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1章 出会ったのは白魔導士
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♢ ♢ ♢
「魔王に、狙われる……」
現実味のない言葉に口が酷く渇く。ゴクリと生唾を飲み込んだ。頭の中は恐怖とこの世界の残酷な真実でごちゃごちゃだ。
「魔法が効かないキミの存在は貴重だ」
「……そう、でしょうね」
盾にされるのはまだマシのほうだ。きっと魔王は魔法が効かない理由を知りたがだろう。
人体実験をされ、身体をバラバラにされるかもしれない。最悪、命を奪われ、記憶を失った殺されてディアボルスにされるかもしれない。
恐ろしさにあまり私は自身の腕をぎゅっと抱いた。びしょ濡れの服が体温を奪い、寒気が走る。
「だからこそ、キミの存在を隠さなければならない」
彼はゆっくりと立ち上がって座り込んでいる私を見下ろた。その眼差しは、真剣そのものだ。
「この国の人にも知られるわけにはいかない。魔法が効かない存在は、正直こちらとしても欲しいくらいだ」
(確かにそうだ。魔法が無力化できるのならば、魔王からの侵略も恐ろしくなくなる)
「キミが魔法を無力化できると知られたら上層部の人間はこぞってキミを欲しがるだろう」
彼の言葉に私は絶望の底へと突き落とされる。ルークス王国に保護されたとしても自由はないだろう。
実験台にされるか、道具として扱われるかの違いしかない。
どちらに転んだとしても私に居場所はない。元の世界へいつ戻れるかもわからない。
彼の話を要約するとこうだ。
このファンタジアは私の住んでいた地球と同じように存在している世界のこと。
ファンタジアは魔法の世界。地球には魔法が存在しないから私は魔法が効かないらしい。
そのためファンタジアで対立しているルークスとエクリプスでは、魔法が効かない私の存在が知られれば奪い合いにまで発展する可能性があり、私の命は保証ない。
世界を「クソ」だと拒絶した私が、今度は世界から追われるのか。何とも皮肉な話ではないか。
やるせない気持ちが心の中に渦巻いて、もう頭の中はぐちゃぐちゃだ。
現実逃避をするように、髪をくしゃりと右手で掴むと私の肩に何かが温かいものが触れた。
みれば、それは彼が纏っていた白いマントだった。冷えた体に彼の優しいぬくもりが伝わり、私は思わず見上げた。
すると、“彼”は真っ直ぐに私を見ていた。碧眼が射抜くように私を捉えている。その瞳には道場ではなく、確固たる意志が宿っていた。
「だから俺はキミが元に戻る手助けをしたい」
「え?」
思いもよらない彼の言葉に私は瞬きを繰り返し、髪をぐしゃりとしかけていた手を下ろした。
「キミはこの世界の人間じゃない。だから、キミがこの世界の戦いに巻き込まれる必要なんかない」
そして、はっきりと、迷いのない声でそう口にした。
「さっきも言ったけれど、次にチキュウへ通じる道がいつどこで開くのかわからない。だから、調べる必要がある」
「…………」
「調べるのにどれくらい時間がかかるかわからない。となれば、キミはこの世界でしばらく暮らす必要がある。けど、だからといってこの世界を知らないキミが街で一人で暮らすのは得策とは言い難い」
「…………」
「だったら、俺の婚約者ということにすれば、キミと俺が行動しても怪しまれることもないし、不慣れな生活を一人ですること必要もない。俺はこの国の魔導士として、それなりの立場にある。俺の婚約者だとすれば、いたずらに詮索してくる人もいないはずだ」
(確かに、そうだけど……。それは全部私側のメリット)
「でも、それじゃ、貴方にメリットが……」
何もないではないかと続けようとすると、左手の人差し指で左頬を掻きながら困ったように笑った。その笑顔は先ほど異形を打ち滅ぼした逞しい魔導士の顔ではなく、ただの困り顔の青年だった。
「最近、大臣達が嫁を取れとうるさくて。本当に辟易しているんだ」
彼は天を仰ぐようにため息をついた。
「婚約者がいるということになれば、流石に大臣たちも言ってこなくなると思うんだ。だから、俺にもメリットはあるから、気にすることはない」
そして、 『だから、大丈夫だ』とそう付け加えた。
(でも、世界を揺るがすような私の存在を国に隠していても大丈夫なの?)
