27 / 28
キスをする。【糸川×馬木】
しおりを挟む
来週は夏祭り。
この地域では年間で1番大きな祭りだ。
俺は幼い頃から毎年、幼馴染みの九華と一緒に行っている。
今年ももちろん行く予定だ。
下校中、いつもの河川敷で誘う。
付き合ってるんだし毎年行ってるし、断られることはまずありえない。
「九華、来週の夏祭りだけどさ。」
「あ、そういえばもうそんな時期だったね。」
「なんだよ、忘れてたのかよ。」
「最近テスト勉強で遅くまで起きてるせいか曜日感覚がめちゃくちゃでね。こないだなんか日曜日に間違えて学校行っちゃった。」
九華がケラケラと笑う。
「夏祭り、今年も一緒に行こうか。」
「いいね。いつだっけ。」
「来週の日曜日。」
九華はカバンから手帳を取り出して予定を確認する。
普段ガサツなくせにこういう几帳面な部分もある。
「お、日曜空いてる。」
「よかった。じゃあ16時に家の前な。」
「あのさ、現地で待ち合わせにしない?」
「え、なんで。」
「恋人っぽいこと、してみたいんだよね。私たち家が隣だから待ち合わせとかしないじゃん。待ち合わせして、まだかなまだかなってドキドキしながら待ってみたり、遅れて着いて謝ったり、そういう恋人っぽいことしてみたいの。」
九華は一気に言い切ると顔を真っ赤にして下を向いた。
なんだか嬉しいがむず痒い気分だ。
足音が普段より大きく聞こえる。
「ごめんね、変なこと言って。やっぱりいつもどうり家の前にしようか。」
「いや、いいよ。待ち合わせしよう。」
九華は驚いたようにこっちを見る。
「だから、精一杯おしゃれして来てよ。もし遅れても待ってるから。」
「うん。わかった。」
九華は嬉しそうにコクコクと首を縦に振る。
浴衣かな、それともすげえ可愛いワンピースとか着てくるかな。
夏祭りは1週間後なのに、今から楽しみでドキドキしている。
夜、俺は自分の部屋で考え事をしていた。
来週の夏祭りでやると決めたことがある。
九華とキスをする。
付き合って1年以上経っているが、まだキスはしていない。
俺が勇気を出せないヘタレっていうのもあるが、幼馴染みで昔から一緒にいることが大きな枷になっていた。
とはいえ1年以上キスすらしていないのはさすがにまずい。
そこで夏祭りという大イベントを利用してするしかない。
そう考えた。
だがまだ怖さが残っている。
この1歩を踏み出すことで九華が俺から離れたりしないだろうか。
今までしていなかったのに突然して大丈夫なのだろうか。
でもいちいち確認をとるのもおかしいし、男らしくないんじゃないか。
ここ1週間はそのことばかり考えてしまう。
だからといって計画中止をするつもりはない。
絶対にキスをする。
それが変わることは無い。
勝負の夏祭りまで、あと1週間。
この地域では年間で1番大きな祭りだ。
俺は幼い頃から毎年、幼馴染みの九華と一緒に行っている。
今年ももちろん行く予定だ。
下校中、いつもの河川敷で誘う。
付き合ってるんだし毎年行ってるし、断られることはまずありえない。
「九華、来週の夏祭りだけどさ。」
「あ、そういえばもうそんな時期だったね。」
「なんだよ、忘れてたのかよ。」
「最近テスト勉強で遅くまで起きてるせいか曜日感覚がめちゃくちゃでね。こないだなんか日曜日に間違えて学校行っちゃった。」
九華がケラケラと笑う。
「夏祭り、今年も一緒に行こうか。」
「いいね。いつだっけ。」
「来週の日曜日。」
九華はカバンから手帳を取り出して予定を確認する。
普段ガサツなくせにこういう几帳面な部分もある。
「お、日曜空いてる。」
「よかった。じゃあ16時に家の前な。」
「あのさ、現地で待ち合わせにしない?」
「え、なんで。」
「恋人っぽいこと、してみたいんだよね。私たち家が隣だから待ち合わせとかしないじゃん。待ち合わせして、まだかなまだかなってドキドキしながら待ってみたり、遅れて着いて謝ったり、そういう恋人っぽいことしてみたいの。」
九華は一気に言い切ると顔を真っ赤にして下を向いた。
なんだか嬉しいがむず痒い気分だ。
足音が普段より大きく聞こえる。
「ごめんね、変なこと言って。やっぱりいつもどうり家の前にしようか。」
「いや、いいよ。待ち合わせしよう。」
九華は驚いたようにこっちを見る。
「だから、精一杯おしゃれして来てよ。もし遅れても待ってるから。」
「うん。わかった。」
九華は嬉しそうにコクコクと首を縦に振る。
浴衣かな、それともすげえ可愛いワンピースとか着てくるかな。
夏祭りは1週間後なのに、今から楽しみでドキドキしている。
夜、俺は自分の部屋で考え事をしていた。
来週の夏祭りでやると決めたことがある。
九華とキスをする。
付き合って1年以上経っているが、まだキスはしていない。
俺が勇気を出せないヘタレっていうのもあるが、幼馴染みで昔から一緒にいることが大きな枷になっていた。
とはいえ1年以上キスすらしていないのはさすがにまずい。
そこで夏祭りという大イベントを利用してするしかない。
そう考えた。
だがまだ怖さが残っている。
この1歩を踏み出すことで九華が俺から離れたりしないだろうか。
今までしていなかったのに突然して大丈夫なのだろうか。
でもいちいち確認をとるのもおかしいし、男らしくないんじゃないか。
ここ1週間はそのことばかり考えてしまう。
だからといって計画中止をするつもりはない。
絶対にキスをする。
それが変わることは無い。
勝負の夏祭りまで、あと1週間。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺にだけツンツンする学園一の美少女が、最近ちょっとデレてきた件。
甘酢ニノ
恋愛
彼女いない歴=年齢の高校生・相沢蓮。
平凡な日々を送る彼の前に立ちはだかるのは──
学園一の美少女・黒瀬葵。
なぜか彼女は、俺にだけやたらとツンツンしてくる。
冷たくて、意地っ張りで、でも時々見せるその“素”が、どうしようもなく気になる。
最初はただの勘違いだったはずの関係。
けれど、小さな出来事の積み重ねが、少しずつ2人の距離を変えていく。
ツンデレな彼女と、不器用な俺がすれ違いながら少しずつ近づく、
焦れったくて甘酸っぱい、青春ラブコメディ。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
女子ばっかりの中で孤軍奮闘のユウトくん
菊宮える
恋愛
高校生ユウトが始めたバイト、そこは女子ばかりの一見ハーレム?な店だったが、その中身は男子の思い描くモノとはぜ~んぜん違っていた?? その違いは読んで頂ければ、だんだん判ってきちゃうかもですよ~(*^-^*)
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
俺をフッた女子に拉致されて、逃げ場のない同棲生活が始まりました
ちくわ食べます
恋愛
大学のサークル飲み会。
意を決して想いを告げた相手は、学内でも有名な人気女子・一ノ瀬さくら。
しかし返ってきたのは――
「今はちょっと……」という、曖昧な言葉だった。
完全にフラれたと思い込んで落ち込む俺。
その3日後――なぜか自分のアパートに入れなくなっていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる