目覚めたら7歳児でしたが、過酷な境遇なので改善したいと思います

瑞多美音

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第1章

9 ステータスオープン!

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 そうやって目覚め、転生を理解し、死にかけグループでの生活がはじまってからあっという間に数日が過ぎ去っていた。

 慣れるだけで精一杯で……あまり記憶には残っていない。
 この部屋に来る前とそこまで変わったことはしていないはずなのにね……でも、みんなとは少し親しくなれたと思う。
 ハワードに関しては進展なしだけど、部屋にひとり増えたのは認識してるっぽい!
 だって、トイレへ行くときにたまたま導線にいたわたしのことをちゃんと避けていったもん!避けるってことは認識してるってことだよね?ほかのひとだと思った可能性もあるけどねぇ……

 まぁ、いつもお腹はすいているし、疲れているけど……慣れてきたことでようやくゆっくりと考える余裕ができてきた。

 わたしは夜は疲れてすぐに寝てしまう……瞑想?やってるよ?ただ、寝落ちしてしまうことが多いから、何かするなら朝かなーってことで……

 「ステータスオープン」

 とりあえずはファンタジーならお約束の言葉を言ってみる。
 よくあるステータスプレートとか出ないかなーって期待したが……うんともすんとも言わない。

 「オープンザステータス!ステータス開示!……むぅ」
 
 やはり、これも見送られたパターンじゃないと駄目なのか……ちぇー。

 「メリッサ、ステータスが知りたいのか?」
 「うん!しりたい」

 あら、マイケルじいちゃん起きてたのね。もっと小さな声で言えばよかった。ちょっと恥ずかしい……

 「そりゃ、鑑定の魔道具とやらで調べられるらしいぞ……たしかスキル?とかいうものも見れるとか」
 「ほんとに?」

 鑑定の魔道具とかスキルってまさにファンタジーじゃん!

 「まぁ、儂らには関係ないことじゃがのぉ……その恩恵を受けられるのは帝国人だけなんじゃよ」
 「そうなのかぁ……」

 なんだ。ステータスがあったとしても確認するのは難しいのか……ちぇー、残念。

 「メリッサ、がっかりするのは早いよ。その代わり私たちにしかないものもあるんだよ」
 
 あら、おばばさまも起きてたのね……
 
 「わたしたちにしかないもの?」
 「おぉ、ばば様。そうじゃったの……」

 そう言うとマイケルじいちゃんは服を捲り上げて腕の模様を見せてくれた。

 「これは我々にしかないようじゃぞ?」
 「それはだって、奴隷のしるしでしょう?」

 そりゃ、奴隷のしるしなんだからわたしたちにしかないよ……なんだ、おばばさまのブラックジョークってやつか?

 「うむ。それが少し違うそうじゃ。ほれ、よく見てみろ……この手首の魔方陣は奴隷のしるしじゃが、この腕にある蔦のような模様は魔力量を示してるとされてるんじゃ」
 「この模様は帝国人にはないんだよ……私たちだけのものだ」
 「へぇ……」
 
 おぉ!ブラックジョークじゃなかったっ!
 マイケルじいちゃんの見せてくれた蔦のような模様は手首のうえにほんの少ししか伸びていない。

 「儂は元々は肩近くまで蔦が伸びていたんじゃが……理由はよくわからないが、いつの間にかここまで短くなっちまったんじゃ。魔力が枯渇気味なのは間違いないようでの……それにこの年じゃあ、肉体労働などしても足手まといじゃし、いつ死ぬかわからんからの……この部屋に来ることになったんじゃよ」
 「……そうなんだ」
 「ふっ、いつ死ぬかわからないといったね?たしかにそうさ。でも、皮肉なことに健康な年寄りはこの部屋に来たことで外より長生きできるのさ」
 「たしかにそうかもしれんの……ここに来ると決まったときは干からびてすぐに逝くと覚悟したもんじゃが不思議なものだ……」
 「マイケルは器用で魔力が枯渇気味、反抗する体力がない。向こうからすればあの担当にうってつけだ。きっと前から目をつけられていたんだろうよ」