それを言葉にしかけた瞬間、呑気な声が遮った。
「難しい話は終わったー?」
声をした方を見るとルビーはいつのまにか寝ていたのか眠そうに大きなあくびをして、ぐぐーと身体を伸ばしている。そういえば途中からルビーの声がしなかった。深刻な話に飽きて、寝ていたようだ。
「この“お姉さん”がうちに来てくれることになったぞ」
「本当!?」
彼の言葉にルビーは耳をピンと張り、声を弾ませた。
「俺のメリット、もう一つあったな。ルビーが喜ぶ」
そして、片目をつぶっていたずらっぽく笑った。
「俺はキミが婚約者になってくれたら、大臣達からの縁談を一つ一つ断る必要がなくなる。それにルビーが喜ぶ。キミは俺が婚約者になったらひとまずは身の安全は確保できる。要するに契約関係みたいなものだ。俺にとってもキミにとっても悪い話ではない」
(確かにそうだ。少なくともこちらが断る道理が見当たらない。ここで一人でやっていく自信なんて微塵もない)
彼の言葉に、私は静かにコクリと頷いた。選択肢は生き延びるか、それとも残酷な運命に身を委ねるか、二つに一つだ。
「じゃあ、キミは今日から俺の“婚約者”だ」
そう言って、彼は私に左手を差し伸べた。
木や草がそよぐ音や虫の音しか聞こえない静かな夜。
灯といえば、頭上に煌めく大きな月しかない。
「キミがこの手を取ったら、俺はキミを元の世界に無事戻すと約束するよ」
碧い双眼が月明かりに照らされて、煌めいて目が離せない。私に差し出された手は私よりも大きくてたくましい。
(これはあくまでも契約……。そう、契約関係。私が戻るまでの、偽りの婚約者)
私は深呼吸を1つして、彼の左手の上に自分の冷え切った右手を乗せた。その左手は、私の手のひらよりもずっと温かかった。
冷え切った身体にそのぬくもりがじんわりと広がっていく。握った手のひらから視線をあげると彼は私を柔らかい表情を浮かべながら
「キミの名前を聞いてなかったね」
そう、問うてきた。その碧眼に、泥だらけで濡れた私の顔がぼんやりと映り込んでいる。
「一花(イチカ)です。野々原一花_(ノノハライチカ_)!」
「イチカ!よろしくだもんね!」
私が名乗るとルビーがひょいと私の膝の上に飛び乗った。そして、右前足をあげて嬉しそうに言った。それを彼は困ったように見やってから、私の方へ向き直った。
「俺はライト。ライト・ハワード。この国で白魔導士をやっている」
「ライト……さん?」
「ライトでいい。かしこまる必要もない。俺たちは今この時から婚約者なのだから」
「わかった、ライト」
その瞬間、私とライトの間に夜風が駆け抜けた。キラキラと輝く光を集めたようなライトの黄金色の髪がふわっと舞い上がる。
「キミを……“イチカ”を必ず元の世界に戻すその時まで俺がキミを守るよ」
そう言って笑った彼の笑顔は陽だまりのように暖かくて、絶望の中で立ち尽くしていた私にはなんだか眩しかった。
♢ ♢ ♢
ーー暗雲立ち込める空。瘴気で覆われた薄暗い城の中。
「マオウサマ、ルークスニニンゲンノムスメヲカリニイッタ9635ノハンノウガキエマシタ」
その最深部。分厚い象のような硬い皮膚に覆われ、足は馬の蹄をしたディアボルスが、巨大な玉座に向かって低い声で語りかけていた。その声には一切の感情がなく、ただ報告を述べるだけの機械的な響きがある。
城の中には、生きた人間の持つ温かい感情は一切なく、死だけが充満している。
「誰がやった?」
城の玉座に座る人影は、暗闇に沈み込んでその姿を正確に捉えることはできない。 答えた声は低く、地底から響くようにぐぐもっている。
「ルークスノシロマドウシノヨウデス。シタイヲカイシュウシニイッタゲド、アトカタモナクケサレテイマシタ。コンナコトガデキルノハシロマドウシシカアリエナイ。マオウサマ、イマスグニヘイヲダシテヤツヲーーー……」
何事か口にしかけたが“ソレ”は言葉を続けることができなかった。
「……ーーマオウサマ、ナゼ?」
何故なら胸にポッカリと穴が空いていたから。魔王の玉座にいる王座から放たれた黒い魔力の槍がその巨体を貫いていたのだ。辺りには血は流れず、ただ黒い商機が立ち込める。
「誰が俺に指示をしていいと言った?誰がやったかとしか聞いていないだろう?」
暗闇の中、クツクツと愉快そうでもあり、不服そうでもある笑い声が響き渡る。その笑いは、聞く者の魂を凍らせるほどの残酷さを秘めていた。
