播磨国風土記

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伊和大神の足跡

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播磨國風土記

ここでは、播磨風土記を通じて古代史や神話を考えて行こうと思っております。
どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
まずは「播磨一宮」のご紹介です。

伊和坐大名持御魂神社
通称 伊和神社[いわじんじゃ]
兵庫県宍粟郡須行名。旧国幣中社(現別表神社)。
主祭神 大己貴神 
配神 少彦名神、下照姫神
伊和神社は第13第成務天皇甲申歳(西暦144年)の創祀と伝えられている。この神社の周辺は縄文早期の遺跡を始め中期後期に及ぶ一連の縄文土器が出ている。また銅鐸が後背の山麓から出ている。『延喜式神名帳』に伊和坐大名持御魂神社とある。この社名が示す通り、国土開発に尽されたオオナムチ(伊和大神・大国主命)が、この伊和の地に鎮まったという由緒をもつ名社であり、播磨国の「一の宮」でもある。



伊和大神の足跡その一

播磨国風土記に登場する播磨の大神、宍粟郡一宮町の播磨一宮に鎮座する伊和大神は、出雲大国主の異名の一つとされています。

大国主については、ヤマト朝廷成立前に日本列島の王であった実在の人物を神格化したもの、またはヤマト朝廷による日本統一が進められる以前に全国各地を支配していた地域ごとの首長を一つの神格に統一したもの、などといわれています。

その地域ごとの首長の中で播磨を支配していた首長を神格化した神を伊和大神(風土記の中では他に、大神・大汝命・葦原志挙乎命・大穴持命などとも表記されている)と呼んでいたのではないかという意見が一般的なものだと思われます。つまり本来出雲の大国主とは無縁の神であるということです。それがヤマト朝廷によって創り出された「出雲の大国主」という大きな神格の一部となったということです。各地に存在した前時代の勢力、政権を大国主一神に集約したということになります。

しかし、一方で伊和大神神は出雲からやってきた神であると播磨風土記は言います。

1・讃容の郡、柏原の里 筌戸(うへと)

「大神が出雲からやって来たとき、嶋の村の岡を呉床(腰掛け)にして筌(魚をとる道具)をここを流れている川にしかけたのでこの地を筌戸と呼ぶこととなった。しかし魚は取れなかったので大神は結局この土地を去ることになった」

とあるように、播磨での最初の拠点といえば大げさかも知れませんが、いずれにしても出雲から播磨にやってきたばかりの伊和大神は筌戸の地で魚をとろうとした。つまり第1歩を筌戸の地に刻んだということだと思います。

2・讃容の郡(さよのこおり)


佐用都比売神社鳥居 本殿 佐用の森
讃容の佐用都比売(おそらくは、巫女神)と夫婦神として登場し、妻神の呪術(鹿の生き血で浸した種籾をたった五月の夜一晩で育てた・五月夜=さよ、から讃容の名がつけられた)の冴えを目の当たりにしたばかりに、おそれて讃容の郡から出て行きます。

3・宍禾の郡(しさわのこおり)

伊和大神が次ぎに訪れるのは後々まで本拠地となる宍禾の郡(しさわのこおり)です。現在の伊和神社が建っている宍粟郡一の宮町です。宍禾の語源、伊和大神がこの地にやって来たときに、鹿に遇われたことが由来になっています。「鹿に遇われた」が「ししあわ」。それがなまって「しさわ」と呼ぶようになったということです。

何はともあれ、山を越えて遠い出雲の国からはるばると道無き道を播磨の国までやってきた伊和大神は、讃容の郡から宍禾の郡へ移り、ここで力を蓄えて播磨平定に乗り出す事になるのです。

【宍粟郡一ノ宮町伊和神社は国道29号線(因幡街道)沿い。中国縦貫自動車道 山崎インターを北へ10分、鳥取方面を向いて左手に神社、右手に駐車場があります。バス便(神姫バス)あり、近くに鉄道は通ってません】

※伊和神社(伊和坐大名持御魂神社・いわにいますおおなもちのみたまじんじゃ)延喜式名神大社。旧国幣中社。

風鎮祭。何か気になる祭ですよね?風葬に関係しているのか???そういえば、播磨国の埋文の中に『風鐸』なるものもあるらしい。「風」は御魂そのもの、なのだろうか?出雲関連で風の神といえばオ大国主の御子神イセツヒコこと出雲建子命、一説には古事記のタケミナカタのことともいいます。

また、背後の山から銅鐸が出土している。まさしく出雲の系譜を継ぐ神社であろう。

縄文遺跡、弥生遺跡も境内および周辺各地にあり、相当古くからの祭祀場であったことが推測それています。また背後の山にはイワクラがあり、三輪山の祭祀形態にも近いと思われます。そういえば、「イワ」と「ミワ」。何やら共通のものが感じられる発音だと思います。

出雲から大和へ。その中継点にあたる播磨に両者の性格が現れているのは、大国主東遷説の一つの根拠になり得るのかもしれません。

現在の本殿は入母屋造で大社造りではありませんが社殿が一般的な南向きではなく、北向きに建てられていることから、出雲大社の大国主の神座が西向きであることから推論した怨霊封じ込め説と同様の説も存在する。

また別の説として、本殿の裏の鶴石には、【欽明天皇甲申歳(西暦564年伊和恒郷(いわのつねさと)という人に『われを祀れ』との御神託があり、一夜のうちに杉・桧等が群生して多くの鶴が舞っており、大きな白鶴が2羽石上に北向きに眠っていたのでそのところに社殿を造営した】という言い伝えもあり、社殿が北向きであるのもそのためであるという説もある。
実質的な創建についても、延喜式神名帳にその名があることから、遅くとも8世紀には、ある程度以上大きな宮、社があったものと思われます。

808年(平城天皇大同三年)神封一三戸を充てられる。
881年(陽成天皇元慶五年)正四位下に叙せられる。
『延喜式』では名神大社に列せられる。
神事として特筆すべきものとしては、
【六一年目ごとに甲子年の春行われる三ツ山祭】
【一〇月一六日の渡御祭】
【二百十日の一週間前に夕方より神前広場で油石灯をともす風鎮祭】
などが挙げられる。

1816年(文久元年)社殿建立。本殿は入母屋造。
1858年(安政五年)拝殿及び幣殿建立。

本殿背後の境内地に神鳥が飛来したと伝えられる神跡の霊石が残されてあるのにも注目。左が霊石の『鶴石』の写真。
このページの写真は高見氏提供。



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