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第10話思っていたよりもずっと早いスピード感
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完全って何だろう?
例えば僕が思い浮かべるのは“今できる最善を尽くして目的を達成した状態”と言ったところだろうか?
だからこのコロニーで言えば“僕が生存できる環境が整った”か、“シュウマツさんの世界を再現するための下地が整った”そんなニュアンスだと思っていた。
僕にしてみたら、水と地面がすでにあるだけでも十分すぎる。
だから何か変化があるにしてもシュウマツさんの言う魔法関係の目に見えない変化で、僕には大して関係がない。そんな風に思っていたわけだ。
「えぇ? どうなってるんだろうなこれは?」
朝起きて、コンテナハウスの扉を開くとそこには森が広がっていた。
目をこする。
でもやはり森は森だった。
昨日まで岩と水しかなかったというのに、ありえない。
そしてこの森は普通の森とは明らかに違っていた。。
「植物が……見たこともない」
僕は特別植物に詳しいわけではないが、それでもわかる。
ひょこひょこ根っこを足にして歩いている花を発見して、僕は眩暈を堪えていた。
そんな僕の前にふわふわやって来たのは、ご機嫌のシュウマツさんである。
「グッドモーニング。いい朝だね」
「僕はここのところ毎日困惑気味の朝だよ? おはようシュウマツさん」
「まぁまぁ。どうだね? 中々元気に育っているだろう? 私の世界の植物を再現しているんだ。なるべく君にも有益なものを選んだつもりなのだがね?」
シュウマツさんの光るボディは案外わかりやすく感情表現をしているが、これは本気で言っているらしい。
「なるほど。ところで歩く花を見つけたんだけど、これは何に使えるの?」
「ああ、アレは、滋養強壮によく効く薬草らしいよ。興味があるなら生で食べるか乾燥させてお茶にしてみるといい」
「生か……今はいいかな?」
というかシュウマツさんは自分のことを植物だと自称しているのに、そんなこと勧めていいのだろうか? と疑問に思ったけれど、本人が言うことに水を差す必要もないだろう。
お断りした僕に、シュウマツさんは少しだけ不満そうだった。
「そうかい? でも私はそろそろ君の体力も心配だよ? 私の知る限りまともに食事をしているのを見たことがないが?」
だからシュウマツさんの思いの外真っ当な指摘に僕はつい反応が遅れてしまった。
「ああ、いや。栄養剤は飲んでいるよ? 水があるからだいぶん助かってる」
味気ないが、一日に必要な栄養分は摂取できる。
それでも水がなければそう持ちそうになかったが、ここならその心配もなさそうだった。
しかしこの答えは逆にシュウマツさんに不安を与えてしまったようだった。
「うーん、それはあまりいいことではなさそうだね。体はよくても、精神が疲弊しそうな話だ」
「そう? 場所が場所だから豪華すぎる気もするよ。ああ、でも食事は大事だよね。せっかくだから、森の植物の写真とデータ貰っていいかな? 食べられる奴をまとめておくと便利かもしれないし」
「おおう……几帳面だな君は。そんなことをしなくても、必要な時に尋ねてもらえば答えるが?」
「何言ってるの。出来るだけ記録しておいた方がいい。自分で把握していないとこの先不便だろう?」
その方が長い目で考えるとわかりやすい。自分の栄養源ならなおさらだった。
「出来れば僕の世界のものも再現出来ればいいけれどね」
だがさすがに無理だろうと思い込んでいた僕にシュウマツさんはそうだったとチカリと輝いた。
「そんな君に朗報だ。実は君の食料になるかもと作っていた物があるんだ。動物性の栄養源……というか動物なのだがね」
「え? そりゃああった方がいいよ」
動物性のたんぱく源があるかないかでは満足感がずいぶん違う。
もう森だけじゃなく生き物までと驚いたが、シュウマツさんが何か知らの方法で頑張ってくれたのは明白だった。
「そうだろう! いやぁ必要になると思っていたんだよ! 君のところの食用肉は主に牛と豚と鳥なんだろう? 私達の世界にも似た生き物がいたんだよ」
「そんなことあるんだ。すごいな……まさかそれも?」
「ああ。魔法で再現可能だとも」
「……魔法でか」
ピカーンと輝くシュウマツさんは星のようだ。
素直に感謝するべきなのだろうけれども、感謝の言葉はコロニーではありえない地鳴りのような音で霧散してしまった。
「……なんか揺れなかった?」
「ああ、近くにいるんだろう。せっかくだから狩りと行かないか? ああ、そうだ。君のアウターを持って来るのを忘れないでくれよ?」
「……どういうことだろう?」
その一言でものすごく不安になったのだけれど、ちょっと詳しく説明してほしい。
僕は言われた通りにアウターを装備して森の中に入ったのだが、コロニー内部で初めて見る僕以外の生き物は、少々衝撃的な外見をしていたのである。
例えば僕が思い浮かべるのは“今できる最善を尽くして目的を達成した状態”と言ったところだろうか?
だからこのコロニーで言えば“僕が生存できる環境が整った”か、“シュウマツさんの世界を再現するための下地が整った”そんなニュアンスだと思っていた。
僕にしてみたら、水と地面がすでにあるだけでも十分すぎる。
だから何か変化があるにしてもシュウマツさんの言う魔法関係の目に見えない変化で、僕には大して関係がない。そんな風に思っていたわけだ。
「えぇ? どうなってるんだろうなこれは?」
朝起きて、コンテナハウスの扉を開くとそこには森が広がっていた。
目をこする。
でもやはり森は森だった。
昨日まで岩と水しかなかったというのに、ありえない。
そしてこの森は普通の森とは明らかに違っていた。。
「植物が……見たこともない」
僕は特別植物に詳しいわけではないが、それでもわかる。
ひょこひょこ根っこを足にして歩いている花を発見して、僕は眩暈を堪えていた。
そんな僕の前にふわふわやって来たのは、ご機嫌のシュウマツさんである。
「グッドモーニング。いい朝だね」
「僕はここのところ毎日困惑気味の朝だよ? おはようシュウマツさん」
「まぁまぁ。どうだね? 中々元気に育っているだろう? 私の世界の植物を再現しているんだ。なるべく君にも有益なものを選んだつもりなのだがね?」
シュウマツさんの光るボディは案外わかりやすく感情表現をしているが、これは本気で言っているらしい。
「なるほど。ところで歩く花を見つけたんだけど、これは何に使えるの?」
「ああ、アレは、滋養強壮によく効く薬草らしいよ。興味があるなら生で食べるか乾燥させてお茶にしてみるといい」
「生か……今はいいかな?」
というかシュウマツさんは自分のことを植物だと自称しているのに、そんなこと勧めていいのだろうか? と疑問に思ったけれど、本人が言うことに水を差す必要もないだろう。
お断りした僕に、シュウマツさんは少しだけ不満そうだった。
「そうかい? でも私はそろそろ君の体力も心配だよ? 私の知る限りまともに食事をしているのを見たことがないが?」
だからシュウマツさんの思いの外真っ当な指摘に僕はつい反応が遅れてしまった。
「ああ、いや。栄養剤は飲んでいるよ? 水があるからだいぶん助かってる」
味気ないが、一日に必要な栄養分は摂取できる。
それでも水がなければそう持ちそうになかったが、ここならその心配もなさそうだった。
しかしこの答えは逆にシュウマツさんに不安を与えてしまったようだった。
「うーん、それはあまりいいことではなさそうだね。体はよくても、精神が疲弊しそうな話だ」
「そう? 場所が場所だから豪華すぎる気もするよ。ああ、でも食事は大事だよね。せっかくだから、森の植物の写真とデータ貰っていいかな? 食べられる奴をまとめておくと便利かもしれないし」
「おおう……几帳面だな君は。そんなことをしなくても、必要な時に尋ねてもらえば答えるが?」
「何言ってるの。出来るだけ記録しておいた方がいい。自分で把握していないとこの先不便だろう?」
その方が長い目で考えるとわかりやすい。自分の栄養源ならなおさらだった。
「出来れば僕の世界のものも再現出来ればいいけれどね」
だがさすがに無理だろうと思い込んでいた僕にシュウマツさんはそうだったとチカリと輝いた。
「そんな君に朗報だ。実は君の食料になるかもと作っていた物があるんだ。動物性の栄養源……というか動物なのだがね」
「え? そりゃああった方がいいよ」
動物性のたんぱく源があるかないかでは満足感がずいぶん違う。
もう森だけじゃなく生き物までと驚いたが、シュウマツさんが何か知らの方法で頑張ってくれたのは明白だった。
「そうだろう! いやぁ必要になると思っていたんだよ! 君のところの食用肉は主に牛と豚と鳥なんだろう? 私達の世界にも似た生き物がいたんだよ」
「そんなことあるんだ。すごいな……まさかそれも?」
「ああ。魔法で再現可能だとも」
「……魔法でか」
ピカーンと輝くシュウマツさんは星のようだ。
素直に感謝するべきなのだろうけれども、感謝の言葉はコロニーではありえない地鳴りのような音で霧散してしまった。
「……なんか揺れなかった?」
「ああ、近くにいるんだろう。せっかくだから狩りと行かないか? ああ、そうだ。君のアウターを持って来るのを忘れないでくれよ?」
「……どういうことだろう?」
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