始龍の賢者〜生まれた直後に森に捨てられたけど、最強種のドラゴンに拾われ溺愛されて最強になった~

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中

文字の大きさ
16 / 69

第16話 だが、絶対俺の子を孕ませる!

しおりを挟む

「それで、神殿に行かず城に戻ってきたということは、どういうことなのだ?」

 王はライゼにそう切り出す。
 本来の予定であれば、今頃ライゼは神殿に行って聖女として平和の祈りをささげていたはずだ。
 その神殿やら聖女やらってのがどれほどの効果があるのかは、俺は知らないけどな。
 宗教事には疎い。

「じ、実は……」

 そのときだった。
 一人の兵士が部屋まで駆け込んできて言った。

「王様! 報告いたします! たった今、魔王軍が全軍、撤退していきました!」
「は……!? な、なんじゃと!?」

 俺やライゼが魔王軍との取り決めについて説明する前に、どうやら事は済んだようだ。
 報告に眉一つ動かさなかった俺やライゼたちを見て、王はなにかを察したようで。

「これも……レルギア殿のお力によるものか……?」
「まあ、そうだな。魔王と話した」

 俺の言った言葉を、王も兵士も理解不能と言う顔で受け止めた。

「ま、魔王と話した……? じゃと……?」
「ああ、軽い友達なんだ。魔王は別に人類をどうこうする気はないってさ」
「し、しかし……現に魔王は……」
「表立って魔王を名乗ってたのは暴走した部下らしい。そいつは今頃、もうミンチになっているだろうぜ」
「そ、そうであったか……」

 王はいまだに驚きと困惑を隠せないようすだ。
 娘を危険な旅に行かせるほどの危機が、一瞬にして去ったのだから、まあ当然だ。

「魔王をも従えるとは……さすがはレルギア殿。王として、なんと申したらよいか……」
「いや、別に従えてはないけどな」
「ローゼンベルク王として、娘や国……いや、世界を救ってくださったレルギア殿に、ぜひお礼をしたのですが……。いかんせん、なにも大したことはできぬものでな……すまない」
「いや、お礼ならもう貰ってるからいいよ」
「は……?」

 俺はライゼとティナの間に入って、彼女たちの腰に手をまわした。
 両手に華だ。

「この二人が俺の嫁になるんで。俺はそれで充分かな」
「は……はい? そ、そそそそのようなことが?」

 王は目を丸くしながら、ライゼにそう問うた。
 ライゼが俺の嫁になることに反対というわけではなさそうだ。
 ただただ、いきなりな事だから困惑しているだけみたいだな。

「はいお父様。私もぜひレルギア様のお嫁さんにと。それで承知しました」
「そうか。ライゼ、お前がいいなら問題はない。私も、レルギア殿ほどのお人ならば安心です。いや、むしろ救国の英雄であるレルギア殿とライゼが結ばれるなら、これ以上ないことですな」

 よかった。王も賛成してくれるみたいだ。
 魔王軍の危機も去った、そしてライゼの暗殺も防いだ。
 神殿へはもう行かなくてもいいし、これで完璧にこの国は平和ってわけだ。
 まあ、まだまだライゼを狙うやつは出てくるかもしれないけどな。
 姫という立場上、暗殺はつきものだ。
 だがそれは俺がなにがあっても守ればいいだけのことだけど。
 とりあえず、今は親公認の仲になれたことを喜ぼう。

「よし、じゃあさっそく交尾するか!」

 俺はライゼとティナのケツをわしづかみにする。
 二人は「ひゃん♡」とかわいらしい声をあげて反応した。
 ようやくと思っていたところに、異論を唱えたのは王だった。

「ちょ、ちょっと待ちなさい!」
「ん……?」
「い、いくらレルギア殿といっても、それはちょっと待ってもらいたいのだ……」
「マジか……まだ一揉みもしてないのに……」

