異世界トリップしたら女神(見習い)でしたが一般人として自由に生きていこうと思います

瑞多美音

文字の大きさ
87 / 120
第7章

87.女神見習い、ダンジョンへ行く(3)


 「よし、行けるぞ」
 「じゃあ行こう」
 「はい」

 階段から6層へ……

 「おー、1本道なんだ……」
 「そう、ここは休憩できる場所が少しあるだけで長い下りの1本道なの」
 「ただ、歩けばいいと思ったら大間違いだよ?」
 「そうなの?」
 「うん、マッドゴーレムには魔物避けが効かないから……危険」
 
 ステラのその言葉通り、かなりの確率でマッドゴーレムに遭遇した。力は強いが動きが遅く物理でも魔物でも倒せるほどの強さらしく、ルカが大活躍していた。
 ゴーレム系は核を破壊するか抜き取ると倒すことができるのでいかに魔核を傷付けずに抜き取れるかが重要らしい。ルカが動きを止めている間にカーラやジョセフが魔核を抜き取る連携プレーだった。うん、ステラがやると破壊してしまうことの方が圧倒的に多いので後方支援なんだって。
 ドロップ品は上質な泥と時々鉱石、魔核など。
 突き当たりには同じく計算問題のような仕掛けがあり、ジョセフがクリアしていた。

 7層は迷路のように入り組んだ道で大体ここで時間を使ってしまうらしい。

 「早く突破したいところだけど、ここは道をどれだけ覚えておけるかが重要なんだ」
 「魔物自体はさっきとそれほど変わらないんだけどな……」
 「ここで迷子で出られなくて餓死する冒険者もいるってよ?」
 「ステラそんなに脅さないの」
 「……ごめん?」
 「あの、私のスキルが使えるかも……歩いた自分の周囲2メートルくらいかな?の記録ができるので」
 「「「「はぁっ?」」」」
 「まぁ、行ったことのある場所限定の地図ってやつですねー」
 
 あれ、なんでみんな固まってるの?

 「ちょっ、それ無闇に人に言ったらダメなやつ!」
 「え、そうなの?」
 「うん、冒険者垂涎のスキル……」
 「ええ、気をつけたほうがいいわ」
 「だなー……羨ましいがられるのはいい方で悪いことをしようとする奴もいるだろうからなぁ」
 「へー、気をつけます……使うのやめます?」
 「いや、頼む」
 「はーい……といってもまずは歩き回って地図を埋めないと行けないんだけど……」

 できる限り最短の道を探そう……
 しばらくうろうろしながら地図を埋める……もちろんその間他のメンバーはゴーレムを倒していた。
 マッピングする中でわかったことだが、どうやらこの迷路には複数の正解の道があり出口の場所が様々みたい。
 なるべく最短距離を意識して案内すると

 「あれ、ここって8層?」
 「エナ……どうやらここは9層に降りる階段付近だな」
 「はぁ……どんだけ便利なスキルなんだよ……」

 本来の8層ではイビルバット(ドロップ品は羽、牙、爪、魔核なと)精神錯乱を引き起こす音波を飛ばすらしい。ここをスキップできたということみたい……

 「まぁ、運が良かったということで……」
 「そうだな……時間も時間だし階段まで移動して1泊するか」

 基本的に階段のそばに魔物が出現しない(引き連れて来た場合は別)らしいので見張りを交代しつつ1泊。まぁ、こっそり結界は張ったけど……流石に簡易シャワーは自重しましたよ。というか止められたのでやめましたよ……トイレは出したけどねー。


◇ ◇ ◇


 翌朝
 なんとなく気が急いて、予定よりも早く行動を開始した。みんなも同様みたい。
 私が温めたご飯を食べながら……カーラが

 「さて、時間があるうちに説明しとくわね。ここから先の10層以降は5層ごとにボス戦があるの。ボスはメンバーの人数などで強さが変わるから気をつけて。ボスがいる部屋は1度閉めると倒すまで扉は開かないから他のパーティとかち合うこともないわ。ボスを倒すと奥の部屋に次の層への階段と帰還陣が出現し、1層に戻ることができる仕組みよ。そしてボス部屋の扉がまた開き次の冒険者が挑戦できるようになるの」
 「でも私たちの目的地は13層付近なんですよね?その場合はどうするんですか?」
 「その場合は10層に戻るわ。1度倒したらダンジョンに入り直すまでは転移陣を使うことができるの」 
 「へー」

 たとえば11層から戻る場合、転移陣のある場所まではいけるがボス部屋には入れない。10層に戻る道は曲がりくねっており面倒なのでほとんどの場合は転移陣で帰還するんだって。
 もちろんボスを倒していない場合は転移陣を見つけたとしても転移陣が反応しない。そんなことはほぼ起こらないらしいがその場合ボスも出ず曲がりくねった道を行くしかない。
 他のもっと深い階層があるダンジョンではボス戦の後、転移陣に登録すると何度でも使えるとかいう場所もあるらしいけどその分ボスがめちゃくちゃ強いんだってさ。へー。

 そして出発……
 9層ではストーンゴーレムやロックゴーレムがかなり出てきたが連携プレイで次々と倒していった……私? ドロップ品の回収係ですが、何か?
 これも結構重労働よ? 遅れないよう素早く回収しなくちゃならないし、腰は痛くなるし。まあ、この程度なら回復魔法で治るけど。
 ドロップ品はほとんど鉱石、土、魔核などだった。

