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第五話 誕生日は特別な日だから
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―雅孝―
体が半分ベッドから落ちかけたせいか、ふと目が覚めた。
しっかりと締め切らずに隙間の空いているカーテンの向こうには、蒼くなりかけた空が見えている。明け方に近い時間なのかもしれない。
いつもと肌触りの違うシーツは、かなり皺が寄ってしまっている。壁側に体を向けると、人肌の温もりが触れた。
仰向けに寝ていた慶一さんが、薄っすらと目を開ける。
「ごめんなさい、起こして」
「もう、朝……?何時……」
「まだ大丈夫です、寝ていてください」
ずり下がった掛け布団を肩まで掛け直してやりつつ、脱ぎ散らかした服の山から手探りで、自分の下着を手に取る。
「お手洗い借りますね」
微かに頷いてまた目を閉じた慶一さんの、乱れた前髪をすく。
手触りが少しだけ、似ている気がした。
セミダブルのベッドから起き上がり、下着を身に着けてからなるべく静かに部屋を出る。
明かりの消えた廊下に出て、トイレを探した。
人の家のトイレの場所といのは、知らないと意外と分からないものだ。ここだろうかと見当をつけ、隣の部屋のドアノブを回す。
ばさっ、と何かが扉に当たって落ちる音がした。
「……?」
部屋に入ると、どうやらトイレではなかったらしい。簡易なシングルベッドと勉強机のようなデスク、それに小さな本棚が置いてあるのが目に入る。
足元に落ちた物を拾い上げる。見ると、卓上カレンダーだった。さっき引っ掛けたのはこれだったらしい。入ってすぐ右手にあるカラーボックスの上にでも載っていたのだろう。今月のページに戻しておこうと思い、紙をめくる。
ふと、手が止まった。
今月のページの、月末に大きく赤丸で印がされている。
『慶ちゃん、誕生日!』
「慶ちゃん……?」
その呼び方に心当たりはなかったが、ピンときた。
なるほど。この部屋は、同棲していた元恋人の―。
今日、俺の仕事部屋に慶一さんが残していったメモの几帳面な筆跡とは全然違う、柔らかく丸っこい字を指でなぞる。
そうか。もうすぐ誕生日なのか。
『誕生日?』
―記憶が。
『そ!ちゃんと覚えとけよ―』
五年前へ、遡る―。
***
『誕生日?』
『そ!来週の土曜日だからな。ちゃんと覚えとけよ』
俺と付き合い始めた頃、朔也の髪色はピンクではなく透き通るような金髪だった。不思議と派手ではなく、色の白い肌によく映えていたのを覚えている。
『何か欲しい物とかある?』
『んー?』
『食べたい物とか。行きたいところは?』
『ばーか』
ぱちん、と軽くデコピンされた。
『そういうのはさ、当日まで内緒にしておいてサプライズするもんなの!』
『サプライズって、どんな?』
『俺に聞いちゃ意味ないだろっ』
何も思い浮かばず困っていたら朔也は、そうだなー、と少し考えてから言った。
『たとえば、ケーキに花火とか』
『ケーキに花火?』
『うん、そうだな。それがいい!』
良いことを思いついたとばかりに嬉しそうに笑ったから、一生懸命考えて準備したのだ。
ホテルのスイートを予約して、ホールケーキのルームサービスを頼んだ。当日は、パノラマの夜景を見ながら花火を打ち上げてもらった。
『誕生日、おめでとう』
大真面目な顔で言ったら、これ以上ないほど大笑いされた。
『ちょ、お前凄すぎ。何なのこれ!』
『え、違うのか?自分で言ったじゃないか』
『スケールが違いすぎるよ!』
笑い過ぎて目じりに涙まで浮かべながら、朔也は小柄な体で背伸びして、何か間違ったのかと困惑している俺に抱き着き、耳元で囁いた。
『もう、ほんとに……ありがと、雅孝。愛してるぜ』
喜んではくれたみたいだけど何かが間違っていたんだろうと思い、翌年の誕生日前には、今年こそはと必死で調べた。
それまで使った事の無かったSNSで調べてみたり、本屋の雑誌コーナーで調べたりしているうちに、朔也が言っていた事の正解をようやく見つけた。
『―そうそう、こういう事!』
駅近のイタリアンバルで食事した後、運ばれてきたケーキに刺さった小さな花火を見て、朔也は楽しそうに笑った。
『ちゃんと学習したんだな。えらいえらい』
からかうように頭を撫でてきた朔也の手を、軽く払いのけた。
『俺、ちょっとムカついてるんだけど』
『へ?何で』
『前付き合ってた相手に、こういう事してもらってたって事だろ』
『誰の話?』
『だから、俺と付き合う前に。こういう事を自分がしたのか、してもらってたのかは知らないけど』
