4 / 4
最高の矛盾
しおりを挟む
堂田「つまり、この時点で豊臣の公儀がこのまま続くと思っていたのはいない。と言うこと?」
波子「そうだろう?それが当時の常識だ。勿論、政体を守ろうとした奴はいる。政体によって権力を保持する集団。自分の所領より、主に官僚的役割によって権力をもってたやつと、そいつらに助けて貰わないと所領だけではやっていけないやつ」
堂田「秀吉もそれは承知してた。だから徳川や毛利という五大老に頼みこんだわけだ」
波子「そうだね。おそらく秀頼が天下人になれない事を一番知ってたのが秀吉だろう。だから公家化を進め公武一体の権力保持機能を模索した。」
堂田「三成や刑部、兼続は政体を守ろうとした側?」
波子「うん。でもそれが仇になった。三成と刑部は毛利の動員する数を頼みにせず、戦国武将らしく自分の力だけで大坂城近くの堅城に立てこもるべきだった。膠着状態さえ作れば家康は歩みよってくる。実際。毛利のいる大坂城に攻めかかれ無かったろう?交渉は開始した。」
堂田「歩みよるかなあ。というか歩みよりを石田三成たちが許可するかな?」
波子「するしかないだろ?家康との個別の私闘になるととても勝ち目ない」
堂田「でも関ヶ原で戦端は開いてしまった」
波子「せめて外に陣を立てないで白兵戦を避け、いくつかの城郭に立て篭もりしてたならなあ」
堂田「一日じゃあ終わらなかった。」
波子「つまり、天下分け目の合戦にはなりえなかったって事だろう?」
堂田「まあそう考えれば、ですが。だいたい毛利は大坂城にこもってどうして動かなかったんだろう?」
波子「さっき言ったろ。毛利を天下人にして、豊臣公儀を守るには、それが正解だったんだ。三成らもそれぞれの拠点にこもってそうしたかったはずだ。」
堂田「まさかあ、篭ってたんじゃ謝罪させるにしたって家康を追い詰められないじゃないですか?」
波子「じゃあ、君は家康と毛利は決戦したかったと言うわけ?」
堂田「それはそうでしょう。いつまでたってもグダグダじゃないですか?」
波子「グダグダにしたかったのかもよ?」
堂田「何のために?」
波子「秀頼の成人待ちと年寄りの退場待ち」
堂田「秀頼の成人待ちはいいとして、年寄りの退場って?」
波子「あと本当の政治的実力者は家康だけだろ?独眼竜と島津は遠すぎるし良くわからないけど、中央には輝元、景勝、秀家、秀秋しか残ってないじゃん。如水さんもいたか。」
堂田「如水さんも遠いし勢力的には大物ではないですよね。太閤世代の大物は家康で完全終了ってことになりますね」
波子「家康が退場してくれれば、奉行たちによる公儀が完成するか、棚ぼた天下人の輝元がひと暴れするか?」
堂田「輝元は棚ぼたどころか貧乏籤引いたみたいな印象が。」
波子「三成と刑部あたりが戦場にでないで籠城できてたら、奉行公儀と親族大老とで一悶着あるだろうしねぇ」
堂田「最近は輝元にも野望があったみたいな資料もでてるみたいですし」
波子「そりゃあるだろう。弄せずして立場的には天下人なんだし」
堂田「元就公の遺訓が」
波子「またそんなこと言ってる」
堂田「吉川広家の行動は?」
波子「全方位の一つだろう?作戦通り長期化したら広家は秀秋を出し抜いてキャスティングボードを握れたわけだ。」
堂田「広家は毛利の血筋だけど、秀秋は違う。毛利両川を知ってると小早川も吉川も毛利の一部みたいな感じがするけど、秀秋は小早川の大将というより豊臣政権の一部なんですよね」
波子「秀秋と秀家は秀吉に育てられたようなもんだからね。一門衆みたいなモノだよ」
堂田「でも小早川は毛利の一部でもありますよね?」
波子「それを言ったら当時の大大名のほとんどみんな豊臣の一部なんだから、天下分け目どころか内部の揉め事のケリを戦でつけようとしただけだろう?小泉が言ってた自民党を壊すみたいなもんだよ。壊さずに自分の味方を増やそうとしただけ。」
