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第7章
87.女神見習い、ダンジョンへ行く(3)
「よし、行けるぞ」
「じゃあ行こう」
「はい」
階段から6層へ……
「おー、1本道なんだ……」
「そう、ここは休憩できる場所が少しあるだけで長い下りの1本道なの」
「ただ、歩けばいいと思ったら大間違いだよ?」
「そうなの?」
「うん、マッドゴーレムには魔物避けが効かないから……危険」
ステラのその言葉通り、かなりの確率でマッドゴーレムに遭遇した。力は強いが動きが遅く物理でも魔物でも倒せるほどの強さらしく、ルカが大活躍していた。
ゴーレム系は核を破壊するか抜き取ると倒すことができるのでいかに魔核を傷付けずに抜き取れるかが重要らしい。ルカが動きを止めている間にカーラやジョセフが魔核を抜き取る連携プレーだった。うん、ステラがやると破壊してしまうことの方が圧倒的に多いので後方支援なんだって。
ドロップ品は上質な泥と時々鉱石、魔核など。
突き当たりには同じく計算問題のような仕掛けがあり、ジョセフがクリアしていた。
7層は迷路のように入り組んだ道で大体ここで時間を使ってしまうらしい。
「早く突破したいところだけど、ここは道をどれだけ覚えておけるかが重要なんだ」
「魔物自体はさっきとそれほど変わらないんだけどな……」
「ここで迷子で出られなくて餓死する冒険者もいるってよ?」
「ステラそんなに脅さないの」
「……ごめん?」
「あの、私のスキルが使えるかも……歩いた自分の周囲2メートルくらいかな?の記録ができるので」
「「「「はぁっ?」」」」
「まぁ、行ったことのある場所限定の地図ってやつですねー」
あれ、なんでみんな固まってるの?
「ちょっ、それ無闇に人に言ったらダメなやつ!」
「え、そうなの?」
「うん、冒険者垂涎のスキル……」
「ええ、気をつけたほうがいいわ」
「だなー……羨ましいがられるのはいい方で悪いことをしようとする奴もいるだろうからなぁ」
「へー、気をつけます……使うのやめます?」
「いや、頼む」
「はーい……といってもまずは歩き回って地図を埋めないと行けないんだけど……」
できる限り最短の道を探そう……
しばらくうろうろしながら地図を埋める……もちろんその間他のメンバーはゴーレムを倒していた。
マッピングする中でわかったことだが、どうやらこの迷路には複数の正解の道があり出口の場所が様々みたい。
なるべく最短距離を意識して案内すると
「あれ、ここって8層?」
「エナ……どうやらここは9層に降りる階段付近だな」
「はぁ……どんだけ便利なスキルなんだよ……」
本来の8層ではイビルバット(ドロップ品は羽、牙、爪、魔核なと)精神錯乱を引き起こす音波を飛ばすらしい。ここをスキップできたということみたい……
「まぁ、運が良かったということで……」
「そうだな……時間も時間だし階段まで移動して1泊するか」
基本的に階段のそばに魔物が出現しない(引き連れて来た場合は別)らしいので見張りを交代しつつ1泊。まぁ、こっそり結界は張ったけど……流石に簡易シャワーは自重しましたよ。というか止められたのでやめましたよ……トイレは出したけどねー。
◇ ◇ ◇
翌朝
なんとなく気が急いて、予定よりも早く行動を開始した。みんなも同様みたい。
私が温めたご飯を食べながら……カーラが
「さて、時間があるうちに説明しとくわね。ここから先の10層以降は5層ごとにボス戦があるの。ボスはメンバーの人数などで強さが変わるから気をつけて。ボスがいる部屋は1度閉めると倒すまで扉は開かないから他のパーティとかち合うこともないわ。ボスを倒すと奥の部屋に次の層への階段と帰還陣が出現し、1層に戻ることができる仕組みよ。そしてボス部屋の扉がまた開き次の冒険者が挑戦できるようになるの」
「でも私たちの目的地は13層付近なんですよね?その場合はどうするんですか?」
「その場合は10層に戻るわ。1度倒したらダンジョンに入り直すまでは転移陣を使うことができるの」
「へー」
たとえば11層から戻る場合、転移陣のある場所まではいけるがボス部屋には入れない。10層に戻る道は曲がりくねっており面倒なのでほとんどの場合は転移陣で帰還するんだって。
もちろんボスを倒していない場合は転移陣を見つけたとしても転移陣が反応しない。そんなことはほぼ起こらないらしいがその場合ボスも出ず曲がりくねった道を行くしかない。
他のもっと深い階層があるダンジョンではボス戦の後、転移陣に登録すると何度でも使えるとかいう場所もあるらしいけどその分ボスがめちゃくちゃ強いんだってさ。へー。
そして出発……
9層ではストーンゴーレムやロックゴーレムがかなり出てきたが連携プレイで次々と倒していった……私? ドロップ品の回収係ですが、何か?
これも結構重労働よ? 遅れないよう素早く回収しなくちゃならないし、腰は痛くなるし。まあ、この程度なら回復魔法で治るけど。
ドロップ品はほとんど鉱石、土、魔核などだった。
10層はカーラから聞いていたボス戦。階段を降りてすぐにボス部屋の扉が開いた。
部屋といってもかなり広く、扉が閉まるとともにあちこちから牙ネズミとロックゴーレムが。
ロックゴーレムを倒すとひときわ大きいロックゴーレムが出現。
私は自分に向かってくる牙ネズミを撃退しつつメンバーにポーションを投げたり、回復かけて頑張った。うん、頑張った。
その間にルカがロックゴーレムの動きを止めカーラ、ジョセフが牽制しつつ、ステラの魔法で粉砕した。おぉ、すげー。
なにげにステラの魔法って威力高いよね……魔核を破壊してしまったのは惜しかったけど、あれほどの威力がないと倒せないらしいので仕方ないんだって。
ドロップ品は牙、肉、皮、魔核、そして大量の鉱石……うん、ユリスさんに見せたら喜びそう。
奥の部屋には聞いていた通り階段と帰還陣が見え、ドロップ品を回収し奥の部屋に進むとボス部屋との間の壁が音を立てて塞がった。
「ふう……みんなすごいね」
「そう? ありがとう」
「あそこで平然とドロップ回収したりポーション投げられるエナもすごいけどな……」
「「確かに……」」
え、だっているよね? ドロップ品……ポーションの材料にならないものも多いしみんなで分けたらまだ少ないんじゃないかな……
「さあ、次は少し神経を使うから集中して聞いて」
「はい」
「情報によると1番前のメンバーが踏んだ地面と同じ場所を踏まないと床が抜け落下してその下には魔物が待ち受けているとのことよ」
「じゃあ、俺が先頭だな」
「エナは真ん中ね」
「わかった」
もし落ちたら、結界で頑張ろう……うん、まずは落ちないように気をつけなきゃね。
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