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第9話異世界の裏技
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陸と水。
そして自分の家まで出来たなら、もう眺めは小世界である。
「すごいな……水が綺麗だ。新しく世界が出来上がった感じがする」
きれいな水に手を突っ込んでぱちゃぱちゃ遊ぶ僕に、シュウマツさんは意味ありげに明滅していた。
「いやいや、まだまだだよ。一番肝心なものが欠けているからね」
「そうなのかい? 僕にはもう完成しているようにも見えるけれど……。ああ、ひょっとして町が出来てないとかそう言うことかな? 僕の他に住人なんていないんだから、後は僕がゆっくり必要な物を作っていけばいいと思うけれど」
「いや、そうではなく。精霊がいないだろう? これではねぇ」
「…………せいれい? ほほう、そう来たか……」
思いもよらなかった必要不可欠な概念に、僕は唸った。
「こちらにもいると思うのだが。いないのかね?」
そんな当たり前みたいに言うけれど、少なくともスペースコロニーを作るのに精霊を招く工程はないと思う。
「呼び方だけはあるけれど……実在はしてないんじゃないかなぁ」
僕としては物語や伝承なんかでは聞いたことがあるが、あくまで歴史の古いフィクションという認識だった。
「そんなレベルなのか……うーむ、絶対いると思うのだがなぁ」
「そんなに?」
「もちろん。私の知る精霊は自然環境を円滑にする管理者だった。魔法にも密接に関係している、自然の根本と言ってもいいかもしれない。しかし確かに今この場所には精霊の気配は感じないのだよなぁ」
「そうなの?」
「ああ。だからいっそ私が作ってみようかなと」
これまたあっさりと常識みたいに言うシュウマツさんだが、僕はきっとそれは異世界であっても常識ではないんじゃないかとそう思った。
「……そんな大層なものを作れるものなんですか? シュウマツ様?」
「いきなり様付けは止めてもらえるかね? いやまぁ出来ると思うよ? 精霊魔法と言うカテゴリーがあってね。うまい具合に育てれば、より確実に環境を安定させることもできるだろう」
ホントなんでもありなんだな魔法。
いや、魔法と言うアプローチがあるからこそ、生まれた発想とでもいうべきか。
でも僕としては現状でも機械のほとんどがタダの張りぼての割に相当安定していると思うのだがここから更にどうなってしまうのか、純粋に興味が上回る。
「じゃあ……やってみる?」
「そうだね。では早速やってみるとしよう」
シュウマツさんはあっさりそう言うと、僕を誘うように飛んで行った。
宇宙空間を漂う僕らの目の前にはシュウマツさん(本体)の幹がそびえたっていた。
黒と緑のコントラストが雄大な縮尺のおかしいシュウマツさんの幹を眺めていると、頭の中に声がした。
「精霊は自然界のバランスを調整する役割がある。星を守護する世界の一部だと言われていたよ」
「その前にちょっといい? 話す時、光の玉っていらないの?」
「……存外精霊を生み出すというのはつらいのでね。見た目の問題は省略ささせてもらっているよ
「あれって見た目の問題なんだ」
そしておそらくは集中し始めたシュウマツさんに何か言うのはやめて、僕は息を吐いた。
いつの間のかやたらスケールが大きな話になってしまった気がする。
結局精霊が何なのかわかっちゃいないんだけれど、その答えは今からシュウマツさんが見せてくれるようだ。
僕はただぼんやりと宇宙空間を漂っていると、シュウマツさんの木が明るく光り出した。
光はどんどん強くなり、流れて枝に集まって行く。
そして光は、合計で五つの実をシュウマツさんの枝に生み出した。
「ふぅ……よしよし。いい感じに出来た。これでひとまず環境の方は落ち着くはずだ」
満足そうなシュウマツさんだが、僕には訳が分からなかった。
「あれでいいの?」
「ああ。しばらくすれば生まれ落ちるだろう」
「生まれるんだ。それって効果を実感するのにどれくらいかかるものなの?」
「そうだね。精霊の息吹はすでに誕生しているから、現時点でもかなり安定すると思う。……何せ卵みたいなものだからね。完全となると……明日かもしれないし、100年後かもしれない?」
「……」
なるほど。シュウマツさんの時間の概念はかなり大雑把みたいである。