堂田「揉め事の原因を作ったのは、家康で秀秋の裏切りで勝利。」
波子「秀秋は裏切ったわけじゃないよ。広家と同じように両方に角が立たないように動いてただけだ。そもそも彼の主君は秀頼で、毛利でも徳川でもない。」
堂田「でも秀頼は毛利に担がれてるわけで」
波子「秀頼近辺から直接的に家康や股肱の大名達と動くよう言われてたのかもしれないよ」
堂田「でも秀秋は徳川の拠点だった伏見城攻略には毛利側として参加してますよ?」
波子「秀頼に対して家康を謝らせることには秀秋も同意してただろうからね。でも大規模夜戦を福島とかとやらされるなんては思ってなかったんじゃないか?そもそも伏見城は太閤さんの城だ。豊臣政権から譴責を受けてる徳川方が不法に占拠してるだけだろう?徳川方が伏見城を開け渡せば戦闘はなかったかもしれない。秀秋は毛利側でも徳川側でもなくあくまても豊臣側なんだ。」
堂田「そんな、小早川はさっき通った松尾山に先に布陣していた奴らを退けてまで布陣したんですよ?やる気満々じゃないですか?」
波子「先に誰か布陣してたの?」
堂田「そうです。松尾山に布陣してたのは大垣城主の伊藤なんとか。この人の居城だった大垣城は西軍の拠点に提供されてます」
波子「なるほど毛利と奉行達が決めた配置を無視したわけだ。じゃあ最初から毛利とか奉行の味方するつもりなかったのかな。」
堂田「なんでそうなるんですか?」
波子「秀秋はキャスティングボードを握る気満々だっただけだよ。秀頼にとっての最強の盾であり、最強の矛になろうとしたんじゃないか?」
そうこう話してるうちに二人は、関ヶ原散歩を終えて待ち合わせ場所の関ヶ原駅に辿りついた。駅の出口で待っていたのは豹柄でキメた熟女つまりは、依頼者である。
波子「そうだろう?それが当時の常識だ。勿論、政体を守ろうとした奴はいる。政体によって権力を保持する集団。自分の所領より、主に官僚的役割によって権力をもってたやつと、そいつらに助けて貰わないと所領だけではやっていけないやつ」
堂田「秀吉もそれは承知してた。だから徳川や毛利という五大老に頼みこんだわけだ」
波子「そうだね。おそらく秀頼が天下人になれない事を一番知ってたのが秀吉だろう。だから公家化を進め公武一体の権力保持機能を模索した。」
堂田「三成や刑部、兼続は政体を守ろうとした側?」
波子「うん。でもそれが仇になった。三成と刑部は毛利の動員する数を頼みにせず、戦国武将らしく自分の力だけで大坂城近くの堅城に立てこもるべきだった。膠着状態さえ作れば家康は歩みよってくる。実際。毛利のいる大坂城に攻めかかれ無かったろう?交渉は開始した。」
堂田「歩みよるかなあ。というか歩みよりを石田三成たちが許可するかな?」
波子「するしかないだろ?家康との個別の私闘になるととても勝ち目ない」
堂田「でも関ヶ原で戦端は開いてしまった」
波子「せめて外に陣を立てないで白兵戦を避け、いくつかの城郭に立て篭もりしてたならなあ」
堂田「一日じゃあ終わらなかった。」
波子「つまり、天下分け目の合戦にはなりえなかったって事だろう?」
堂田「まあそう考えれば、ですが。だいたい毛利は大坂城にこもってどうして動かなかったんだろう?」
波子「さっき言ったろ。毛利を天下人にして、豊臣公儀を守るには、それが正解だったんだ。三成らもそれぞれの拠点にこもってそうしたかったはずだ。」
堂田「まさかあ、篭ってたんじゃ謝罪させるにしたって家康を追い詰められないじゃないですか?」
波子「じゃあ、君は家康と毛利は決戦したかったと言うわけ?」
堂田「それはそうでしょう。いつまでたってもグダグダじゃないですか?」
