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第26話精霊達のおやつタイム
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精霊達はそれぞれ管理している場所がある。
鳥は空、トカゲは山、猫は森で、海岸と海底は亀、海はタツノオトシゴが割り当てられている様だ。
シュウマツさんはコンタクトをとる目印として、神殿のようなものをそれぞれの住処に建てた。
精霊に用があればここに来れば話が出来る、そう説明されたのだが……
「ねぇシュウマツさん?」
「なんだね?」
「精霊全部ここにいるんだけれど……大丈夫なの?」
「仕方ないじゃないか。彼らは赤ん坊みたいなものなんだから、それは来るとも」
「そうだよ! ほっとくのはかわいそう!」
我が家の庭で、五匹がフーさんと戯れていた。
せっかくみんな集まったので本日は我が家の庭でティータイムである。
鳥はフーさんの頭の上に乗り、猫はお腹をワシャワシャされて楽しそうだ。
トカゲはちょこまかと僕の足元にまとわりつき、亀はジッとシュウマツさんの光の下で日向ぼっこに興じている。
そこまでは納得出来た。
だが宙に浮かんだ泡のような水の中で、何を考えているのかわからない顔のタツノオトシゴが浮かんでいるのはやはり違和感があった。
「うーん……中々シュールだ」
「そうかね? わざわざ建てた家があまり活用されていないのがちょっと気になるが、まぁそれはおいおいというところだね」
そして僕は小麦粉にシュウマツさんの教えてくれたレシピの薬草を混ぜて、クッキングの真っ最中である。
捏ねている生地はモッチリしてきてまとまり始め、まるでクッキー生地のようだった。
「これ、精霊が食べるんだ。何だか意外だなぁ」
「あくまで嗜好品だがね。エレメンタルクッキーと言ったところだよ」
「やっぱりクッキーなんだ」
折角だからと作ってみているが、これが中々に楽しい。
シュウマツさん提案ということもあって急遽我が家の庭に窯まで出来ているのだから本格的である。
「まとまったら、しばらく生地を冷やして寝かせるっと……」
さて冷蔵庫にでも放り込もうかと僕が考えていると、タツノオトシゴがフワフワとこちらに浮かびながらやってきて、生地を覗き込んでいた。
何をしているんだろうと思ったら、生地を入れたボールの温度が一気に下がってひんやりしていた。
「あ、冷やしてくれているんだね。ありがとう」
「コポコポ」
水球の中で泡を出すタツノオトシゴは、おそらくそれで返事をしているようだ。
とても気さくなよいタツノオトシゴだった。
「フフフ。さっそく精霊に力を借りられたじゃないか。交流の成果が出て来たね」
「そういうことなの? でも手伝ってくれているってことは、本当にこのクッキーは歓迎されているみたいだ。頑張ったかいがありそうでよかったよ」
折角作っているのだから、喜んでもらえた方がいいに決まっている。
でもちょっとタツノオトシゴがどうやってクッキーを食べるのかだけとても気になるけれど、そこは普通の動物と一緒にしてはいけないところなのかもしれない。
ヒンヤリして、少しだけ硬くなった生地が出来上がればもう料理は終盤である。
「型を取り……オーブンで焼く。火加減とか難しそうだな。まぁ今回は実験だね」
だいたいこういうお菓子で失敗の可能性が高いのは、焦がしてしまうことだろう。
僕も何度かお菓子作りの経験はあったが、レシピ通りに作ったとしても自分の家のオーブンで、書いてある通りの結果が出るとは限らなかった。
まして今回は薪の窯となると、初回は失敗を見込んで作る必要があるだろう。
しかしシュウマツさんには何か秘策がありそうだった。
「大丈夫さ。ほら、こういう時こそトカゲの彼に頼んでみたらどうかね? あの子は温度の管理が得意だ。中で見ていてもらえば窯の温度も上がって、ちょうどいい」
「そんなことできるんだ?」
「うん。おいしそうになったら一声鳴いてもらえばいいだろう?」
「……トカゲって鳴くんだっけ?」
「今はトカゲだが、ゆくゆくはドラゴンになる予定だからね」
「それは聞いてない。ビックリだなぁ」
おやおや、精霊ってだけでもよくわからないのに、この子は将来ドラゴンになるのか。
それはすごいな。
僕は深く考えることは止めて、せっかく作った生地をおいしく食べるためにトカゲ君改めドラゴン君にお願いしてみることにした。
「じゃあ、窯の管理をお願い出来るかな? これが君がおいしそうと思ったタイミングで知らせてくれればいいから」
赤ん坊みたいなものだと聞いているけれど、言っていることはわかるだろうか?
