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スキニナッチャウ。【裏川×表】
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「...で、裏川は表さんを看病して帰ったと。」
前沢に先日の表さん宅に行った際のことを話した。(第19話私が嫌だな。【裏川×表】参照)
昼休みの教室は他のクラスの人も来ていて非常に騒がしい。
それに各々の弁当の臭いが充満して梅雨の湿度と混ざり合うことで、かなり悲惨な状況だ。
「そういうこと。」
「それだけのことがあって、どうして裏川は落ち込んでんの。」
「だって俺なんかが看病したんだよ!?あの時はなんか変な雰囲気になってたけど、表さん絶対キモイって思ってたよ!」
「出たよ。圧倒的ネガティブ思考。」
「ネガティブなもんか。こういうのは事実って言うんだよ。」
「そういうのは推測って言うんだよ。」
「でも俺ってキモイだろ!?」
「いや別に。」
「キモイじゃん!」
「むしろイケメンの部類だろ。」
「キモイって言ってくれ!」
「なんでだよ。」
僕は俯いて頭を抱える。
「裏川さ、いい加減本当にネガティブ思考やめなよ。損するだけだって。」
「でもさ...。」
「でも、で会話を始めるのもやめな。ネガティブに繋がってる。」
「だけど...。」
「でもを言い換えんな。」
「とはいえさ...。」
「お前ふざけてる?」
「ふざけてなんかないって。」
「とにかく自信持てよ。好きな人の家で好きな人を看病なんて、明らかに大幅な進展だろ。」
「じゃあ今朝から避けられてるのはどう説明するんだよ。」
「それは...。」
「やっぱりキモイって思われてるんだよ!」
「めんどくせー。」
「めんどくさいとか言うなよ。それ以外考えられないだろ。」
「本当に女心わかってねえな。お前の頭蓋骨かっぴらいて脳ミソに直接女心をプログラミングしてやろうか。」
「頭蓋骨かっぴらいた時点で即死確定じゃん!」
「突っ込むとこそこかよ。とにかくお前はもうちょい前向きに考えろ。」
そう言うと前沢は食べ終えた弁当箱を片付けに自分の席に戻った。
女心とか言われても僕には表さんの心なんてわからない。
今朝、風邪が治って久しぶりに学校に来た表さんは明らかに僕を避けた。
どうしてか。
やっぱり僕のことがキモイと思ったからという理由以外適切な理由が思いつかない。
前沢はあんなふうに言ってたけど、今回ばかりは僕が正しいと思う。
日直当番は非常に面倒だ。
放課後に誰が好き好んで教室の掃除をするんだ。
いつもみんな誰かに押し付ける。
僕はいつも押し付けられる側だ。
帰宅部で地味で断らない僕に押し付けたがるのは理解できる。
今日も僕は同じ日直当番の人に「部活が大会前で忙しいんだよね。ってことでよろしく!」と放課後の掃除を、さも当たり前のように押し付けられた。
断りはしないけど、当たり前のように押し付けられると少し腹が立つ。
掃除も半分くらいできたところでガラガラと教室のドアが開いた。
「裏川君。」
「お、表さん、どうしたのこんな時間に。」
「今朝は避けちゃってごめんなさい。」
「え、そんなの全然気にしてないよ。大丈夫、大丈夫。」
「ほんとに?」
表さんがグッと近づいてくる。
女の子のいい匂いがほのかに漂う。
「う、うん。全然、気にしてないよ。」
「そっか...。」
表さんは少し落ち込んだように俯いた。
何かまずいことを言っただろうか。
「どうして避けたかなんだけどね、裏川君がお見舞いに来てくれた時、無理矢理だったとはいえ看病してくれたのが凄く嬉しかったの。」
「え、そうなの?てっきりあの時のこと気持ち悪く思ってるのかと...。」
「そんなことないよ!でもね、あの後冷静になって思い出すと、凄く恥ずかしくなったの。申し訳ないことしちゃったし、あの時私、嬉しくて舞い上がってた。ごめんね。」
「ううん、僕もあの時は少し舞い上がってたかも。女の子の部屋なんて始めてだったし、ましてや表さんの部屋に入れるなんてすごく嬉しくて...あっ。」
今のは普通に告白なのでは?
まだ好感度高くないのに気持ちがバレるなんて今度こそキモくて卒倒されるかもしれない。
しかし表さんは顔を真っ赤にしてまた1歩近づいてきた。
「ねえ、今のってどういう意味?」
「い、いや、あれだよ、クラスの可愛くて人気者の表さんの部屋に僕みたいな日陰者が入るなんて夢みたいだったってことだよ。」
「そっか...。」
表さんは顔を少し赤くし、笑顔で呟いた。
「可愛い...。」
表さんが呟いた瞬間僕はハッとした。
付き合ってもないのに可愛いなんて言ったらキモイじゃないか。
最悪セクハラで訴えられる。
とりあえず逃げないと。
「じゃ、じゃあ僕はもう帰るね。」
「あ、待ってよ裏川君。」
表さんの制止を振り切って僕は足早に教室を出た。
走りながら脳裏には表さんの嬉しそうな笑顔が張り付いている。
ああ、ダメだ。
ますます好きになっちゃうじゃないか。
前沢に先日の表さん宅に行った際のことを話した。(第19話私が嫌だな。【裏川×表】参照)
昼休みの教室は他のクラスの人も来ていて非常に騒がしい。
それに各々の弁当の臭いが充満して梅雨の湿度と混ざり合うことで、かなり悲惨な状況だ。
「そういうこと。」
「それだけのことがあって、どうして裏川は落ち込んでんの。」
「だって俺なんかが看病したんだよ!?あの時はなんか変な雰囲気になってたけど、表さん絶対キモイって思ってたよ!」
「出たよ。圧倒的ネガティブ思考。」
「ネガティブなもんか。こういうのは事実って言うんだよ。」
「そういうのは推測って言うんだよ。」
「でも俺ってキモイだろ!?」
「いや別に。」
「キモイじゃん!」
「むしろイケメンの部類だろ。」
「キモイって言ってくれ!」
「なんでだよ。」
僕は俯いて頭を抱える。
「裏川さ、いい加減本当にネガティブ思考やめなよ。損するだけだって。」
「でもさ...。」
「でも、で会話を始めるのもやめな。ネガティブに繋がってる。」
「だけど...。」
「でもを言い換えんな。」
「とはいえさ...。」
「お前ふざけてる?」
「ふざけてなんかないって。」
「とにかく自信持てよ。好きな人の家で好きな人を看病なんて、明らかに大幅な進展だろ。」
「じゃあ今朝から避けられてるのはどう説明するんだよ。」
「それは...。」
「やっぱりキモイって思われてるんだよ!」
「めんどくせー。」
「めんどくさいとか言うなよ。それ以外考えられないだろ。」
「本当に女心わかってねえな。お前の頭蓋骨かっぴらいて脳ミソに直接女心をプログラミングしてやろうか。」
「頭蓋骨かっぴらいた時点で即死確定じゃん!」
「突っ込むとこそこかよ。とにかくお前はもうちょい前向きに考えろ。」
そう言うと前沢は食べ終えた弁当箱を片付けに自分の席に戻った。
女心とか言われても僕には表さんの心なんてわからない。
今朝、風邪が治って久しぶりに学校に来た表さんは明らかに僕を避けた。
どうしてか。
やっぱり僕のことがキモイと思ったからという理由以外適切な理由が思いつかない。
前沢はあんなふうに言ってたけど、今回ばかりは僕が正しいと思う。
日直当番は非常に面倒だ。
放課後に誰が好き好んで教室の掃除をするんだ。
いつもみんな誰かに押し付ける。
僕はいつも押し付けられる側だ。
帰宅部で地味で断らない僕に押し付けたがるのは理解できる。
今日も僕は同じ日直当番の人に「部活が大会前で忙しいんだよね。ってことでよろしく!」と放課後の掃除を、さも当たり前のように押し付けられた。
断りはしないけど、当たり前のように押し付けられると少し腹が立つ。
掃除も半分くらいできたところでガラガラと教室のドアが開いた。
「裏川君。」
「お、表さん、どうしたのこんな時間に。」
「今朝は避けちゃってごめんなさい。」
「え、そんなの全然気にしてないよ。大丈夫、大丈夫。」
「ほんとに?」
表さんがグッと近づいてくる。
女の子のいい匂いがほのかに漂う。
「う、うん。全然、気にしてないよ。」
「そっか...。」
表さんは少し落ち込んだように俯いた。
何かまずいことを言っただろうか。
「どうして避けたかなんだけどね、裏川君がお見舞いに来てくれた時、無理矢理だったとはいえ看病してくれたのが凄く嬉しかったの。」
「え、そうなの?てっきりあの時のこと気持ち悪く思ってるのかと...。」
「そんなことないよ!でもね、あの後冷静になって思い出すと、凄く恥ずかしくなったの。申し訳ないことしちゃったし、あの時私、嬉しくて舞い上がってた。ごめんね。」
「ううん、僕もあの時は少し舞い上がってたかも。女の子の部屋なんて始めてだったし、ましてや表さんの部屋に入れるなんてすごく嬉しくて...あっ。」
今のは普通に告白なのでは?
まだ好感度高くないのに気持ちがバレるなんて今度こそキモくて卒倒されるかもしれない。
しかし表さんは顔を真っ赤にしてまた1歩近づいてきた。
「ねえ、今のってどういう意味?」
「い、いや、あれだよ、クラスの可愛くて人気者の表さんの部屋に僕みたいな日陰者が入るなんて夢みたいだったってことだよ。」
「そっか...。」
表さんは顔を少し赤くし、笑顔で呟いた。
「可愛い...。」
表さんが呟いた瞬間僕はハッとした。
付き合ってもないのに可愛いなんて言ったらキモイじゃないか。
最悪セクハラで訴えられる。
とりあえず逃げないと。
「じゃ、じゃあ僕はもう帰るね。」
「あ、待ってよ裏川君。」
表さんの制止を振り切って僕は足早に教室を出た。
走りながら脳裏には表さんの嬉しそうな笑顔が張り付いている。
ああ、ダメだ。
ますます好きになっちゃうじゃないか。
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