波子「グダグダにしたかったのかもよ?」
堂田「何のために?」
波子「秀頼の成人待ちと年寄りの退場待ち」
堂田「秀頼の成人待ちはいいとして、年寄りの退場って?」
波子「あと本当の政治的実力者は家康だけだろ?独眼竜と島津は遠すぎるし良くわからないけど、中央には輝元、景勝、秀家、秀秋しか残ってないじゃん。如水さんもいたか。」
堂田「如水さんも遠いし勢力的には大物ではないですよね。太閤世代の大物は家康で完全終了ってことになりますね」
波子「家康が退場してくれれば、奉行たちによる公儀が完成するか、棚ぼた天下人の輝元がひと暴れするか?」
堂田「輝元は棚ぼたどころか貧乏籤引いたみたいな印象が。」
波子「三成と刑部あたりが戦場にでないで籠城できてたら、奉行公儀と親族大老とで一悶着あるだろうしねぇ」
堂田「最近は輝元にも野望があったみたいな資料もでてるみたいですし」
波子「そりゃあるだろう。弄せずして立場的には天下人なんだし」
堂田「元就公の遺訓が」
波子「またそんなこと言ってる」
堂田「吉川広家の行動は?」
波子「全方位の一つだろう?作戦通り長期化したら広家は秀秋を出し抜いてキャスティングボードを握れたわけだ。」
堂田「広家は毛利の血筋だけど、秀秋は違う。毛利両川を知ってると小早川も吉川も毛利の一部みたいな感じがするけど、秀秋は小早川の大将というより豊臣政権の一部なんですよね」
波子「秀秋と秀家は秀吉に育てられたようなもんだからね。一門衆みたいなモノだよ」
堂田「でも小早川は毛利の一部でもありますよね?」
波子「それを言ったら当時の大大名のほとんどみんな豊臣の一部なんだから、天下分け目どころか内部の揉め事のケリを戦でつけようとしただけだろう?小泉が言ってた自民党を壊すみたいなもんだよ。壊さずに自分の味方を増やそうとしただけ。」
堂田「揉め事の原因を作ったのは、家康で秀秋の裏切りで勝利。」
波子「秀秋は裏切ったわけじゃないよ。広家と同じように両方に角が立たないように動いてただけだ。そもそも彼の主君は秀頼で、毛利でも徳川でもない。」
堂田「でも秀頼は毛利に担がれてるわけで」
波子「秀頼近辺から直接的に家康や股肱の大名達と動くよう言われてたのかもしれないよ」
堂田「でも秀秋は徳川の拠点だった伏見城攻略には毛利側として参加してますよ?」
波子「秀頼に対して家康を謝らせることには秀秋も同意してただろうからね。でも大規模夜戦を福島とかとやらされるなんては思ってなかったんじゃないか?そもそも伏見城は太閤さんの城だ。豊臣政権から譴責を受けてる徳川方が不法に占拠してるだけだろう?徳川方が伏見城を開け渡せば戦闘はなかったかもしれない。秀秋は毛利側でも徳川側でもなくあくまても豊臣側なんだ。」
堂田「そんな、小早川はさっき通った松尾山に先に布陣していた奴らを退けてまで布陣したんですよ?やる気満々じゃないですか?」
波子「先に誰か布陣してたの?」
堂田「そうです。松尾山に布陣してたのは大垣城主の伊藤なんとか。この人の居城だった大垣城は西軍の拠点に提供されてます」
波子「なるほど毛利と奉行達が決めた配置を無視したわけだ。じゃあ最初から毛利とか奉行の味方するつもりなかったのかな。」
堂田「なんでそうなるんですか?」
波子「秀秋はキャスティングボードを握る気満々だっただけだよ。秀頼にとっての最強の盾であり、最強の矛になろうとしたんじゃないか?」
そうこう話してるうちに二人は、関ヶ原散歩を終えて待ち合わせ場所の関ヶ原駅に辿りついた。駅の出口で待っていたのは豹柄でキメた熟女つまりは、依頼者である。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる