サイレンス・コード ~歪んだ愛情の果てに~

魔王の下僕

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第9話:屈辱のクレッシェンド(※R18)

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「や…やめろ…!さわんな…!」
いつき最後さいごちからしぼり、必死ひっしよじって抵抗ていこうした。だがれいからだきたかれており、その腕力わんりょく容赦ようしゃがない。わずかな抵抗ていこうなど意味いみもなく、簡単かんたんにベッドにたおされる。
なにいまさら遠慮えんりょする必要ひつようがある?おまえはもうとっくにおれのものだろう?そのこえも、そのからだも、その生意気なまいきたましい欠片かけらいたるまで…全部ぜんぶな」
耳元みみもとささやかれるこえひくあつく、悪魔あくま吐息といきのようだった。れいしたいつき耳朶みみたぶあまむ。その瞬間しゅんかんいつき背筋せすじをぞくりとしたあらがえない官能的かんのうてき快感かいかんはしった。同時どうじに、たましいよごされるような強烈きょうれつ嫌悪感けんおかんがこみげる。
「ふざけんな…!だれがあんたなんかの、ものかよ…っ!」
「まだそんなくちくか、この不良品ふりょうひんめ。いいだろう、その生意気なまいきくちおれ名前なまえ以外いがいなにささやけなくなるまで、徹底的てっていてき可愛かわいがってやる」
れいくちびるが、有無うむわせずいつきくちびるふさいだ。それはあのはじめてのよるの、戸惑とまどいをめたやさしいキスとはまったくの別物べつもの。ただ荒々あらあらしく、支配的しはいてき一方的いっぽうてきなキスだった。抵抗ていこうするいつきあご万力まんりきのようなちからつかみ、した強引ごういんにねじんでくる。口内こうない蹂躙じゅうりんするようにひろがるのは、にがくてあま独裁者どくさいしゃあじ
れい獲物えもの解体かいたいするように、いつき身体からだ隅々すみずみまで執拗しつようさぐり、敏感びんかん箇所かしょ的確てきかくかつ容赦ようしゃなく刺激しげきしていく。屈辱くつじょくいかりにかおゆがめながらも、いつき否定ひていしがたい完璧かんぺきな「からだ相性あいしょうさ」をみとめざるをなかった。皮肉ひにくなことに、自分じぶん意思いしとは裏腹うらはらにそのからだねつび、うずくようにあつくなっていく。
「…んんっ…ぁっ…や…だ…やめろ…っ」
途切とぎ途切とぎれのあえごえともれる、かぼそ拒絶きょぜつ言葉ことば。しかしれいにとっては最高さいこう媚薬びやくでしかなく、かれのサディスティックな欲望よくぼうをさらにあおるだけだった。
「やだ、か?だがおまえからだ正直しょうじきだな、いつき。こんなにもあつらして…こころそこではおれにこうしてめちゃくちゃにされることをもとめているじゃないか」
れいいつき弱点じゃくてんすべ熟知じゅくちしていた。耳元みみもとささやかれる脳髄のうずいかすような猥雑わいざつ言葉ことば首筋くびすじ内腿うちももへの所有しょゆういんきざみつけるような執拗しつようなキス。そして躊躇ちゅうちょなく核心かくしんへとばされるあつかたゆびいつき必死ひっし抵抗ていこうするが、そのたびれい冷酷れいこく支配しはいつよまる。快楽かいらくというたましいくさんばかりの屈辱くつじょくが、いつき全身ぜんしん何度なんど何度なんどつらぬいていく。

「あ…あぁっ!れ…い…っ、も、やめ…ゆるし…て…っ!」
いつきひとみからは生理的せいりてきなみだめどなくあふす。それは純粋じゅんすいくやしさか、あらがえない快楽かいらくへの降伏こうふくか。それとも、もう二もとにはもどれないという決定的けっていてき絶望ぜつぼうか。
れいはそんないつき苦悶くもんゆが表情ひょうじょうを、かみ創造物そうぞうぶつながめるように恍惚こうこつと、そして冷酷れいこくながめながらさらにふかく、さらにはげしく、いつきすべてを自分じぶんのものにしようともとめた。かれの「俺様おれさま気質きしつは、このにおいて純粋じゅんすい一切いっさい躊躇ためらいをたないS気エスっけへと変貌へんぼうげていた。いつき心身しんしんともに完全かんぜん屈服くっぷくさせ支配しはいすることに、かれ無上むじょう倒錯的とうさくてきよろこびをかんじているようだ。いつきれいつくわりなき快楽かいらくなみ何度なんど何度なんどまれ、思考しこうしろまり意識いしきとおのいていくのをかんじる。れいへのはげしいにくしみがげてくる。
だがこのおとこなしではけっしてられない、のうくような強烈きょうれつ快感かいかんとの狭間はざまで、いつきこころはもう修復しゅうふく不可能ふかのうなほどにかれそうだった。
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