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第十二話 たった一瞬でもいい
scene30 告白
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ー朔也ー
名木ちゃんが着ていたスーツのジャケットとパンツをハンガーにかけ、部屋干しする時に使うハンガーラックに引っ掛けてドライヤーの風を当てる。
よく見ると、そんなに安物でもなさそうだった。こんなに濡れてしまうまで、何故あんな所にうずくまっていたのか。
部屋の戸が開く音がして振り返ると、シャワーを浴びて出てきた名木ちゃんが、居心地悪そうに濡れた髪をタオルで拭いていた。
「おいで」
手招きして名木ちゃんをソファに座らせると、ドライヤーの風を向けた。
大人しくされるがままになっている名木ちゃんの髪の毛を、かき回すようにして乾かしてやる。
「名木ちゃんて癖っ毛なんだね」
「桃瀬さんは、猫っ毛ですよね」
「そう。ちゃんとセットしないと、すぐへたるんだよな」
「髪、切りました?」
「うん。ちょっとだけね」
大体乾いたようなので、ドライヤーのスイッチを切る。沈黙が降りた部屋の中で、激しさを増した雨音が存在感を示してくる。
「これ」
名木ちゃんが不意に、袖が余った長袖のシャツを引っ張ってみせた。
「この間、部屋に来た男の人のですか」
「……だって名木ちゃん、俺のじゃ小さいだろ」
返しそびれたまま箪笥にずっと仕舞われていた、雅孝の着替えだった。背丈が同じくらいだから着れるかと思い、名木ちゃんに貸したのだ。
「あの人、彼氏なんですか?」
「違うよ。雅孝とは、とっくに別れてる」
ほんの少しだけ、疾しさが胸中に去来する。
目を背け、少し離れて名木ちゃんの隣に腰を下ろした。
「嘘つき」
名木ちゃんは、スウェットの膝のあたりをぎゅっと掴んで俺を見た。
「さっき見ちゃいました。桃瀬さん、あの人の運転する車から降りてきましたよね」
「……見てたの?」
「どうして嘘つくんですか」
「嘘じゃないって、雅孝とはとっくに」
むきになって反論しかけ、口をつぐむ。弁解しなくても、誤解させたままの方が都合がいいかも知れない。
「好きなんですか?あの人の事、まだ……」
名木ちゃんが傷ついたように瞳を潤ませる。
「……たとえそうだとしても、名木ちゃんに関係ないでしょ」
精一杯、冷たい言い方で突き放したつもりだった。
「関係なくないです」
「どうして」
「俺、桃瀬さんの事が好きです」
今まで堪えていたらしい涙が一粒、名木ちゃんの頬を伝った。
「だめだよ、名木ちゃん」
頬に流れた涙を拭ってやる。
「名木ちゃんには、彼氏がいるだろ」
「慶ちゃんには、はっきり言いました。桃瀬さんが好きだから、もう一緒にはいられないって」
「……だめだよ」
かぶりを振る。
「俺に本気になっちゃいけない。俺は」
「ならどうして、こんなに好きにさせたんですか……っ」
名木ちゃんが俺の肩を掴む。掴んだ手が、震えていた。
「……あのね、名木ちゃん」
俺の肩を掴む手に、手を添える。
「前にも言ったけど、永遠に続くものはないんだよ。どんな幸せな瞬間にも、いつかは終わりがくる。だからこそ今を大切にしたいって思えるんだ」
名木ちゃんと二人、夜道を歩きながら見上げた桜を思い出す。
「一緒に桜見たよね。あの時、風に散った桜を見て名木ちゃんは"寂しい"って言ったけれど、あの一瞬の美しさはちゃんと名木ちゃんの心に残っているだろ?俺との関係だってそう。いつか終わりが来る事を予感したから手放すのが惜しくなるし、束の間の思い出が美しく思えるんだ」
肩にかけられた手を、そっと外す。
「名木ちゃんには幸せでいてほしい。でもこの願いは、俺には叶えられない。俺じゃ名木ちゃんを幸せにしてあげられない。俺の命は、あの日の桜みたいに、いつか急に強い風が吹いたら簡単に散っちゃうんだよ。あっという間に消えてしまう……」
「だったら、桃瀬さんのその一瞬を俺にください」
名木ちゃんが、俺の手を両手で掴んで握りしめる。
「いつか終わりが来てもいいから、たった一瞬でも桃瀬さんを幸せにする権利を俺にちょうだい」
涙で濡れた瞳が、俺をまっすぐ見つめる。
「桃瀬さんが、好きです」
「……名木ちゃん」
しばらく見つめ合った。
気がついたら、どちらからともなく唇を重ね合わせていた。
名木ちゃんに握りしめられていた手を開き、しっかり指を絡め合わせる。
何度もキスをした。一度離れても名木ちゃんが離してくれなくて、また離れたら今度は俺が名残惜しくてまた口付けた。