近くの席で、同じように花火の刺さったケーキをみてはしゃぐ女の子達がいたのを覚えている。流行りに疎い俺が知らなかっただけで、世間ではよくある祝い方だったのだ。
だからつまり、朔也も以前の恋人と経験があるのだと思い込んで、勝手に嫉妬していた。
『何言ってるの?』
朔也は、本気で困った顔をしていた。
『俺、誰かと付き合うの……雅孝が初めてなんだけど』
『は?』
『ああ、これ?』
ほとんど火花が散り終わって、小さくなった花火を指さした。
『これはさー……俺の憧れだったから。恋人からこんな風に、特別な祝われ方されたら幸せだろうなーって。ずっと羨ましく思って見てたんだ』
『……』
『言っとくけど俺、ファーストキスだったんだぞ。あんな風にあっさり奪ってくれちゃって』
少し唇を尖らせて、上目遣いに俺を見てきた。
『自分こそ、俺で一体何人目だよ』
『初めてだよ』
『嘘つけ』
『まじで。初恋だよ。生まれて初めて、一目惚れした』
『え……』
茶色の瞳が揺れ動き、行き場を無くしたようにテーブルの上に視線が落ちた。
薬指にシルバーの指輪をはめた小さな手の上に、そっと自分の手を載せた。咄嗟に引っ込めようとしたのを捕まえて、指を絡ませた。
サイズが分からず勘で買ったシルバーのリングが、互いの指の間で緩く回った。
『これ、大きかったな。いつかちゃんとしたの、買い直すから』
『良いよ、大丈夫。これ大事にするから。初めてくれたプレゼントだもん』
はにかむように笑んだ桃色の唇に、自分の唇をそっと重ねた。一瞬ですぐ離れた後、随分近い距離で目が合ってしまって、お互い照れくさくて笑ってしまった。
***
―記憶の海から、意識が引き戻される。
そっと、元々置いてあったらしい場所にカレンダーを戻した。よく見てみれば、カレンダーは去年のものだった。
部屋の中を見渡す。ここはきっと、恋人が出て行った後そのままになっているのだろう。
『……俺、結構本気で好きだったんだよ―』
そう呟いた僅か一時間後に、他の男と抱き合って。
自分が体を開くのは初めてだっただろうに、慣れたふりをして意地を張って。
本当は、寂しくてたまらないくせに。
もう一度、戻した卓上カレンダーを手に取った。日付をしっかり確認する。
どうしたら喜んでくれるかなんて分からないけれど、少しでも何かしてあげたい気持ちになっていた。
今日、初めて見せてくれた笑顔は、とても優しくて綺麗だったから。
体が半分ベッドから落ちかけたせいか、ふと目が覚めた。
しっかりと締め切らずに隙間の空いているカーテンの向こうには、蒼くなりかけた空が見えている。明け方に近い時間なのかもしれない。
いつもと肌触りの違うシーツは、かなり皺が寄ってしまっている。壁側に体を向けると、人肌の温もりが触れた。
仰向けに寝ていた慶一さんが、薄っすらと目を開ける。
「ごめんなさい、起こして」
「もう、朝……?何時……」
「まだ大丈夫です、寝ていてください」
ずり下がった掛け布団を肩まで掛け直してやりつつ、脱ぎ散らかした服の山から手探りで、自分の下着を手に取る。
「お手洗い借りますね」
微かに頷いてまた目を閉じた慶一さんの、乱れた前髪をすく。
手触りが少しだけ、似ている気がした。
セミダブルのベッドから起き上がり、下着を身に着けてからなるべく静かに部屋を出る。
明かりの消えた廊下に出て、トイレを探した。
人の家のトイレの場所といのは、知らないと意外と分からないものだ。ここだろうかと見当をつけ、隣の部屋のドアノブを回す。
ばさっ、と何かが扉に当たって落ちる音がした。
「……?」
部屋に入ると、どうやらトイレではなかったらしい。簡易なシングルベッドと勉強机のようなデスク、それに小さな本棚が置いてあるのが目に入る。
足元に落ちた物を拾い上げる。見ると、卓上カレンダーだった。さっき引っ掛けたのはこれだったらしい。入ってすぐ右手にあるカラーボックスの上にでも載っていたのだろう。今月のページに戻しておこうと思い、紙をめくる。
ふと、手が止まった。
今月のページの、月末に大きく赤丸で印がされている。
『慶ちゃん、誕生日!』
「慶ちゃん……?」
その呼び方に心当たりはなかったが、ピンときた。
なるほど。この部屋は、同棲していた元恋人の―。
今日、俺の仕事部屋に慶一さんが残していったメモの几帳面な筆跡とは全然違う、柔らかく丸っこい字を指でなぞる。
そうか。もうすぐ誕生日なのか。
『誕生日?』
―記憶が。
『そ!ちゃんと覚えとけよ―』
五年前へ、遡る―。
***
『誕生日?』
