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第19話 筆記試験→ez
しおりを挟むなぜかカンナも学校に行くこととなり……俺、カンナ、ライゼ、ティナの四人でトカゲに乗って試験会場にやってきた。
試験会場は学校に併設された施設で行われるようだ。
貴族が通うというだけあって、なかなか綺麗な学校で、施設も充実している。
まるでこの学校全体が一つのお城、いや、街のようなデカさがあった。
いちおう俺とカンナもローゼンベルク王から爵位をもらっていて、貴族という扱いみたいだ。
さっさと受付を済ませると、それぞれ別の教室に分かれて机に着席させられる。
どうやらまず第一回目の試験科目は、筆記試験のようだ。
俺にとって唯一の不安材料があるとすれば、この筆記試験だが……いったいどうなるやらだな。
「それではこれから、テスト用紙を配る。開始の合図がなるまで、まだ中身を見ないように!」
やってきた教師が、前から順番に用紙を配っていく。
なかなかテスト用紙が分厚くて、みんな不安そうな顔をしているな。
カンナやライゼ、ティナたちとは別々の教室だが、みんな大丈夫だろうか。
「よし! はじめ! 開いていいぞ! テスト時間は140分だ。それまでに書き終えるように」
教師がそう告げると、みんなバサバサと一斉に用紙を開いて筆記し始めた。
俺も用紙を開いて、まずは問題を眺めてみるとするか。
開始からやや経って、見回りの教師が俺の机で足を止めた。
「ん? 君、筆記用具を持っていないようだが? 貸出ならテストが始まるまでに済ませておきなさい。今回は特別だぞ」
そう言って、教師は俺に筆記用具を差し出した。
だが、俺はそれを受け取らなかった。
「いや、俺には必要ない。貸出のシステムは知っている。必要なかったから借りなかっただけだ」
「それはどういう……?」
俺は創造のスキルを使って、空中に筆記用具をつくり出してみせた。
使用したCPはわずか50ポイント。
別に俺はいちいち些末なものを持ち運ばなくても、その場で作り出せるのだ。
「ほ、ほう……君、面白いスキルだな。アイテムボックス……か……? ま、まあいい。それだけのスキルを持っているのだ、回答にも期待しているよ……っく……」
教師はそう言って俺の席を離れていった。
いらぬ邪魔が入って時間を奪われたな。
難しい問題かもしれないから、さっさと確認しないと。
俺はテストを開いて、さっそく解きに入る。
しかし、俺の予想に反して、テストの問題はあまりにもあまりにも……という感じだった。
「な、なんだこれ……簡単すぎる……」
どれもこれも、魔法を使う上で当たり前にわかるはずのものばかりだ。
魔法の原理的なものは、俺も勉強していないからわからないが……。
ここに書かれている質問は、どれも感覚的に、当たり前にわかってしかるべきものだった。
「これじゃあ、140分もいらないぞ……」
それどころか、14分くらいで終わってしまいそうだ。
しばらくくだらない問題に解答していくと、今度は別のカテゴリーの問題に変わった。
さっきまでは魔法についての問題だったが、今度はモンスターやアイテム類についての知識を問われるようだ。
伝説の武器や、超危険な特級魔物。
それから貴重な薬草や、アーティファクトについての問題。
俺はもちろん、そんなものを勉強したことはない。
だが――。
「なんだこれ……簡単すぎる……」
どれもこれも、大魔境で暮らしてきた俺には簡単すぎるものだった。
伝説の武器とかって言っても、俺はアイリの倉庫で実物を見たことがあるものばかりだった。
それに、危険な特級魔物や伝説の生き物っていっても、どれもこれも大魔境では普通に生息しているものばかりだ。
実物を嫌というほど見てきたし、何体も倒している。
そんな俺の生の知識に、敵うものはいなかった。
おそらくこれ、問題作ってるやつより俺のほうが詳しいまであるな……。
貴重なアイテムとか植物っていっても、俺からしたらその辺に生えてた草だからな……。
やっぱりあの大魔境の環境は、外の世界からしたらすごい場所なんだな。
そんなふうに簡単すぎる問題を解いていく。
あっというまに、ものの10分くらいで最後のほうまでたどり着く。
すると、さっきまでとは全く違う、特殊な問題のページにきた。
「魔法陣……か……」
それは、実際に魔法陣を描いてみろという設問だった。
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