 俺はわかりやすく落胆する。
 あ、でもライゼがダメってだけでティナならいいのかも?
 王は続ける。

「ライゼはまだ学校に通っている、学生の身。その……できればそういったことは、ライゼが学校を出るまでは待ってもらいたいのだ」
「なるほど? そういうことか……」

 その学校とやらがどのくらい重要なのか、俺にはよくわからないが、妊娠するとまずいのだということはわかった。

「わかった。じゃあ学校が終わるまでは待とう。だが、いずれは絶対に俺の子を孕ませるからな!」
「それはもちろんです。レルギア殿との優秀な子を、楽しみにしておりますぞ。ゆくゆくはこの国の王子となるのだから……」
「あ、そっか。まあ俺が国を継ぐとかじゃなければなんでもいいや」

 俺には国がどうとかはよくわからないからな。
 それに、しがらみは面倒だ。
 だが俺の子が国を継ぐっていうなら、まあ好きにすればいいかな。

「じゃあそれまで、先にティナを孕ませるか」

 俺がティナを抱きしめたその瞬間、今度はライゼが異議を唱えた。

「待ってくださいレルギア様! そんな、私だけお預けでティナだけなんてずるいです! 我慢できません!」
「えぇ……じゃあティナともお預けか……」
「すみません……でも、避妊していただければ、私は大丈夫ですから……」
「あ、そっか。避妊スキルを使えばいいのか」

 だけど、やっぱり交尾は孕む可能性のある本気交尾に限る。
 それは学校が終わるまで我慢だが、とりあえず今は避妊ありでも楽しもう。

「そういうわけで、じゃあさっそく寝室にいくか。ライゼの部屋を案内してくれ」
「わ、私の部屋でするんですか……!? 恥ずかしい……」
「いいじゃん。ライゼの部屋みたいし」
「わ、わかりました……。やさしく……してくださいね?」
「おうもちろんだ」

 俺はライゼとティナを連れて寝室へと向かった。
 避妊さえすれば、王も特に異論はないという。
 避妊スキルを使うために、スキルスロットを1つ消費した。
 これで残りのスキルスロットは2つだ。
 念のためにスキルスロットを空けておいて本当によかった。
 学校が終わったら、俺は絶対にこの二人を孕ませるのだと、強く決意して、抱いた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。 そして夢をみた。 日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。 その顔を見て目が覚めた。 なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。 数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。 幼少期、最初はツラい状況が続きます。 作者都合のゆるふわご都合設定です。 日曜日以外、1日1話更新目指してます。 エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。 お楽しみ頂けたら幸いです。 *************** 2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます! 100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!! 2024年9月9日  お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます! 200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!! 2025年1月6日  お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております! ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします! 2025年3月17日 お気に入り登録400人達成 驚愕し若干焦っております! こんなにも多くの方に呼んでいただけるとか、本当に感謝感謝でございます。こんなにも長くなった物語でも、ここまで見捨てずに居てくださる皆様、ありがとうございます!! 2025年6月10日 お気に入り登録500人達成 ひょえぇぇ?! なんですと?!完結してからも登録してくださる方が?!ありがとうございます、ありがとうございます!! こんなに多くの方にお読み頂けて幸せでございます。 どうしよう、欲が出て来た? …ショートショートとか書いてみようかな? 2025年7月8日 お気に入り登録600人達成?! うそぉん?! 欲が…欲が…ック!……うん。減った…皆様ごめんなさい、欲は出しちゃいけないらしい… 2025年9月21日 お気に入り登録700人達成?! どうしよう、どうしよう、何をどう感謝してお返ししたら良いのだろう…

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

追放された無能鑑定士、実は世界最強の万物解析スキル持ち。パーティーと国が泣きついてももう遅い。辺境で美少女とスローライフ(?)を送る

夏見ナイ
ファンタジー
貴族の三男に転生したカイトは、【鑑定】スキルしか持てず家からも勇者パーティーからも無能扱いされ、ついには追放されてしまう。全てを失い辺境に流れ着いた彼だが、そこで自身のスキルが万物の情報を読み解く最強スキル【万物解析】だと覚醒する! 隠された才能を見抜いて助けた美少女エルフや獣人と共に、カイトは辺境の村を豊かにし、古代遺跡の謎を解き明かし、強力な魔物を従え、着実に力をつけていく。一方、カイトを切り捨てた元パーティーと王国は凋落の一途を辿り、彼の築いた豊かさに気づくが……もう遅い! 不遇から成り上がる、痛快な逆転劇と辺境スローライフ(?)が今、始まる!

処理中です...