「マオーー……」
それが最後の言葉だった。“ソレ”を形作っていたものが砂のように、音もなく崩れていく。
「あの餓鬼、“あの時”、殺しておけばよかったなぁ」
崩れゆく“ソレ”を見ながら、面白くもなさそうに“彼”は呟いた。
「魔王に、狙われる……」
現実味のない言葉に口が酷く渇く。ゴクリと生唾を飲み込んだ。頭の中は恐怖とこの世界の残酷な真実でごちゃごちゃだ。
「魔法が効かないキミの存在は貴重だ」
「……そう、でしょうね」
盾にされるのはまだマシのほうだ。きっと魔王は魔法が効かない理由を知りたがだろう。
人体実験をされ、身体をバラバラにされるかもしれない。最悪、命を奪われ、記憶を失った殺されてディアボルスにされるかもしれない。
恐ろしさにあまり私は自身の腕をぎゅっと抱いた。びしょ濡れの服が体温を奪い、寒気が走る。
「だからこそ、キミの存在を隠さなければならない」
彼はゆっくりと立ち上がって座り込んでいる私を見下ろた。その眼差しは、真剣そのものだ。
「この国の人にも知られるわけにはいかない。魔法が効かない存在は、正直こちらとしても欲しいくらいだ」
(確かにそうだ。魔法が無力化できるのならば、魔王からの侵略も恐ろしくなくなる)
「キミが魔法を無力化できると知られたら上層部の人間はこぞってキミを欲しがるだろう」
彼の言葉に私は絶望の底へと突き落とされる。ルークス王国に保護されたとしても自由はないだろう。
実験台にされるか、道具として扱われるかの違いしかない。
どちらに転んだとしても私に居場所はない。元の世界へいつ戻れるかもわからない。
彼の話を要約するとこうだ。
このファンタジアは私の住んでいた地球と同じように存在している世界のこと。
ファンタジアは魔法の世界。地球には魔法が存在しないから私は魔法が効かないらしい。
そのためファンタジアで対立しているルークスとエクリプスでは、魔法が効かない私の存在が知られれば奪い合いにまで発展する可能性があり、私の命は保証ない。
世界を「クソ」だと拒絶した私が、今度は世界から追われるのか。何とも皮肉な話ではないか。
やるせない気持ちが心の中に渦巻いて、もう頭の中はぐちゃぐちゃだ。
現実逃避をするように、髪をくしゃりと右手で掴むと私の肩に何かが温かいものが触れた。
みれば、それは彼が纏っていた白いマントだった。冷えた体に彼の優しいぬくもりが伝わり、私は思わず見上げた。
すると、“彼”は真っ直ぐに私を見ていた。碧眼が射抜くように私を捉えている。その瞳には道場ではなく、確固たる意志が宿っていた。
「だから俺はキミが元に戻る手助けをしたい」
「え?」
思いもよらない彼の言葉に私は瞬きを繰り返し、髪をぐしゃりとしかけていた手を下ろした。
「キミはこの世界の人間じゃない。だから、キミがこの世界の戦いに巻き込まれる必要なんかない」
そして、はっきりと、迷いのない声でそう口にした。
「さっきも言ったけれど、次にチキュウへ通じる道がいつどこで開くのかわからない。だから、調べる必要がある」
「…………」
「調べるのにどれくらい時間がかかるかわからない。となれば、キミはこの世界でしばらく暮らす必要がある。けど、だからといってこの世界を知らないキミが街で一人で暮らすのは得策とは言い難い」
「…………」
「だったら、俺の婚約者ということにすれば、キミと俺が行動しても怪しまれることもないし、不慣れな生活を一人ですること必要もない。俺はこの国の魔導士として、それなりの立場にある。俺の婚約者だとすれば、いたずらに詮索してくる人もいないはずだ」
(確かに、そうだけど……。それは全部私側のメリット)
「でも、それじゃ、貴方にメリットが……」
何もないではないかと続けようとすると、左手の人差し指で左頬を掻きながら困ったように笑った。その笑顔は先ほど異形を打ち滅ぼした逞しい魔導士の顔ではなく、ただの困り顔の青年だった。
「最近、大臣達が嫁を取れとうるさくて。本当に辟易しているんだ」
彼は天を仰ぐようにため息をついた。
「婚約者がいるということになれば、流石に大臣たちも言ってこなくなると思うんだ。だから、俺にもメリットはあるから、気にすることはない」
そして、 『だから、大丈夫だ』とそう付け加えた。
(でも、世界を揺るがすような私の存在を国に隠していても大丈夫なの?)
