妻の望みは………貞操逆転世界

クロハナ

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8日目/三神優子【初登録】

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優輝君の退院が三日後に決まり、私は部下の遠野と井川とで毎日書類の作成とパソコンに打ち込む作業に明け暮れていた。


内容は簡単に言えば、1人の男性の出生から現在までの記録を作る事……こんな事は今までに一度も前例の無い事だろう。


偽造……いや上からは改善と言われている。


優輝君への対処の仕方が捜査から身元の保護に変わり、病院に会いに行く用件が無くなった。


あの約束は大丈夫だろうか……そんな事を考えなから今日も鈴鳴警察署に向かった。


9:00


ここ最近は第2会議室が私達の主な仕事場になっている。


朝皆が揃ったら軽いミーティングをして、昼まで各自黙々と作業に専念する。


しかし今日はミーティング中に、私の端末が鳴った。


ん?こんな時間に電話?誰だ?

端末を見ると知らない番号からだ。


「どうしました?電話に出ないんですか?」


井川が私の様子伺うように聞いてきた。


「いや出るが、知らない番号からなんでちょっとな」


間違い電話か何かだろうと、少し警戒しながら電話に出てみた。


「はい、もしもし?」


「あっ!もしもし、おはようございます。優輝ですけど今、大丈夫ですか?」


「え?…………………………………………………………………ゆ、優輝君?」


朝から驚いた。

そして優輝君の名前を出した瞬間、向かいに座っていた遠野の目が目付きが変わった……殺し屋?


「はい、あっ!あの仕事中で忙しかったですか?」


仕事中だろうが忙しいだろうが、男性から電話がきた時点で最優先に決まっている。

だが、急にくると動揺が凄いから!


「い、いや、だ、大丈夫だ。」


何とか言葉を繋いだが、視線が痛い。


「え~と、退院してからお世話になる岡崎静子さんから端末を頂いたので、番号教えておこうかと思って。この番号登録しておいてくれます?」


は?優輝君は何を言っているんだろう?

向かいの遠野がジェスチャーしている……ん?逆探知でもしているような、会話を長く?

いやいやそれより、優輝君は登録しておいてくれますか?え?何を?番号を?


私は意味が理解できずに呟いた。


「……………番号?」


番号と聞いた遠野は興奮しながら、いつの間にかメモ用紙に[スピーカーホンに]


「はい!俺の端末の番号です。あと、遠野さんと井川さんにも教えてといてくれませんか?」


耳には優輝君が遠野と井川にも教えておいてくれと……

だが目の前に出されたメモには[電話番号20万で!!!]


「………………なぜだ?」


私は会話に答えるのではなく、メモの内容にむかって呟いてしまった。

教えると優輝君は言っているのに、金額を伝えないといけないのか?

オークション?

番号を教えて貰える権利を私達で金額を決めろと?

頭が真っ白になりかけた時に、優輝君の言葉がスーっと耳に頭に入ってきた。


「いや、あのすいません。え~と退院したら遊びに行こうって………あれ?もしかして社交辞令でした?」


退院祝いの話の事だろう。社交辞令で言うものか!私はすぐに


「うっ、あっ!も、勿論行こう!今すぐにでも行きたい。」


本音を盛大にぶちまけた。

向かいにいる井川が私の言葉を聞いて赤くなっていた。


「いや、いや今すぐは無理ですって!(笑)まだ退院もしてないんですから」


優輝君は笑っていた、そ、そうだ。まだ退院していないんだった。

私は恥かしい気持ちを隠すように、力のない笑い声で


「あはは、そうだ!そうだった。まだ退院してなかったな」


「はい、三神さんが冗談言ったの初めて聞きましたけど面白かったです。退院して落ち着いたら都合のいい日とか連絡しますんでお店とかお願いしますよ?」


勿論だ!


「あぁ、任せておいてくれ。」


「はい、あと明後日の午後に退院しますけど、何か手続きとかまだありますか?」



「いや手続きとは書類は全てこちらで処理している途中だ、優輝君のサインとかはいらない物ばかりだから大丈夫…………あっ!……………だ、大丈夫だ。」


私はサインと声に出した事で思い出した。

子作り申請書を!

そして、目の前にいる遠野がメモ用紙に[さりげなく子作り申請書の事を!]

んな!無理だ!しかし遠野の目が怖い……


「ん?どうかしました?」


「いや、その……気が向いたら………あれを……その書いて………渡してくれると嬉しいんだが……」


私は頑張った。声が小さくなってしまったが、遠回りだが私は言った……いや言えた。


「はい?」


残念な事に伝わらなかったらしい……これ以上は無理だ。


「いや何でもないんだ気にしないでくれ。」


「はあ、何かよくわかりませんがわかりました。じゃお二人にも伝えてくださいね」


優輝君は追及せず流してくれた……良かった。

用件を伝えた事に優輝君は満足したのだろう、電話は終了となった。


私が端末を机の上に置くと、すかさず遠野が端末の着信履歴を表示した。


「さて、三神さん。詳しく教えてくれますよね?」


と遠野が笑って……目が怖い……


それからいつもは15分ぐらいで終わるミーティングは今日に限って1時間を過ぎ、質問から最後は指導に……


最後に3人で、優輝君の電話番号を登録してミーティングは終了した。

勿論私と井川にとっては初の男性登録となった。


やはりと言うか遠野はこれで4人目だと……どんな私生活を送っているのだろう。

どうやって手に入れたのかは聞かない方がいいだろう。


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