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スクナヒコナの正体

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スクナヒコナと両面宿儺についてのトンデモ2003/1/29




写真は、大田市静間町の静之窟外観。
岸壁に開いた洞穴に大国主とスクナヒコナが奉ってある。
否が応でも、「海」を意識させられる「神域」である。
当地の伝説では、二神はここに鎮まっていることになっている。
出雲に似た響きの外国、インド。出雲海洋民の源流はインドなのか?


さて、スクナヒコナである。

彼はどうして出雲にやってきたのだろう??

出雲側からみれば、彼の知識は国造りという開発事業をもたらした事からも「客人神信仰」の一種ではある。しかし彼は国造りの途中どこかへ言ってしまう。

黄泉の国へ行ったというのは、つまり死んだという事ともいうが、ここで新たな可能性を追求したい。

出身地へ帰っていったと考えてみたい。そこで問題なのが出身地である。

突然だが、私は出雲国造りの年代をおおよそ紀元前3世紀から紀元前2世紀にかけての出来事だと思っている。この時代は大陸では秦末の混乱があり、漢の統一が進められた時代でもある。そしてアショーカ王の仏教の布教がインドの海洋民や放牧民によって東西南北に発信された直後の時代でもある。

そう、インドといえば米作起源地の一つである。

「稲を運ぶ」というのはオオナモチスクナヒコナの得意技の一つである。
彼らが置いた稲の束は山や丘へと変化する。

これは、各地の風土記での丘の傾斜地や盆地の地名説話にも現れている。

ここでちょっと眉唾な伝承を紹介しよう。

滋賀県にはアショーカ王の石塔なる遺物が今も存在する。

アショーカ王の命令によって仏教を広めに来た者が滋賀まで辿りつき、その証として立てていったという伝説があるのだ。確かにこの石塔が建てられた年代は古いそうだが、この時期に符号するかどうかは解らない。

さらに、滋賀から少し離れてはいるが岐阜県には{両面宿儺}なる怪物伝承が残されている。両面宿儺とは背中同士が貼り合わさり(多数の敵に囲まれた二人の侍が背中をつけて前後を守りあっている状態??)、体の前後がない妖怪で、洞窟に暮らしていたらしい。いわゆる穴居人、ツチグモなのかもしれない。縄文人も穴居生活をしていたらしい。因みに「儺」の文字は「オニ」つまり「人外のモノ」を指すらしい。

だが、近年の発掘で縄文期の人々は巨木文化の担い手でもあることがハッキリしてきた。縄文、弥生、古墳など古代人を時代ごとに一括りに考えるのは無理がでてきたといっていいだろう。

もうひとつ、石の宝殿といえば姫路のお隣で高砂である。ここにもアショーカ王に纏わる伝説が存在するらしい。詳しくは知らないが何やら「鐸」と関係するらしい。石の宝殿だけに石鐸でもあるのか???

因みに石の宝殿にはとても大きな人工的に削ったような巨石があるのは有名だ。物部氏もしくは蘇我氏の遺物であるという説、オオナムチスクナヒコナの手によるものという話もある。(播磨風土記 石の宝殿 生石神社参照)



この写真が宝殿の巨石である。
石の高さは六メートルで、
天辺の広さは七メートル四方
の面積を誇る。



いずれも、詳細な推定年代は不明である。両面宿儺に限っては日本書紀の仁徳紀に記されているようであるが、仏教・ヒンズー教的というか東南アジア系要素が「(巨)石」にには在るのだろうか??そう言えば「石貨」なる石の貨幣が東南アジアのどこかの島で現在も使われているという話もどこやらで伺ったことがある。

北方=巨木、南方=巨石というような源流文化があるのかもしれない。

そう言えば、スクナヒコナの変わりに大国主の国造りを手伝うことになる「大物主」は物部氏との縁が深いという説も存在する。「石の宝殿」という土地で物部氏とスクナヒコナの伝承が交錯しているのかもしれない。

聖徳太子の時代に行われた物部から蘇我への権力移動は、大国主のコンビ相手がスクナヒコナから大物主へと移り変わるという神話に何かしらの影響を与えているのかもしれない。

さて両面宿儺である。妖怪扱いするところを見ると両面宿儺と仁徳朝の者たちは生活風習は勿論の事人種や使用言語が違っていたのだと思う。つまり彼らは倭人でも韓人でもなかった。

「スクナ」とは、ずっと職名の「宿禰(すくね)」が由来だと思ってました。がしかし妖怪(外国人?)に名前が使われているということは、何かもとになる音があってそれを古代倭語であらわすと「すくな」という表記に近い音になるのではなかろうか?そして官名の「宿禰」は外人担当の役人を指すのか??

スクナヒコナの「スクナ」は「小さい」という意味だと今の今まで思っていたが違うのかもしれない。ある特定の人種を指す言葉ではなかったろうか?

宿禰が役職名となる以前の「スクナ」「宿儺」の特徴を集めて見よう。

1・倭人ではない
2・洞窟や山地が好きなようだ
3・小さい?
4・米作りに関係している
5・やってきてどこかへ行く
6・山や丘が好きだ

うん?何も解らない。別の側面から考えて見よう。

どこからかやって来た事だけがハッキリしているスクナヒコナの乗ってきた船は、どんなものか??

「羅摩船」である。「かがみのふね」と読む。音読みすると「ラマ船」である。「ラマ」?何やらインドや東南アジアの響き?(強引な展開ですいません)。

強引ではあるが、ここでスクナヒコナはインドからきた海洋民だったと仮定してみよう。東南アジアやインドには、ワニがいる。ワニといえば水神クンピーラである。日本では金毘羅さんとして有名だ。金毘羅といえば、大物主。大物主といえばスクナヒコナの後釜。大国主と同一の神格と考えられている。

そして因幡の白兎とそっくりな説話がインドにはある。大国主が、白兎を助ける話である。この話は決して人情厚き大国主だけを表しているのではなく、医療技術と薬の知識が出雲にあったという事を指し示している。しかしこの話の内容自体が日本列島まで伝わったというのが面白いところだ。記紀編纂時までに大国主の話として定型化していたのだとすれば、仏教公伝よりも相当前に説話のかたちでつたわったのだろう。

日本書紀によれば、オオナモチスクナヒコナはオオミタカラに様様な農業技術や知識を諸国をめぐり教え伝えたという事になっている。技術や知識と同時にインドラや白兎の神話も日本各地にひろまったのだろう。

話がそれたが、インド東南アジアとスクナヒコナである。もしスクナヒコナやその他のスクナ達がインド周辺から海をわたってきたのなら、古代インドの何かが日本に伝わっているはずである。それがアショーカ王の石塔、因幡の白兎などの説話ではなかろうか??

ここで一端、両面宿儺に話を戻そう。

両面宿儺は、スクナヒコナと違って悪神の要素を持っている。スクナヒコナを出雲族関係者と認識すれば同じように天孫族に滅ぼされたのだが、こちらは好いところなしどころか化け物扱いだ。

同じくインド周辺からの渡来者だとすればこの差は何か??

答は簡単である。両面宿儺の持ってきたものは既に倭国にあったのだ。そうなれば外国人を取りたてて持ち上げなくてもよいのではないか。教えてもらう事、新しい事を両面宿儺は倭国の民や指導者に持ち込まなかったのだ。それどころか新参の宿儺は治安だけは乱す邪魔者でしかない。仁徳朝の記録は、まるでどこかの知事のような言い分だ。

ここで注意したいのは、スクナヒコナも両面宿儺も何も倭国に良い物を持ち込む事が目的でわざわざ船に乗ってきたのではないのだ。交易が目的か?それもあるだろうが港でなく、山の中に入り込むメリットがそれでは丸きり無くなってしまう。

しかも飛騨の山奥である。飛騨の山に両面宿儺は何を求めてやってきたのか?
スクナヒコナも何故船に乗らず大国主と共に列島中の山や丘を巡ったのか?
そしてどうして中途半端で消えたのか?

唐突ですが、私は、スクナヒコナは銅山や鉱山を探しにやってきたのではないかと疑問視している。

紀元頃にあれだけの青銅器を鋳造するためには、それよりも前から、青銅器の原料を取り出すための鉱山知識は出雲に伝えられていたのではないかと思うからである。

出雲の王たる大国主の嘆きを無視したように起こったスクナヒコナの「唐突な消滅」は己の目的の終了と共に、スクナヒコナが鉱山発見の仕事を果たし、自発的に出雲の地ひいては日本列島を離れることを意味しているのではなかろうか?

スクナヒコナが何処へ帰ったかどうかは何処から来たかと同じくらいの「謎」である。

出身地に帰って、東のはての日本列島は火山の国で鉱山でいっぱいだったと宣伝したのかもしれない。両面宿儺はその伝説を元にインドの周辺から鉱山の国目指してやってきたのかもしれない。彼らは倭人や韓人らから見れば異様な格好をし、飛騨の山奥で穴を掘って生活してたらしい。

一説によると神武天皇に天皇の位を授けたのは誰在ろう両面宿儺だとも言う。その儀式は飛騨の山中の位山で行われたらしい。飛騨の山奥で彼ら東南アジアからの探検者たちは鉱山を探していたのではないだろうか??
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