目覚めたら7歳児でしたが、過酷な境遇なので改善したいと思います

瑞多美音

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第1章

4 一蓮托生の人々

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 「そうか、メリッサというのかい……まだ7歳か……若いのに死にかけグループ入りするとはお前さんも苦労するねぇ。私はテレサ。見ての通りの老婆だよ。だいぶ体にガタはきてるけど、頭は正常だよ!テレサさんでもおばば様でも好きにお呼び」
 「はい」

 真っ白な髪をひとつに纏めシャンと座っているテレサさん。
 瞳は濁っているので元の瞳の色はわからない……この部屋のまとめ役かな?頼りになりそうな雰囲気だ。

 「うむ。次は儂じゃの……儂はマイケルという。ばば様の次に年寄りじゃの。儂は魔力枯渇気味での……やれることは少ないがよろしく頼むぞ」
 「こちらこそ……」

 そう、にっこり笑ったマイケルさんは白髪に所々青い髪が混ざっている……元は青い髪だったのかな?
 灰色の瞳をしたマイケルさんは痩せ細っていて、目は落ち窪んでいるが生気は失っていないようだ。
 優しそうなおじいさんという雰囲気だ……前世の祖父よりも年齢は若いと思うけど、並んだらマイケルさんの方が老けてみえるんじゃないかなぁ……

 「俺はグウェンだ。前は肉体労働だったが、怪我のせいでここに来たんだわ。まー、なんとか生き残ったが……この腕と眼だからできることはあんまねぇ。精々、頑張ってくれや」
 「……はい」
 「そうそう。数年前、ついに死人がでるかとヒヤヒヤさせたのはグウェンだよ」
 「おう!おばばさまをヒヤヒヤさせた仲間だな!生き残ったんだ……死ぬなよ」
 「は、はい……」

 真っ赤な髪のグウェンさんは左眼と左腕がなく顔には大きな傷痕が残っている。残った瞳は茶色だ。元々強面っぽいのに傷痕も相まってかなり人相が悪い……小さな子なら10人中8人はギャン泣きするかも?
 怪我をしたことがきっかけとなり死にかけグループへ入ったようだ。3~40代ぐらいかな?ツンデレっぽい。多分、身内と認定したらめっちゃ優しくなるタイプ。

 「ごほっ……横になったままでごめんなさいね。私はマチルダよ。子どもをひとり生んだあとから体調を崩してね。ごほっ、ごほっ……ここに入ることになったのよ……よろしくね」
 「おねがいします!」


 水色の髪に深い青色の瞳をしたマチルダさんはここへ来る前までは集められた子供の世話や教育担当だったとか。
 この部屋でいちばん起きあがっていられる時間は短いけど、横になっていても魔石作りは出来るのでノルマ達成に貢献しているらしい。
 グウェンさんより少し若い感じかな?みんな、前世の欧米人のような顔をしているから年齢がいまいちわからないんだよね……グウェンさんが人相悪いだけですごい若いとか言われたら、もっと混乱しそうだ……

 「あ、わ、わたしはフランカですっ……み、見ての通りこの火傷のせいでここにき、来ました。お、おばば様の次に長くいるので、な、なんでも聞いてくださいね」
 「そうだ、フランカのことはお姉ちゃんと呼んでやるよいぞ!そして、儂はおじいちゃんと呼んでおくれ」
 「はい!」
 「おう!なら俺はおにーさんだなっ!」
 「いやいや、グウェン……そこはおじさんじゃろ」
 「そうよ。お兄さんって言うには年ですよ……私だってさすがにマチルダお姉さんって呼んでねとは言えないわ」

 と、いうことはやはり、グウェンさんのほうがマチルダさんより年上かな?

 「ちっ……グウェンさんて呼んでくれや」
 「私もマチルダさんって呼んでほしいわ」

 流石にグウェンおじさん呼びは嫌だったようだね……

 「はい」

 
 深緑の髪と緑の瞳をしたフランカさんは小さな頃に森で馬鹿な見張りが場所も考えずに火を使い、火事をおこしたらしく……そのことが原因で火傷を負ったとか。
 奴隷総出で燃え移った火を消すことになったらしい……その時にはかなりの人数が生死の境をさまよい、死にかけグループに入ったんだって……右半身に火傷の痕があるが優しそうなお姉さんだ。

 「ちなみにお前さんが来たのは数日前だ……世話はフランカがしてくれたよ。ちゃんと礼をいいな」

 あー、わたしが寝込んでいる間フランカさ……お姉ちゃんに下の世話までさせてしまったようだ。優しそうではなく、優しいお姉ちゃんだった!そして命の恩人である!きちんとお礼を言わないと。

 「お、お礼なんていりませんっ。げ、元気になってよかったですっ」
 「えっと……フランカお姉ちゃん!いろいろとおせわしてもらったみたいで……ありがとうごじゃいました!あと、ふたりがとなりで寝てくれたおかげであたたかかったです!」
 「い、いえ!」
 「ふふ、私もあたたかかったからお互いさまね」

 あともうひとり……部屋の隅にいるんだけど……さっきから全然動いてなくない?なんか、今世のわたしみたいだ……キャラ被りかっ!?

 「あぁ、あの子はいつもあんな感じじゃの。名前はハワード。確か10歳だったかの」
 「詳しくは知らないけどね……ハワードは数年前に魔力を暴発させたらしい。話しかけても反応がなく、まるで人形のようだよ……」
 「ぼうはつ……」

 え、魔力ってなに?暴発とかするのっ?

 「うむ。魔力の暴発はよくわからないことだらけでの……ハワードは半月ほど寝込んだのだが、その間なぜか周囲の者まで体調を崩したらしい。ハワードに近づくほど具合が悪くなると気付き……手に負えないと儂らに丸投げされたんじゃ」
 「確かになんでか気分は悪くなったがね……フランカが頑張って世話したのさ。次第にそれもなくなってね……そのあと手に魔石を持たせておくと勝手に魔力を込めることがわかったからね。助かってるよ」
 「死にかけじゃないが、周囲を役立たずにするからって理由でこの部屋に入れられた珍しいやつだぞ……まー、それも魔石が作れるってわかってからは貴重な戦力だがな!」

 ハワードと呼ばれた少年は濃紺の髪と深い紫色の瞳をしている。なんだか、その色が前世を思い出すようで勝手に親近感が湧いた。よし、若干のキャラ被りには目をつぶろう。なんせ今のわたしは新生メリッサだから問題ないのだ。

 だが……彼の瞳は何も写しておらず整った顔とあいまり……まさに人形のようだ。一応そばにいって挨拶してみたけれど無反応か……残念。

 「とりあえず、この部屋はノルマさえこなせれば大きな問題はないから安心しなさい」
 「は、はい」
 「ま、部屋が半壊してるのを小さな問題と考えればな?」
 「うむ。こんなに幼い子がここへ送られたのは不憫じゃが……我々にとっては人手が増えて助かるぞ」
 「そうね。いつもフランカちゃんに皺寄せがいってしまって……」
 「そ、そんなっ!わ、私はまだまだ働けますからっ!」

 うん。ここでどんな仕事が待っているかはわからないけど、みんなの負担をすこしでも軽くできるように頑張ろう。
 そしてもう少し栄養をとれるように工夫しなくちゃ……だって、ガリガリなことを一旦おいておくとしても前世の幼い頃と比べると明らかに身体が小さい気がするんだもの。


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