……いつか来る『終わり』に怯えながら、色んなことを諦めて生きてきた。
生きていることに、疲れてしまった時もあった。
だけど、ある時考え方を変えた。どうせいつかは終わってしまうなら、今目の前にある幸せを大事にしようと。いつ終わってしまっても良いように。後悔しないように。
でも、恋愛にだけは前向きになれなかった。
俺が消えてしまった後、残された相手の事を思ったら堪らなかったから。
そう、分かっていたはずなのに。どうして、誰かを想う気持ちは自分の意思でどうにもならないんだろう。
気がついたら惹かれていた。近づいちゃいけないのに、繋がりを消したくなくて自分から何度も繋ぎ止めては突き放して、傷つけて。
本当は、こうなる事を望んでいたくせに。
気がつけばソファに押し倒されていて、名木ちゃんは俺の体に、直に手を触れようとした。
はっとした様子で起き上がる。
「……どうしたの?」
「ごめんなさい、俺……っ」
慌てて俺を抱き起こそうとする名木ちゃんの手を引っ張り、抱きしめる。
「桃瀬さんっ……」
「いいよ、名木ちゃん」
耳元で囁く。
「俺のこと、抱きたいんでしょ?」
「……っ!」
「いいよ。……しよ?」
そう言って名木ちゃんの服を脱がそうとすると、焦った様子で手を止められた。
「だめです、桃瀬さん!そんな事したら……!」
「大丈夫だってば」
泣きそうな顔の名木ちゃんの手を取り、自分の左胸の辺りに押し付けた。
「ほら。生きてるでしょ?」
「……っ」
「……好きだよ、名木ちゃん」
泣きそうになりながら、名木ちゃんの顔を撫でる。
「ごめんね、こんなに好きにさせて、……好きになって、ごめんね。」
「桃瀬さん……!」
堪えられなくなったのか、名木ちゃんが強く唇を押し付けてくる。それに応えながら、シャツの裾をたくし上げて名木ちゃんの素肌に手を触れた。
名木ちゃんの頬を、汗が滑り落ちる。華奢なくせに広い背中にしがみつき、苦しくならないように息を逃しながら、俺は幸せだった。
もう、恋する事を諦めていた。
誰も好きになっちゃいけないとまで思っていた。
こんな風に二度と、好きな人と愛し合えないと勝手に思い込んでいた。
視界が白んでいく。明かりがついたままの蛍光灯が、目に眩しい。
名木ちゃん、すきだよ。
そう言ったと同時に、俺は意識を手放した。
名木ちゃんが着ていたスーツのジャケットとパンツをハンガーにかけ、部屋干しする時に使うハンガーラックに引っ掛けてドライヤーの風を当てる。
よく見ると、そんなに安物でもなさそうだった。こんなに濡れてしまうまで、何故あんな所にうずくまっていたのか。
部屋の戸が開く音がして振り返ると、シャワーを浴びて出てきた名木ちゃんが、居心地悪そうに濡れた髪をタオルで拭いていた。
「おいで」
手招きして名木ちゃんをソファに座らせると、ドライヤーの風を向けた。
大人しくされるがままになっている名木ちゃんの髪の毛を、かき回すようにして乾かしてやる。
「名木ちゃんて癖っ毛なんだね」
「桃瀬さんは、猫っ毛ですよね」
「そう。ちゃんとセットしないと、すぐへたるんだよな」
「髪、切りました?」
「うん。ちょっとだけね」
大体乾いたようなので、ドライヤーのスイッチを切る。沈黙が降りた部屋の中で、激しさを増した雨音が存在感を示してくる。
「これ」
名木ちゃんが不意に、袖が余った長袖のシャツを引っ張ってみせた。
「この間、部屋に来た男の人のですか」
「……だって名木ちゃん、俺のじゃ小さいだろ」
返しそびれたまま箪笥にずっと仕舞われていた、雅孝の着替えだった。背丈が同じくらいだから着れるかと思い、名木ちゃんに貸したのだ。
「あの人、彼氏なんですか?」
「違うよ。雅孝とは、とっくに別れてる」
ほんの少しだけ、疾しさが胸中に去来する。
目を背け、少し離れて名木ちゃんの隣に腰を下ろした。
「嘘つき」
名木ちゃんは、スウェットの膝のあたりをぎゅっと掴んで俺を見た。
「さっき見ちゃいました。桃瀬さん、あの人の運転する車から降りてきましたよね」
「……見てたの?」
「どうして嘘つくんですか」
「嘘じゃないって、雅孝とはとっくに」
むきになって反論しかけ、口をつぐむ。弁解しなくても、誤解させたままの方が都合がいいかも知れない。
「好きなんですか?あの人の事、まだ……」
名木ちゃんが傷ついたように瞳を潤ませる。
「……たとえそうだとしても、名木ちゃんに関係ないでしょ」
精一杯、冷たい言い方で突き放したつもりだった。
「関係なくないです」
「どうして」
「俺、桃瀬さんの事が好きです」
今まで堪えていたらしい涙が一粒、名木ちゃんの頬を伝った。
「だめだよ、名木ちゃん」
頬に流れた涙を拭ってやる。
「名木ちゃんには、彼氏がいるだろ」
「慶ちゃんには、はっきり言いました。桃瀬さんが好きだから、もう一緒にはいられないって」
「……だめだよ」
かぶりを振る。
「俺に本気になっちゃいけない。俺は」
「ならどうして、こんなに好きにさせたんですか……っ」
名木ちゃんが俺の肩を掴む。掴んだ手が、震えていた。
「……あのね、名木ちゃん」
俺の肩を掴む手に、手を添える。
「前にも言ったけど、永遠に続くものはないんだよ。どんな幸せな瞬間にも、いつかは終わりがくる。だからこそ今を大切にしたいって思えるんだ」
名木ちゃんと二人、夜道を歩きながら見上げた桜を思い出す。
「一緒に桜見たよね。あの時、風に散った桜を見て名木ちゃんは"寂しい"って言ったけれど、あの一瞬の美しさはちゃんと名木ちゃんの心に残っているだろ?俺との関係だってそう。いつか終わりが来る事を予感したから手放すのが惜しくなるし、束の間の思い出が美しく思えるんだ」
肩にかけられた手を、そっと外す。
「名木ちゃんには幸せでいてほしい。でもこの願いは、俺には叶えられない。俺じゃ名木ちゃんを幸せにしてあげられない。俺の命は、あの日の桜みたいに、いつか急に強い風が吹いたら簡単に散っちゃうんだよ。あっという間に消えてしまう……」
「だったら、桃瀬さんのその一瞬を俺にください」
名木ちゃんが、俺の手を両手で掴んで握りしめる。
「いつか終わりが来てもいいから、たった一瞬でも桃瀬さんを幸せにする権利を俺にちょうだい」
涙で濡れた瞳が、俺をまっすぐ見つめる。
「桃瀬さんが、好きです」
「……名木ちゃん」
しばらく見つめ合った。
気がついたら、どちらからともなく唇を重ね合わせていた。
名木ちゃんに握りしめられていた手を開き、しっかり指を絡め合わせる。
何度もキスをした。一度離れても名木ちゃんが離してくれなくて、また離れたら今度は俺が名残惜しくてまた口付けた。
……いつか来る『終わり』に怯えながら、色んなことを諦めて生きてきた。
生きていることに、疲れてしまった時もあった。
だけど、ある時考え方を変えた。どうせいつかは終わってしまうなら、今目の前にある幸せを大事にしようと。いつ終わってしまっても良いように。後悔しないように。
でも、恋愛にだけは前向きになれなかった。
俺が消えてしまった後、残された相手の事を思ったら堪らなかったから。
そう、分かっていたはずなのに。どうして、誰かを想う気持ちは自分の意思でどうにもならないんだろう。
気がついたら惹かれていた。近づいちゃいけないのに、繋がりを消したくなくて自分から何度も繋ぎ止めては突き放して、傷つけて。
本当は、こうなる事を望んでいたくせに。
気がつけばソファに押し倒されていて、名木ちゃんは俺の体に、直に手を触れようとした。
はっとした様子で起き上がる。
「……どうしたの?」
「ごめんなさい、俺……っ」
慌てて俺を抱き起こそうとする名木ちゃんの手を引っ張り、抱きしめる。
「桃瀬さんっ……」
「いいよ、名木ちゃん」
耳元で囁く。
「俺のこと、抱きたいんでしょ?」
「……っ!」
「いいよ。……しよ?」
そう言って名木ちゃんの服を脱がそうとすると、焦った様子で手を止められた。
「だめです、桃瀬さん!そんな事したら……!」
「大丈夫だってば」
泣きそうな顔の名木ちゃんの手を取り、自分の左胸の辺りに押し付けた。
「ほら。生きてるでしょ?」
「……っ」
「……好きだよ、名木ちゃん」
泣きそうになりながら、名木ちゃんの顔を撫でる。
「ごめんね、こんなに好きにさせて、……好きになって、ごめんね。」
「桃瀬さん……!」
堪えられなくなったのか、名木ちゃんが強く唇を押し付けてくる。それに応えながら、シャツの裾をたくし上げて名木ちゃんの素肌に手を触れた。
名木ちゃんの頬を、汗が滑り落ちる。華奢なくせに広い背中にしがみつき、苦しくならないように息を逃しながら、俺は幸せだった。
もう、恋する事を諦めていた。
誰も好きになっちゃいけないとまで思っていた。
こんな風に二度と、好きな人と愛し合えないと勝手に思い込んでいた。
視界が白んでいく。明かりがついたままの蛍光灯が、目に眩しい。
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そう言ったと同時に、俺は意識を手放した。
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