ドラゴン君と僕はしばし顔を合わせていると彼は目を細めて。
「ほげー」
了解の意味を込めた鳴き声を披露する。
「……ありがとうね」
トカゲってそう鳴くんだ。いやドラゴンだったか。
僕は言いたいことはあったが、グッと堪えて、ドラゴン君に出来上がった生地を託す。
100個ほど作ったクッキーが、焼きあがった時に95個に減っていたけれど、焼き上がりが完ぺきだったからきっと代金として精霊様が持って行ったのだろうと僕は思った。
鳥は空、トカゲは山、猫は森で、海岸と海底は亀、海はタツノオトシゴが割り当てられている様だ。
シュウマツさんはコンタクトをとる目印として、神殿のようなものをそれぞれの住処に建てた。
精霊に用があればここに来れば話が出来る、そう説明されたのだが……
「ねぇシュウマツさん?」
「なんだね?」
「精霊全部ここにいるんだけれど……大丈夫なの?」
「仕方ないじゃないか。彼らは赤ん坊みたいなものなんだから、それは来るとも」
「そうだよ! ほっとくのはかわいそう!」
我が家の庭で、五匹がフーさんと戯れていた。
せっかくみんな集まったので本日は我が家の庭でティータイムである。
鳥はフーさんの頭の上に乗り、猫はお腹をワシャワシャされて楽しそうだ。
トカゲはちょこまかと僕の足元にまとわりつき、亀はジッとシュウマツさんの光の下で日向ぼっこに興じている。
そこまでは納得出来た。
だが宙に浮かんだ泡のような水の中で、何を考えているのかわからない顔のタツノオトシゴが浮かんでいるのはやはり違和感があった。
「うーん……中々シュールだ」
「そうかね? わざわざ建てた家があまり活用されていないのがちょっと気になるが、まぁそれはおいおいというところだね」
そして僕は小麦粉にシュウマツさんの教えてくれたレシピの薬草を混ぜて、クッキングの真っ最中である。
捏ねている生地はモッチリしてきてまとまり始め、まるでクッキー生地のようだった。
「これ、精霊が食べるんだ。何だか意外だなぁ」
「あくまで嗜好品だがね。エレメンタルクッキーと言ったところだよ」
「やっぱりクッキーなんだ」
折角だからと作ってみているが、これが中々に楽しい。
シュウマツさん提案ということもあって急遽我が家の庭に窯まで出来ているのだから本格的である。
「まとまったら、しばらく生地を冷やして寝かせるっと……」
さて冷蔵庫にでも放り込もうかと僕が考えていると、タツノオトシゴがフワフワとこちらに浮かびながらやってきて、生地を覗き込んでいた。
何をしているんだろうと思ったら、生地を入れたボールの温度が一気に下がってひんやりしていた。
「あ、冷やしてくれているんだね。ありがとう」
「コポコポ」
水球の中で泡を出すタツノオトシゴは、おそらくそれで返事をしているようだ。
とても気さくなよいタツノオトシゴだった。
「フフフ。さっそく精霊に力を借りられたじゃないか。交流の成果が出て来たね」
「そういうことなの? でも手伝ってくれているってことは、本当にこのクッキーは歓迎されているみたいだ。頑張ったかいがありそうでよかったよ」
折角作っているのだから、喜んでもらえた方がいいに決まっている。
でもちょっとタツノオトシゴがどうやってクッキーを食べるのかだけとても気になるけれど、そこは普通の動物と一緒にしてはいけないところなのかもしれない。
ヒンヤリして、少しだけ硬くなった生地が出来上がればもう料理は終盤である。
「型を取り……オーブンで焼く。火加減とか難しそうだな。まぁ今回は実験だね」
だいたいこういうお菓子で失敗の可能性が高いのは、焦がしてしまうことだろう。
僕も何度かお菓子作りの経験はあったが、レシピ通りに作ったとしても自分の家のオーブンで、書いてある通りの結果が出るとは限らなかった。
まして今回は薪の窯となると、初回は失敗を見込んで作る必要があるだろう。
しかしシュウマツさんには何か秘策がありそうだった。
「大丈夫さ。ほら、こういう時こそトカゲの彼に頼んでみたらどうかね? あの子は温度の管理が得意だ。中で見ていてもらえば窯の温度も上がって、ちょうどいい」
「そんなことできるんだ?」
「うん。おいしそうになったら一声鳴いてもらえばいいだろう?」
「……トカゲって鳴くんだっけ?」
「今はトカゲだが、ゆくゆくはドラゴンになる予定だからね」
「それは聞いてない。ビックリだなぁ」
おやおや、精霊ってだけでもよくわからないのに、この子は将来ドラゴンになるのか。
それはすごいな。
僕は深く考えることは止めて、せっかく作った生地をおいしく食べるためにトカゲ君改めドラゴン君にお願いしてみることにした。
「じゃあ、窯の管理をお願い出来るかな? これが君がおいしそうと思ったタイミングで知らせてくれればいいから」
赤ん坊みたいなものだと聞いているけれど、言っていることはわかるだろうか?
ドラゴン君と僕はしばし顔を合わせていると彼は目を細めて。
「ほげー」
了解の意味を込めた鳴き声を披露する。
「……ありがとうね」
トカゲってそう鳴くんだ。いやドラゴンだったか。
僕は言いたいことはあったが、グッと堪えて、ドラゴン君に出来上がった生地を託す。
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