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第15話月の人
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月人とは一般的には人類の進化系と呼ばれていた。
人類は宇宙に出たことでその過酷な環境に適応し始めたのである。
その形は様々だが、明らかに旧人類の上位互換と呼ばれている人の一つが彼女達だった。
「月って言うのは、地球っていう僕らの母星の衛星でね。人類が初めに拠点にした別の星なんだけれど、そこで初めて確認されたのが彼女達さ」
だから彼らは月人と呼ばれている。
慣れない環境が人体へどんな影響を与えるのか定期的な健診を行っていたらしいが、そこである時から異常な脳波を持つ人が現れたのが始まりだと言われている。
「異種族なのかな? 元居た世界には人間とよく似た種族が沢山いたんだけれど」
「そういうのじゃないよ。基本的には僕らと同じ人類なんだ。わかりやすく言えば、新世代の人類かな?」
「わかりやすくないのだが? ……どういう意味だろうか?」
「えっとね」
言葉を選びながら僕は答えた。
「宇宙に住むのに便利な能力を獲得した人だよ。見た目は……やっぱり一番は髪が特徴的かな? 金属成分が多く含まれてて、電気的な刺激を受けると光るって聞いてる、こんなにはっきり光るっていうのは初めて見たけど」
気絶している女の子の髪は資料よりも鮮やかに発光していた。
この髪はある種のアンテナのような役割をしているらしいのだが、気絶していてもあんなに光るとは。
「でも月人の特徴で一番大きなものは外見以上にその能力にあるんだ」
「ほほう。それは面白いな。人は空に住むとどうなるのか。羽でも生えたんだろうか?」
「いやいや、生えてないでしょ? 月人は脳に脳波を送受信できる器官が出来てたんだよ」
「送受信?」
「そう、脳の電気信号を感じ取る器官だ」
「いまいちよくわからない。つまり彼女は何ができるんだろう?」
「そうだね。まぁ要するに。彼女達は人の心が読めるんだ」
簡単にまとめてしまうとそう言うことだ。
彼女達の脳は、近くの人間の脳波を読みとることが出来ると言われていて、相手が同じ月人なら、自分の考えも送ることが出来るのだとか。
「人は群れる生き物だから、社会的な共感性が発達した進化らしいよ。人の考えていることが分かるし自分の考えていることを伝えられるんだってさ」
まぁ諸説あるし、面白い奴だと人間が電波に触れすぎたからアンテナ出来た説なんかもあるけれど、それっぽい方にしておくとしよう。
ちなみに僕は密かに電波説派である。
しかしやはりそこはシュウマツさんだ。
この不思議現象と似たようなことが出来る魔法を知っているようだった。
「それはすごい。魔法のテレパシーみたいなものだろうか?」
「そんなのあるんだ。いやまぁこっちでも昔は魔法とかエスパーとか言われてた時期はあるけれどね。今は普通と少し変わったことが出来る人って感じ。すごいよね」
「それで、新しい人類か。なるほどなぁ。でもそれは普通に魔法なのでは?」
「どうなんだろう? まぁというわけで彼女達月人は進化した人類の代表例の一つかな?」
「代表例の一つ?」
「ああうん。進化の仕方は一つじゃないから」
他にもいくつか進化した人類なのでは?と呼ばれている人達はいる。
でも今はとりあえず、その事は棚に上げておこう。
月人がどういう人なのかわかってもらえた今、一番大事な情報は別にあった。
「まぁいいんだそれは。でもその月人は、実は僕らスペースコロニーの旧人類とはあんまり仲が良くない。彼らは今、月で独立していてね? 僕らとは戦争してたりするんだよね」
僕が心配を口にすると、シュウマツさんにも僕の危機感は伝わったようだった。
「……まずいのではないかね?」
「ねー。仲よくすればいいのにね」
だから目を覚ました彼女がどう反応するのかわかんない。
緊急事態だし、そんなに元気だとは思えないけれど、情報共有はしておくべきだと思った次第だ。