 あー、魔道具の基盤担当か。

 「でなけりゃ、もう少し外の生活を強いられていたと思うね」
 「ふむ……ばば様に言われるとそんな気がしてくるから不思議じゃの」

 どうやら帝国人はこの蔦の模様で、ある程度わたしたちをグループ分けしているようだ。
 蔦が短いものほど肉体労働に回され、鉱山での採掘や畑作業、水汲み、森への採取や狩りなどが割り当てられるみたい。

 鉱山から魔石を掘り出すことから坑道の魔物討伐まですべてわたしたち奴隷の仕事らしい。
 鉱山ではツルハシや金槌ぐらいしか持たせてもらえないのに……それで魔物を倒せってどんな無理ゲー?そりゃ、殴るだけで倒せる魔物ばかりなら問題ないだろうけど……
 残念ながら、殴っただけでは倒すことのできない魔物もいるらしい……
 そして見張りは坑道には入ってこないし、危険な魔物が出れば入り口が封鎖され……倒すまで裏口からほんのすこしいい武器を持たされ送り込まれる世界だという……恐ろしい。ほぼ、見殺しってことでしょ……
 しかも、入り口付近でも命がけなのに、さらに強い魔物が跋扈する場所の鉱脈を目指せと言われることもらしい……たしかに年寄りなら、なおさらそこへ送られるよりこの部屋にきたほうが長生きできるかも。

 「それに、ひとによって太さも違うし……ばば様のように変わった模様が付いてるひともいるぞ」
 「そうだね。私のようなひとはかつては沢山いたんだけどね……いまはどうだろうね」

 ふむ。自分の腕を見てみると二の腕の中程まで蔦が伸びていた……すごいひとは首まであるらしいから、魔力量とやらは真ん中らへんだろうか?
 だから、前は水汲みの他に魔石に魔力込める仕事だったのかな。
 両手に魔石を持って作ってみたら差が出たのも魔石の大きさだけでなく、その辺りも関係している可能性もあるな……

 でも、マイケルじいちゃんの言うことが確かなら魔力量は一定ではなくて、蔦は長くなったり短くなったりするのかも……自分の蔦の長さをよく覚えておこう。何か変化があるか確かめてみたいな。

 そして、おばばさまには細い蔦に絡まるように変わった模様があるらしい。
 時々そういうひともいるらしく、みんなとくに不思議には思わないそう……確かにひとそれぞれ蔦の模様が違えばあまり深く考えないのかもしれないな。
 帝国人にとって重要なのはどんな模様かよりもどれだけ魔力量があるかだろうし。
 今度、時間があるときにおばばさまに変わった模様っていうの見せてもらえないか聞いてみよう。

 部屋をグルっと見回し、みんなの腕を見てみる……

 グウェンさんは前腕のなかほどまで。
 マチルダさんは肩に近い位置まで蔦が伸びている。
 フランカお姉ちゃんは火傷のせいでかろうじて隷属の魔方陣が判断できる程度で蔦の模様は確認できなかった。ただ、両手での魔石作りが早くならなかったことからおばばさまと同程度ではないかと考えた。
 おばばさまは肘より少し上くらいらしいので、フランカお姉ちゃんもそのくらいなのかな?

 そして、まだ寝ているハワードをちらりとみると……肩ぐらいまで蔦が伸びている。ハワードは元々魔力量が多かったみたい。この部屋ではいちばんだと思う……だから、大きな魔石でも問題なく作れたんだね。

 魔力量はマイケルじいちゃん<グウェンさん<フランカお姉ちゃん、おばばさま<わたし<マチルダさん<ハワードって感じかな?同じ位置にあっても蔦の太さで魔力量が違う可能性もあるけど……検証のしようがないので一旦放置しておこう。
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