妻の望みは………貞操逆転世界

クロハナ

文字の大きさ
84 / 85

11日目/岡崎優輝【嵐に追われての退院】

しおりを挟む


まだ病院の中だが俺は退院した。


予定ではこれから静子さんと昼食をとってから鈴鳴家の保護区に向かうはずだった。


………だったのだが予定が変わった。


「優輝様すみません。天候の変化により予定していた昼食は鈴鳴家の保護区にておとりいただく事に変更になりました。」


永島さんがキリッとした表情で説明してくれた。


天候の変化?雨が酷くなるのか………まっ天気のせいなら仕方ないよな。


それにしてもキリッとしてるんだけど、高校生ぐらいにしか見えない。


150ぐらいの身長のせいかな。しかしいったい何歳なんだろ?


隊長やってるって事ならやっぱりそれなりの歳なのかな?


妙に気になってボーーと永島さんを見ていたら、静子さんに話しかけられた。


「あらあら優輝君。お腹空いても薫ちゃんを食べちゃダメよ?」


「………え?」


「だって好みでしょ?薫ちゃんみたいな小柄だけど胸も大きくてしっかりしている子。」


好み?………あ~好みか。結婚してずっと妻一筋できていたから好みとか恋愛とかの気持ち忘れてたわ。恋愛なんかもうしないと思ってたし………


「忘れてました。そうですね、静子さんの言う通り俺の好みでした。」


「あらあら、若いんだから自分の好み忘れちゃダメよ。」


中身はは40過ぎのおっさんだからな~。

でもそっか、そうだよな。もう妻もいない。独身か………好みの女性を見つけて恋愛してもいいんだよな。…………ってどうやるんだっけ?好みの女性をナンパ?

そう思い永島さんを見ると、顔を真っ赤に染めて………鼻血!


「永島さん!鼻血!」


あ~顎まで垂れて床に落ちてるし、でも永島さんは虚ろな目でわかってないみたいで何かずっと呟いてた。


永島さんの後に控えていた佐々木さんがすぐに鞄からティッシュを出して処置してくれた。


「あらあら、薫ちゃんも優輝君には敵わないわね。」


俺のせい?

いやいや元はと言えば静子さんが振った話だから。


処置が終わった後佐々木さんに睨まれた。

体格も身長も俺より大きいからマジで怖かった。


再起動した永島さん。


「す、すいませんでした。お見苦しい姿を見せて。」


「いやいや大丈夫です。俺も見慣れててきましたから。」


そう。こちらの世界の女性は刺激的な事でよく鼻血を出す。


「あらあら、それで薫ちゃんこれからどうするの?」


「はい。非常階段で屋上にあがり待機させているヘリでポイントSKまで移動する予定です。」


SK?って………いやいやちょっと待て。今ヘリって言った?

ヘリになんて俺乗った事ないぞ。正直怖いんですけど。


「あら?優輝君ヘリダメなの?」


静子さん?なぜわかるんですか?さっきから読み過ぎですから!


「いや………ダメっていうか乗った事ないんでちょっと怖いかな~って………」


「あらあら………薫ちゃん?他のプランで行ける?」


「はい。特殊車輌も近くに待機させていますので可能です。しかし移動中に嵐に巻き込まれる可能性が高いですがいかがいたしましょう?」


嵐?あれ台風の時期でもないよな?


「嵐ですか?そんなに酷くなりそうなんですか?」


「………あら?もしかして優輝君ちょっといいかしら?」


そう言って静子さんは俺にだけ聞こえるように耳元で質問してきた。


「もしかして100年前の天気と同じと思ってる?」


「え?違うんですか?」


「えぇ多分優輝君のいた時代からだと想像しにくいと思うけど、嵐と言えば昔の台風がくるのと同じぐらいなのよ。」


「じゃぁ本当の台風ってどんなレベルなんですか?」


「そうね………昔で言えばアメリカのハリケーンかしらね。」


マジか!


「じゃぁ車での移動はやめた方がいいんですか?」


「そうね。特殊車輌と言っても危険だわ。」


「………わかりました。ヘリだと嵐がくるまえに鈴鳴家の保護区に着けるって事なんですね?」


「そうよ。それにシェルターの準備も間に合うから。」


…………………シェルター。マジか。いったいどんだけ俺のいた時代から地球環境が悪化してるんだ。

子作りの事だけじゃなくそっちも調べておけばよかった。

そう思いながらも小声で静子さんと話していたら、病院内にアナウンスが流れた。


『警報情報をお知らせします。2時間後にレベル3の嵐が到達する可能性が高くなりました。規定に従い入院患者及び職員以外は建物から離れ近隣のSTSに移動してください。繰り返します。』


おいおい大丈夫かよ。


「静子様優輝様お時間があまりございませんご決断を!」


慌てる訳でもなく冷静に永島さんに問いかけられた。

…………仕方ないヘリで行くしかないか。


「静子さん!ヘリに乗ります。」


「えぇ、わかりました。薫ちゃんいい?」


「はい。では非常階段で屋上に向かいます。こちらです。」


俺は永島さんの誘導で屋上に向かった。先頭は永島さんで最後尾は佐々木さんで。

屋上に出ると生暖かい風が少しあるぐらいだったが、遠くの空には真っ黒な雲が見えていた。

その真っ黒な雲と同じ様な黒いヘリが一台あった。


静子さんは慣れているのか足早にヘリに近づき乗り込んだ。

俺も先に乗った永島さんに誘導されてなんとか乗った。これが今から浮くのかと思うと怖い。

中でヘルメットを渡され説明を聞いた。


エンジンの騒音で飛行中の会話がしにくくなる為、何かあれば無線で会話するそうだ。

説明も終わりエンジンが始動した。うわっマジで凄い音だ。

驚いているとヘルメットに装着された無線から永島さんの声が聞こえた。


「では静子様、優輝様、離陸いたします。離陸時少し揺れますのでご注意を。」


恐怖から身体と足に力が入る………初めて感じる妙な浮遊感。

建物の屋上から飛び立つヘリは思った以上に恐かった。いきなり地上何十メートルの上を飛んで行くのだから。

離陸後10分ぐらいで安定した高度になったのか浮遊感が少し変わった。一定の速度感と高度になった事と少し馴れた事で今まで力んでいた身体が自然に解れる。


「あらあら優輝君、大丈夫?」


俺の事をずっとで見ていたのか静子さんが心配してくれた。


「はい。やっと少し馴れました。」


「そう良かったわ。あと30分ぐらいで着くから我慢してね。」


やっと余裕が出て周りの景色を見ながら飛ぶこと30分。

見えてきたのは………基地?要塞?

ネットの地図での予想した景色とはあまりにもかけはなれた様子に唖然となった。

地図だと村かちょっとした町だったよね?そんな驚きの中永島さんが話始めた。


「優輝様。今見えてきたのが鈴鳴家の保護区です。保護区を取り囲む塀は地下に土台として深さ5㍍厚さ2㍍のコンクリートが埋めらその上に5㍍の電磁ネットが張られています。くれぐれもお近づかないようにお願いします。」


もう保護区じゃなくて基地ですよね?

そんな疑問もスルーされ丸い円の中にアルファベットの『H』の文字がある所に着陸した。


これからこの保護区でどんな生活が待っているのか不安になりながら俺は静子さんの後を付いて行った。


まさか、ここから人類の存亡を救う事になるとは………

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

長らく読んで頂きありがとうございます。

やっと!やっと一章の終わりです。

人の1日を文字で表現、説明するのにいったい何文字が必要なんだと1度挫折しかけたぐらい大変だった。

2章で完結の予定です。


しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

処理中です...