 10層はカーラから聞いていたボス戦。階段を降りてすぐにボス部屋の扉が開いた。
 部屋といってもかなり広く、扉が閉まるとともにあちこちから牙ネズミとロックゴーレムが。
 ロックゴーレムを倒すとひときわ大きいロックゴーレムが出現。
 私は自分に向かってくる牙ネズミを撃退しつつメンバーにポーションを投げたり、回復かけて頑張った。うん、頑張った。
 その間にルカがロックゴーレムの動きを止めカーラ、ジョセフが牽制しつつ、ステラの魔法で粉砕した。おぉ、すげー。
 なにげにステラの魔法って威力高いよね……魔核を破壊してしまったのは惜しかったけど、あれほどの威力がないと倒せないらしいので仕方ないんだって。
 ドロップ品は牙、肉、皮、魔核、そして大量の鉱石……うん、ユリスさんに見せたら喜びそう。
 奥の部屋には聞いていた通り階段と帰還陣が見え、ドロップ品を回収し奥の部屋に進むとボス部屋との間の壁が音を立てて塞がった。

 「ふう……みんなすごいね」
 「そう? ありがとう」
 「あそこで平然とドロップ回収したりポーション投げられるエナもすごいけどな……」
 「「確かに……」」

 え、だっているよね? ドロップ品……ポーションの材料にならないものも多いしみんなで分けたらまだ少ないんじゃないかな……

 「さあ、次は少し神経を使うから集中して聞いて」
 「はい」
 「情報によると1番前のメンバーが踏んだ地面と同じ場所を踏まないと床が抜け落下してその下には魔物が待ち受けているとのことよ」
 「じゃあ、俺が先頭だな」
 「エナは真ん中ね」
 「わかった」

 もし落ちたら、結界で頑張ろう……うん、まずは落ちないように気をつけなきゃね。

感想 3

あなたにおすすめの小説

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

1000年ぶりに目覚めた「永久の魔女」が最強すぎるので、現代魔術じゃ話にもならない件について

水定ゆう
ファンタジー
【火曜、木曜、土曜、に投稿中!】 千年前に起こった大戦を鎮めたのは、最強と恐れられ畏怖された「魔女」を冠する魔法使いだった。 月日は流れ千年後。「永久の魔女」の二つ名を持つ最強の魔法使いトキワ・ルカはふとしたことで眠ってしまいようやく目が覚める。 気がつくとそこは魔力の濃度が下がり魔法がおとぎ話と呼ばれるまでに落ちた世界だった。 代わりに魔術が存在している中、ルカは魔術師になるためアルカード魔術学校に転入する。 けれど最強の魔女は、有り余る力を隠しながらも周囲に存在をアピールしてしまい…… 最強の魔法使い「魔女」の名を冠するトキワ・ルカは、現代の魔術師たちを軽く凌駕し、さまざまな問題に現代の魔術師たちと巻き込まれていくのだった。 ※こちらの作品は小説家になろうやカクヨムでも投稿しています。

スナイパー令嬢戦記〜お母様からもらった"ボルトアクションライフル"が普通のマスケットの倍以上の射程があるんですけど〜

シャチ
ファンタジー
タリム復興期を読んでいただくと、なんでミリアのお母さんがぶっ飛んでいるのかがわかります。 アルミナ王国とディクトシス帝国の間では、たびたび戦争が起こる。 前回の戦争ではオリーブオイルの栽培地を欲した帝国がアルミナ王国へと戦争を仕掛けた。 一時はアルミナ王国の一部地域を掌握した帝国であったが、王国側のなりふり構わぬ反撃により戦線は膠着し、一部国境線未確定地域を残して停戦した。 そして20年あまりの時が過ぎた今、皇帝マーダ・マトモアの崩御による帝国の皇位継承権争いから、手柄を欲した時の第二皇子イビリ・ターオス・ディクトシスは軍勢を率いてアルミナ王国への宣戦布告を行った。 砂糖戦争と後に呼ばれるこの戦争において、両国に恐怖を植え付けた一人の令嬢がいる。 彼女の名はミリア・タリム 子爵令嬢である彼女に戦後ついた異名は「狙撃令嬢」 542人の帝国将兵を死傷させた狙撃の天才 そして戦中は、帝国からは死神と恐れられた存在。 このお話は、ミリア・タリムとそのお付きのメイド、ルーナの戦いの記録である。 他サイトに掲載したものと同じ内容となります。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

スラム街の幼女、魔導書を拾う。

海夏世もみじ
ファンタジー
 スラム街でたくましく生きている六歳の幼女エシラはある日、貴族のゴミ捨て場で一冊の本を拾う。その本は一人たりとも契約できた者はいない伝説の魔導書だったが、彼女はなぜか契約できてしまう。  それからというもの、様々なトラブルに巻き込まれいくうちにみるみる強くなり、スラム街から世界へと羽ばたいて行く。  これは、その魔導書で人々の忘れ物を取り戻してゆき、決して忘れない、忘れられない〝忘れじの魔女〟として生きるための物語。

ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった

仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。 そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。