「ううん……」
しかし困っている時間も少なく。月の少女は目を開けた。
人類は宇宙に出たことでその過酷な環境に適応し始めたのである。
その形は様々だが、明らかに旧人類の上位互換と呼ばれている人の一つが彼女達だった。
「月って言うのは、地球っていう僕らの母星の衛星でね。人類が初めに拠点にした別の星なんだけれど、そこで初めて確認されたのが彼女達さ」
だから彼らは月人と呼ばれている。
慣れない環境が人体へどんな影響を与えるのか定期的な健診を行っていたらしいが、そこである時から異常な脳波を持つ人が現れたのが始まりだと言われている。
「異種族なのかな? 元居た世界には人間とよく似た種族が沢山いたんだけれど」
「そういうのじゃないよ。基本的には僕らと同じ人類なんだ。わかりやすく言えば、新世代の人類かな?」
「わかりやすくないのだが? ……どういう意味だろうか?」
「えっとね」
言葉を選びながら僕は答えた。
「宇宙に住むのに便利な能力を獲得した人だよ。見た目は……やっぱり一番は髪が特徴的かな? 金属成分が多く含まれてて、電気的な刺激を受けると光るって聞いてる、こんなにはっきり光るっていうのは初めて見たけど」
気絶している女の子の髪は資料よりも鮮やかに発光していた。
この髪はある種のアンテナのような役割をしているらしいのだが、気絶していてもあんなに光るとは。
「でも月人の特徴で一番大きなものは外見以上にその能力にあるんだ」
「ほほう。それは面白いな。人は空に住むとどうなるのか。羽でも生えたんだろうか?」
「いやいや、生えてないでしょ? 月人は脳に脳波を送受信できる器官が出来てたんだよ」
「送受信?」
「そう、脳の電気信号を感じ取る器官だ」
「いまいちよくわからない。つまり彼女は何ができるんだろう?」
「そうだね。まぁ要するに。彼女達は人の心が読めるんだ」
簡単にまとめてしまうとそう言うことだ。
彼女達の脳は、近くの人間の脳波を読みとることが出来ると言われていて、相手が同じ月人なら、自分の考えも送ることが出来るのだとか。
「人は群れる生き物だから、社会的な共感性が発達した進化らしいよ。人の考えていることが分かるし自分の考えていることを伝えられるんだってさ」
まぁ諸説あるし、面白い奴だと人間が電波に触れすぎたからアンテナ出来た説なんかもあるけれど、それっぽい方にしておくとしよう。
ちなみに僕は密かに電波説派である。
しかしやはりそこはシュウマツさんだ。
この不思議現象と似たようなことが出来る魔法を知っているようだった。
「それはすごい。魔法のテレパシーみたいなものだろうか?」
「そんなのあるんだ。いやまぁこっちでも昔は魔法とかエスパーとか言われてた時期はあるけれどね。今は普通と少し変わったことが出来る人って感じ。すごいよね」
「それで、新しい人類か。なるほどなぁ。でもそれは普通に魔法なのでは?」
「どうなんだろう? まぁというわけで彼女達月人は進化した人類の代表例の一つかな?」
「代表例の一つ?」
「ああうん。進化の仕方は一つじゃないから」
他にもいくつか進化した人類なのでは?と呼ばれている人達はいる。
でも今はとりあえず、その事は棚に上げておこう。
月人がどういう人なのかわかってもらえた今、一番大事な情報は別にあった。
「まぁいいんだそれは。でもその月人は、実は僕らスペースコロニーの旧人類とはあんまり仲が良くない。彼らは今、月で独立していてね? 僕らとは戦争してたりするんだよね」
僕が心配を口にすると、シュウマツさんにも僕の危機感は伝わったようだった。
「……まずいのではないかね?」
「ねー。仲よくすればいいのにね」
だから目を覚ました彼女がどう反応するのかわかんない。
緊急事態だし、そんなに元気だとは思えないけれど、情報共有はしておくべきだと思った次第だ。
「ううん……」
しかし困っている時間も少なく。月の少女は目を開けた。
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