異世界トリップしたら女神(見習い)でしたが一般人として自由に生きていこうと思います

瑞多美音

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第2章

25.女神見習い、ポーションを作る(2)

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 どうせ依頼の報告でギルド行くし、試しにポーション何本か持ち込んでみようかな……


 ギルドの買い取り受付ーー

 「マルガスさん、買い取りお願いします」

 体力草30本、魔力草20本、リーセ草20本、ラミールの花3本とさっき作ったハイポーション、マナポーションの品質:良を1本ずつ出す。

 「ポーションか、エナが作ったのか?」
 「はい、作ってみたんですけどどうですか? 買い取ってもらえそうですか?」
 「ふむ……ポーション品質:良か。これなら大丈夫だ」
 「よかったです。初めて作ったので心配だったんですけど……あ、きちんと味見もしましたから大丈夫ですよ」
 「……わざわざ味見したのか」

 なんかマルガスさんが変なやつを見る目でこっちを見てる……なんでだろ?

 「ええ、初めて飲んだんですけど……ポーションってもっと苦かったり渋いのかと思ってましたけどそうでもないんですねー。思ったより飲みやすくて良かったです」
 「……なんだと?」
 「え?」

 なんか変なこと言ったかな? いや、言ってないはず……

 「……なぁエナ、ポーションまだあるか? 味見したいんだが」
 「えー? ……ハイポーションの品質:可でもいいですか?」
 「……ああ、それで構わない。とりあえずついてこい」

 あー、また奥の部屋ですか。私、何か悪いことしましたっけ……

 前と同じ部屋に案内され、渋々椅子へ座る。正面に座ったマルガスさん。威圧感が……まぁ、いっか。

 「では、これどうぞー」

 ハイポーション品質:可を取り出してマルガスさんに渡す。
 マルガスさんは蓋を開け匂いを嗅いだ後、飲みほして固まった。

 どうしたんだろ……味がおかしいとか?

 「エナ……悪いがマナポーションもくれないか?」
 「えー、マナポーションは品質:良しかないんですけど……」
 「金はキチンと払うから、頼む」
 「はぁ、わかりました」

 マナポーションを取り出しマルガスさんに渡す。
 これまたマルガスさん、匂いをチェックしてから飲みほした。

 「エナ、これ材料に何か入れたか?」
 「材料ですか……ハイポーションは体力草、ファル草、ラミールの花、きれいな水。マナポーションは魔力草、レグラの花、デュラムの木の実、きれいな水を使いましたけどなんか間違ってます?」
 「……いや、一般的な材料だ」

 マルガスさんは一瞬眉間にシワを寄せ、そして黙り込んだ。

 「ちょっと待ってろ」
 「はい」

 さっさと部屋から出ていってしまった。

 「えぇ、何か問題あるのかな……でも材料は一般的だっていうから大丈夫なはず」

 不安に思っているとすぐにマルガスさんが戻ってきた。

 「エナ、これ飲んでみろ。ギルドの公認ポーションだ」

 マルガスさん、お茶なら普通に出してほしい……まぁ、いいか。お茶みたいな味だし。

 「わかりました。いただきます」

 ハイポーションの瓶を受け取り蓋をあける……ん? なんか私の作ったポーションと匂いが違うかな。
 マルガスさんの鋭い視線が突き刺さって痛いので、とにかく言われた通り飲んでみる……が

 「まっず」

 何これ……青汁どころじゃないほど苦くて渋いし不味いんですけど

 「エナ、これが普通のポーションの味だ。いや、ギルド公認のポーションは普通より大分マシだ……飲みたくない奴らは効果は同じだからと体にかけてるな……通常ポーションを体にかけるのは飲み込めないほど弱っていたりする緊急時なんだけどな」

 えー、なんてこった……たとえ服が汚れても飲みたくないってか……
 確かに私の作ったポーション、味がおかしかった。良い方向に。

 「つまり、お前のポーションは美味すぎる。冒険者の中で取り合いになるぞ。今度からポーションを売るときは俺に持ってこい。とりあえず職人不明の美味いポーションとして売る。ギルマスも了承済みだ」

 あの少しの間にそこまで根回し済みですか……マルガスさんすごい。

 「わかりました。そうします」
 「なぁ、今ポーション何本持ってる?」
 「今ですか? ハイポーションが品質:可が2本と品質:良が6本、マナポーションが品質:良が8本です。あとはさっき受付で渡したものが1本ずつですね」

 ……うん、これで合ってるはず。私が作ったのはそれだけ。

 「そうか、エナ……お前やはり鑑定持ってるんだな」
 「えっ」
 「それの品質がわかるのは鑑定持ちか魔道具ぐらいだぞ」
 「あー……」

 やっちまったな、これ。うっかりしてた。普通はわからないまま持ち込むのか……うなだれていると

 「まぁいい。物は相談だが、ハイポーションだけでもいいから売ってくれないか?」
 「……マルガスさんにですか? それっていいんですか、ギルド的に」
 「ああ、俺の妻は体が弱くてな。無理して子供を産んでからほとんどベッドの上だ。そうなってもう6年近い……何度も生死をさまよってその度ポーションや女神様の回復魔法に助けられてな」
 「そうですか……」
 「息子と遊んでやりたいのに遊べないって悲しむんだよ。あのポーションじゃなかなか飲み込めなくて、でもエナのポーションなら飲めるはずだ。1本、小銀貨1枚払うから頼めないか。ギルドに関してはさっきギルマスに頭下げてきたから大丈夫だ……それでもエナが嫌なら職人不明のポーションとして売り出すから安心してくれ」

 愛妻家のマルガスさんらしい言葉だ。もしかしたら、冒険者を辞めてギルドで働いているのもそういう訳があったのかも……

 ギルド的に問題ないならいいかな。それに、小銀貨1枚ってギルドで売られている価格が銅貨5枚ぐらいだから倍だよ? 魅力的な提案……ごくり。

 「んー、わかりました。全部は困るのでハイポーション5本でもいいですか? さっきの持ち込んだ分はどうしましょう?」
 「ああ、本当にありがとう。あれも俺が買い取る。1本だけなら後に争いになる。秘密は厳守する。心配なら契約してもいい」
 「いえ、マルガスさんが誰かに言いふらすとは思えないので」
 「そうか」

 おっ、微笑んだマルガスさんめちゃくちゃイケメン。これはモテるわ……


 またしても、ここで依頼の処理をしてくれるらしいので大人しく待つ。
 結果、薬草の買取が銅貨50枚、ポーションが小銀貨7枚にもなってしまった。

 思わぬ収入になったけど、これでマルガスさんの奥さんが少しでも元気になってくれるといいな。
 この街に来て初めて自分の回復魔法で助けたいって思ってしまった。でもきっと、この街に降臨する神様でも完治しないなら、私では無理だろう。
 時々、マルガスさんにポーション持っていこう……今度からは適正価格で。それぐらいしか思いつかない。



 それにしても、ポーションてあんなに美味しくないと思わなかった……そりゃあ、マルガスさんが変なやつを見る目だったのも納得。

 「味が美味しいのは女神の調合のおかげなのかな?」

 今度からどうしよう……大量に持ち込めば争いにならないかな?
 ポーション職人になるなら話題になるのはいいことだけど、材料的にも場所的にもまだそんな大量に作れないし……コツコツ作りためていくしかないかな。


 黄金の羊亭に滞在して早ひと月半。
 現在Eランクです。なんかあっという間にランクが上がったけどなんでだろう。


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