僕は、こいつは頑張らなきゃなとそう思った。
そして自分の家まで出来たなら、もう眺めは小世界である。
「すごいな……水が綺麗だ。新しく世界が出来上がった感じがする」
きれいな水に手を突っ込んでぱちゃぱちゃ遊ぶ僕に、シュウマツさんは意味ありげに明滅していた。
「いやいや、まだまだだよ。一番肝心なものが欠けているからね」
「そうなのかい? 僕にはもう完成しているようにも見えるけれど……。ああ、ひょっとして町が出来てないとかそう言うことかな? 僕の他に住人なんていないんだから、後は僕がゆっくり必要な物を作っていけばいいと思うけれど」
「いや、そうではなく。精霊がいないだろう? これではねぇ」
「…………せいれい? ほほう、そう来たか……」
思いもよらなかった必要不可欠な概念に、僕は唸った。
「こちらにもいると思うのだが。いないのかね?」
そんな当たり前みたいに言うけれど、少なくともスペースコロニーを作るのに精霊を招く工程はないと思う。
「呼び方だけはあるけれど……実在はしてないんじゃないかなぁ」
僕としては物語や伝承なんかでは聞いたことがあるが、あくまで歴史の古いフィクションという認識だった。
「そんなレベルなのか……うーむ、絶対いると思うのだがなぁ」
「そんなに?」
「もちろん。私の知る精霊は自然環境を円滑にする管理者だった。魔法にも密接に関係している、自然の根本と言ってもいいかもしれない。しかし確かに今この場所には精霊の気配は感じないのだよなぁ」
「そうなの?」
「ああ。だからいっそ私が作ってみようかなと」
これまたあっさりと常識みたいに言うシュウマツさんだが、僕はきっとそれは異世界であっても常識ではないんじゃないかとそう思った。
「……そんな大層なものを作れるものなんですか? シュウマツ様?」
「いきなり様付けは止めてもらえるかね? いやまぁ出来ると思うよ? 精霊魔法と言うカテゴリーがあってね。うまい具合に育てれば、より確実に環境を安定させることもできるだろう」
ホントなんでもありなんだな魔法。
いや、魔法と言うアプローチがあるからこそ、生まれた発想とでもいうべきか。
でも僕としては現状でも機械のほとんどがタダの張りぼての割に相当安定していると思うのだがここから更にどうなってしまうのか、純粋に興味が上回る。
「じゃあ……やってみる?」
「そうだね。では早速やってみるとしよう」
シュウマツさんはあっさりそう言うと、僕を誘うように飛んで行った。
宇宙空間を漂う僕らの目の前にはシュウマツさん(本体)の幹がそびえたっていた。
黒と緑のコントラストが雄大な縮尺のおかしいシュウマツさんの幹を眺めていると、頭の中に声がした。
「精霊は自然界のバランスを調整する役割がある。星を守護する世界の一部だと言われていたよ」
「その前にちょっといい? 話す時、光の玉っていらないの?」
「……存外精霊を生み出すというのはつらいのでね。見た目の問題は省略ささせてもらっているよ
「あれって見た目の問題なんだ」
そしておそらくは集中し始めたシュウマツさんに何か言うのはやめて、僕は息を吐いた。
いつの間のかやたらスケールが大きな話になってしまった気がする。
結局精霊が何なのかわかっちゃいないんだけれど、その答えは今からシュウマツさんが見せてくれるようだ。
僕はただぼんやりと宇宙空間を漂っていると、シュウマツさんの木が明るく光り出した。
光はどんどん強くなり、流れて枝に集まって行く。
そして光は、合計で五つの実をシュウマツさんの枝に生み出した。
「ふぅ……よしよし。いい感じに出来た。これでひとまず環境の方は落ち着くはずだ」
満足そうなシュウマツさんだが、僕には訳が分からなかった。
「あれでいいの?」
「ああ。しばらくすれば生まれ落ちるだろう」
「生まれるんだ。それって効果を実感するのにどれくらいかかるものなの?」
「そうだね。精霊の息吹はすでに誕生しているから、現時点でもかなり安定すると思う。……何せ卵みたいなものだからね。完全となると……明日かもしれないし、100年後かもしれない?」
「……」
なるほど。シュウマツさんの時間の概念はかなり大雑把みたいである。
僕は、こいつは頑張らなきゃなとそう思った。
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