ダンジョン学園サブカル同好会の日常

くずもち

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第60話石を狩る。すると女の子と出会う

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 僕らは新たな戦力を迎え入れ、サブカル同好会として新たな一歩を踏み出した。

 そして僕は―――今日もひたすら1階を順調に探索していた。

「……うーむ。やっぱりなんでか、やってることは同じなんだよなぁ」

 今倒しているのは小型の丸い石のようなモンスターで、一見すると石にしか見えないがこいつも立派なモンスターだ。

 この石ころモンスターを倒すと魔法攻撃力が強化される。僕の目的はこいつの体の素材である。

 レイナさんのビルドは魔法攻撃力と生命力特化の、より攻撃的な魔法使いになる予定で、効率的に1000体狩りをやり終えるために、錬金窯に放り込む素材狩りというわけである。

 元のサブカル同好会メンバーは1000体狩りを終えているので、どんなモンスターも狩り放題だ。

 生命力用の豚素材は沢山あるからそれは錬金窯とセットで前もってレイナさんに渡してあるが、魔法攻撃力分の素材は人海戦術が効率がいいという判断だ。

 特にハンマーとこいつとは相性がいいから、僕は頑張り時だった。

「……まぁ石だもんな」

「そうですねー。今までモンスターとも認識してませんでした。こいつ妙に魔法耐性も高くて、魔法で割ると地味に魔力使います」

 肩を叩かれ、いきなり話しかけられた僕は驚いて振り向くと、そこには楽しそうに手を振るレイナさんがいた。

「……何でいるの?」

「来ちゃった♪」

「来ちゃったて」

「たまたま授業時間がかぶってたので、会いに来てみました。授業時間に1階回るのいいですね。無駄がないです」

「でしょう? でもちょっと視線が痛いんだよね」

「気にする必要ありますか? 目的があるなら当たり前です。まぁワタシのためにやってもらっていると思うと背徳感でゾクゾクします」

「……言い方よ。それ関係なく、なんでかいっつも1階にいますけどね」

「なぜ? もっと深い階層でも大丈夫でしょう?」

 意外そうなレイナさんだが、こうまで1階作業が続くと、僕にも確信に近いものが芽生え始めていた。

「このダンジョンの1階マジで便利」

「そうなんですか?」

「そうなんです。秘密基地で提供されてる食べ物もだいたい1階のモンスターだし」

「……毒ですよ? ダイジョブですか?」

「無毒化できます。味も最高においしいよ。というか、もう何度か食べたかも?」

「……いつです!?」

「さて、いつでしょうねー」

 味は悪くなかったはず。これもまた経験則だからそれなりに信用出来る。

 攻略君で裏付けが取れたらなおよしだ。

 しかし例え今現在健康だろうと、黙って食べさせられたとなればレイナさんも不安そうだった。

「ううう……そうですね。今度から気を付けて見てみます。日本人の食べ物クレイジーだって聞いてましたけど、まさかモンスターまで食べるなんて」

「いや……申し訳ない。でも納豆も、生卵も、フグも……そしてモンスターも手順さえ守ればおいしく食べられるよ?」

「……なんか丸め込まれている感じします」

「そんなことないよ? だから豚を狩ったら取っといてね、いくらかブロックにしてポークステーキだよ」

「……リサイクル半端ないですね。窯から出たモンスターでもダイジョブですか?」

「……たぶん?」

「そこはハッキリしてください!」

 イヤイヤ、まぁ大丈夫だったんだけど……循環がうまく行き過ぎてちょっと怖いと感じてしまった。

 しかしもはや引き下がれない。

 魔物食はいつか動画を上げた時のメインコンテンツ予定だ。

 今後のためにも、攻略君から広く深くレシピを発掘するつもりだった。

「まぁ……僕はアニメで見たけど再現不可能な料理だってダンジョンならと期待しているから、もうちょっと頑張ってみるよ」

「…………それはかなり魅力的ですね! ドラゴンステーキとか食べてみたいです!」

「だよねぇ。そうそう僕はスライムも食べられるんじゃないかと密かに企んでいる」

「チャレンジャーすぎませんか?」

「そう? まぁ、ここ最近はチャレンジの連続で自分でもビックリはしてる」

 例えばそう、チャレンジと言えば、考えてみると現状のこの状態こそまさしく僕にとって異常な事態だった。
 
 何がって、女子と。それも海外勢と楽しくおしゃべり出来てるってどういうこと?

 本当に楽しいから、僕の頭の中で違和感が生じ、時折頭の片隅で猫が宇宙を見ている状態だった。

 しかし奇跡には代償を伴うものなのかもしれない。

 考えても仕方がないので、また石割に励んでいたら―――今日は、よく背後を取られて肩を掴まれる日のようだった。

「ちょっとあんた……顔貸しなさいよ」

「……えっと何でしょう?」

「あんた! 今完全に名前忘れてたでしょう! ……まぁいいわ、私は天音 真紀。それより答えなさい。何であんたみたいなのがレイナさんと一緒にいるの!」

「……えぇ? そんなこと言われても?」

 なんかおっかない女子に絡まれた。

 ただ、燃えるような瞳でこちらを睨む女生徒には見覚えがある。

 確かうちのクラスのトップチームにいた皮肉っぽい方……だと思う。

 全体的に記憶がぼんやりしていたが……たぶんクラスメイトだった。
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