それを言葉にしかけた瞬間、呑気な声が遮った。
「難しい話は終わったー?」
声をした方を見るとルビーはいつのまにか寝ていたのか眠そうに大きなあくびをして、ぐぐーと身体を伸ばしている。そういえば途中からルビーの声がしなかった。深刻な話に飽きて、寝ていたようだ。
「この“お姉さん”がうちに来てくれることになったぞ」
「本当!?」
彼の言葉にルビーは耳をピンと張り、声を弾ませた。
「俺のメリット、もう一つあったな。ルビーが喜ぶ」
そして、片目をつぶっていたずらっぽく笑った。
「俺はキミが婚約者になってくれたら、大臣達からの縁談を一つ一つ断る必要がなくなる。それにルビーが喜ぶ。キミは俺が婚約者になったらひとまずは身の安全は確保できる。要するに契約関係みたいなものだ。俺にとってもキミにとっても悪い話ではない」
(確かにそうだ。少なくともこちらが断る道理が見当たらない。ここで一人でやっていく自信なんて微塵もない)
彼の言葉に、私は静かにコクリと頷いた。選択肢は生き延びるか、それとも残酷な運命に身を委ねるか、二つに一つだ。
「じゃあ、キミは今日から俺の“婚約者”だ」
そう言って、彼は私に左手を差し伸べた。
木や草がそよぐ音や虫の音しか聞こえない静かな夜。
灯といえば、頭上に煌めく大きな月しかない。
「キミがこの手を取ったら、俺はキミを元の世界に無事戻すと約束するよ」
碧い双眼が月明かりに照らされて、煌めいて目が離せない。私に差し出された手は私よりも大きくてたくましい。
(これはあくまでも契約……。そう、契約関係。私が戻るまでの、偽りの婚約者)
私は深呼吸を1つして、彼の左手の上に自分の冷え切った右手を乗せた。その左手は、私の手のひらよりもずっと温かかった。
冷え切った身体にそのぬくもりがじんわりと広がっていく。握った手のひらから視線をあげると彼は私を柔らかい表情を浮かべながら
「キミの名前を聞いてなかったね」
そう、問うてきた。その碧眼に、泥だらけで濡れた私の顔がぼんやりと映り込んでいる。
「一花(イチカ)です。野々原一花_(ノノハライチカ_)!」
「イチカ!よろしくだもんね!」
私が名乗るとルビーがひょいと私の膝の上に飛び乗った。そして、右前足をあげて嬉しそうに言った。それを彼は困ったように見やってから、私の方へ向き直った。
「俺はライト。ライト・ハワード。この国で白魔導士をやっている」
「ライト……さん?」
「ライトでいい。かしこまる必要もない。俺たちは今この時から婚約者なのだから」
「わかった、ライト」
その瞬間、私とライトの間に夜風が駆け抜けた。キラキラと輝く光を集めたようなライトの黄金色の髪がふわっと舞い上がる。
「キミを……“イチカ”を必ず元の世界に戻すその時まで俺がキミを守るよ」
そう言って笑った彼の笑顔は陽だまりのように暖かくて、絶望の中で立ち尽くしていた私にはなんだか眩しかった。
♢ ♢ ♢
ーー暗雲立ち込める空。瘴気で覆われた薄暗い城の中。
「マオウサマ、ルークスニニンゲンノムスメヲカリニイッタ9635ノハンノウガキエマシタ」
その最深部。分厚い象のような硬い皮膚に覆われ、足は馬の蹄をしたディアボルスが、巨大な玉座に向かって低い声で語りかけていた。その声には一切の感情がなく、ただ報告を述べるだけの機械的な響きがある。
城の中には、生きた人間の持つ温かい感情は一切なく、死だけが充満している。
「誰がやった?」
城の玉座に座る人影は、暗闇に沈み込んでその姿を正確に捉えることはできない。 答えた声は低く、地底から響くようにぐぐもっている。
「ルークスノシロマドウシノヨウデス。シタイヲカイシュウシニイッタゲド、アトカタモナクケサレテイマシタ。コンナコトガデキルノハシロマドウシシカアリエナイ。マオウサマ、イマスグニヘイヲダシテヤツヲーーー……」
何事か口にしかけたが“ソレ”は言葉を続けることができなかった。
「……ーーマオウサマ、ナゼ?」
何故なら胸にポッカリと穴が空いていたから。魔王の玉座にいる王座から放たれた黒い魔力の槍がその巨体を貫いていたのだ。辺りには血は流れず、ただ黒い商機が立ち込める。
「誰が俺に指示をしていいと言った?誰がやったかとしか聞いていないだろう?」
暗闇の中、クツクツと愉快そうでもあり、不服そうでもある笑い声が響き渡る。その笑いは、聞く者の魂を凍らせるほどの残酷さを秘めていた。
「マオーー……」
それが最後の言葉だった。“ソレ”を形作っていたものが砂のように、音もなく崩れていく。
「あの餓鬼、“あの時”、殺しておけばよかったなぁ」
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