『そ!来週の土曜日だからな。ちゃんと覚えとけよ』
俺と付き合い始めた頃、朔也の髪色はピンクではなく透き通るような金髪だった。不思議と派手ではなく、色の白い肌によく映えていたのを覚えている。
『何か欲しい物とかある?』
『んー?』
『食べたい物とか。行きたいところは?』
『ばーか』
ぱちん、と軽くデコピンされた。
『そういうのはさ、当日まで内緒にしておいてサプライズするもんなの!』
『サプライズって、どんな?』
『俺に聞いちゃ意味ないだろっ』
何も思い浮かばず困っていたら朔也は、そうだなー、と少し考えてから言った。
『たとえば、ケーキに花火とか』
『ケーキに花火?』
『うん、そうだな。それがいい!』
良いことを思いついたとばかりに嬉しそうに笑ったから、一生懸命考えて準備したのだ。
ホテルのスイートを予約して、ホールケーキのルームサービスを頼んだ。当日は、パノラマの夜景を見ながら花火を打ち上げてもらった。
『誕生日、おめでとう』
大真面目な顔で言ったら、これ以上ないほど大笑いされた。
『ちょ、お前凄すぎ。何なのこれ!』
『え、違うのか?自分で言ったじゃないか』
『スケールが違いすぎるよ!』
笑い過ぎて目じりに涙まで浮かべながら、朔也は小柄な体で背伸びして、何か間違ったのかと困惑している俺に抱き着き、耳元で囁いた。
『もう、ほんとに……ありがと、雅孝。愛してるぜ』
喜んではくれたみたいだけど何かが間違っていたんだろうと思い、翌年の誕生日前には、今年こそはと必死で調べた。
それまで使った事の無かったSNSで調べてみたり、本屋の雑誌コーナーで調べたりしているうちに、朔也が言っていた事の正解をようやく見つけた。
『―そうそう、こういう事!』
駅近のイタリアンバルで食事した後、運ばれてきたケーキに刺さった小さな花火を見て、朔也は楽しそうに笑った。
『ちゃんと学習したんだな。えらいえらい』
からかうように頭を撫でてきた朔也の手を、軽く払いのけた。
『俺、ちょっとムカついてるんだけど』
『へ?何で』
『前付き合ってた相手に、こういう事してもらってたって事だろ』
『誰の話?』
『だから、俺と付き合う前に。こういう事を自分がしたのか、してもらってたのかは知らないけど』
近くの席で、同じように花火の刺さったケーキをみてはしゃぐ女の子達がいたのを覚えている。流行りに疎い俺が知らなかっただけで、世間ではよくある祝い方だったのだ。
だからつまり、朔也も以前の恋人と経験があるのだと思い込んで、勝手に嫉妬していた。
『何言ってるの?』
朔也は、本気で困った顔をしていた。
『俺、誰かと付き合うの……雅孝が初めてなんだけど』
『は?』
『ああ、これ?』
ほとんど火花が散り終わって、小さくなった花火を指さした。
『これはさー……俺の憧れだったから。恋人からこんな風に、特別な祝われ方されたら幸せだろうなーって。ずっと羨ましく思って見てたんだ』
『……』
『言っとくけど俺、ファーストキスだったんだぞ。あんな風にあっさり奪ってくれちゃって』
少し唇を尖らせて、上目遣いに俺を見てきた。
『自分こそ、俺で一体何人目だよ』
『初めてだよ』
『嘘つけ』
『まじで。初恋だよ。生まれて初めて、一目惚れした』
『え……』
茶色の瞳が揺れ動き、行き場を無くしたようにテーブルの上に視線が落ちた。
薬指にシルバーの指輪をはめた小さな手の上に、そっと自分の手を載せた。咄嗟に引っ込めようとしたのを捕まえて、指を絡ませた。
サイズが分からず勘で買ったシルバーのリングが、互いの指の間で緩く回った。
『これ、大きかったな。いつかちゃんとしたの、買い直すから』
『良いよ、大丈夫。これ大事にするから。初めてくれたプレゼントだもん』
はにかむように笑んだ桃色の唇に、自分の唇をそっと重ねた。一瞬ですぐ離れた後、随分近い距離で目が合ってしまって、お互い照れくさくて笑ってしまった。
***
―記憶の海から、意識が引き戻される。
そっと、元々置いてあったらしい場所にカレンダーを戻した。よく見てみれば、カレンダーは去年のものだった。
部屋の中を見渡す。ここはきっと、恋人が出て行った後そのままになっているのだろう。
『……俺、結構本気で好きだったんだよ―』
そう呟いた僅か一時間後に、他の男と抱き合って。
自分が体を開くのは初めてだっただろうに、慣れたふりをして意地を張って。
本当は、寂しくてたまらないくせに。
もう一度、戻した卓上カレンダーを手に取った。日付をしっかり確認する。
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