初の作物が収穫でき、ルキアール王国に送ることができました。

「よかった……これで祖国の人々が飢えずにすむ」

「エルキアさまには感謝しかないな……」

「俺はもう祖国に帰らずにこの森に骨を埋めることにするよ。なんたって、居心地がよすぎる」

 移民のみなさんにもこの森を気に入ってもらえて、私も嬉しいです。
 これで一度軌道に乗ったので、しばらくこの国は安泰ですね。
 まあ、不意に大きな問題が起こらなければ、ですが――。
 
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

大自然を司る聖女、王宮を見捨て辺境で楽しく生きていく!

向原 行人
ファンタジー
旧題:聖女なのに婚約破棄した上に辺境へ追放? ショックで前世を思い出し、魔法で電化製品を再現出来るようになって快適なので、もう戻りません。 土の聖女と呼ばれる土魔法を極めた私、セシリアは婚約者である第二王子から婚約破棄を言い渡された上に、王宮を追放されて辺境の地へ飛ばされてしまった。 とりあえず、辺境の地でも何とか生きていくしかないと思った物の、着いた先は家どころか人すら居ない場所だった。 こんな所でどうすれば良いのと、ショックで頭が真っ白になった瞬間、突然前世の――日本の某家電量販店の販売員として働いていた記憶が蘇る。 土魔法で家や畑を作り、具現化魔法で家電製品を再現し……あれ? 王宮暮らしより遥かに快適なんですけど! 一方、王宮での私がしていた仕事を出来る者が居ないらしく、戻って来いと言われるけど、モフモフな動物さんたちと一緒に快適で幸せに暮らして居るので、お断りします。 ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

似非聖女呼ばわりされたのでスローライフ満喫しながら引き篭もります

秋月乃衣
恋愛
侯爵令嬢オリヴィアは聖女として今まで16年間生きてきたのにも関わらず、婚約者である王子から「お前は聖女ではない」と言われた挙句、婚約破棄をされてしまった。 そして、その瞬間オリヴィアの背中には何故か純白の羽が出現し、オリヴィアは泣き叫んだ。 「私、仰向け派なのに!これからどうやって寝たらいいの!?」 聖女じゃないみたいだし、婚約破棄されたし、何より羽が邪魔なので王都の外れでスローライフ始めます。

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

役立たずと追放された聖女は、第二の人生で薬師として静かに輝く

腐ったバナナ
ファンタジー
「お前は役立たずだ」 ――そう言われ、聖女カリナは宮廷から追放された。 癒やしの力は弱く、誰からも冷遇され続けた日々。 居場所を失った彼女は、静かな田舎の村へ向かう。 しかしそこで出会ったのは、病に苦しむ人々、薬草を必要とする生活、そして彼女をまっすぐ信じてくれる村人たちだった。 小さな治療を重ねるうちに、カリナは“ただの役立たず”ではなく「薬師」としての価値を見いだしていく。

追放したんでしょ?楽しく暮らしてるのでほっといて

だましだまし
ファンタジー
私たちの未来の王子妃を影なり日向なりと支える為に存在している。 敬愛する侯爵令嬢ディボラ様の為に切磋琢磨し、鼓舞し合い、己を磨いてきた。 決して追放に備えていた訳では無いのよ?

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

処理中です...